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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2014年6月16日月曜日

Stanford大の第123回Commencement(卒業式)に行ってきた


6/15(日)に行われたStanford大の第123回、Commencement(卒業式)を見学してきた。

プログラム: 左が全体式典、右がCSの式典
wiki: http://ja.wikipedia.org/wiki/スタンフォード大学 にあるように初代学長David Starr Jordanが就任したのが、1891年で、それに123を足すと、2014年になる。つまり、毎年欠かさず、卒業式が行われている。。皆、割と任期が長いので、2000年から学長をやっているJohn Hennessyで10代目である。。

  1. 9:30AM- Stanford Football Studiumで行われた全体の式典 (8:30頃に車はGraduate School of Businessの駐車場に駐めた。空いていた。Studiumの駐車場はすでに満車)
    1. 会場前で、式典プログラムと水を配っていた
    2. 入場式:学部生はコスプレ(コスチューム)大会、院生は普通
    3. 開会の辞
    4. Microsoft創立者のBill Gatesと奧さんのMelinda Gatesの式辞:
       Optimism が大事。そしてやることを見付けたらEmphasisが大事。
    5. 学位授与の宣言
    6. Hennessy学長の祝辞(米国大統領になったHoovar の話)
    7. 芝生に降りて、写真撮影とか、Stanford Jass Workshop Commencement Ensembleの演奏とチアリーディング
  2. 昼食: CS(Computer Science) のCommencement の会場に向かう途中。Aligera Armuni Center前で、食べ物を配っていた。CSのCommencement会場でもサンドイッチを配っていたが、もはやベジしか残っていなかった。
  3. 12:30- Frost Amphitheaterで行われたCSのCommencement。
    1. 学部長 Jennifer Widomの開会の辞
    2. 学位記 (Diploma)の授与: カメラマンがいて写真を撮影
    3. Jenniferによる閉会の辞
心配事)
Bill & Melinda Gatesは式辞で、「Optimismが大事」といったが、3つ悲観的なコメントを書く。

1. StanfordのCSは、どんどん人数が増えて卒業者は10年前の4倍。日本では電気やコンピュータは企業の不振もあって低人気だったようですが、それでは差が広まるのでは。

2. CSの学部授与式で中国・インド・アラブ系の苗字は沢山よばれたのに日系の苗字は1人のみ、別にStanfordだけが海外の大学じゃないのですが、日本に閉じこもっていなければよいが。

3. CSのPhD授与者は28人。CSには毎年1500人以上がPhDに応募しているとPhDの募集webに書かれている。が、卒業者はこれだけ、日本は無競争に近かったと思うが、大学教員として後身を育てたり主要な研究機関に所属するなど重要な役目を担うPhDが無競争なのと、激しい競争があるのでは、結果が違ってくるのでは。。

写真とコメント)
Studium入り口にプログラムが山積み
Studium入り口では水も無料で配っていた。2本もらってきた。
このあと、知り合いの日本人にも会った。
9:00頃に着席したので、下段に席が取れた

最近、Campus Drive等の街灯にかざってあった、桐の家紋のような旗(右列下から2番目)は、Stanfordの大学旗だったとは。。


学部生入場。コスプレ。しょっぱな当たりで、水着にガウンなんてのも。。

京都大学の卒業式はコスプレでビックリ http://matome.naver.jp/odai/2139562743642558901 「【衝撃】ヤバすぎる!京都大学の卒業式コスプレ画像まとめ2014 #KU卒業式 #京大卒業式」だと思ったら、Stanfordの方が上を行っているかも。写真は、下に、続く。。

まだまだ出てくる学部生のコスプレ。
まだまだ続くコスプレ
まだまだ続くコスプレ。スタンドの家族・来賓は総立ちで大歓声。のんきなものである。

まだまだ続く
頭にヤシのハッパをつけた、ダンサーみたいなコスプレ女性も卒業生。。

次は院生。厳粛な音楽が流れ、コスプレもなく整然と入場
次に、来賓と教授達が入場し、最後に、学長のJohn Hennssyと公演するBill & Melinda Gatesが入場。来賓達同様、大回りして、客席のまえを手を振りながら通っていった。。
会場では、レモネードとポップコーンも販売。店員は列に入れないので、端っこの人までが協力して、お金と商品を搬送。


John Hennessy学長の挨拶の冒頭で、お父さんに感謝Happy Farther's Dayといって、会場は大いに沸いた。
Bill & Melinda Gatesの式辞
MIPS RISCの発案者で名著Quantitative Approach :http://amzn.to/1p84yzc の著者(和訳は、http://amzn.to/1p84DTK )でも知られるComputer Scienceの大御所 John HennessyとBill Gatesという2人がおさまった貴重な写真。



2005年には、YouTube: http://youtu.be/XQB3H6I8t_4 (日本語字幕付き) にあるように、ありし日のAppleのSteve Jobsが、John Hennessyの前で、Commencementの式辞を述べている。以下が、その埋め込み画像。




Bill Gatesらの式辞も、そのうちYouTubeに上がると思う。BillとMelindaが交互に式辞をしゃべったが、概要は、

  1. Melinda: Some people call you Nurds, but it's a pride. : 「君たちのことを、Nurds (オタク)というかもしれないが、誇りに思ってほしい。」コスプレしている学生が大受け。
  2. Optimism (楽観主義が大事)
  3. アフリカを訪問して多くの子供がマラリアで死んでいることに気づき、MDR-TBなどのワクチンを接種するシステムを作った。最初は生存率が50%にしかならなかったが、その後、80%を越えた。
  4. 未来について暗い予測をする人も居るが、問題点を列挙して嘆くよりも、直せることを直していけば問題は解決していく。
  5. 君たちは私達よりもっと上手にできる。
  6. 今すぐに動く必要は無いし急ぐ必要は無い。が、そのうち、しなければならないと思ったときに、力をいれてほしい。"Emphasis"が大事なのだ。 
Steve Jobsの式辞の概要やら彼の考え方は、以下にも書いた。

2011年10月6日木曜日: Steve Jobsよ安らかに眠れ


「Stay hungry, stay cool.」と独創を主張した2005年のJobsのtalkから、ほぼ10年が経って、今度は、「OptimismやEmphasis」による共創を主張していることが時代の流れを感じる。
世の中も、Open InnovationやStanfordのd-schoolなど共創が叫ばれている。
日本は、もともと共創が得意な国だと思う。2020年には東京オリンピックもある。
これから日本が世界に向けて発信して、再度、世界の工場と呼ばれるよう、Optimisticに頑張っていくことが大事なのかもしれない。

全体式典が終わり、芝生に降りて、ジャズセッションを聞いた。フットボール場の芝生は毛足が長くふわふわしていた

このスタジアムは、1994年のサッカーワールドカップ米国大会 ( 
http://ja.wikipedia.org/wiki/1994_FIFAワールドカップ )の時に、ブラジル人の友人に誘われ、ブラジル戦を観戦した。奇しくも、そこに2014年ワールドカップ日本-コートジボアール戦(惜しくも敗退したが)の翌日に降り立つとは。。
この試合は、多分予選のブラジル-カメルーン戦。ロマーリオがゴールを決め快勝した。そしてブラジルは優勝した。この験を担ぎで今回の日本も登り調子になればよいのだが。。
移動する途中、Aligera Almuni Centerの前で無料で配られていた。フルーツやグラノラや水。
午後に行われたComputer Science (CS)の学位授与式: 学部長 Jenniferの開会の辞
去年までは、CSのあるGates Computer Scienceビルの裏の芝生で行っていたが、CSは、10年前の4倍に人数が増え、Human biologyについで、Stanford大で2番目に大きな学部になった。入りきらなくなったので、今年から (フーバタワー/Memorial Auditorium裏の) Frost Amphitheaterに会場を移したとのこと。確かに、学位記が膨大量ある。。

他にJenniferの開会の辞から。
  1. Computer Scienceは発見の為の貴重なツールになっている。このため、全学の授業としても学ぶ学生が多い。CS106Aは伝説の授業である。(Prof.  Mehran SahamiによるProgramming Methodologyの授業であり、 http://bit.ly/1kWVRIW のようなOnline学習のサイトもある。GitHub http://bit.ly/1p87cVT にもでている。膨大な学生が受講すると有名なもの。)
  2. 自分は親に、「大学の先生がいいよ」といわれて先生になった。実は、Jenniferの息子さんもStanfordにいる。
  3. 女性の比率は25%と低いが、全米平均の15%よりは高い。
この後、BS, MS, PhD 全員の名前をよび、プロカメラマンが写真を撮りつつ、学位を授与した。BS,MSの学生の名前を読み上げたのは、先の伝説の授業のProf. Mehran Sahami 。
日本と違うのは、優秀な学生には賞をあげて徹底的に引き立てること。まずawardの表彰をして、学位記を与えるときにも、名前のあとで、再度受賞について述べる。
「できるヤツはできる」(悔しかったら、ガンバってみろ!!)というのが米国の強さ、米国の学生がよく勉強する根本なのかもしれない。終身雇用で頑張らなくても一緒という雰囲気の会社とは差がついて当然である。

残念なのは、MSやPhDには、中国人・インド人の名前が沢山あるが、日本人の苗字はたったの一人であったこと。

米国にいる日系人が、学費が高い私学のStanfordを避けているのかもしれないが、日本から海外にでてCSを学ぶひとが減っているのではなかろうか。。 

以下PhDの学位授与。全体のCommencementのプログラムにも授与者のリストがあったが、2013/9/26, 2014/1/9, 2014/4/9, 2014/6/15といろいろな時期に授与され、卒業している。
私のいる研究室の学生も2013末と2014頭に2人PhDを授与され卒業しているが、一人はシアトルのMicrosoft Research, もうひとりはスイスのGoogle Researchにいるので、さすがに今回のCommencementには出席していなかった。事前に連絡がついているのか、居ない人で名前を呼ばれたのは、Masterで数人だけであった。

以下、PhDの学位授与。アドバイザがHooder (フードを掛ける人?) になりHoodを掛けてもらう。

Prof. David Mazières http://www.scs.stanford.edu/~dm/ にHoodを掛けてもらうPhD学生(かれはGoogleに就職したはず..)   Prof. DavidはMIT卒なので、ガウンがMIT http://bit.ly/1kWWvpOのもの。こういうところも統一しないで、あえて多様性を残すのが米国それも西海岸っぽい。

Computer Graphics/Computational PhotographyのProf. Marc Levoy http://graphics.stanford.edu/~levoy/ は、CommencementでもGoogle Glassをつけたまま。
Prof. JohnがHooderとしてPhD学生にHoodをかける。

自分がアドバイザになっているPhD学生が卒業しない先生は、式典には出席していなかった。たとえば、Prof. Bill Dallyとか。。逆にいうと、PhDの学生は、このHooderの任のために、アドバイザの先生を日曜に貸し切りにしているということである。

後日聞いた、Prof. Johnの雑談。「Hoodarは晴れがましい。首を通す穴じゃないところに、首を通すと失敗するので、やるほうも緊張する。以前、悲惨な失敗をみた、入れる穴も確認せず、フードの向きも確認せずつけた(教授がいた..)ので、フードは学生のお腹側に垂れ下がり(つまりよだれかけのようになり)、見るも哀れだった。」と。。

今回の卒業式でPhDを授与されたのは28人。Stanford CSのPhDには毎年、1500人を越える応募があるということなので、PhDには、それだけの価値があるのだろう。

ほぼ全入状態といわれる日本の大学の博士課程。そこから大学の先生やら重要な研究者をだしていくだけに、世界から希望者があつまって競争が激しくなるように工夫が必要なのではなかろうか。。