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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2013年12月24日火曜日

Evasi0n7によりiOS7.x の完全脱獄に成功

本日Tech Church http://tcrn.ch/1cNZloJ やCNET http://cnet.co/1cO0RqH に掲載されたEvasi0n for iOS7 による、iOS7の完全(untethered) 脱獄は本物だった。早速試したので報告する。

完全脱獄) 母艦無しでreboot/電源off/on可能な脱獄

必要要件)
母艦)
- MacOSX 10.5/10.6/10.7/10.8
- Windows (XP minimum)

脱獄対象のiOS)
- iOS 7.0, 7.0.1, 7.0.2, 7.0.3, 7.0.4, 7.1beta1, 7.1beta2

以下からダウンロードできる)
http://evasi0n.com/

やり方と注意事項)
1. 上記のiOSにupdate (入獄する) -- 以下1で解説
2. iTunesでのbackup passwordをoffにすること。デバイスのlock passwordをoffにすること。そしてバックアップ
3. EvasiOnを起動して、Jailbreakボタンを押す。この間iOSとiTunes関係のプログラムを動かさないこと。-- 以下2で解説

iTunesからiPhone4とiPad2をiOS7.0.4にアップデートして、脱獄に成功した。
また、iPhone4で電源を切り、単体で再起動し、再起動後Cydiaが動く。すなわち、untetheredであることも確認した。

1.  iOS7.0.4のインストール)
途中でずっこけた)
http://support.apple.com/kb/TS4451  にあるやり方で上手くいった。
  1. OSのサイズは1.1GBとあるが、iPhoneの「設定」を開くと空きスペースが3.8GB必要とある。アプリを減らして4.2GBほど空けた。
  2. Tiny Umbrellaを動かしていたのでhostの設定がおかしかった。止めて再度実行
  3. インストールが途中でこけて、iPhoneはRecovery modeになった。Macを再起動して、再度繋いでupdateして成功
    (iPad2でも、インストールが途中でこけて、iPad2はリカバリーモードになった。そのまま、iTunesのupdateボタンを押したらupdteに成功した。脱獄しているiPhone/iPadの場合には、一発で素直にiOS7がインストールできないのかも知れない。。)
iTunesにCongraturations! Your iPhone is unlockedのメッセージがでた。SIM unlockされたのであろう。だが、screen shotを撮ろうとキーを押したら消えてしまった。
(契約縛りの2年の切れたAT&T iPhone4 (これまで、iOS5.1.1だったもの) のSIM(AT&T用語ではDevice)のunlockができた。

2. evasi0nによる脱獄)
前述のように以下に注意
  1. iTunesを起動しないこと
  2. Backupにパスワードをつけている場合は解除すること
  3. 端末のパスワードも解除すること
手順は以下の通り、後ほど写真入りで解説する。
  1. Evasi0nを起動。Macの場合には、信頼できないアプリとでるので、右クリックから開くメニューをコントロールキーを押しつつクリック。そして、信頼できなくても自己責任で起動を押す。
  2. Jailbreakボタンを押す。
  3. Evasi0nアプリが端末にインストールされるので、それをクリック。
  4. 自動的に端末が再起動。端末をアンロックすると進むようだが私はここでスタック
  5. Mac上のEvasi0nのJailbreakボタンを押してみてもダメ
  6. 端末上にインストールされたEvasionアプリをもう一度起動したら、先に進んで、脱獄完了となった。(以下写真)


ただし、Aptbackupが、ライブラリaptの非互換によって動かないので、脱獄アプリが再インストールできない。 orz.....


いま、iPad2もiOS7.0.4にあげて脱獄完了。こちらでは、aptのライブラリもインストールでき、aptbackupも動いた。が、10個近くは入れてあった脱獄アプリは全く復活せず。互換性問題があるのだろうか。。



上記のUnofficial Folderの拡大



蛇足) なぜiOS7.1がまだbetaなのに、脱獄をリリースするのか不明。普通は、脆弱制をAppleに塞がれる恐れがあるので、メジャーリリースのあとになるはずです。。(TinyUmbrellaでSHSHを保存してあれば、保存してある古い版に戻せるので大丈夫ですが。。)
以上

2013年12月19日木曜日

Sony α7の魅力と課題

Sonyのα7。35mmフルサイズセンサー(2430万画素-ローパス有り) なのに本体416g(バッテリーをいれると474g) と軽量。Eマウント採用で、小型軽量の新FEレンズも開発された。キットレンズ(FE28〜70mm F3.5〜5.6)付きのα7が実売最安15万円。
α7Rの重量はバッテリー込みで約465gとさらに若干軽い。
ミラーレスだが235万ドットのELの高解像度の電子ファインダーを標準装備しており、WiFi内蔵である。ただしバックモニタは92万画素のTFT。

電子ファインダの場合、拡大も効くので235万ドットもあれば実用上問題はと思う。
また、光学ファインダではどうしても合わせられない、ISO増感の効果とか、ホワイトバランスも確認できる。ミラーとペンタプリズムがなくなり軽量・小型化するので、私はこれからは電子ファインダの時代だと思っている。雑誌CAPAにも「フルサイズはこれからはミラーレスに行くべきという意見があり」以下の投稿の最後で触れた。

2013年12月8日日曜日: フルサイズデジカメと画素数について


価格comマガジン)
http://magazine.kakaku.com/mag/camera/id=1463/p=p1/ に詳しいreviewがでている。

ここから本体写真を引用する。


また、http://bit.ly/17bhQkV  がSonyサイトの製品紹介である。

このカメラは、そもそもAPS-C用のEマウントに、マウントの一部を切り欠いて無理矢理フルサイズセンサーを詰め込んでいる。(以下 上記kakaku.comマガジンの写真を引用)



α7とα7Rの違い)
ボディ価格:
α7     最安128,000円、  α7R  最安183,400円
さらにα7には、、FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSレンズキット付きの設定があり、最安146,600円
(2013/12/20 現在 : http://kakaku.com/search_results/%83%BF7/?search.x=-1072&search.y=-88 値段は少しずつ下がっている。 )

つまりα7Rは、
  1. 3,640万画素、ローパスフィルタ無し。画素ピッチが7R の4.9umに対して6umになる。
    - マイクロレンズがギャップレスなので、広角レンズでセンサーへの入射角が斜めの時に強いとの口コミ(後述)
    - 小絞りボケが出はじめるのが、レンズに各種収差がないと仮定した時にはf/18くらいとなる。7Rだとf/14くらい。と、明るいところでの撮影に若干強いと計算した人もいるらしい。レンズ収差のない前提だが。
  2. ボディのみで6万円高い。重量は、465gと若干軽い
  3. フレームやつまみの作りが高級
  4. 逆に、像面位相差AFがなくなり、コントラストAFのみ
  5. 撮影速度が4コマ/秒(α7は5コマ/秒)におちる
  6. 電子先幕シャッターも無くなる
と、軽快に使うならα7の方が実用的に思う。

35mmレンズの画角なら、α7で十分かと思う。α7Rのローパスフィルタ・レスも3,640万画素も不要で、それよりはα7の撮影間隔と像面位相差と電子先幕シャッターのほうが価値があるように思う。ソニーのコントラストAFは、伝統的に他社より性能悪い。

α7でも、ちょっと残念)
上記のようにα7のα7Rに対しての魅力は4点。
  1. 値段の安さ
  2. 像面位相差AFによるフォーカスの速さと正確性
  3. 電子先幕シャッターによる静音性(シャッターレスポンス改善もあろうが。。ローリングシャッター歪みとかケラレが逆に気になる)
  4. 連写速度の速さ
だが、冒頭引用のkakaku.comマガジンのレビューのPart2にある操作フィーリングを読むと、

2) は、α7Rでもそこそこ速いと書かれているのはよいとして、像面位相差をつかっても、フォーカスが合わないことがあるのでは困る。
3) 電子先幕にしても音がうるさい
4) 連写速度の差はわずか

(特にα7Rで) レリーズタイムラグが長いのも気になった。撮影に大きな影響を及ぼすほどではないのだが、レリーズ後の画面消失時間の長さが気になる方もいることだろう。

とある、それではα7が生きない。

また、α7でもα7Rでもマウントの剛性が足らなくて、たわむという報告(以下)もある。 http://zapanet.info/blog/item/2716 ただし、この著者はSonyに問い合わせたらしく、「通常の使用では問題はない。」と回答があったらしい。
ちなみにOlympus E-PL3で同じ事をやってみたが、全くたわむことはなかった。

また、http://zapanet.info/blog/item/2699 では、フルサイズカメラ「α7」、APS-Cカメラ「NEX-5R」、1インチカメラ「RX100」の3種類の、サイズ比較と画像比較をしている。α7は、ダイナミックレンジが非常に広く、ノイズも少なく、色再現性も良い。が、画質は3つの中でα7が一番悪いとある。どうも、レンズキットのレンズが悪いためしっかりと結像していないとのこと。これは本稿の後半にも書く。

Sonyという会社)..... ちょっと脱線 ....
α7は、小型のうえ値段が安いフルサイズなので興味あったのだが、やっぱりAFが弱いとか、レンズが少く、MTF曲線をみてもあまりよさそうでなく、多少良さげなレンズは高いとか、若干問題がありそう。

評価が出そろうのを待ちたいが、ミノルタを買収したのに、やはり、キャノンやニコン等のカメラメーカに比べると、カメラという製品系列に対するコンセプトというか情熱が弱いように思う。

レンズカメラを作ったり、カメラ毎に方式やレンズがいろいろ違ったりと、遊び心で作っているのかもしれない。それがSonyらしさなのかもしれないのだが。。

Sonyを選ぶなら、そういう意識をもった方がよいのかもしれない。

画質の差)
冒頭のkakaku.comマガジンの記事にある「感度別撮影例」http://magazine.kakaku.com/mag/camera/id=1463/p=p4/ から、ピクセル等倍の画像がダウンロードでき、相当な拡大画像で比較してみたが、α7とα7Rの画質の差はほとんど分からない。記事に掲載された拡大画像を以下に引用する。

ISO 12800時の拡大比較:
α7R
α7

α7Rは画素数は増えてもISOをあげたときのノイズが気にならない(ギャップレスマイクロレンズにより集光効率が上がっているおかげか...) のでα7Rが良いともいえるし、そもそも画素数の差自体にほとんど有意差がないのでα7で十分ともいえ、とらえ方次第かもしれない。

デジカメの画素数は以下でも写真入りで比較した。

2013年12月8日日曜日: フルサイズデジカメと画素数について


おそらくフルサイズセンサー型一眼のボディとしては極限まで小さい)
ビデオカメラVG900で先行利用されていたEマウントはフランジバックも短く、口径もフルサイズぎりぎりなので、これ以上小さくはならない。
ただし、7Rの場合は、ボディが軽いため、このレベルのセンサーに耐えられるレンズを持ってきたら、フロントヘビーで使いにくいという意見も聞く。α7でカジュアルに軽いレンズを使うことも考えられる。
このボディのコンセプトと様々な要素のバランスを考える必要があろう。

α7Rのギャップレスマイクロレンズ)
歪曲収差の少ないビオゴン型の広角レンズ(古いレンズ)をマウントアダプタで取り付けられる初めてのデジタル・カメラなので、注目が集まっている模様。このビオゴン型のかなり広角側のレンズを取り付けたときに、センサ周辺での入射光の角度が浅くなり受光が厳しくなるので、ギャップレスマイクロレンズを搭載したα7Rが優れているとのことらしい。

ビオゴン型レンズ: wiki: http://bit.ly/JPwSYT  - バックフォーカスが短いので、ミラー付きの光学ファインダ型の一眼レフでは使えない。もちろん、歪曲収差を気にしないなら、通常の一眼レフで使われているディスタゴン型の広角を使っておけという事になる。

たしかに、http://bit.ly/1bPLIdq をみると、有効約3,640万画素35mmフルサイズ「Exmor(エクスモア)」CMOSセンサーのほうにだけギャップレス・マイクロレンズの説明がある。

では、Rがないα7と、どれだけ違うのか??? 私にはよく分からない。理由は以下。
SonyのHomepageでも、雑誌CAPAにも、効果については、うたっていない。超広角レンズを使うという前提がないので効果を思いついていないのか.... ともあれSonyの説明を普通に読むと、画素数が増えたのでマイクロレンズの間のギャップを無くして集光効率を上げたということになる。ローパスフィルタ・レスを大々的に取り上げているのに、取りこぼしたというのも解せない.....

ただし、kakaku.comの口コミ
http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000586359/SortID=16734293/#tab
ではα7Rを絶賛している人がいる。引用すると。
昨日、銀座ソニーにコンタックスGマウントのビオゴン21mm、28mmとプラナー45mm、ゾナー90mmを持っていき装着してみました。
コンタックスGマウントは、マウントアダプターでオリンパスEP2とNEX7で使用しておりますが、ビオゴン28mmでも若干周辺が像に乱れが出るし、ビオゴン21mmに至ってはかなり苦しい状況でした。 
ということでビオゴン21までは期待していなかったのですが、α7Rをレンズ抜きで予約してしまった事もあり Gレンズ使えるのかナーー が気になり確認に行ったという次第であります。 
結果は、おどろくことにビオゴン21mmも含めα7Rではかなりグッドでした。
α7ではビオゴン21はやはり周辺がかなり乱れだめでしたね。
あと、Gアダプターは香港のMXCAMERAから個人輸入した最初機ロットのAF電子アダプターとMetabonesを持っていきましたが、両方とも問題なく使えました。
特にAF電子アダプターが問題なく動いたので興奮してしまいました。
詳細は、価格の別スレに記載しておりますので、ご興味の方はこちらをご参照ください。
http://bbs.kakaku.com/bbs/10102510055/SortID=16463755/#16733043
一方、 http://camerafan.jp/cc.php?i=217 の記事は、コンタックス G Biogon T* 21mm F2.8 とα7の方の組み合わせで満足している。「周辺部にマゼンタの色かぶりが発生しやすい。フルサイズ機のα7でGビオゴンを使う際、その色かぶりの程度が最大の関心事となるはずだ。」「周辺部の流れが発生しやすい」といっており、これがギャップレスレンズで改善するとも思えない。

ともあれ、超広角レンズはそもそも周辺が歪んで、周辺減光も激しい(http://bit.ly/1bPNc7w のように、口径食は絞りを絞ればおさまるが..) はずなので、そもそも像の乱れを気にして、動体がないのなら、何枚か撮影してパノラマ合成という手法もありそうに思う。
マニアは、自己満足の占めるところが多いので、本人が満足することが大事なのだと思う。

なぜレンズシフト型 手ぶれ補正なのか)
http://allabout.co.jp/gm/gc/7564/ にレンズシフトとセンサーシフトの2つの光学手ぶれ補正の長短がかかれている。

ミノルタの遺伝子を受け継ぐSonyの最上位機のα99は、トランスルーセントミラーを使った位相差AFの構造である。α7と同じく電子ファインダーを採用しているが、センサーシフト型の手ぶれ補正になっている。

α7のような電子ファインダでは、レンズシフト型のメリットである、光学ファインダ内でも手ぶれシフトの効果が得られるというメリットは必要ない。ミラーレスなのでバックフォーカスが短く、アダプタをつけていろいろなレンズが使えることを考えれば、レンズを選ばずに手ぶれ補正を効かすことができる、センサーシフトにこだわるべきだったように思う。

(カメラに超詳しい知人からコメントをもらった)  α7は、APS-C用のEマウントに無理矢理フルサイズセンサーを組み込んだので、フルサイズ用のレンズのつくるイメージサークル  ( 2013年12月8日日曜日: フルサイズデジカメと画素数について 参照)
に余裕がない。したがって、センサーシフトでは手ぶれ補正ができないと思う。さらに、将来センサーサイズを大きくして、電子式の手ぶれ補正(ブレンビーとか。。) を入れることもできないだろう。とのこと。

では、クロップ(多少の電子ズーム)して画角を小さくしたら? つまり50mmレンズで画角は55mm分とか。。と聞いたところ、フルサイズセンサーのカメラを買うユーザはそれは許容しないのでは、とのことであった。
(私見、いまやほとんどのユーザはズームレンズを使っているし、コダワリがあって固定焦点レンズを使う人は、どうせ画角調整のために被写体に近付いたり離れたりし、最後は撮影画像をトリミングするのだとは思う。電子ズームを入れても十分なくらい画素数もある。[ 
2013年12月8日日曜日: フルサイズデジカメと画素数について 参照] 単なるコダワリかもしれない。)

とすると、他の手段としてセンサーシフト型の手ぶれ補正を組み込む方法としては、マウントサイズギリギリなことにより、センサーシフトでイメージサークルから外れたとき分は、そこが映った別画像(手ぶれというくらいなので、振動しており、像が外れるときもあれば、入ってくるときもあるはず)を撮影しておいて合成で誤魔化す方法もありそうである。どうせ角の部分なので、いい加減な映像で構わないのであれば。。

Sony α99 (以下写真) も正面からみるとトランスルーセントミラーがマウントサイズぎりぎりにみえるが、従来の光学ファインダ一眼と同じバックフォーカス距離があるので、マウントの内側でイメージサークルが十分広がる余裕があり、センサーシフト型の手ぶれ補正が実現しているのだと思う。



オリンパスOM-Dとの比較)
この点、同じくバックフォーカスの短いミラーレスだが、センサーシフト型5軸手ぶれ補正のOM-D http://olympus-imaging.jp/product/dslr/em5/index.html (カメラ部有効画素数1,605万画素、総画素数 約1,720万画素)は良い。こちらの電子ファインダは1.4M画素。背面モニターは61万画素。
上記リンクからボディ写真を引用すると、マウントに比べてセンサーが十分小さく、これが5軸手ぶれ補正を可能にしているのだろう。



なにぶん撮像素子がMicro Four Thirdsなので、フルサイズの1/4 の面積しかなく、感度やボケの再現の課題、画素数が少ないことによる解像度低下もあるかもしれないが、OM-D E-M1の撮影速度はα7の倍である10コマ/秒である。やはりセンサーが小さく画素数が少ないほど、動体撮影に向くと思う。

最近発表された OM-Dの最高機種OM-D E-M1 http://bit.ly/17bkQxD は、12-40mm F2.8 レンズキット(画角は、α7のレンズキットとほぼ同じ) で、実売最安が20万円 kakaku.com: http://bit.ly/17blag1 。

なにしろ、フルサイズ換算焦点距離の倍の拡大になるので、小さなレンズで大望遠が効く。(35mmセンサーは画素サイズを大きくして感度を上げているので、35mmセンサーで撮影したものをトリミングで拡大したのでは解像度が下がる。また、周辺の像も大きなセンサーだとどうしても甘くなる) 
大望遠で動体を捕らえるのでAFも速く正確にしようとし、手ぶれ補正も強化しているように思う。商品コンセプトが明確である。

被写体を考えて、カメラを選ぶ必要があるのかもしれない。

マニュアルフォーカスができない)
ただ、ソニーのレンズは、フォーカスリングによる完全なマニュアルフォーカスの設定ができないらしく、置きピンがやりにくいと思う。この点、やっぱりCanonとかNikonのレンズは完全マニュアルフォーカスが選べる。

これと対策法「バーティノフ・マスク」について、以下の最後に解説した。

2013年12月16日月曜日: ディジタルカメラの画素数再び


ローパスフィルタレスと解像度)

2013年12月8日日曜日: フルサイズデジカメと画素数について


に比較を書いたので、参照ねがいたい。私は、カメラメーカが値段をつり上げるための手段程度に考えている。

現状でのα7, α7R用主力レンズの比較)
α7, α7Rで使える35mmフルサイズ用の標準ズームレンズとしては。以下の2つがある。
MTF曲線の解析比較はまだ不十分なので、今後追記していきたい。



SEL2870) (FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS): レンズキットに付属するレンズ
以下リンクからいけるソニーオンラインストアにて  49,800円、重さ295g


非球面レンズ3枚、EDレンズ1枚による諸収差を抑えた高い描写力 とのこと。

が、http://zapanet.info/blog/item/2697 にあるレビューでは、以下のように酷評されている。
広角端で絞ってパンフォーカス撮影する用途には全く向いていないレンズであることがわかりました。レンズ説明に「レンズの球面収差や歪曲収差を良好に補正。ズーム全域で絞り開放時から、にじみの少ないコントラストの高い画質で撮影できます」と書かれていて、確かに絞り解放時から球面収差が少なく、にじみの少ないコントラストの高い画質で撮影できます。ただ、画像の均一性が著しく低く、ボケ方も汚いせいで、絞っても美しい写りになりません。 
このレンズを一言で言い表すなら…「クソレンズ」ですかね。中央だけシャープで周辺ダメダメなレンズは嫌いです。ボケのつながりも悪く、きれいに撮れません。シャープさはそこそこでも良いので、もっと周辺まで安定した写りを見せてくれるレンズの方が好きです。特に広角域を含むレンズの場合は。「ソニーのレンズってこんなものなんだ…」と思わせてくれるには十分な性能でした。
割と軽いが、上記のコメントを裏付けるようにMTF曲線は、絞り開放時に画面中心から離れると解像度が急激に下がる。また、同じ絞りでのRとTの形にずれがあるのは、ボケが綺麗に出ない可能性を示している。

MTI線図の見方は、以下の投稿にも記載:

2013年1月7日月曜日:ミラーレスとコンデジの比較: Olympus E-PL3とCasio Exilim EX-ZR20


上記に掲載したが、Olympus E-PL3用に買った Panasonic 20mm,  f/1.7 の固定焦点レンズのMTF曲線は、(固定焦点ということもあるが、) RとT(以下では、順にSとMに対応) がほぼ揃っていて、周辺部までなだらかであり、解像度が違うだろうというのは、そこからでもわかる。RとTがそろっていないとボケが汚くなるようである。比較のために、PanasonicのこのレンズのMTF線図を引用しておく。

Panasonic 20mm, F 1/1.7 単焦点マイクロ・フォーサーズ レンズの諸元



一方、Sonyのこのレンズは、RとTが全然揃っていないし、空間周波数(解像度)が高い曲線が、特に広角側でかなり暴れている。


SEL2470Z) (Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS) :
ソニーオンラインストアにて 119,800円、重さ426g

カールツァイスの「T*(ティースター)コーティング」をはじめ、非球面レンズ5枚、EDガラス1枚を用いた高い描写性能、ズーム全域で開放F値が変わらないので、意図した絞りで撮影できるとある。

http://www.sony.jp/ichigan/products/SEL2470Z/feature_1.html より

 MTF曲線図: 

レンズキットに付属のSEL2870よりは、MTF曲線の暴れが小さい。が、同じ色で点線と実線になっているRとTが、かなり違うカーブを描いている。絞り込んでも改善しない。これは、ボケが綺麗にでないことを示す模様。(MTF曲線が絞り毎で別れているし、解像度の本数が違うので、比較しにくい...)

広角側で画面中心から離れても解像度が高く、望遠側も絞り混むと特にMTF曲線が平坦になって画面中心から離れても解像度が高いように思う。
さすがに開放F値が変動しないことを誇っているだけあって、MTFを見る限り絞り開放時の解像度は、SEL2870よりも高そうである。

レンズ構成図:



SEL2870より、重さ130g増加の価値があるかもしれないが、値段は結構高い。特にレンズキットだと キットで最安 147,000円前後、ボディだけでは最安128,000円
(2013/12/18現在 : http://kakaku.com/camera/digital-slr-camera/itemlist.aspx?pdf_ma=76 )。

つまりSEL2870は2万円で手に入るので、このレンズの 119,800円(sony online, kakaku.comにはまだデータなし)という価格はかなり割高感がある。

また、以下にも対応レンズの一覧がある。
http://photographylife.com/new-sony-e-mount-lenses-announced

2013年12月16日月曜日

ディジタルカメラの画素数再び

2013年12月8日日曜日: フルサイズデジカメと画素数について


というblogを書いた。その後、随分長い間プロに写真を習っている写真マニアの方と情報交換した。その情報をいれつつ、同じく雑誌CAPA 2013/11月号 http://amzn.to/1daLsm0 (以下写真) の記事を分析しつつ、ディジカメの画素数などについて掘り下げてみることにする。


良い写真とは?)
以下の様なものが普通に思いつく。
  1. 良いシャッターチャンス、被写体
  2. 良い構図
  3. 適性な露出、光線
  4. 適性なシャッター速度、必要によっては流し撮り
  5. 正確なピント、ブレがない。
  6. 狙ったものが表現されている(ボケ具合)

が、プロの教室に通うと、構図が決まっているとか、ピントやブレがないかどうかよりも、「空気感」とかを気にするようである。ま、プロになると普通じゃつまらないと言うことかも。。
ともあれ、私はプロに習ったわけでもないので、以下では、わりとセオリーに近い点について、上記CAPAにあった記事から抜粋してみたい。
というか、末尾の「愛用のカメラ」にも書いた通り、芸術性なんて全然考えてはいないので、語る資格などないと言われてしまいそうである。。

まず、CAPAの投稿写真での優秀写真をみると、シャッターチャンスや構図、光の加減などが評価されているものが多く、夜景部門や動きの激しいスポーツ部門など一部の部門を除けば、決して高級カメラで撮影した写真が良い評価を得ているわけではない。

フォーカスとブレ)
まず画素数が多いカメラを活かすのなら、フォーカス(ピント)をしっかりあわせ、ブレを防止しないと、カメラの性能が生きない。(CAPA誌 2013/11月号 p.40から)

以下、スキャンが適当で、写真の水平が取れていないのはご容赦ください。。


まず絞り開放にして被写界深度を浅くして狙った対象にフォーカスを合わせてから、絞り込むのもよく使われるテクニックのようである。









そして、シャープネスで誤魔化せば以下の様に写真は不自然になる。(CAPA誌 2013/11月号 p.41から)



レンズ)
次に画層数の高いセンサーをつかうのならレンズにもこだわる必用がでてくる。(CAPA誌 2013/11月号 p.42から)



4種類のレンズを用いて上記の画角で撮影した写真について、2箇所の赤い四角部分を拡大したのが以下である。

2013年12月8日日曜日: フルサイズデジカメと画素数について


での2000万画素と3000万画素の差や、ローパスフィルタの有り無しよりは大きな違いが出ているように思う。
冒頭で書いたように、プロの写真家たちはこういった細かな差よりも、「空気感」とかを大事にするようなので、気にする必要があるのかは不明だが。。



上記の撮り比べで良い結果がでている、AF-S 24~70ミリ F2.8G(撮り比べの右上の角) は以下のレンズである。


暗所での性能)
CanonのEOSシリーズ最高峰のフルサイズ機EOS-1DXとAPS-Cの最新機種EOS 70Dの暗所での撮り比べが以下である。

  1. EOS-1DXは、常用ISO 51,200(感度拡張で204,800) - 有効画素数1,810万画素
  2. EOS 70Dは、 常用ISO 12,800 (感度拡張で 25,600) - 有効画素数2,020万画素

とのことで、やはりEOS-1DXが暗所に強いのがわかる。EOS-1DXは、連続撮影速度12コマ/秒と高速撮影に強いので、スポーツカメラマンも愛用しているが、フルサイズセンサーで1,810万画素というのは画素数としては控えめである。(良いとこ取りはできないということか。。)

以下に写真例を示す。(CAPA誌 2013/11月号 p.48から) しかしよくよく見るとフェアな比較ではない。



つまり、ISO感度こそ両方8000で同じにしているものの、レンズとシャッター速度はEOS-70Dに不利になっている。そもそもEOS 70Dの画角は、ズームレンズでかつ、かなり広角側であり画像が甘くなっているはずである。EOS-1DXでは、明るく像のシャープな固定焦点レンズを使い、露出時間も長くなっている。条件が違えば、像の荒れも違ってくる。
いずれにしろ拡大しなければ気づかない程度の像の荒れなら、どうでもよいのではなかろうか。。
  • レンズ - EOS-1DX :  14ミリ固定焦点、F2.8,     EOS-70D :  10~22ミリ F3.5~4.5
  • シャッター速度: EOS-1DX : 1/5秒,   EOS-70D : 1/8秒

夜景)
2230万画素フルセンサ−のCanon EOS-5D Mark IIIでの星空である。(CAPA誌 2013/11月号 p.48から) 14ミリレンズを組み合わせて、15秒の長時間露出をすれば、ISO8000の感度で肉眼で見えている以上の星が撮影できるとのことである。これ以上露出時間を延ばすと、星が動きのため、点には映らないようである。

ただ、こういう撮影をするには、マニュアルフォーカスでピントが置ける必要があり、完全マニュアルのフォーカスリングのある機種でないと苦しいように思う。最近のミラーレスデジカメのレンズは、フォーカスが電気駆動のみのものも多く、距離指定でフォーカスを置くことができなければ、こういう撮影はできないように思う。


上記評価で使ったカメラ)
(CAPA誌 2013/11月号 p.52から) 


夜景撮影のテクニック)
そのマニアの方は、EOS 5D Mark-IIIを愛用されているが、オーロラとか夜景をとる場合には、昼間のうちに撮影現場に行き、レンズをマニュアルにして、木とか山とかにフォーカスを合わせて、テープをはってフォーカスリングの位置を記録しておくそうである。

フォーカスリングのメモリ自体ズレがあるのでそうするのだろう。昨今のミラーレスカメラのフォーカスは、そうやって絶対距離で指定することができないので、そもそも、夜景撮影には向かない。

「バーティノフ・マスク」BAHTINOV MASKという手法)もともと天体観測用のフォーカス合わせの手法として、パーティノフマスクというものがある。(Facebookに、この記事の初稿をあげたら、写真にやたら詳しい先輩が解説してくださった。その方に感謝するとともに、SNSとBlogの併用は有用であると再認識した次第!)

これを暗所でのカメラのフォーカス用に使う提案が、
http://blogs.yahoo.co.jp/mn3192b/31697821.html にでている。ここから一部写真を引用する。


これは、そもそも天体観測用の手法で、レンズ前にスリットをおいて、強制的に位相差AFと同じ効果を出す手法だと思われる。

バーティノフ・マスクは、勿論ピント調節時だけに使うのであり、撮影時には外す。

位相差AF(Auto Focus) は、光学ファインダー(つまりミラーあり)一眼カメラで使われる技術であり、合焦点が速く、正確なのが特徴である。位相差AFの仕組みは、http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1009/14/news026.html に簡単な解説がある。

天体観測向けのバーティノフ・マスク
http://www.kkohki.com/products/bahtinovmask.html
 のblog から、焦点の合い方の写真を引用すると、以下のようになる。


ただし、そもそも15秒とかの長時間露光を必要とするような状況や、ちかくに引き込まれるような光源がある場合には目的のものにピントを合わせるのは大変である。カメラの局所拡大機能を活用する必要がある。

やはり、フォーカスリングで絶対指定できるレンズを使って、昼間フォーカスをあわせておくのが良いかもしれない。

ただし、温度変化でもピントは、ずれる(空気やレンズが膨張し、屈折が変わる)し、望遠鏡等は方角を変えるだけで精度がずれる(筒が動く)事が有るらしく、正確なピントのためには、度々ピント合わせなおしが必要ともいわれているらしい。

カメラメーカへの提案)
フォーカスが電動のみのレンズであっても、フォーカス位置を何点か記憶するマニュアルフォーカス機能があればよいわけで、レンズ内に位置フィードバック用のセンサーを入れることで作れると思う。

そういう必要性を感じる人は、マニュアルフォーカスリングつきのレンズと、それが使えるカメラ(Canon/Nikon等のミラー有りの一眼のレンズはそうなっている)を買うので需要がないのだろう。

また、前節に書いたように、温度や姿勢によるピントのズレも考慮すると、毎度合わせるのがよいのかもしれない。

動体撮影のテクニック)
光学ファインダーは動体撮影には向くが、それでも望遠で、かつ飛行機やレースカーなど高速に動くものを上手に流し撮りをしようとしたら、ファインダーだけを覗いていても被写体を捕らえるのは難しい。

そういう場合には、レンズの中心にAFが会うようにし、片目でファインダーを覗きつつ、反対の目で被写体をファインダー内に追い込むとのこと。フォーカスを合わせる被写体は画面中央になってしまうので、構図の調整は、あとからトリミングで行うことになる。

当然、速い位相差AF(Auto Focus) は必須だろう。像面位相差のセンサーをもつミラーレス一眼でなければ、光学ファインダの(ミラー一眼)でなければ、位相差AFはついてこない。

電子ファインダで像に遅れがあったら使い物にならないが、一方で、動きが速いのでファインダの像を丁寧に確認することもできないと思う。あくまで位置合わせ程度ならば、速度優先でファインダの像を粗くした、電子ファインダで妥協することもできるのかもしれない。

最近の私の愛用のカメラ)私は、基本コンパクトデジカメを使って、メモ代わりに写真を撮っている。
芸術性よりも、以下の観点で選んだ結果、SONYから、CASIO Exilimを経て、先の春からフジのFinePix Z2000EXR http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/z/finepix_z2000exr/ を愛用している。気に入っているのは、以下の点である。
  1. 1/2型撮像素子なのでパンフォーカス(被写界深度が深い)
  2. カメラの起動時間が速い。これは、屈曲光学系であり、レンズがせり出さないためもある。ただし、最初は最広角であり、ズームが効くまでは若干時間がかかる。
  3. シャッター間隔が極めて短い。撮影画像を0.5秒しか出していないので、逆に撮影したのかどうか、不安になり、何枚も同じものを撮影することもある
  4. コントラストAFだが自動焦点が迷わない
  5. 暗くなると、自動的に何枚か撮影して、合成して増感してくれるので、暗いところでフラッシュ無しで静物を取るなら割と使える。もちろん、フラッシュ内蔵なのも嬉しい。
  6. 小さい
  7. カメラカバーを開けると電源が入るので、電源投入ミスがない。カバーを開けっ放しにすると、自動で電源が切れる
  8. むしろ、マイクロフォーサーズのOlympus E-PL3だと、むしろ被写界深度が浅くてピンぼけになったり、ホワイトバランスがおかしくなったりと、手軽に撮影すると失敗するケースがよくある。その分、芸術的な作品が取れる可能性があるのだろうが。。
FinePix Z2000EXR以外のカメラについては以下に書いた。E-PL3の詳細なども以下に記載してある。

2013年1月7日月曜日: ミラーレスとコンデジの比較: Olympus E-PL3とCasio Exilim EX-ZR20


写真例)
以下は夜間フラッシュを使わずに撮影した写真である。写真にはEXIFのデータを追加した。(すき焼き鍋からは湯気があがっているので、そこはぼやけてみえる。)
メモとして撮影するならば、コンデジのほうが使いやすいように思う。

FinePix Z2000EXR (撮像素子サイズは1/2インチ) : ホワイトバランスが明るめ。撮像素子が小さいので、パンフォーカスになっている。何枚かとって合成しているので、感度の低さも目立たない。

FinePix Z2000EXR: ISO640,  焦点距離5mm, 0 EV, f/3.9, シャッター速度1/15,
元画像サイズ2304x1728 1.1MB (画素数をおとしてjpeg記録)、
blog upload時には、さらに画素数を落とし480KBに削減。

Olympus E-PL3 (撮像素子サイズはマイクロフォーサーズ、つまり、対角4/3 インチ=21.5mm 。撮像素子は、対角が 上記Z2000EXRの8/3=約2.7倍 面積にして7.1倍。それでも、フルサイズセンサー の対角 43.2mmの半分、面積にして225mm2/864mm2 = 1/3.84 である。次節のリンク参照) : 絞り開放に近いので、被写界深度が浅く、一部にしかピントがあっていない。後ろの水切りにいれた白菜にはもはやピントがあっていない。
ホワイトバランスは若干暖色系にでている。
Olympus E-PL3: ISO400, 焦点距離20mm, 0 EV, f/1.7, シャッター速度1/60,
元画像サイズ 4032x3024 2.4MB (画素数を落としてjpeg格納)、
blog upload時には、さらに画素数を落とし929KBに削減。


ただし、太陽光がはいってゴーストがでると、コンデジのレンズでは厳しい。以下の最後に写真入りで比較した。

2013年2月11日月曜日:デジカメの撮像センサーは本当に大面積が必要なのか??


また、ミラーレスのE-PL3については、以下で紹介している。

2013年2月10日日曜日: Olympus E-PL3のお勧め設定と使用感


センサーのサイズ比較) http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1203/08/news076.html
 フォーサーズのセンサーの対角はフルサイズセンサーの1/2なのに、なぜか縦横の長さが1/2になっていない(対角比が変わっている)。その理由はわからない。

2013年12月8日日曜日

フルサイズデジカメと画素数について

雑誌CAPA 2013/11月号 http://amzn.to/1daLsm0 680円 に、Sonyの新製品 α7の特集、Nikon D800E、ペンタックスK-3などの記事が撮影した画像の紹介とともにあった。


これらを総合すると、どこまでが必要な機能で、どういう課題があるのかみえてくる。そこで、以下の観点に関してまとめてみた。
  1. フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの面積差。イメージサークルの違い。レンズが重く高価になる理由
  2. どれくらいの画素数が必要か?
  3. ローパスフィルタ・レスの本当の効果は?
以下では上記雑誌の宣伝も兼ねて写真を一部引用する。面白いと思ったら、是非、書店で雑誌CAPAに目を通して頂き、購入も検討して頂きたい。

米国の雑誌は、広告ばかりでペラペラで中身が無い雑誌が多いが、日本の雑誌は記事も充実している。出版不況とも言われているので、よい雑誌を助けてあげて欲しい。

関連投稿)
関連した投稿は以前も書いている。以下も参照して頂きたい。

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの面積差)
上記雑誌p.24-31にSonyのフルサイズミラーレスカメラの新製品 α7, α7R の紹介記事がある。このカメラには非常に興味があるが、それは別稿とする。

α7は、従来のNEXシリーズと同じ、Eマウントを採用しており、APS-CセンサーであるNEX向けのレンズも使うことができる。さらに、APS-Cレンズ対応時の自動クロップがoffにでき、その効果を示した写真が掲載されていた。これをみると、フルサイズセンサーとAPS-Cの面積差がわかる。以下に写真を引用する。


APS-C用のNEXレンズをつけて、自動クロップ(つまり自動拡大)をoffにして撮影したものが右である。右の写真はフルサイズセンサーで得られる画像全体であり、このうちAPS-Cセンサーで撮影している部分だけを拡大すると左の絵になる。つまり、下写真の右側に書き込んだピンクの枠内ぐらいの部分だけを撮影するのがAPS-Cカメラである。


これをみると、APS-Cカメラ用のレンズのイメージサークル(レンズが像を結ぶ範囲)がわかる。APS-C用カメラでは、APS-C用のレンズで周辺減光する結構ぎりぎりの部分で、画像を捕らえていることがわかる。またピンクの枠の外側の部分だけ、フルサイズセンサーの面積は広い。総面積にして約2.3倍になる。同一画素数ならば、画素面積が倍になるので、感度は高くなり、暗いところでのノイズは減る。つまり特に暗いときの画質が良くなる。

いずれにしろ、フルサイズ用のレンズは、より大きなイメージサークルが必要になり、大きく、重く、高価になる。その広いイメージサークルでシャープな像を結ぶことを求めれば、ますます高価になるのは致し方ない。

もちろん、APS-Cよりもさらにセンサーが小さいフォーサーズとか、コンデジはさらにレンズが小さくなるのも分かる。値段や性能は市場規模(開発者数) の影響も受けるだろうが。。

どのくらいの画素数が必要か?)
同誌、p.28に、2つのフルサイズセンサー、デジタル一眼
Nikon D600(2,420万画素、フルサイズ)とNikon D800E(ローパスフィルタなし、3,630万画素、フルサイズ メーカーサイト: http://bit.ly/17bsKXR )の解像度の比較があった。以下に引用する。


左が2,426万画素のD600、右が3,630万画素のD800Eである。一番上の写真の赤丸の部分を3段階に拡大している。A1相当拡大までは、ほとんど差が分からない。
さすがに、一番したのB0相当まで拡大すると、D800Eのほうが、「若干解像度が高いかな。。」と感じる程度である。しかもB0というのは、下の写真のように、横幅145センチもある写真であり、展覧会とか特大ポスターでないかぎり、この大きさに延ばすことはありえない。


2,426万画素のフルサイズセンサーですでにここまでの実力なのである。

ローパスフィルタ・レスの本当の効果は?)
http://ascii.jp/elem/000/000/817/817066/index-2.html に記事と解説があるように、ローパスフィルタは、本来撮像センサー上で、RGB画素が別の位置にあるため、モアレ縞や疑色が生じることが有り、それを防ぐために入れている。が、一方でレンズ本来の解像度が出なくなると、あえてそれを外した機種もで始めている。

前節のD800Eにしても、ローパスフィルタ・レスにすることで、大分値段が上がる。
Sony α7Rも、画素数が増えて、ローパスフィルタ・レスになる一方、像面位相差AFがなくなり、連写速度がおちて、さらに値段があがる。
D800の画素数は対抗馬のCanon EOS 5D Mark III の画素数22Mより多いものの、撮影間隔は大分落ちている。

実験)
ペンタックスのAPC-Cディジタル一眼新製品K-3 (2,435万画素) は、撮像素子を振動させ、ローパスフィルタとして機能させている。したがって、ローパスフィルタ強・弱・無しの画像がとれる。

まず、以下が写真全体である。ローパス強・弱・OFFの3つで撮影した写真で、黄色長方形で囲ったの2箇所を拡大して比較している。


以下に結果を引用する。上から、ローパス強・弱・OFFである。

まず、赤い服の部分では、紙面上でも全く効果の差がわからない。
一方で、髪の毛の部分では、ローパス offでは、解像感があがったようにも思えるが、逆に、ジャギー(つまりギザギザ)がでているようにも見える。

ともあれ、これだけ拡大してごくわずかの差、かつ、良くなる一方で、欠点も見えるというところだと思う。


まとめ)
  1. フルサイズセンサー向けのレンズでは、かなり大きなイメージサークルが必要になり高価になるのは当然。フルサイズに期待するのは、特に暗所での画質
  2. 画素数は2千万画素あれば、もはや十分
  3. ローパスフィルタ・レスの効果は気分程度
冒頭記載のCAPA誌 p.52の伊藤淳一のコメントが正鵠を射ている。

「光学ファインダの一眼レフはAPS-Cサイズに任せて、フルサイズはミラーレス化すべし。」

理由は、 光学ファインダ(ミラー有り)一眼が優位性を有しているのは、動体に対する追従性である。つまり、
  1. 原理的に応答遅れのない光学ファインダ
  2. 合焦点の速い位相差AF (私から補足: ただし、ミラーレスにも像面位相差の高速AFがはいってきつつある。。α7の像面位相差の測距点は117点もある)
一方、APS-Cは動体撮影に向く
  1. 焦点距離の短いレンズで望遠撮影でき、超望遠での動体撮影のチャンスがふえる
  2. フルサイズに比べ周辺視野までAFでカバーできて動体に向く
ということで、高画素・静止系はさっさとミラーレス大型センサーカメラに任せろ。というもの。それを先駆けているSony α7 には脱帽した。

何を撮るかもわからないので、オールマイティのカメラを持っていたいということならわかるが、プロカメラマンのように、複数台のカメラを持ち運ぶという選択肢もあるように思う。

つまり、暗いところで動体を撮りたいなら、光学ファインダー一眼レフもよいと思うが、その場合には、EOS 1D-Mark IV (Canon EOSの最高級機。フルサイズ、1,610万画素だが、10枚/秒の高速シャッター間隔が可能 http://ja.wikipedia.org/wiki/キヤノン_EOS-1D#EOS-1D_MarkIV 参照) のように、画素数を減らし、感度を上げたカメラ(最高ISO 102,400が可能、常用最高ISO 12,800) を選ぶのが良いかもしれない。スポーツカメラマンとかで、このカメラを使うプロが多いように思う。画素数も多く、動体も、、、と、狙うと虻蜂取らずになりかねない。。。どうせ、明るい望遠レンズは高価だし重いのだから本体を複数持つ選択肢のもあるのでは。。

高画素数、ローパスフィルタ・レス、光学ファインダー一眼の、重たいフルサイズを持ち運ぶ最大の理由は、所有欲というか、自己満足というか、見栄なのかもしれない。もちろん、それは立派な理由である。

NHKを民営化しよう

強制的な受信料聴取の弊害)

http://mainichi.jp/select/news/20131026k0000m040107000c.html 「NHK経営委:新任4人、首相と近く…会長人事にも影響か」
毎日新聞 2013年10月25日 21時53分(最終更新 10月26日 00時42分)

という記事があった。政府の定める放送法により、受信料の強制徴収を保障していれば、当然、独占と権限の見返りとして政府の影響もでる。中立な報道など実現されない。郵便や鉄道や電力とは違い、情報は思想を左右するのでバイアスはかかるべきではない。となると、今のシステム自体を見直す必要があろう。

また、
http://bit.ly/1aJBqVY  <NHK>受信料の全世帯義務化 ネットと同時放送で見解
毎日新聞 12月3日(火)3時40分配信 という記事があった。
もし、これが実現すれば、見返りとして政府の影響は益々強まる。

提案)
今、NHKが持っている放送インフラと技術開発研究機関を国有化か公益法人化して、残りは全部民営化すればよい。NHKが「民放しか見ない」とい家庭に対して、「電波を受信できる受像機をもつなら受信料を徴収する」といいはる理由は、「民放でも使う放送インフラの普及と研究開発」なのであり、だとすれば、それは公営化ないしは、放送各社の共同出資にするのが筋であろう。

コンテンツ作成には私企業が、だれでも簡単に参入できるようにして、自由競争にすればよい。

いまどき、市販のカメラですらHDTV対応なので、機材なんて私企業でも十分にそろうはず。スマホですら、取材可能。。。。

関連 拙blog)

2011年11月18日金曜日: 進んだアメリカの電子環境

2011年12月1日木曜日: どんどん消されるYouTube, 著作権法はこれでいいのか?


NHK内部の腐敗)
独占があって、フィードバックがなければ、内部は腐敗する。ソ連もしかり、共産圏もしかり、軍事独裁政権もしかり。。NHKもしかりである。強制徴収にしたら、益々腐る。

wiki: NHK: http://bit.ly/18isGq3より

民放との関係: (ネットで、某国の独裁者にからめて、海老ジョンイルともいわれている)
民放は、NHKが建設した放送に必要な送信設備を軽い負担で使用しており、NHK批判が大々的にできないという。
2004年9月、当時会長の海老沢勝二が国会に参考人招致された際、中村哲治(民主党参議院議員)が、「もはやNHKが芸能番組を放送する意味はない。巨額のお金が動く番組を作るから、こういう不祥事が発生するのでは」と問い質したが、NHKの録画中継では全部カットされた。海老沢が呼ばれた総務委員会を生中継せず、NHKに不利な質問を全てカットしたものを深夜に放送した。[77]

その他以下については、上記wikiを参照してほしい。
原発容認ゲストの出演拒否問題:
NHK番組改変問題:
NHKスペシャル番組偏向訴訟:

真実かどうかは分からないが、http://bit.ly/19h0hki には、NHKのムダ使いが延々と書かれている。一般企業ですら、業績不振だと、エコノミークラスで海外出張となるが、放送局のスタッフは、必要も無さそうなスタッフも同行し、全員ビジネスクラスで豪遊というはなしも聞いたことがある。

受信料支払いの規定)
放送法64条 http://bit.ly/151vevD をみると、NHKが受信できなければ、受信料は払わなくてよさそうですが、前節で書いたように、放送技術開発やインフラの普及活動もNHKの活動で有り、これをもって、民法に圧力をかけている模様。

NHKだけ受信できない受像機)
また、http://bit.ly/19h1ica にあるように、電波干渉を防ぐために、地デジでも従来のアナログ同様にエリア毎に周波数帯を変えている。これは、チャネルスキャンをしたときに、NHKに関する情報を引き抜いて、チャネルリストから排除すればできるようにも思える。

実は、B-CASカードには、NHKの登録表示 (「BS受信料を払ってください!」というやつだと思う。) がでない、白カードというものがある模様。http://bit.ly/19h1W9o (以下表を抜粋)ということはNHKだけ受信できないB-CASカードというのもつくれるように思う。



「NHKだけ受信できないB-CASカードを作れるようにすべき」という訴えを起こして、そういうB-CASカードを発行してもらうこともできるかも。現状でも、CS、BSが受信できる赤カードと、地上波専用の青カードがある。
ただし、B-CASカード自体、NHKの息が掛かった会社がやっているようで、特定の受信機に付属して配布することしかやっていない。

上記受像機ができても解決しない)
一番の問題は、どうやって、特定の家庭が、NHKを受信する受像機をもっているのか、いないのか、どうやって判定するのか。。ということである。

結局、最初からスクランブルを掛けて放送して、契約料を払えば、その月分だけスクランブル解除用の鍵を送る。BSの「受信料を払ってください表示」みたいなやり方をすればよい。
NHKは、放送インフラの普及にも金をはらっている、あまねく放送を供給すると理由をつけている。が、契約制にすれば、受信料がとれなくなるので、やりたくないのだろう。
今のやり方なら、NHKを見なくても受像機さえもっていれば、必ず徴収できて、経営努力がいらない。つまり、独裁政権が腐るのと同じ根源の仕組みのうえに成立している。

結論)
やはり、

  • 放送技術開発・インフラの発展という公的目的と、
  • 民放でもやれる番組製作

の2つを分離して、前者は公営化し、後者は民営にして、
後者はコマーシャルによって無料提供するなり、契約で料金徴収するならスクランブルを掛けるなり、loginして受信するなり、今風のやり方にすべきだと思う。そして、インターネット放送もすべて解禁して、自由化すべきだと思う。

また、海外のように寄付で運営する放送局や、公営の放送局もあってもよいかと!

共産主義国家の与えてくれた教訓:
「人間社会では、競争なきところには腐敗がおきる」

再生可能エネルギーに関する真実

日経新聞 「再生エネ阻む3つの都市伝説、米大物研究者が一刀両断 」
(1/3ページ)2013/12/2 7:00 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2701E_X21C13A1000000/

という記事が出た。このインタビューをした、エイモリー・ロビンスは、30年以上前に再生エネへの転換の道筋を示した「ソフト・エネルギー・パス」という概念を提唱している。氏の主張は以下のようなものである。再生エネルギー推進派の意見なので、若干、日本の現状にはあっていない点も含まれているように思う。冒頭記事から氏の主張を抜粋すると以下の3点である。

1. 「日本以外の先進国で小規模分散型発電への転換が着実に進んでいる。ひとつの理由が、電力市場の自由化など規制緩和が進んだ結果、再生エネのコストが劇的に下がり、原子力の経済性の低さがはっきりしてきたことだ。電力需要も予想されていたほど増えず、大規模集中型の発電所の役割は低下している。IT(情報技術)などを使いピーク時の電力需要を抑える手法(デマンド・レスポンス=需要応答)が広がり始めたことも、分散型の普及へ追い風になっている」

2. 「2008年以降、世界全体で新規に稼働した発電設備のうち半分は再生エネによる発電所だ。エネルギー需要が急増している中国でも再生エネへの投資を急拡大している。
 米カリフォルニア州では太陽光や風力発電のコストが新設の天然ガス火力よりも安くなっている。大規模集中型から分散型への転換は、エネルギー供給の大変革といってもよい」

3.「一方で、日本では大規模水力を除いた再生エネの比率は1%程度にとどまる。東日本大震災で原発の運転が止まり、電力不足を補うため石炭や石油を使う火力発電所を増やしているが、これはこれは世界の潮流に逆行し、残念なことだ」

どうバイアスしているか)
後半で裏付けの資料を引用するが、
  1. に関しては、まず再生可能エネルギーのコスト、特に太陽光発電のコストは今もって高い。ただし、日本は技術開発が遅れているのは確かで有り、先進国の中でもとりわけ高い。
  2. さすがに米国でも、まだ太陽光や風力のほうが天然ガス火力や石炭火力などよりもコストは高い。もちろん、ガスの価格にも依存する。
  3. 日本では火力発電所を増設しているのではなくて、停止していた火力発電所を再稼働している。もちろん、再生可能エネルギーへの移行も鋭意続けている。
エイモリー・ロビンスの関連記事)
  1. 【原発の不都合な真実】インタビュー : http://www.47news.jp/47topics/e/223620.php
  2. 米国が2050年までに石油・石炭依存から完全脱却!? 人類は大胆なエネルギーシフトを実現できるのか【特別対談】ロッキーマウンテン研究所所長 エイモリー・B・ロビンス博士×東京大学名誉教授 山本良一氏:  http://diamond.jp/articles/-/14513
  3. 自然エネルギー財団シンポジウム分散型エネルギーが創る新しい電力ネットワーク ―― エイモリー・ロビンスと語るhttp://jref.or.jp/activities/events_20131008.php
エイモリー・ロビンス氏は有名人らしく、ググれば沢山記事がヒットする。

論点の整理)
以下、脱線を交えつつ、エイモリー・ロビンスの主張「日本では再生可能エネルーシフトが進んでいない」に対して反論していくが、論点が分かりにくいとコメントをいただいたので、まず整理しておく。そのうち、blog自体を整理して書き直す予定であるが。。
  1.  エイモリー氏の主張) 日本で再生可能エネルギーシフトが進んでいない
  2. 反論) 日本でも、ちゃんとやっている
  3. 賛成) ただし、値段が割高
  4. 反論) もともと電気代が高いためかグリッドパリティも達成している
  5. 賛成) (やや脱線)  電気代が高いのは、液化天然ガス(LNG)等の燃料を高く買わされているから。 もちろん、経済的には安い方が望ましい。
  6. 脱線) 日本のマスコミの取り上げ方には問題がある(冒頭の記事への不満)
阪口氏のBlog) 
一方で、米国でクリーンエネルギー関連のコンサルタントをやっている阪口氏のサイト
http://d.hatena.ne.jp/YukioSakaguchi/

には、世界の再生可能エネルギーの現状に関する定量的なデータが大量に掲載されている。
氏は、米国知り子バレーを中心にグリーン関係のコンサルタントとして活動されており、日本語で沢山公演をされている。
2013年夏に機会があって講演を聴いたが、実に多様なデータを持っておられ、太陽光発電に関する実体。つまり、以下の様な状況が理解できた。本当は、8時間くらい掛かる再生可能エネルギーに関する内容を100枚強の資料にまとめて、1時間ちょっとの持ち時間で駆け足で説明していただいたが、技術・経済・政策など、多角的でバイアスしていない情報を得られたと思う。
公演内容を簡単にまとめておくと。。
  1. 各国のもくろみ
    1. 中国は太陽電池を売りたい
    2. 米国は、新技術で世界をリードしたい
  2. 現状
    1. リーマンショック頃の米国の国策で資金が大量に太陽光発電ベンチャーに流入したが、なかなか成功していない
    2. 中国は2007年頃太陽光発電ブーム時に、シリコンウェハーが欠乏したので、自国量産体制を整えた。だが、ブームが去って、太陽電池セルが市場にだぶつき、市場は価格競争におちいり、生産業者のつぶし合いになっている。中国は最近ダンピング裁定がでた。が、太陽電池の値段が下がるのは発電業者にとっては望ましいこと。
    3. LCOE(以下で述べる)的には、まだ少し技術革新が必要。
    4. 通常の太陽電池では、もはや革新は見込めないが以下が有望
      1. 集光型で、高効率だが高価な太陽電池セルを使い、効率を上げる
      2. 太陽熱式で、電力供給を安定化。日没後もしばらく電力供給可能
    5. 米国は、旧式の石炭火力が多く、これを新たなエネルギー源に置き換えCO2排出を減らしたい。ただし、発電容量にかなり余裕があるので、太陽光・風力等出力がばらつく再生可能エネルギーが増えても、吸収余裕がある。日本は、原発停止で、この電力余裕がほぼゼロなので何らかの対策が必要。(私見: 需要の柔軟化、電力逼迫時の企業の操業停止などは考えられるが、産業競争力への影響が心配。そもそも、日本人は勤勉すぎるので、それくらいが丁度良いかもしれないが。。)
地球温暖化対策、新技術開発、新産業開拓など、再生可能エネルギー推進にはいろいろな理由があるだろうが、やはり最後は経済的に成立するか、つまり以下でいうLCOE (Levelized Cost Of Electricity) が課題になってくると思う。そのためには、政府が補助金を出すなどの戦略的な取り組みが必要だと思っている。
産業育成としての再生可能エネルギー)
ひとつ注意したいのは、米国は、NRA(全米ライフル連盟)や、(遺伝子組み換え)が有名なように、業界団体ロビーストが政治に圧力をかけて、それによって、産業政策が政策的にバイアスすることである。日本のスーパコンやTRONをたたいた、スーパー301条や日本車叩きもこれにあたると思う。

太陽光発電の実際)
先の阪口氏のサイトから太陽光発電関係を抜粋すると http://bit.ly/18KKkbQ になる。

各種太陽光発電のLCOE(Levelized Cost Of Electricity)  http://d.hatena.ne.jp/YukioSakaguchi/20121228


これを見ると、一番コストの安いCPV(集中型太陽光発電)のLCOEが現状で$0.11/kWh、すなわち、$110/MWhになる。2020年には、どの方式も$100/MWhを切ることが期待されている。

一方、
から、Figure1にある2016年における各種発電方法のLCOEの予測を引用する。


つまり、2016年でLCOE $100/MWhを切らないと、他の発電方式にコストで太刀打ちするのは難しく、天然ガスのLCOEは $50/MWhを切っている。つまり、冒頭の日経新聞記事でのエイモリー・ロビンス氏の2番目のコメントと矛盾している。

LCOE:
http://cleantechnica.com/2013/10/18/grid-parity-low-lcoe-driving-34-global-renewables-capacity-2030/

にある。各国の風力発電のLCOEの図を引用すると日本だけは極端に高い。


太陽光発電についても同様であり、同乗のリンクにあるLCOEのグラフを引用すると以下の様になっている。

ここにある日本の価格を1ドル100円で換算すると、43円/kWhくらいになる。

グリッドパリティ)
wiki: http://ja.wikipedia.org/wiki/グリッドパリティ

つまり、最終分配まで考慮したLCOEが他のエネルギー源に対して、競争上対抗できるようになるのがグリッドパリティであり、
http://www.solartech.jp/environment/economy.html
には、以下の様にある。上記の図の太陽光発電において、日本のLCOEがとんでもなく高いのに、ここには以下のように書かれている。
日本国内での2010年における太陽光発電のコストは、おおよそ30円/kWhと考えられ、グリッドパリティ達成にはあと一歩といった状況です。
米国の他の発電方式に比べて、日本の他の発電方式のLCOEが高い。つまり、日本の電気代が高いので、割高な太陽光でもコストがペイするという言い分なのかもしれない。


が、電気価格は産業界にとっては重大なコスト要因だと思う。他にも要因があるだろうが、電気が安い海外に産業が流出すれば、国内労働市場の減少やGDPの低下にもつながりかねない。

割高な日本の燃料費)
日本は2011年の福島原発事故以来、原発を停止し、CO2消費を抑えつつ電力を供給するために、大量の液化天然ガス(LNG)を買っている。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/fuwaraizo/20130829-00027509/ にあるように、世界でも断トツの輸入量であり、
http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/data/fy8_3.pdf にあるように、2010年から2011年で輸入金額は倍増している。

よく知られた話だが、原発を停止したために、値段より量を優先しないとならないということで、天然ガスを割高で買っている。

http://president.jp/articles/-/6730  (2012年資料) には、日本が買う天然ガス(LNG)は米国の9倍も高いとある。欧州に比べてもかなり高い。以下にここから図を引用する。


原発停止と運動するのもよいが、足下を見られるようなやり方では、やはり損をする。

「安く売ってくれなければ原発を動かすからいいよ」とやるか、「地球温暖化は目をつぶるから、石炭でいくので、天然ガスが高いなら買わない」とやるなど、したたかさが必要に思う。少なくとも、再生可能エネルギーはすぐには立ち上がらないので、これは切り札にはならないと思う。

最近自民党が、「愛国心」といっているが、これは言葉の選び方が悪く、「国益」というべきだと思う。世界各国は国益重視で動いているので、マスコミも国民も少しは「国益」を考えた行動をしてほしいという政府の気持だと思う。

日本のマスコミ)
日本の新聞やマスコミには問題が多い。別途記事にするが以下にまとめておく。冒頭のエイモリー・ロビンス記事はインタビューなので、裏をとるのは失礼だろうが、結構、ミエミエのウソの新聞リークなどや、小学生でもわかるような永久機関記事でも平気で記事になっていて、驚く事がある。
  1. 主張の総括をしない。これは顧客も速報性に価値を求めているため、お互い様なのかもしれない。
  2. タブーが沢山存在する。 http://ja.wikipedia.org/wiki/報道におけるタブー には、冒頭に以下のようにある。「およそ表現の自由が認められている国では、報道の自由が認められており、少なくとも建前上は報道にタブーなるものは存在しない。日本においても日本国憲法により言論の自由・報道の自由が認められており、見かけ上はタブーは存在しない。しかし、実際には諸事情により、マスメディアが特定の事件や現象について報道を控える話題・問題が存在する。日本ではキー局や全国紙など広範囲に影響を与えるメディアほどその傾向が著しく、こうした姿勢に対する批判も存在する。」
  3. 民放は(放送インフラを提供する) NHKの批判ができない。
  4. 記者個人の報道ではなく、社としての報道になる。
  5. 新聞では社やデスク、テレビではディレクターの取材方針に会わせて取材内容を取捨選択する風土もある。関連して、「朝日新聞は「結論報道」から撤退せよ」blogos - 池田信夫  http://blogos.com/outline/74891/
    以前、私が受けた、某テレビ局のローカルニュースの特番の取材でも、取材で沢山話したコメントが全てカットされ、ディレクターの意向にあう部分だけになるよう
    編集されて、放映され大変がっかりしたのを思い出します。
  6. 科学技術に特に弱く、ほとんどウラをとることはしない。(ヒドイ例を、後日いくつか紹介したい)
  7. 批判はするが、提案はしない
  8. 自分達の業界を守る
  9. 私企業なのでしょうがないが、視聴率・講読率が第一であり、世間の流れにおもねる。一方で、知る権利といいつつ、必要もないプライバシーを暴く
  10. 特にテレビでは、「分かりやすさ」という理由で、ヤラセが横行している
日経新聞も、2011/1月には、「夢の新型原発」という報道をしているが、福島事故を契機に原発技術に関する報道はほとんど行っていない。

新ATOM BayTrail-T搭載のWin 8.1タブレットが人気爆発

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20131206_626690.html
Win 8.1タブレットが人気爆発、レノボ「Miix 2」が即日完売で早くも品薄にという記事がある。

http://shopap.lenovo.com/jp/tablets/ideatab/miix-series/miix2-8/ がlenovoのサイト。ここから本体写真を引用する。



概要)
高性能低電力となったIntel x86の新ATOM BayTrail-T (22nm, コアはSilvermont ) http://bit.ly/1dW3zkv (⇐ この後藤さんの記事にあるように、もはやATOMのコアサイズはARM Cortex A15よりも小さい。ARMはTSMCなので28nmプロセスだからなのだが。じきにIntelは14nmになるので、差は縮まない) を搭載した、Win8.1タブレット。

win8.1とOfficeが搭載されているMiix 2 8。実売価格は32GB版が42,800円、64GBモデルが47,800円というのはかなりお買い得だと思う。

Miix 2 8の搭載メモリはLPDDR3 2GBで、バッテリーは動作時間約10時間/充電時間約3.5時間。主な搭載機能・インターフェイスは無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n)、Bluetooth 4.0、前面カメラ(200万画素)、背面カメラ(500万画素)、microSDカードスロット (⇐ これ嬉しい) 、加速度センサー、光センサー、コンパス、ジャイロセンサー、GPS。

オフィスソフトは、ストレージ32GBモデルにはOffice Personal 2013が、64GBモデルにはOffice Home and Business 2013が搭載される。

IDF2013でデモをみたが、ハードウェアのビデオエンコーダ・デコーダが強力なので、前と後ろのカメラの映像を同時にエンコードすることができるらしい。表裏同時のビデオ電話みたいなことができるのだろうか。。

これは、かなり期待できると思う。そして、携帯電話もやっぱりATOM系に移行していくのかも。。この理由は以下に書いた。

2012年11月8日木曜日:半導体微細化の力 - Intelのすごさ


メモリ2GBだが、windows8.1は十分走るのか?) 
これは買って試してみないとわからないが、 tabletなので、基本はsingle task(同時に動くのは)だから大丈夫なのではと思います。フォトショップで巨大なRAWデータを編集したりするとダメでしょうが、そもそもそれでは2issue OoOのATOMでは能力不足かと。。

ともあれ、ARM系のtabletやApple系に比べれば十分なDRAMが搭載されている。
http://ipadinsight.com/ipad-4/ipad-4th-gen-teardown-1gb-of-ram-and-no-surprises/ によれば、
2012年発売のiPad 第4世代のDRAMは1GBである。

以下も後藤さんの記事だが、iPad系のメモリの作りは残念であるとのこと。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20120412_525621.html

Android搭載版はないのか...)
http://intel.ly/1cgibVd にある、ASUS Memo Pad* ここのリンクからたどれるamazon.comで 32GBが$299.00 , Samsung Galaxy Tab* 3 $359.99 が、x86 Android4.2のようですが、Z2560って、32nm版の旧版CloverTrail http://bit.ly/1cgiIq0 であり、どちらも、まだ最新の22nm Silvermontを搭載したBayTrailではない。

昨今発表のBayTrail版が全部win8.1なのは、Intel/MSの戦略なのか、やはり、SoCの価格がそれなりにするので、商品戦略上win8系にしているのか..

2013年11月4日月曜日

東京オーディオショーに行ってきた

たまたま一時帰国していたので11/2-4に有楽町で開催された2013東京オーディオショー
http://www.iasj.info/event.html に行ってきた。
受付で住所氏名を登録すれば、誰でも入れて、無料。興味のある方は、11/4本日までなので、是非いっていただきたいと思い、急ぎblogを書き、未完成だが投稿した。
今後、解説や技術情報等を拡充していく予定。

以下、写真は受付階の風景。

2013オーディオショー受付風景
日曜午後だったが割と空いていた。14:30-17:00ぐらいまでいたが、オーディオ評論家の講演つき視聴や、メーカの担当者の説明つきの視聴ができた。100万円超えのアンプや250万円のスピーカなどを聞けるのはそうそう無いチャンスであるが、席が割と空くので、いろいろな位置で聞いて、一番定位の良い位置を確認することもできた。

私は、自作オーディオにはかつて凝ったことがあるが、高級オーディオなど所有していないし、オーディオ評論でも全くの素人である。
一応聞いて試したので、素人として、感想をまとめておく。もちろん、マニアや評論家ではないので、ハチャメチャな意見だと思う。

高級オーディオは、お金のある人のブランド価値・所有欲のようなものだと思った。老若男女、身の丈にあった装置を求めていけばよいと思う。高級じゃなきゃダメだと思い込んで産業自体が縮小するのは、誰も望まないだろう。

お年寄りとかが、多かった。LPプレーヤ・真空管を賛美する評論家がいっていたが、モチベーションは所有欲なのだろう。

生の音)
音の良さや楽しさからいえば、コンサートにいって反響のある生の音、会場による反響の違い、楽器から生にやってくる振動感。会場の反応。を聞くほうが遙かに、お金を掛ける価値があると思う。それに所有しないで、一期一会で楽しんで、心に刻むほうが、人生として価値があるのでは。。

そもそも、コンサート会場のマイクの位置は、大体、不自然に高い位置に、不自然に離れておかれている。それでは、コンサートとは違う音場になってもしょうが無い。
ステージでのコンサートの音は、エフェクタからミキサー、PAとスピーカを通って流れているし、それをスタジオ録音するときは、別別にとってミキサーで調整し、良い部分を繋いで編集することもあるように思う。
歌の下手な歌手が音程をいじっているという噂もある。
ということで、そもそも、生の音という定義自体が怪しい。

コンサートにいって、「ああいいなぁ」とビデオやカメラに録音・録画してきて後から聞くと全然違うなと感じる。安いビデオカメラ・コンデジで撮るからいけないのだろうし、再生の環境も悪いからだが、コンサートの音場を再現するのは相当に大変である。

それよりも、自分にとって心地の良い音を作る。機材の扱いの良さや、機材の雰囲気(値段...) を含めて、良いシステムを目指すと考えた方が良いのではなかろうか。

また、音響の良い会場で、有名な演奏家がやったコンサートに行った後に「(特にハイファイでもないと思うが..) テレビの方が印象が強く分かりやすくて良い」と感想を漏らした方もおり、フォーカスの置き方は人それぞれだと思う。

会場風景)
まず7階に上がり上から下りてきた。以下視聴した順番に記載する。技術情報は追って収集して追加する。

LINN (リン)
AKUBARIK 定価252万円(ペア)とタグがあった..  の視聴、アンプ・音源は確認しなかったが、高級なものに違いない。

前のイスが空いていたので座ったら、スピーカが離れすぎているので、完全に中央の音が抜けている。この位置で聞いたらダメだろう。。と思ったが、そういう席に陣取って聞き入っている方々もいた。



Avantgarde (アバンギャルド)
Avantgarde G2 series: 多分、最高級のTrio Ω classiono 定価693万円(ペア)に、低音用のSub231G2 (1台73万円)を縦置きにしてご丁寧に左右2台。という、1千万円のスピーカー構成。 LINNに比べてまた一段と高い。

横で聞いていても定位の不自然さが気にならない。
ただし、このブースは曲毎に音量の調整をしていない。こんなにバカでかい音のピアノはないだろう。。と思うと、なにが忠実なオーディオなのか疑問に感じてしまう。

後ろでも前でも、一番定位の良い位置と思われるところと同じように聞ける。
が、どうも、ピアノとかジャズとかもともと生でも定位がはっきりしないものばかり掛けている。一度、バロックの室内楽を掛けたが、定位があやしい。とても、オーケストラ(オケ) は再生できないと思う。販売側は「承知の庄兵衛」なのかもしれない。

理由は、ホーン型のスピーカは大きいので、ユニットが左右にひろがっていて、音源が大きいためのように思う。それもあって、ホーン型を使っているメーカはここしかいなかった。効率は良いし、低音も良くなるだろうから、低音専用にするのはありえる。

ともあれ、でかくて重すぎるので置ける家は限られていて、所有欲的には相当に満足されると思う。そしてオケを聞かないのならよいかも。

Avantgardeの視聴

LINN再び)
AvantgardeからLINNに戻ると、オケを掛けていた。最初にみつけた定位の良い場所にすわると、こちらは、楽器の位置が感じられる。
ディジタルクロスオーバということで、ディジタルでスピーカに信号を入力し、Exact DSMというディジタル処理でスピーカ毎に音域を分割、独立のDACでアナログ変換して、アンプを通して別別にスピーカをならす。

従来のLC式のクロスオーバなど、位相回転やレスポンスに影響する、アナログパーツの除去に徹底的にこだわった作りなので、定位もよいのだろう。ただし、私は人間は音の位相は聞き分けられない(以下原理から)ので、位相よりも、スピーカの左右の配置位置、こだわったスピーカの配置と視聴位置がきいているように思う。つまり、安いスピーカでも、同じ効果はでるはず。

DYNAUAUDIO)
スピーカ: Excite X36 - 33万6千円 (1本)
アンプ: Moon Neo 250i  - 22万5千円

DYNAAUDIO
ここは元ジャズ(奏者?)という評論家が講演かたがた、自分で監修したCD, ハイレゾCDをならしていた。スピーカーは遙かに小さいが、曲の頭を聞きつつ、この方がボリュームを調整しているので、リアルな感じがした。CDの44.1kHz 16bitの音と、ハイレゾ 192kHz 24bitの音は私には全く区別がつかない。「ま、年齢もいっているし、そんなものか..」と思っていたら。。ともかく、ちゃんと調整すれば、先の2つほど馬鹿高い金を払うこともなさそうでである。

最後に、CDはガラスでマスタリングして、転写するので誤差が出る。その点、CD-Rで直接焼けば誤差のない音が楽しめる。と、意味不明なことをいっていた。
CDやCD-Rはピットの長さで1/0を表現したディジタルであり、読み取り誤差は転写で増えるとも思えない。読み出しのレーザの波長を考えると多分スタンピングの誤差はとれないと思う。それ以上に、CD-Rは、熱による相変化でピットを書き込んでいる。かなりの速度で回るものに熱を掛けるので、こちらもピットの精度は悪いと思う。読み出しに関しても、ピットのでこぼこがはっきりしたCDよりは、相変化による色変化を読み出すCD-Rの方が精度は低いし、だいたい、書き込みエラーもある。

ということで、この一言を聞いて、この評論家(小林 貢氏)の論評が、全く信用できなくなった。

Octave)
MRE130/II 140Wモノラルパワーアンプ 176万4千円 x 2本

真空管式の高級アンプを評論家(藤岡誠 - 有名なオーディオ評論家 http://bit.ly/17B9VDo)が紹介していた。会場は超満員。機器構成は以下。
Octave講演視聴での機器構成
入室したら、アンプが動かなくなったようで、「ヒーターが切れたかな。。」とかいろいろいじっていた。以下写真

Octave MRE220調整風景
一つ明らかになったのは、真空管式はやっぱり信頼性が低い。その昔、Eniacとか米国防空用の初期の真空管式のコンピュータは、一日に何本も真空管が壊れるので、交換が大変だったとのこと。それでも、せいぜい1000本程度しか使っていない。一方、今のIntel CPUは1億トランジスタ(CMOSだが)を越えており、1年程度では壊れない。
ま、手間がかかるところがカワイイということはあろう。

が、次がいけない。ホテルカリフォルニアという高級オーディオにふさわしくない音楽(元々歪んでいる)を掛けていたが、この低音がいただけない。無理に強調していて、おまけに、耳障りに歪んでいるのが分かる。

真空管式アンプは極めてインピーダンスが高い(高電圧・小電流) ために、数オームというスピーカ(低電圧・大電流)を駆動するためには、インピーダンス変換が必要になり、どうしても出力トランスという、これまた特性がメチャメチャ悪いものが入る。そして、普通は負期間により、波形乱れを補正するのだが、このトランスがあるため、その後ろから信号を戻して負帰還して、トランスの特性を補正することができない。さらに、真空管は本質的に電子を制御するためにプッシュプル接続ができないので、擬似的なプッシュプルを作り、さらに、段間の接続はキャパシタを入れる。と、周波数特性的にはとても無理なっ事をやらないとならない。(そういう刷り込みがあるので、そう聞こえたのかもしれないが。。所詮、音楽なんてそういうものである。-- 別途書くが、フルートが、高級になると高い金属になるのも同じようなものかと、.. ただし、これは奏者の心理への影響がかなりありそう、そしてフルートは奏者の演奏技術の差、息の使い方、体の共鳴のさせ方の差が音に顕著にでる楽器である.. )

真空管が好きな方は、特性が4/3乗特性で、歪みが耳にここちよいとかいうが、エレキギターのエフェクターならともあれ、原音再生なら歪みはないほうがよいし、トランジスタによる直結で高い帰還のかかったアンプなら普通に作っても歪みはほとんどゼロである。

「所有欲があるから、ディジタルにして保管したPCオーディオはダメだし、本は紙の本しか読まない。」といっており、この方の主義がオーディオ観になっているように思えた。

ともあれ、ディジタルやトランジスタ式の最新技術のブースの間に、真空管・アナログと真っ向から対立する人のブースが挟まっているのが興味深かった。矛盾する主張を効きつつ、自分なりに判断するということで、ディベートの練習になるかも ww

PC audio
前のリアルオーディオのアナログ・真空管の人と真っ向から対立する主張を隣の部屋でやっていた。

ヘッドフォン用アンプ
周波数特性のあるインピーダンス変化を吸収。ただし、周辺ノイズをキャンセルするノイズキャンセルヘッドホンの方が本来の音楽が聴けるように思う。
私は、その先駆けであるBose社の QuieteConfort 15のrefabish (再生版) を、ギルロイのOutletモールで2011年ごろから愛用している。

特に飛行機内では
良い音。Bose はアクティブ方式であり電源を入れないと一切音がしない。ということは、入力 - ノイズキャンセル信号合成+アンプ - スピーカーユニット という構成になっており、アクティブ構成。周波数特性のあるユニットを駆動するのは、内部のアンプであり、ヘッドフォンの入力端子には周波数特性はないはず。ということは、この高級アンプはBose Q

オリコンをPCに取り込んだものを掛けていたが、そりゃいかんだろう。録音が悪い。
異邦人、ダンシングオールナイト、有楽町で会いましょう、懐かしいけれど、この演奏でこの録音なら、iPodで十分かと。

TAD
米国製のスタジオ機材発の会社。米国LAから技術者が来て講演。整理券が必要だとのことだったが、たまたま立ち見で入れた。

JBL
ごぞんじ知られた、高級スピーカの会社。アキュフェーズとか、何社かでブースを出していた。LPレコードと完全アナログの組み合わせのブースも結構あった。
言っていることが意味不明だったが。。

Olasonic TW-S5)
地階登録窓口の横に書店の販売コーナがあった。雑誌DigiFi の出版社コーナで写真のように、このスピーカの限定色バージョンが12,800円で販売されていた。最後の1台だとのこと。

下にDigiFiの付録なのに音が良いと話題になった、USB接続のアンプがあった。聞くとこれは、ハイレゾには対応せず、48kHz 16bitサンプルまでとのこと。このOlasonicのUSBスピーカのアンプは同じものかと聞くと、Olasnicの方がむしろ改善されているとのこと。ただし、48kHzまでの対応で、44.1KHzや32kHzにも対応するのみだとのこと。

高音質で小型、7色展開
USBパワードスピーカー: 10W + 10W とハイパワー
Olasonic TW-S5:  http://www.olasonic.jp/usbspeaker/tws5.html それにしても売れそうにない色ばかりだが、どういうセンスなのだろう。

販売員に聞いたら、ビックカメラで売っているものと色違いがだけだと。同じ値段かと聞いたら、値段はビックカメラの方が安いとのことなので、会場前の有楽町のビックカメラにいったら、8800円だったので、即購入。

白がひとつあったのでこれを購入したのだが、家に帰りフタをあけてみると最低の変なピンク色。米国なら色確認をするが、ご丁寧に紐が十字にかかりフタが開けられなくなっていた。箱の色ステッカーが間違っているのだが、買えてもらうのも面倒臭いし。。

Boseなどに比べると低音弱めだが、バイオリンとか つややかで確かに良い音はする。
USBバスパワーにしては十分で、本物のピアノ以上の音量、部屋中響くくらいの十分な音量がでる。また、このときも机や体に響く、割と、しっかりした低音がでている。
定位も良い。ホテルカリフォルニアを演奏しても、耳障りな低音は出てこない。

といっても、今米国でつかっている、LogicoolのUSBスピーカでも不満はなかった。米国に持ち帰って聞き比べてみたい。

技術論)
CDのエンコーディング)
ノイズが乗るなら)
光でカップルすればよく、アースラインからのノイズの混入が気になるなら、光ファイバー(いわゆる光リンク)で、ディジタル部を専用DACから離して接続すればよい。

PCオーディオ)
余計なものを動かすと音が悪くなる。ディジタルなので、音の劣化があるとしたら、
  1. ノイズの回り込み
  2. データのアンダーラン(途中で足らなくなる)
1の場合には、上記のノイズ対策で良い。2の場合には、そもそもデータがアンダーラン
するなら、PCオーディオは成立しない。また、アプリが沢山乗っていても、通常は休止状態なのでコンテクストスイッチしない限りほとんど動かない。そもそも昨今のCPUは8スレッド4コアで、クロックが2GHz越えなので、せいぜい192kHz 24bitのデータを供給するのにはまったく余裕があると思う。1コア1スレッドの時代とは違う。さらには、気になるなら、専用のDMACを搭載した、光伝送アダプタでメモリから直接転送を掛ける、windowsやなど使わずに、遅延制約を見たすリアルタイムOSにすべきである。Realtime Linux, Itronなどいろいろある。

人間の聴覚特性)
神経細胞は、シナプスでのパルスをうけて、ニューロンが電気化学的にそれを総合して動くので動作速度はせいぜい1kHz程度である。
http://cinet.jp/research/bfi.html では100Hzとある。
また、東京大学の研究では、http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130719/ 脳神経の信号伝搬速度は、0.2〜1.5m/s とかなり遅い。最高速の1.5m/sだとしても、1.5cmの伝達距離差があれば、1msの遅延差になる。その脳神経の間に脳細胞があり、シナプスという電気化学的な結合で繋がっているので、動作速度が1kHzを越えると考えるのは、かなり困難がある。

これは、大分前に医学的に確認されている。
それでも、なぜ20kHz近い音が認識できるかといえば、耳の蝸牛にある小さな部屋で音の持つ角周波数成分を共鳴させ、それぞれの共鳴の強さを神経で認識しているからである。これも医学的に証明されている。

ハイレゾオーディオ)
トラ技にハイレゾオーディオ(24bit 192kHzとか、それ以上) の技術解説がでていた。
当然人間は192kHzとかは聞き分けられない。

これによると、ハイレゾオーディオの意味はノイズフロア(雑音)を下げるところにあるようである。別途書くことにする。
ただし、そのノイズレベルは、ジェット機のエンジンの真下で、時計のチクタクが気になるというレベルの話のようである。そこまで耳の良い人なら、特に都会では部屋を相当完璧な防音室にするほうが重要に思える。

音の方向検出)
また音の方向検出についても、左右の耳での周波数特性の差を検出する http://q.hatena.ne.jp/1118729365 という学説のようである。

http://www.matue.co.jp/HA_Web_Sight/HA_OTO_Onkyo.html に絵入りで簡単な解説がある(以下に図を引用する)



それにより上下方向も検出できる。一方、伝搬特性が全くかわる水中では音の方向が分からなくなる。(以前、ダイビングをしていた。その感覚は体感している)

もしも位相差を検出しているとすると、顔の横幅を15cmとして、60度方向から左右の耳に来る音の行程差は15 sin (90度-60度)=7.5cm 音速は340m/s=34,000cm/sなので、到達時間差は0.2ms つまり 5 kHz の一波長分の時間差である。この信号は、脳細胞の動作速度が高々1kHzの脳では処理できないはずである。

つまり、波形の位相差が検出できる人がいたら、通常の脳細胞とは違う原理での動作が必要になる。宇宙人かもしれない。。。

ところが周波数には極めて敏感)
周波数毎の音の強さを検出する(フーリエ変換して認識する) 耳の構造からしても、人間の耳は周波数には極めて敏感である。上記のように反射波とか周波数特性の変化で音の方向を認識できる精度があるのだと思う。
また、音楽家などは半音(100セント)の何分の1以下のズレも絶対音感として認識するし、一般の方でも、和音がうなっていれば、「汚い」と感じる。微妙な楽器の音色の違いを感じるのも周波数に対する敏感さだと思う。

したがって、この周波数特性に影響する要素、つまり部屋の反響とかに配慮しなければ、高級オーディオを活かすことはできないと思う。

周波数スペクトル)
老化すると普通の人は20kHzが聞き取れなくなる。上記の聴覚を仕組みから考えると、一つのサインウェーブで聞き取れなければ、そもそも聴覚神経系が反応しないので、それ以上の周波数を持っていてもムダ。

ところが、波形をみると44.1kHzのCDのサンプリング周波数では、20kHzの正弦波はガタガタにみえる。なので、忠実な再現のために周波数とビット数を上げようということになる。これは、高級オーディオ業界ぐるみのマニアのための自己満足のようなものかと思う。

ただし、ナイキストの定理(標本化定理) wiki: http://bit.ly/16ypKri  によって、折り返し雑音がでるので、サンプリング周波数以上は、捨てないとならない。が、これも、データ作成側(音楽スタジオ)でやればよいと思う。
そうでないものに対応するために、CRフィルタをいれる(LCは位相が回るし、共鳴点がでるし、高価なので..)というのなら、CRフィルタはカットオフ特性がゆるい ( -3dB http://bit.ly/1iFN8p6 )なので、数倍のオーバサンプリングDACが必要になるかもしれない。

聴覚特性圧縮)
一方で、過剰なオーバーサンプリングをやって、ビット数を増やすのは、単純なサイン波を波形で観察すれば違いがわかるからである。

ところが、人間の聴覚特性を利用したAAC等圧縮率が高い昨今のオーディオ圧縮は、サンプリング周波数を上げる・ビット数を増やすとかいうレベルではなく、もっとトンデモナイことをやっている。つまり、聞こえない音のスペクトルを捨てる、ないしは、サンプリング精度を落とすということであり、波形でみたら全く違う。それが良い音というのは、波形が複雑で簡単には理解できないからだと思う。

また、映画館の5.1chステレオにあるように、人間は低音に関して定位が取れない(音の方向がわからない)ので、低音用のスピーカはステレオにする必要もない。

聴覚特性を利用した圧縮とは
  1. マスキング - 大きな音の影に入った音は聞こえない
  2. 感度の低い周波数のサンプリング精度を下げる