米国出張の帰りの2010/10/16に、サンフランシスコ空港国際線チェックインロビーにある行きつけのハイテクギズモ店BrookStoneで見つけて衝動買いしてきた。前回、サンフランシスコの帰りでこの店にいった2010/8/7頃にも、この店に寄ったが、そのときにはなかった。だから、極めてホットな製品だと思う。
Brookstoneはおすすめ。
店のサイトは、以下。smartpen で検索すると、以下のペンの情報が出てくる。
http://www.brookstone.com/
ペンにカメラとFlashメモリと、音声レコーダが内蔵されたもの。私の買ったのは8GBペンにバインダとかいろいろセットになったプロパッケージというもの、これが$250ドルくらい。米livescribe社の製品。
ウェブサイトは以下
http://www.livescribe.com/en-us/
このサイトをみると、Brookstone以外に、Best buy, Apple store, Amazon.com, Target, Apple storeで取り扱いがある。
日本では、と思い調べてみたら、amazon.co.jpにも取り扱いがある。smartpenで検索してもらいたい。
1GBのペンで28,800円と、途方もなく高いし、2010/10/27現在、在庫あと1個となっているが、とにかく扱ってはいる。アメリカの本家amazon.com
http://www.amazon.com/
ならたくさん扱いがある。こちらも、smartpenで検索してもらいたい。2GBのペンで128ドル、日本のamazonとの価格差が理解してもらえると思う。2GBのpulseの方が、4GBから上のechoシリーズよりも少し細くて形もスマートである。検索して出てくる半数近くは関係ない製品だが、63品がヒットし、livescribe社がいろいろな関連製品を出し、エコシステムを構築しようとしているのがわかる。ここから直輸入できるかは不明。あとで調べてみたい。
後で詳しくblogを拡充したいが、どういうことができるかというと、以下に貼り付けた絵(flash playerで表示されている)のようなものが作れる。専用ノートにこのSmartPenでメモすると、音とノートがリンクする。それが手書きノートのままでも、手書きのメモのある位置をクリックするとその時点での録音が再生される。つまり音声というインデクシングしずらい情報に、メモという形でインデックスを作成できるわけ。これを、パソコンに取り込むと、簡単に以下に貼り付けた絵みたいなものが作れる。以下の、この絵(flash player)の任意の位置をクリックしてもらうと任意の位置に移動でき、音声もそこに移る。
語学教材も簡単に作れるし、学校の授業教材もこれでいろいろ簡単に作れそう。すでに、そういう教材コンテンツが、まだ15個程度であるが、livescribeのhomepage(以下のリンク)には掲載されている。
http://www.livescribe.com/cgi-bin/WebObjects/LDApp.woa/wa/CommunityOverviewPage
上記の絵は、そこからわりと良さそうなものをひろってきたもの。今日見たら、かなりコンテンツが増えていた。まさに今立ち上がりつつあるようだ。
上記のwebのコンテンツの中には、黒いペン書きと緑のペン書きの混在しているものがある。黒の部分は、録音をしないで作成されたメモ。音声とリンクしていない。緑の部分が、録音をしつつ作成したメモで、音声とリンクしているし、筆跡が動画(live replay)として記録されている部分である。
power pointとかwordとかに比べて専門知識もいらないし、なによりとても楽。
私の説明が悪いのか、実物をみて初めて感動する人が多い。
最初は、iPadとどう違うの?とか、ワコムなどのLCDつきのペンタブレット(例: http://cintiq.jp/) とどう違うの?とか、画像取り込み可能なホワイトボードとどう違うの?とか疑問を持たれる。
実物をみて、異口同音に言われるのは、「紙の良さが、いかされている。」ということである。紙の良さとは、
- 紙に一面にうすく印字された平面バーコード(アノト式 http://bit.ly/SYBfzU ユーラシア大陸とほぼ同じ広さである6,000万平方kmの面積を一意に認識できるらしい)というもの。を利用して、複数のノート、ページが識別されている。
- したがって、好きなページに書き散らかしたり、また前のページに戻って書き足したり、訂正したり。違うノートを渡り歩いたり。なにをやろうが、紙とまったくおなじイメージがコンピュータに取り込まれる。紙をめくる、違うノートに書き散らかす、まさに、それでいいのである。すごく自由度が高い。
- ペンの電源が入ってさえいれば。録音していないときは静止画として。録音していれば、録音とリンクした、筆跡動画としてコンピュータに取り込まれるのである。書き足した分がずれたりということはない。全く紙のイメージそのままがコンピュータに取り込まれる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Anoto
ただし、livescribe社のやり方は、かなりしたたか。音と映像がリンクしたデータは業界標準のflash movieに変換してwebに提供できる。ただし、このflash movieは、livescribe社のonline communityにしかuploadできない。他のフォーマットなら自分の手元におけるが、音だけとかpdfとか、smartpenの良さが生かせない手法だけである。個人所有にするなら、livescribe desktopをみんなにinstallして、ファイルをexportすることができるが、web等で一般共有しようとすると、livescribeのサイトにコンテンツを上げなければならないのである。livescribe社によると、非公開、限定公開、一般公開の選択ができるとあるが、いずれにしろ、livescribe社が、コンテンツを自分のサイトに囲い込んで、コンテンツ市場を支配しようとしているのが、みえみえである。アプリマーケットも押さえ、コンテンツも押さえる。iTune storeよりも有効な手段かもしれない。よく考えられたビジネスモデルである。ただし、livescribe desktopのexportデータを変換するなり、smartpenを脱獄(jailbreak)なりして、この囲い込みから逃れ、自由なマーケットを作ろうという有志がそのうち現れるだろう。livescribe社の思惑のようには簡単にはいかないと思う。
smartPenという通り、smartPhoneのもじりであり、アプリマーケットがある。
取ったメモと音をダウンロードするための、Livescribe desktopというアプリは、smartpenのweb siteから無料でダウンロードできる。Macとwindowsの両方に対応している
アプリの使い方は、ペン横の画面と音声でガイドがでる。それに従ってノートにメモを書いて使う。
- ピアノ: シーケンサ、楽器の変更とかができる。ノートに鍵盤を書いて演奏。
- 外国語: スペイン語とかを選ぶ。thank youとか、認識可能なフレーズからノートに手書きすると、文字認識されて、ディスプレイに文字がでるとともに発音される。
- ギター:コード名を書くと、文字認識して音が出る模様。
アプリの使い方は、ペン横の画面と音声でガイドがでる。それに従ってノートにメモを書いて使う。
大変な可能性を秘めている。
欠点といえば、物理ノートにペンでポイントするから、ノートがだんだん汚くなること。これも
ペンキャップとか、シャープのようにノック式でペン先が引っ込むとかすれば改善できる。たいした問題じゃない。
ユーザ登録すると無料のネットワークストレージが500MB用意されて、共有もできる。
アプリもいろいろ用意されていて、お金を出せば、手書き認識もある。
SDK(ソフトウェア開発キット) が公開されていて、iPhoneのように、アプリを開発して収益をあげることもできる。
すでに、アプリマーケットにはいろいろなアプリがある。
以下のようにアプリ売り上げの65%が開発者に戻る。手書き認識を利用すると開発者の手元に入るのは62%に減る。
Developer Benefits:
- You set the price – or distribute your application for free.
- Attractive revenue share:
Revenue Share: 65% to developer/35% to Livescribe (includes Anoto technology licensing fees*) - Another 3% for applications that utilize handwriting recognition functionality (using the com.livescribe.icr package) to Vision Objects: 62% to developer/38% to Livescribe (includes Anoto and Vision Objects technology licensing fees*)
* Livescribe will process and remit the third party technology licensing fees.
いろいろあって、Firmwareが壊れてCustomer supportと延々やりとりした。
でわかったことは、Faqでコメントされているfirmware書き換え用のLivescribeSmartpenFlashUtilityは版が古くて使えないこと。firmware書き換えは、livescribe desktop (LDというらしい)で、controlを押しつつメニューバーのToolsをクリックするとCustomer Supportという隠しメニューが現れ、その中に、最新のFlashUtilityが入っていると言うこと。である。