http://www.iasj.info/event.html に行ってきた。
受付で住所氏名を登録すれば、誰でも入れて、無料。興味のある方は、11/4本日までなので、是非いっていただきたいと思い、急ぎblogを書き、未完成だが投稿した。
今後、解説や技術情報等を拡充していく予定。
以下、写真は受付階の風景。
2013オーディオショー受付風景 |
私は、自作オーディオにはかつて凝ったことがあるが、高級オーディオなど所有していないし、オーディオ評論でも全くの素人である。
一応聞いて試したので、素人として、感想をまとめておく。もちろん、マニアや評論家ではないので、ハチャメチャな意見だと思う。
高級オーディオは、お金のある人のブランド価値・所有欲のようなものだと思った。老若男女、身の丈にあった装置を求めていけばよいと思う。高級じゃなきゃダメだと思い込んで産業自体が縮小するのは、誰も望まないだろう。
お年寄りとかが、多かった。LPプレーヤ・真空管を賛美する評論家がいっていたが、モチベーションは所有欲なのだろう。
生の音)
音の良さや楽しさからいえば、コンサートにいって反響のある生の音、会場による反響の違い、楽器から生にやってくる振動感。会場の反応。を聞くほうが遙かに、お金を掛ける価値があると思う。それに所有しないで、一期一会で楽しんで、心に刻むほうが、人生として価値があるのでは。。
そもそも、コンサート会場のマイクの位置は、大体、不自然に高い位置に、不自然に離れておかれている。それでは、コンサートとは違う音場になってもしょうが無い。
ステージでのコンサートの音は、エフェクタからミキサー、PAとスピーカを通って流れているし、それをスタジオ録音するときは、別別にとってミキサーで調整し、良い部分を繋いで編集することもあるように思う。
歌の下手な歌手が音程をいじっているという噂もある。
ということで、そもそも、生の音という定義自体が怪しい。
コンサートにいって、「ああいいなぁ」とビデオやカメラに録音・録画してきて後から聞くと全然違うなと感じる。安いビデオカメラ・コンデジで撮るからいけないのだろうし、再生の環境も悪いからだが、コンサートの音場を再現するのは相当に大変である。
それよりも、自分にとって心地の良い音を作る。機材の扱いの良さや、機材の雰囲気(値段...) を含めて、良いシステムを目指すと考えた方が良いのではなかろうか。
また、音響の良い会場で、有名な演奏家がやったコンサートに行った後に「(特にハイファイでもないと思うが..) テレビの方が印象が強く分かりやすくて良い」と感想を漏らした方もおり、フォーカスの置き方は人それぞれだと思う。
会場風景)
まず7階に上がり上から下りてきた。以下視聴した順番に記載する。技術情報は追って収集して追加する。
LINN (リン)
AKUBARIK 定価252万円(ペア)とタグがあった.. の視聴、アンプ・音源は確認しなかったが、高級なものに違いない。
前のイスが空いていたので座ったら、スピーカが離れすぎているので、完全に中央の音が抜けている。この位置で聞いたらダメだろう。。と思ったが、そういう席に陣取って聞き入っている方々もいた。
Avantgarde (アバンギャルド)
Avantgarde G2 series: 多分、最高級のTrio Ω classiono 定価693万円(ペア)に、低音用のSub231G2 (1台73万円)を縦置きにしてご丁寧に左右2台。という、1千万円のスピーカー構成。 LINNに比べてまた一段と高い。
横で聞いていても定位の不自然さが気にならない。
ただし、このブースは曲毎に音量の調整をしていない。こんなにバカでかい音のピアノはないだろう。。と思うと、なにが忠実なオーディオなのか疑問に感じてしまう。
後ろでも前でも、一番定位の良い位置と思われるところと同じように聞ける。
が、どうも、ピアノとかジャズとかもともと生でも定位がはっきりしないものばかり掛けている。一度、バロックの室内楽を掛けたが、定位があやしい。とても、オーケストラ(オケ) は再生できないと思う。販売側は「承知の庄兵衛」なのかもしれない。
理由は、ホーン型のスピーカは大きいので、ユニットが左右にひろがっていて、音源が大きいためのように思う。それもあって、ホーン型を使っているメーカはここしかいなかった。効率は良いし、低音も良くなるだろうから、低音専用にするのはありえる。
ともあれ、でかくて重すぎるので置ける家は限られていて、所有欲的には相当に満足されると思う。そしてオケを聞かないのならよいかも。
Avantgardeの視聴 |
LINN再び)
AvantgardeからLINNに戻ると、オケを掛けていた。最初にみつけた定位の良い場所にすわると、こちらは、楽器の位置が感じられる。
ディジタルクロスオーバということで、ディジタルでスピーカに信号を入力し、Exact DSMというディジタル処理でスピーカ毎に音域を分割、独立のDACでアナログ変換して、アンプを通して別別にスピーカをならす。
従来のLC式のクロスオーバなど、位相回転やレスポンスに影響する、アナログパーツの除去に徹底的にこだわった作りなので、定位もよいのだろう。ただし、私は人間は音の位相は聞き分けられない(以下原理から)ので、位相よりも、スピーカの左右の配置位置、こだわったスピーカの配置と視聴位置がきいているように思う。つまり、安いスピーカでも、同じ効果はでるはず。
DYNAUAUDIO)
スピーカ: Excite X36 - 33万6千円 (1本)
アンプ: Moon Neo 250i - 22万5千円
DYNAAUDIO |
最後に、CDはガラスでマスタリングして、転写するので誤差が出る。その点、CD-Rで直接焼けば誤差のない音が楽しめる。と、意味不明なことをいっていた。
CDやCD-Rはピットの長さで1/0を表現したディジタルであり、読み取り誤差は転写で増えるとも思えない。読み出しのレーザの波長を考えると多分スタンピングの誤差はとれないと思う。それ以上に、CD-Rは、熱による相変化でピットを書き込んでいる。かなりの速度で回るものに熱を掛けるので、こちらもピットの精度は悪いと思う。読み出しに関しても、ピットのでこぼこがはっきりしたCDよりは、相変化による色変化を読み出すCD-Rの方が精度は低いし、だいたい、書き込みエラーもある。
ということで、この一言を聞いて、この評論家(小林 貢氏)の論評が、全く信用できなくなった。
Octave)
MRE130/II 140Wモノラルパワーアンプ 176万4千円 x 2本
真空管式の高級アンプを評論家(藤岡誠 - 有名なオーディオ評論家 http://bit.ly/17B9VDo)が紹介していた。会場は超満員。機器構成は以下。
Octave講演視聴での機器構成 |
Octave MRE220調整風景 |
ま、手間がかかるところがカワイイということはあろう。
が、次がいけない。ホテルカリフォルニアという高級オーディオにふさわしくない音楽(元々歪んでいる)を掛けていたが、この低音がいただけない。無理に強調していて、おまけに、耳障りに歪んでいるのが分かる。
真空管式アンプは極めてインピーダンスが高い(高電圧・小電流) ために、数オームというスピーカ(低電圧・大電流)を駆動するためには、インピーダンス変換が必要になり、どうしても出力トランスという、これまた特性がメチャメチャ悪いものが入る。そして、普通は負期間により、波形乱れを補正するのだが、このトランスがあるため、その後ろから信号を戻して負帰還して、トランスの特性を補正することができない。さらに、真空管は本質的に電子を制御するためにプッシュプル接続ができないので、擬似的なプッシュプルを作り、さらに、段間の接続はキャパシタを入れる。と、周波数特性的にはとても無理なっ事をやらないとならない。(そういう刷り込みがあるので、そう聞こえたのかもしれないが。。所詮、音楽なんてそういうものである。-- 別途書くが、フルートが、高級になると高い金属になるのも同じようなものかと、.. ただし、これは奏者の心理への影響がかなりありそう、そしてフルートは奏者の演奏技術の差、息の使い方、体の共鳴のさせ方の差が音に顕著にでる楽器である.. )
真空管が好きな方は、特性が4/3乗特性で、歪みが耳にここちよいとかいうが、エレキギターのエフェクターならともあれ、原音再生なら歪みはないほうがよいし、トランジスタによる直結で高い帰還のかかったアンプなら普通に作っても歪みはほとんどゼロである。
「所有欲があるから、ディジタルにして保管したPCオーディオはダメだし、本は紙の本しか読まない。」といっており、この方の主義がオーディオ観になっているように思えた。
ともあれ、ディジタルやトランジスタ式の最新技術のブースの間に、真空管・アナログと真っ向から対立する人のブースが挟まっているのが興味深かった。矛盾する主張を効きつつ、自分なりに判断するということで、ディベートの練習になるかも ww
PC audio
前のリアルオーディオのアナログ・真空管の人と真っ向から対立する主張を隣の部屋でやっていた。
ヘッドフォン用アンプ
周波数特性のあるインピーダンス変化を吸収。ただし、周辺ノイズをキャンセルするノイズキャンセルヘッドホンの方が本来の音楽が聴けるように思う。
私は、その先駆けであるBose社の QuieteConfort 15のrefabish (再生版) を、ギルロイのOutletモールで2011年ごろから愛用している。
特に飛行機内では
良い音。Bose はアクティブ方式であり電源を入れないと一切音がしない。ということは、入力 - ノイズキャンセル信号合成+アンプ - スピーカーユニット という構成になっており、アクティブ構成。周波数特性のあるユニットを駆動するのは、内部のアンプであり、ヘッドフォンの入力端子には周波数特性はないはず。ということは、この高級アンプはBose Q
オリコンをPCに取り込んだものを掛けていたが、そりゃいかんだろう。録音が悪い。
異邦人、ダンシングオールナイト、有楽町で会いましょう、懐かしいけれど、この演奏でこの録音なら、iPodで十分かと。
TAD
米国製のスタジオ機材発の会社。米国LAから技術者が来て講演。整理券が必要だとのことだったが、たまたま立ち見で入れた。
JBL
ごぞんじ知られた、高級スピーカの会社。アキュフェーズとか、何社かでブースを出していた。LPレコードと完全アナログの組み合わせのブースも結構あった。
言っていることが意味不明だったが。。
Olasonic TW-S5)
地階登録窓口の横に書店の販売コーナがあった。雑誌DigiFi の出版社コーナで写真のように、このスピーカの限定色バージョンが12,800円で販売されていた。最後の1台だとのこと。
下にDigiFiの付録なのに音が良いと話題になった、USB接続のアンプがあった。聞くとこれは、ハイレゾには対応せず、48kHz 16bitサンプルまでとのこと。このOlasonicのUSBスピーカのアンプは同じものかと聞くと、Olasnicの方がむしろ改善されているとのこと。ただし、48kHzまでの対応で、44.1KHzや32kHzにも対応するのみだとのこと。
高音質で小型、7色展開
USBパワードスピーカー: 10W + 10W とハイパワー
Olasonic TW-S5: http://www.olasonic.jp/usbspeaker/tws5.html それにしても売れそうにない色ばかりだが、どういうセンスなのだろう。
販売員に聞いたら、ビックカメラで売っているものと色違いがだけだと。同じ値段かと聞いたら、値段はビックカメラの方が安いとのことなので、会場前の有楽町のビックカメラにいったら、8800円だったので、即購入。
白がひとつあったのでこれを購入したのだが、家に帰りフタをあけてみると最低の変なピンク色。米国なら色確認をするが、ご丁寧に紐が十字にかかりフタが開けられなくなっていた。箱の色ステッカーが間違っているのだが、買えてもらうのも面倒臭いし。。
Boseなどに比べると低音弱めだが、バイオリンとか つややかで確かに良い音はする。
USBバスパワーにしては十分で、本物のピアノ以上の音量、部屋中響くくらいの十分な音量がでる。また、このときも机や体に響く、割と、しっかりした低音がでている。
定位も良い。ホテルカリフォルニアを演奏しても、耳障りな低音は出てこない。
といっても、今米国でつかっている、LogicoolのUSBスピーカでも不満はなかった。米国に持ち帰って聞き比べてみたい。
技術論)
CDのエンコーディング)
ノイズが乗るなら)
光でカップルすればよく、アースラインからのノイズの混入が気になるなら、光ファイバー(いわゆる光リンク)で、ディジタル部を専用DACから離して接続すればよい。
PCオーディオ)
余計なものを動かすと音が悪くなる。ディジタルなので、音の劣化があるとしたら、
- ノイズの回り込み
- データのアンダーラン(途中で足らなくなる)
するなら、PCオーディオは成立しない。また、アプリが沢山乗っていても、通常は休止状態なのでコンテクストスイッチしない限りほとんど動かない。そもそも昨今のCPUは8スレッド4コアで、クロックが2GHz越えなので、せいぜい192kHz 24bitのデータを供給するのにはまったく余裕があると思う。1コア1スレッドの時代とは違う。さらには、気になるなら、専用のDMACを搭載した、光伝送アダプタでメモリから直接転送を掛ける、windowsやなど使わずに、遅延制約を見たすリアルタイムOSにすべきである。Realtime Linux, Itronなどいろいろある。
人間の聴覚特性)
神経細胞は、シナプスでのパルスをうけて、ニューロンが電気化学的にそれを総合して動くので動作速度はせいぜい1kHz程度である。
http://cinet.jp/research/bfi.html では100Hzとある。
また、東京大学の研究では、http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130719/ 脳神経の信号伝搬速度は、0.2〜1.5m/s とかなり遅い。最高速の1.5m/sだとしても、1.5cmの伝達距離差があれば、1msの遅延差になる。その脳神経の間に脳細胞があり、シナプスという電気化学的な結合で繋がっているので、動作速度が1kHzを越えると考えるのは、かなり困難がある。
これは、大分前に医学的に確認されている。
それでも、なぜ20kHz近い音が認識できるかといえば、耳の蝸牛にある小さな部屋で音の持つ角周波数成分を共鳴させ、それぞれの共鳴の強さを神経で認識しているからである。これも医学的に証明されている。
ハイレゾオーディオ)
トラ技にハイレゾオーディオ(24bit 192kHzとか、それ以上) の技術解説がでていた。
当然人間は192kHzとかは聞き分けられない。
これによると、ハイレゾオーディオの意味はノイズフロア(雑音)を下げるところにあるようである。別途書くことにする。
ただし、そのノイズレベルは、ジェット機のエンジンの真下で、時計のチクタクが気になるというレベルの話のようである。そこまで耳の良い人なら、特に都会では部屋を相当完璧な防音室にするほうが重要に思える。
音の方向検出)
また音の方向検出についても、左右の耳での周波数特性の差を検出する http://q.hatena.ne.jp/1118729365 という学説のようである。
http://www.matue.co.jp/HA_Web_Sight/HA_OTO_Onkyo.html に絵入りで簡単な解説がある(以下に図を引用する)
それにより上下方向も検出できる。一方、伝搬特性が全くかわる水中では音の方向が分からなくなる。(以前、ダイビングをしていた。その感覚は体感している)
もしも位相差を検出しているとすると、顔の横幅を15cmとして、60度方向から左右の耳に来る音の行程差は15 sin (90度-60度)=7.5cm 音速は340m/s=34,000cm/sなので、到達時間差は0.2ms つまり 5 kHz の一波長分の時間差である。この信号は、脳細胞の動作速度が高々1kHzの脳では処理できないはずである。
つまり、波形の位相差が検出できる人がいたら、通常の脳細胞とは違う原理での動作が必要になる。宇宙人かもしれない。。。
ところが周波数には極めて敏感)
周波数毎の音の強さを検出する(フーリエ変換して認識する) 耳の構造からしても、人間の耳は周波数には極めて敏感である。上記のように反射波とか周波数特性の変化で音の方向を認識できる精度があるのだと思う。
また、音楽家などは半音(100セント)の何分の1以下のズレも絶対音感として認識するし、一般の方でも、和音がうなっていれば、「汚い」と感じる。微妙な楽器の音色の違いを感じるのも周波数に対する敏感さだと思う。
したがって、この周波数特性に影響する要素、つまり部屋の反響とかに配慮しなければ、高級オーディオを活かすことはできないと思う。
周波数スペクトル)
老化すると普通の人は20kHzが聞き取れなくなる。上記の聴覚を仕組みから考えると、一つのサインウェーブで聞き取れなければ、そもそも聴覚神経系が反応しないので、それ以上の周波数を持っていてもムダ。
ところが、波形をみると44.1kHzのCDのサンプリング周波数では、20kHzの正弦波はガタガタにみえる。なので、忠実な再現のために周波数とビット数を上げようということになる。これは、高級オーディオ業界ぐるみのマニアのための自己満足のようなものかと思う。
ただし、ナイキストの定理(標本化定理) wiki: http://bit.ly/16ypKri によって、折り返し雑音がでるので、サンプリング周波数以上は、捨てないとならない。が、これも、データ作成側(音楽スタジオ)でやればよいと思う。
そうでないものに対応するために、CRフィルタをいれる(LCは位相が回るし、共鳴点がでるし、高価なので..)というのなら、CRフィルタはカットオフ特性がゆるい ( -3dB http://bit.ly/1iFN8p6 )なので、数倍のオーバサンプリングDACが必要になるかもしれない。
聴覚特性圧縮)
一方で、過剰なオーバーサンプリングをやって、ビット数を増やすのは、単純なサイン波を波形で観察すれば違いがわかるからである。
ところが、人間の聴覚特性を利用したAAC等圧縮率が高い昨今のオーディオ圧縮は、サンプリング周波数を上げる・ビット数を増やすとかいうレベルではなく、もっとトンデモナイことをやっている。つまり、聞こえない音のスペクトルを捨てる、ないしは、サンプリング精度を落とすということであり、波形でみたら全く違う。それが良い音というのは、波形が複雑で簡単には理解できないからだと思う。
また、映画館の5.1chステレオにあるように、人間は低音に関して定位が取れない(音の方向がわからない)ので、低音用のスピーカはステレオにする必要もない。
聴覚特性を利用した圧縮とは
- マスキング - 大きな音の影に入った音は聞こえない
- 感度の低い周波数のサンプリング精度を下げる