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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2011年5月28日土曜日

高速走行での動力の伝わり方。

   2011年5月26日木曜日 「高速走行でのプリウスの燃費」


の最後に書いていた仮説について、高速で観察した結果を、上記記事に追記しました。ご覧ください。

プリウスのブレーキ

トヨタのページ http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/environment/technology_file/hybrid.html には、3代目プリウス ZVW30(2009年 -)での進化の概要がある。まだまだ、これだけ進化しているのである。

その中にブレーキの動作のグラフがある。



このグラフが正確だとすると、以下のことが言える。
  1. 油圧と回生は常に併用し、一定の制動力になるように回生と油圧のバランスをコントロールしている。
  2. 油圧と回生のバランスは状況によって調整する。これは、厳密には以下の2つのケースを含むと思われる。
    • 2.1  人間の意図の反映)  制動開始と停止直前は油圧が主体
    • 2.2  車速の反映)  中・低速域で回生ブレーキへのエネルギー伝播率が上がる
考察)
  •  2.1に関しては、自然なブレーキフィーリングのための味付けではなかろうか。すなわち、回生ブレーキは、回生エネルギーを測定しないとブレーキ力が調整できない。すなわちフィードバックに時間がかかり、きめ細かな制御がしにくい。回生ブレーキは、制動の意図が安定するまで使わないということ。ではなかろうか。
  • 2.2に関しては、高速域では、回生ブレーキの制動力が足らないので、油圧が主体になる可能性もある。しかしそうであろうか、次項に挙げたトヨタサイトの情報では、モータ 60kW はエンジン 73kWとほぼ同じ出力(馬力)を持つ。Ni-MH電池は、6.5Ahこれは、23.4kW秒に相当する。通常、高速では、エンジンの最大加速以下の減速ならエンジンブレーキでかける。つまり安全のためフットブレーキはあまり踏むなと、教習所で習った。だとすると、相当な急制動をしない限り、回生ブレーキで足りる。もちろん、Ni-MHの容量が小さいし、拙稿: 「2011年5月25日:水曜日 トヨタのプリウスは本当に凄い車です」 の末尾に書いたように、Ni-MHの容量の40%から65%の範囲、すなわち25%ぶんでしか充放電を行わずにNi-MHの寿命を延ばしている。たとすると使える容量は、5.85kWh。これは、もしもモータの最大出力分で制動をかけると、たった、0.09秒分にしかならない。最大加速並みの減速をしただけで、すぐに回生失効するわけであり、それがゆえに油圧ブレーキでエネルギーを捨てざるを得ないのかもしれない。23.4 kmも充電池走行可能なPHV(プラグインハイブリッド)に期待したい。それなりに重くなるし、電池が完全充放電に近くなり電池寿命が短くなる(部材の製造・廃棄エネルギーが大きくなる)ので、本当にエコかは十分検討が必要である。
    (駆動系の出力については、高速向けのスポーツセダンであるBMWと比較したので、後日それをblogに掲載したい。)
  • 30型プリウスの仕様) http://toyota.jp/prius/003_p_001/spec/spec/index.html
    上記2.2に関しては、それを裏づける情報が以下のblogにある。



    ここには、プリウスのブレーキについて、違和感はないだろうとの、考察がある。ここで触れられているECBという電子回路はとてもよくできている。一部引用すると、
    「またECB はドライバーの操作に応じて、通常ブレーキ、ABS、TRC、VSC、ブレーキアシスト、ヒルスタートアシストコントロールの制御も行う。フェイルセーフ機能は、システム異常時にはハイドロブースターの油圧がホイールシリンダーに作用する油圧バックアップ構造とし制動力を確保する。」
     とある。非常に高度なシステムになっている。ご興味があればご一読をお勧めする。

    出所は不明だが、上記blogにあるグラフを以下に引用する。




















    制動力を油圧ブレーキ、回生ブレーキ(上記で「はモータによる制動力」と書かれている)、エンジンブレーキに分割している。ここでも中、低速域で回生ブレーキを主に使うことが書かれており、また、油圧と回生ブレーキをバランスをとりつつ使っていると主張されている。

    電車では、高速時に回生ブレーキ(ぶーんというやつ)、そして空気ブレーキに切り替わるので、違和感を感じる。ところがプリウスでは、同時に2つを組み合わせて使っている。その性か、走らせて見ると、常に油圧ブレーキを使っているようにしか感じられない。このために、かなりたくさんの電磁バルブを制御しているとも聞く。きわめて完成度が高いように思う。

    冒頭のトヨタのサイトには、低速でstop and goの多い街乗りでエネルギー回収を効率よく行うために、低速での回生を重視しているように書いてある。これを実現するには、低速での回生を効率的に行う必要があり、高性能インバータが活躍する。

    注) プリウスは発電機とモータと2つ積んでいるが、回生はモータで行う模様。これは車軸に直結したモータで行わず、遊星ギヤを経由した発電機で行った場合には反力(エネルギー)がエンジン(ポンピングロス-いわゆるエンジンブレーキ)に吸収される。これを避けるためと思われる。(もっともインサイトでは、エンジンが切り離せないので、バルブを全閉にしてポンピングロスを減らしている。フリクションロスとかバルブ系の駆動ロスは残るだろうが。)  私はエンジンブレーキのロスを防ぐために回生時には、サンギヤにつながった発電機をフリーにして、反力がエンジンにつたわらないようにしているのではと考えている。遊星ギヤと発電機でクラッチの役目を果たすわけである。

    回生と油圧のバランスというのは、難しい技術に思えるが、実は似たようなことは従来からやられている。

    作動点(アクチュエータ)が1つにまとまっているので多少違うが、ほとんどの車で使われている、ブレーキアシスト(負圧か油圧による増力装置)がこの1例であろう。また油圧を使った例では、パワステがあげられる。弁をうまくつかうことで、重くもなく軽くもない自然な操舵感を実現している。



    アクチュエータが複数ある例では、トラックの制動系が挙げられる。


    にあるように、ブレーキアシストしたドラムブレーキ、排気ブレーキ、プロペラシャフトを電気的に制動するブレーキリターダが併用されている。プリウスの制動系がだめなら、トラックはもっと以前に問題を起しているのではなかろうか。やはりハイブリッドで独走するトヨタ イジメのようにも感じてしまう。

    そういえば、一度、ぬれたマンホールの上で急発進してタイヤが鳴ったことがある。これは、ブレーキには関係ないし、トラクションコントロールをもっていないので、どうしようもないのだろう。ABSが作動したと感じたことは、まだ一度もない。
    ヒルスタートアシスト(ブレーキを強く踏めば、離しても急坂をさがらない)の効果も、まだ確認できていない。使っておらず急坂を若干後退したことはあるのだが。。



    TinyUmbrella v4.33.02がリリースされた。

    AppleTV 4.3 (4.2.2)への対応らしい。
    非脱獄のiPhone4,iPodのSHSHが退避できない問題は解決していない。(iPhone, iPodをつながずにSHSHの保存を試しただけだが。

    やはりデバイス名が化けているりのが怪しいのではなかろうか。

    2011年5月26日木曜日

    最後のスペースシャトル打ち上げの見学申し込みが5/30に始まります。

    http://www.hmaimages.com/Kennedy/May_Launch_RegistrationWillOpen_16787/index.html?utm_source=HMA&utm_medium=Email&utm_content=Month2011&utm_campaign=KSC_16787

    に案内があるとおり、2011/5/30 9:00 米国東部時間(EDT)から最後のスペースシャトルの打ち上げ(アトランティス号)の見学予約が始まります。もちろん、予約に外れても敷地外から見られますが、専用サイトが3箇所もあるので、当選する可能性はあるでしょう。

    6/28の打ち上げ予定でしたが、すでに2週間も後ろにずれました。今回のディスカバリーの遅延を見ていると、打ち上げを生で見るには相当の幸運か近くに住んでいる必要がありそうです。
    それでいて、それほど近くでは見れない上に、2分もたたないうちに見えなくなりますからね。

    NASAのwebに掲載された録画(UstreamならHD画質)で十分かもしれませんね。ただ、かつて無人の月面探査機の夜間打ち上げをKennedy space centerで見た人によると、夜で美しいというのもあり、とても印象的だったそうです。皆既日食とかもそのようですし、やっぱり一度現場の臨場感を味わいたいですね。

    2人で応募したのですが、ともに外れました。3箇所のどこにもあたりませんでした。さすがに最後の打ち上げで希望者が多いのでしょうか?

    うーん。史上最大のロケットSaturn V(アポロ計画)の打ち上げこそ生で見たかったなぁ。。

    高速走行でのプリウスの燃費 - 情報豊富なweb

    http://www3.coara.or.jp/~tomoyaz/higaax11.html#110208

    に高速走行でのプリウスの燃費の解析があります。他にも日産LEAFの解析や、充電できなくなったNi-MH電池の復元など、面白い情報があってお勧めなので、お勧めリンクに貼っておきます。

    ここでは、「最高速付近ではエンジンのみの出力で走行するが、電池が満タンになると(遊星ギヤの)サンギアの発電機の出力を吸収できない。つまりサンギアに負荷がかからないと速度が出ないのである。
    そこでサンギアの発電機に発電という負荷を与えて回転を遅くし、発電した電力を駆動モーターに供給する。つまりTHSで最高速を出すには、必ずエンジントルクの一部を発電機とモーター経由に分配して駆動輪に伝える必要があるのだ。」とあります。これは、2011/5/25づけの拙稿
    「トヨタのプリウスは本当に凄い車です」での解析と一致しており、これによって、高速走行時に動力の一部が、発電機->モータを経由し、そこの部分のエネルギーが10%のロスとなり、最高速度が上がらないと結論付けています。

    これは、そのとおりですが、発電機を単なるブレーキとして使うとまた違うことにならないかと思います。つまり、こういうことです。
    • 発電機を非常に低速で回る力の強いモータとして利用する。
    • このときには、回転が遅いので発電機に投入するエネルギー自体は小さい。
    • そのエネルギーは、Ni-MH電池から補給する。
    • Ni-MH電池は時々充電する。このときは、発電機はサンギヤのブレーキとなる。
     (2011/5/27追記)
    高速走行時にコンソールのエナジーメータを観察した。まずユーザスマニュアルにある説明写真を参照しつつエナジーメータを紹介する。上から。


    A. エンジンのみで走行







    B. モータでバッテリーを充電(回生ブレーキ)

    C. バッテリーを使ってモータのみで走行(EVモード)






    D. バッテリーでモータを、さらにエンジンの両方の力を合算して走行。






    E. エンジンがバッテリーを充電







    F. エンジンもモータ(発電機)も停止







    G. マニュアルには説明がはないが、AとEを組合した表示もでる。
    すなわち、エンジンで走行しつつ、バッテリーを充電している。


    高速(起伏の多いi280) を走ると、実は、G, D, Bがほとんどである。ほんのすこしAも見られる。Bは回生なので別としても、モーターで動力補助をする(D)か、発電をしつつ走る(G) かの2択のようである。遊星ギヤがあるので、どちらかの動作になるのであろう。

    Dは実は2つに分かれているのではと推測している。すなわち、

    D1. 加速時 - モータがパワーを補助する。バッテリーはかなり急速に放電する。発電機は、低速で回転ないしは、誘導電流で固定に近い状態になり、遊星ギヤのサンギヤをロックアップしてエンジンの動力を車軸に有効に伝える。ないしは、発電機もモータとして補助動力を生み出す???

    D2. 定常時 - モータはなにもしない。動力はエンジンのみが生み出す。ただしバッテリーの電力は発電機にそそがれ、遊星ギヤをエンジンの動力が有効に伝わるよう、サンギアにつながった発電機をロックアップする(または、低速・高トルクでエネルギーを節約してまわす)ために使われる。つまり発電機の動作はD1と類似。

    プリウスのエネルギーモニターには、モータと発電機がまとめて表示されてしまうので、実のところはわからない。

    が、以下のwiki pediaの「電力・機械併用式無段階変速機」の章に、上記を肯定する記述がある。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/無段変速機



    「通常走行時




    発電機の回転数を極小回転にする事で、遊星歯車機構により機械的にエンジン出力を伝達して通常の4速MTにおける4速での直結に近い状態にし効率を高めている。


    加速時




    発電機の回転数を高くすると遊星歯車機構により車速に対してのエンジン回転数も高くなり、発電機の発電による電気的にも遊星歯車を使い機械的にも動力増強を行う。必要に応じてバッテリーからの電力も供給される。」

    プリウスとインサイトの燃費比較

    技術的な差異は、拙稿(次をクリックするといけます):2011/5/25日 トヨタのプリウスは本当に凄い車です にも書きました。

    http://features.car.jp.msn.com/carlife/special/prius001/drive/drv_3_001.htm

    に比較実験結果がありました。新型(30型 2009モデルチェンジ)の3代目プリウスと2代目インサイトの比較なのでインサイトには不利かもしれません。新型プリウスになって、エンジンが1.5Lから1.8Lに大型化し、馬力もトルクも向上しています。(末尾参照)。にもかかわらず、燃費がすべてのケースにおいて、大幅に改善しています。

    市街地走行では圧倒的にプリウスの勝ち。高速でのプリウスの勝ちでした。

    ○市街地走行)
      新型プリウス 34.4km/L
      インサイト          24.7km/L
      先代プリウス 28.4km/L

    ○高速走行)
      ■高速巡航モード燃費
      新型プリウス 28.0km/L
      インサイト          24.4km/L
      先代プリウス 25.2km/L

      ■高速ハイペースモード燃費
      新型プリウス 22.2km/L
      インサイト          19.9km/L
      先代プリウス 21.3km/L

    実際に走らせて、モニターをみていると、回生で得られるエネルギーは、15分につき、高々100Whにも満たないようです。

    http://www.ei.u-tokai.ac.jp/kimura/kimura-lab/ev/record.html (東京大学木村研究室)によると、ガソリン1リットル(L)の理論エネルギーを8,776Wh(低位発熱量)らしいので、
    エンジンの効率を20%程度(理想的には32%らしいですが。。)として、0.05Lのガソリンの節約ですね。これは小さいと思いきや、町中の燃費を30km/L(これがとんでもなく良いのですが。。)として平均20km/hで走れば、15分で0.16Lのガソリンを消費するわけで。結構なエネルギーが回生でまかなわれることもあるといえそうです。平均速度とかいろいろな部分に仮定が大きい、いい加減な試算なのであくまで仮説です。もちろん高速道路走行では回生が減ります。(i280みたいな上り下りの大きな高速だとそこそこありますが。回生失効もおきていると思います。) 

    ハイブリッドの高燃費は、エンジンを最高燃費のところで回すこと、新型プリウスがいろいろ追加したようにいろいろな部分でのロス(吸気ロス、冷却ロス)の削減の積み重ねもあるでしょうから、実績をつみ続けているトヨタの優位はそうそう崩れないでしょうね。

    ただドライビングフィールでは、インサイトの方が評価が高いようです。
    やっぱりトヨタは最後の味付けが地味なのかなぁ。細いタイヤも評判が悪い。私は、トーションビーム(インサイトも同じですが。。)のリヤサスをはじめ(アメ車ほどではないですが。)や、ややふわふわの足回りがちょっと不満。

    一方、別の評価では、2代目同士の比較で、
    http://gazoo.com/g-blog/tabby/112464/article.aspx

    に比較実験の結果がありました。結果、高速での満タン計測で

    インサイト(エンジン1.3L)         20.32km/L
    プリウス(エンジン1.5L - 20型)    19.63km/L

                                                                  エンジン                |    モーター
    20型プリウスのエンジン・モーター出力は  77ps 11.7kgm           |  68ps   
     対してインサイトは                  88ps 12.3kgm          |  14ps

    ちなみに現行3代目(2009- )では、             97ps   14.5kgm (1.8L)  |    79ps  21.1kgm

    プリウスでは、モータが非常に大きな馬力とトルクを生み出しうることがわかります。

     インサイトは圧倒的にエンジン主体で、あくまでモーターは補助。1.3Lエンジンで88psを引き出しかつ燃費も良いのは、さすがホンダですね。

    2011年5月25日水曜日

    トヨタプリウスにはなぜか12Vの鉛蓄電池が積まれている- いやこれは必然だった

    プリウスのNi-MH(ニッケル水素)電池は、201.6Vである。7.2Vのセルを28個直列にしている。容量は1.7kWhである。

    駆動発電の制御用インバータには、201.6Vを12Vに落とすDC-DCコンバータが積まれている。なのに、なぜだか、12Vの鉛蓄電池がトランクの横に積まれている。かなり小型ではある。  

    いや、これは必然だったように思う。室内灯やドアランプ、ホーン(クラクション)、ハザードランプ、ドアロック回路、イモビライザー、盗難防止装置など、イグニッションを切っていても、給電しないとならない12Vの電装系は多い。さらに、エンジンが走行中にも止まるので、従来、エンジンの回転を利用していたエアコン(コンプレッサー)や、エンジンのキャブレターの負圧を利用したブレーキアシスト、オイル利用のパワステもエンジンが止まっていても動作しないとならない。プリウスでは、パワステは電動である。

    また供給電流も変動する。そのために、常にDC-DCコンバータを動かしておくと、電力ロスがバカにならないのだろう。車にはブレーキランプやウインカー、パワーウインドウ、ワイパー、ハイビーム・パッシング等、変動する負荷は大きい。なので、鉛蓄電池で吸収したほうが良いともいえる。セルモータが無いので、寿命も延びるということかもしれない。

       を見ても、鉛蓄電池は、浅い充放電なら寿命は長そうである。これはNi-MHと同じである。

    負荷変動耐性が大きく、待機電力が小さく、信頼性の高いDC-DCコンバータができれば、鉛蓄電池はなくなり、10年保証の駆動系Ni-MH電池だけになる。ますます、メンテフリー化が進む。これは望ましいことである。

    さらに) ユーザマニュアルには、「12Vバッテリが上がった場合には、ジャンパーケーブルをつないで、ハイブリッドシステムを起動できる」とある。Ni-MH電池がどういう状態かは触れられていないが、201.6VのNi-MH系が上がってしまうと、電動機系が回らないのでエンジンがかからない。12V系からNi-MHを充電できるように、DC-DCコンバータは双方向になっているかもしれない。だとすると12V系は非常用としても必然性が高くなる。ディーラで聞いたところ、そのようにはなっていない。Ni-MHがあがると、ディーラーでも再充電できず、カリフォルニアに1つしかない工場に持ち込んで充電するしか、再起動の手段はないらしい。
     
    ジャンプスタート時には、車軸に直結したモータを回すと車が動いてしまうので、静止時にエンジンを起動するときと同様に、車軸(リングギヤ)は固定して、発電機をセルモータ代わりにつかってエンジンを起動する。そして、車軸を固定したまま、エンジンのパワーを発電機に戻して、Ni-MHを急速充電する。なかなか面白い仕組みである。車軸とモータ、発電機の関係は、拙稿 2011/5/25「トヨタのプリウスは本当に凄い車です 」に記載あり。

    負荷変動の吸収)  負荷変動といっても、プリウスでは、12V系ではセルモータは回さない。ヘッドライトは夜の間定常的に流れる。変動は大きくないが負荷としては大無視できない。
    実はトヨタは北米では、プリウスのディスチャージランプ(HID: High Intensity Discharged: 高輝度放電灯)が走行中消えるということで訴えられ、多額の和解金を払っている。

    http://www.autoblog.com/2011/01/21/toyota-settles-prius-headlight-lawsuit-could-pay-tens-of-milli/

    このせいか、最新型の3代目プリウスのヘッドランプは、12V 55W(H11 球)、ハイビームは60Wのハロゲンに戻っている。これは日本でも米国でも同じで、LEDは上位グレードのオプションになっている。ハイビームの時には、55W x 2 + 60W x 2 = 230W (19A)の電力を消費するので、バッテリーを上がらせないためには、DC-DCコンバータにはそれなりの能力が要求される。

    非常用発電機としての活用)
    詳細は別掲するが、通常のオール電化家庭の電気使用量を想定しても、45Lのフルタンクで3.3日間発電できる計算になる。もっとも、普通は電気をそんなに使わないので、1週間は持つであろう。

    現行の30型プリウスには100V端子は無いが、12Vのシガライターソケットが2個ついている。それぞれ、120Wまで引き出せる。したがって無理をすれば、1個のシガライターから200W近く引き出せるであろう。これに家庭用インバータをつければ非常電源になる。アメリカではこういう簡易インバータがWalgreenで$22で売っている。波形は多分サイン波ではないだろうが。。

    プリウスでイグニッションをいれてオーディオを聞いていると、エンジンはほとんど回らない。しかし、Ni-MHバッテリの表示はだんだん減っていく。オーディオはさすがに12V系だと思うので、インバータ組み込みのDC-DCコンバータがNi-MHから12Vに変換してくれていると思う。そもそも、ハロゲン 55W x 2 + 60W x 2 = 230Wを駆動しないとならない。これに先のシガライター 240Wを足すと、DC-DCコンバータは500W程度の能力は十分あると思われる。非常用電源としては、十分ではなかろうか。

    HIDのすすめ)
    HIDなら明るくて視認性もよく低電流で、長寿命である。以下によると、ハロゲンに比べ、2倍明るく、消費電力が半分で、寿命が10倍とある。

    HIDの特徴) http://support-carlife.com/hid-how.html

    そもそも2万Vに昇圧するから、201.6VのNi-MHとは相性が良さそうであり、もったいない話である。電力を食うヘッドライト系だけでも、Ni-MH系にしたら12V系は小容量ですむはずだが、先に述べたように、非常時の起動用の役割が鉛蓄電池にあるのだとすると、鉛蓄電池はあまり小さくはできないだろう。
    ただし、HIDの電源系を構成する市販のバラストは12V用であり、これを201.6V用に再設計する必要はある。
    注) HIDの点灯系は、バーナ(発光部)、インバータ:AC変換、イグナイタ: 高圧生成部、バラスト:定電流回路から構成される。バーナー以外は、バラストと一体構造のものも多く、まとめてバラストと呼ぶことも多いようである。
    このバラストが浸水して故障したという記事がgoogleでたくさん検索される。
    そもそも米国で売られている換装用のHIDキットは、とても不良が多いようである。先代プリウスの不良なんてかわいいものだろう。

    蛇足だが、
    http://syaoron.dip.jp/kinomuku/car/hid.html には、HIDの点灯時間を短くするハイワッテージ改造が掲載されている。