大学でプログラミングを勉強しましょう..とか、How To 本で勉強しましょうといっているレベルでは、米国トップには追いつけない。また、おっさんのにわか勉強 では歯が立たないのを実感してほしい。
彼はBay Areaの公立高で最高難度を誇るMonta Vista High School のJunior つまり日本の高校2年に相当
彼のGPA (See: http://bit.ly/MyYtOg ) は4.6 (平均成績: All Aで4.0のはず。それもMonta Vista High School で...)
彼の経歴:
- 2010: Java Club部長
- 2012- : 高校でのプログラミング教育のメンター
- 2013- : 携帯アプリ開発
彼のスキル:
- Java, Python, JNI, JNA, Lua
- JDBC, SQL, MySQL, NoSQL DB
- HTML, XML, JSON
- Eclipse IDE, Git
- Apache, LibGDX, Box2D, Slick2D, Kryo
- Networking development – TCP/IP, UDP, Socket,
- Multithreading development
彼の受賞歴:
- 2013 : 州の Game Simulation and Programmingで優勝
- 2013 : 全米 Game Simulation and Programming 決勝進出
- 2011 : Stanford Program Contestで2位
2014夏のインターンでの彼の実績)
米国シリコンバレーエリアの高校の夏休みは6月に始まり、8月中旬まで。日本よりも、ちょっと早めにずれている。
彼は高校が休みになった6月頭から、母親に送ってもらって、Stanfordに顔を出し始めた。
彼が入ったプロジェクト: Stanford RAMCloud: https://ramcloud.atlassian.net/wiki/display/RAM/RAMCloud
- 米国人の常で、まず、初っぱなのミーティングでぶっ飛ばす。認めてもらうには、最初が肝心というわけである。が、通常通りで、最初だけであとは、割とマイルド。さすがに、頭の回転が速いようで、超早口の英語でまくし立てる。。
- 最初の1週間で、自分のnotePCにLinuxを入れ、Stanfordのサーバで実験しているシステムを自分のPCに移植。(Stanfordで使っているLinuxはRed Hat Enterprise Linuxという有料品なので、無料のLinuxに移植している。スイスCERNから来ていた詳しい人が手伝ったようだが...)
- テーマとして、このRAMCloudというシステムで博士課程の学生が卒業前に途中まで作った「Javaインターフェースを完成させる」というものを選択
- 2〜3週間で完成。性能チューニングに入る。性能も向上。プログラムの登録(git commit)に必須としている単体テスト(unit test)も作成。
- 私が新規に導入していたサーバをサーバ室に据え付け、設定するのを作業者の影響がでない土曜にやるというのを聞きつけ、是非手伝いたいとやってきて。良い勉強になったといっていた。
- 教授による、code review (記述確認)をpassして、成果物をRAMCloudのgitに登録。
- 他に貢献できることはないか...というので、RAMCloudにかけていた、Job管理システムの原型を作った。
- 記念写真を撮りたいとのことで、集合写真を撮って去って行った。
- その後、手書きの感謝のメッセージに写真を貼ったカードを全員に配っていった。
- 秋の終わりに、PhD卒業生とのさよならDinnerがあり、彼も招待されてやってきた。そのとき、「絶対に、この研究室でまたインターンをやりたいので、またよろしく。大学もStanfordに入るつもりだ」といっていた。
とにかく、「絶対」がでてくる人間は強い。できない言い訳ではなくて、やるための方策を考えるから....
インターンが終わったあと、彼に、何故?どうやって応募したのか?聞いた。。答えは、
- 高校の夏休みに大学のサマースクールにいく学生がいるし、大学から案内も来る。
- でも、それではもの足らなく感じて、インターネットで大学の研究テーマを探し、各大学の教授あてに片っ端から自分のレジメをいれて、おねがいのemailを送った。
- 返事をくれた教授はそんなに多くないし。Stanford大でも数名。その中に、今回、Summer Internをした当指導教官がおり、大変興味をもってもらえ、インターンにこぎつけた。
知り合いに頼ろうとかしないで、高校生のくせに、自分の力で道を切り開こうとするところが凄い。シリコンバレーにいる中国系なので、親もIT関係の研究者で、日頃から良いインプットがあるのかもしれない。
補足情報)
Monta Vista HighのAPIスコア(1000点満点の共通テスト See: http://bit.ly/MyXKg5 、これの学校平均点。有名校はこれをあげるために作為が入っていると思う)は、なんと957点にあがっている。Monta Vista High http://bit.ly/1hm5YEo (一学年 600人) は、Cupertino市 (Apple本社がある市), West San Jose, Sunny Valeをまたぐ, Fremont Union High School District http://www.fuhsd.org/HIGHschools の5校の中でもトップ、アジア人だらけ
関連する拙blog:
(以下では、改革すべきといっているが、本稿での結論は、「どんな環境でも、できるヤツはできる、ヘタレが最大の課題」とちょっと違ってきている)
2012年6月4日月曜日: 米国こそ学歴社会である (上記APIスコアについて解説)
2013年2月5日火曜日: 米国の理科教育 (たしかに理科教育の改革は必要)
2013年2月7日木曜日: 大学の本分は教育ではないのか。。 (大学も一流にしたい)
2012年5月20日日曜日: 日本の教育は早々に改革すべきである (教育課題投稿のまとめ)
2011年5月16日月曜日: シリコンバレーの教育競争と住宅高騰
2013年5月6日月曜日: Stanford大学の授業 (Stanford の授業の様子)
2013年5月6日月曜日: Thought for the Weekend - Stanford大CS142より (Stanford大では人間教育=エリートには必須 もやっている)
参考2: 日本最難関 東大理III (医学部, 定員100人)でA判定を出すセンター試験成績は855点が必要 http://bit.ly/Mz1v5n (難易度も違うが完全性が必要という点で比較したい) これを1000点満点に換算すると950点になり、ほぼMonta Vista HighのAPIスコア=学校平均に等しい。
See also :CA school rating: http://bit.ly/MyX7Ds (親の学歴、学生の人種構成も出ているので是非ご覧下さい)
感想)
受験戦争はくだらないとか言っていても、できるヤツは、与えられた環境の中で才能を発揮する。社会人でも同じだが、環境をイイワケにして、へたれているのが、今の日本の、最大の課題 なのでは。。