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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。
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2015年9月1日火曜日

米国Stanford大で博士をとるには

米国の博士審査について興味ある方が多いと思うのでまとめました。

まず初めに注意です。以下は、米国というよりもStanford大の審査基準です。
さらにStanfordでも学科によって多少違うようです。

Stanford大Computer Scienceの博士課程規定は http://stanford.io/1C4Vhhr で公開されています。順に書きます。

応募)
まず、30倍とも50倍ともいわれる博士課程の応募競争に勝ち残ります。通常は、修士を撮った人間が入ってきますが、米国の大学は実力本位なので、きっと例外規定(たとえば、教授による強い推薦による、高校生がいきなり博士課程とか...)があると思います。

 http://cs.stanford.edu/education/admissions に2016年度学生(学年は秋始まり)の応募規定があります。 2015/12/8締め切りです。
必要書類は、3通の推薦状、GREのスコア、TOEFLスコア(英語Non-native)、成績証明書、申請料 $125 など...

博士取得までの教育)

Stanford大学は1年4学期のQuater制です。ただし、夏学期は授業は少なく、学部生にとっては、夏休みで企業インターンなどをする時期になります。教授達も授業をしない=無給 らしく、集中的に研究にとりくんだり、企業にいってアドバイザをしたりと、通常と違った活動ができる時期になります。そして、秋学期つまり米国での新学年は10月に始まります。

以下、Stanford大で博士を取得するまでの流れを書きます。

1. CS300 seminar: 審査に勝ち残った応募者がStanford大を選ぶ直前での面接です。むしろ応募者がStanford大のComputer Scienceを査定するようにも思えます。Faculty(大学教官)たちから45分ずつ研究内容を聞きます。
実は、FacultyのかわりにPhD学生が担当するところも多く、学生とのマッチング面接の位置づけもありそうです。

2. 博士1年目: Research Rotation Program : 1 quarter がわりで3〜4研究室を回り、配属研究室を決めます。1つめで決める人もいれば、4つでも決まらず2年目に突入する学生もい真下。

3. Courses : 学位取得には135単位が必要です。大体1 Quaterに 9-10単位を取ります。大学院向けコースは学外講師の講演(オムニバス)のものも多いが、あえて、課題が多い学部生向けをとる学生も多いです。(卒業しても実力本位なので実力をつけたいのだろう...)
オムニバス形式の授業で、かつ、最終課題がレポートであっても、チームを作って良いからテーマを選んでまとめろ。というものもあり、それを厳しい教授が審査するということで、学生は必至で論文を沢山読みレポートを書いています。教授によっては、「研究がすすまないからいい加減にしろ!」「どうせ研究が進まないなら、もっと沢山講義を採れ」とコメントしたりするのですが、学生はGPA(成績平均点=レジメに書く、低いと就職に差し支える)を落としたくないので、1 Quater 1教科にする傾向があります。

4. Breadth Requirements
Area A: Mathematical and Theoretical Foundations: 教養として、これは取りなさいという学科の指示のようです。

6. Qualifying Examination : いわゆるQauls : PhD 2年(3年以降で受ける学生もいるようだが) の春に行われる学科試験。落ちたという話しは聞かないが、1ヶ月以上前から学生は必至になって勉強していてその学生の研究が止まる。

試験内容は分野によって異なる。今年のCSのQualsは、
 http://stanford.io/1C4Wl4W 当研究室はSystem系なので、http://stanford.io/1Pt7Vg9 が内容。以下に引用。
 • Architecture: Christos Kozyrakis
 • Compilers: Monica Lam
 • Databases: Hector Garcia-Molina
 • Graphics: Pat Hanrahan
 • Human Computer Interaction: James Landay
 • Networking: Nick McKeown
 • Operating Systems: Dawson Engler
 • Programming Languages: John Mitchell
 • Security: Dan Boneh


注)Hector Grcia-MolinaはPage Rankを考案し、Larry Page (現Google CEO)とGoogleを創業者したSergey Brin (wikipedia:セルゲイブリン: http://bit.ly/1KAnTGW ) の博士課程の指導教官であり、DatabaseやSNSの大御所。Monica Lamは、コンパイラの教科書Dragon bookの共著者でもある有名研究者であるし、Nick McKeownはOpen Flowを提案したNetworkの有名人。その他、Stanfordの名だたる教授達が名を連ねている。

8. Reading Committee and Thesis Proposal: 
Reading Committeeがいわゆる博士論文審査委員会

 日本(たとえば東大では、 http://bit.ly/1C4WNjq が規定、http://bit.ly/1C4WNQv が概要まとめ)では、論文を作成してから予備審査になるが、Stanfordの場合、論文骨子をThesis Proposalで提案して審査委員会に了承されないと、論文作成に入れない。公開で行われる。

 過去あったものは、主査が提言して、i.学生のスライド説明(割り込んで質疑)、ii.審査委員で議論、iii.学生を呼んで議論・結果説明。という流れ。

 Theis ProposalはPhD取得予定の最低でも9ヶ月以上前、そしてQualsよりも1年以上あとに行うことが求められている。

 つまり10月入学, Rotation, Quals(翌翌4月), 1年(翌4月) にProposal, 博士取得(9ヶ月後) となるので、コースドクターは、2.5年+9ヶ月は最低でもかかる。rotationをはしょっても、Qualsに必要な学科の履修を前倒しにできるかは不明。そもそも135単位の卒業単位はかなりきついと思う。

8.1 Regulations Concerning Composition of Reading Committee
 CSの場合、主査は指導教官でよく、それ以外に2名いれば良い。
 おそらく主査がアドバイスして他のメンバーを決めている。うちでは過去4人のProposalを見てきたが、Reading Committeeは一人はその分野の専門。そして、もう一人は、多少異分野から持ってくる。このため、過去3回は論文の共著者だったり共同研究者というか、一緒に定例会議にでていたMendel Rosemblumが入ったこともあった。

9. University Oral Examination: 日本でいう本審査。Defenseとも言う。
 公開で行われ、学生達も集まり質問がでる。最大延長3時間。
 Chairは審査委員会(Reading Committee)の推薦も踏まえ学生が決める。その他規定は、冒頭URLに書かれている。
 通常、修正条件付きになるので、この後、学生が書き直し、審査委員会の承認を得る。

10. Dissertation: 学位が授与される
 学位はどのQuaterでも(また途中でも)授与されるので、卒業時期はばらばら。
 卒業後の最初のCommencement - 2015年は明日6/14(日)に開催に招待され、卒業者名簿にも掲載される。
Electrical Engineering (EE)の規定は、http://stanford.io/1IRTIv0
 こちらも審査委員会は指導教官を含む3名。

8.1の身内2名が審査委員というのは甘いようにも思うが、意味のある論文をという方針なのだと思う。学会発表も1件でPhDを取っている学生も結構いるが、逆に、トップクラスの学会で、Best Paperを取っている学生も多い。

私の所属する研究室の関連研究では、PhD取得者4名のうち3名は、Best paper 
(FAST2014, ATC'14, USENIX '13)を取得している。ま、教授の七光りかもしれないが...


論文や博士論文はwiki : http://bit.ly/1CxlsgG にあがっている。USENIXのものは http://bit.ly/1b8mxhv 。 

2012年5月1日火曜日

米国経済の疑問をStanford大の経済学のPhD学生に聞いた

Stanford大経済学部のPhD学生に、日頃疑問に思っている米国の話題を聞いた。主に経済の疑問である。
1) オバマ大統領は、なぜ2008年に大勝したのに中間選挙で負けたのか。医療保険制度はなぜ評判が悪いのか。
2) 米国はなぜ2011年夏に、デフォルトぎりぎりまでもっていって、最強だった国際通貨ドルの信用を落としたのか
3) カリフォルニア州は、sales taxも高く、気候に恵まれ、優良企業があり、教育費などを削減しているのに大赤字なのか。
4) 政府の為替介入はどうあるべきなのか。

順番に解説していく。

1)オバマはなぜ大勝したのに中間選挙で負けたのか。医療保険制度はなぜ評判が悪いのか。

米国は、従来は大統領選のたびに、ナショナリズムが強く、大企業寄りの共和党と、リベラルな民主党と2つの政党の間を揺れ動いてきた。人々がこれに飽きてきたところに、オバマが、「中道を行こう。一つの米国じゃないか。」と呼びかけて、大きな支持を得た。これが、2008年末の大統領選挙での大勝の理由である。wiki http://bit.ly/IpwyvE にも、「ひとつの米国」とある。

ところが、昨今の米国では、小さな政府・民間活力をうたっているのに、オバマの政策は大きな政府を目指しており評判が悪い。
たとえば、国民健康保険である。これは、もともとは、米国に多数いる貧困層が民間保険に入れずに、治療費を踏み倒すことへの対策である。治療費を踏み倒すので、その治療費が医療費の高騰になり、特に中流階級に大きな負担となる。

これに対して共和党は、以下のように反対を唱えた。今の保険や医療機関は民間活力でやっている。医療保険を導入して、どこの病院に行っても同じ料金になったら、腕の悪い病院も頑張らなくなる。民間活力がそがれるではないかと。
さらには、大きな政府を嫌うということもある。これらが、オバマ離れに繋がったとのこと。

2012年末に、大統領選挙があるが、景気が回復しなければ、オバマは負けるだろうとのこと。景気が悪いのは大統領の責任ばかりではないが、結局のところ米国民は、それを政治の責任にするのである。

2)米国はなぜ2011年夏に、デフォルトぎりぎりまでもっていって、最強だった国際通貨ドルの信用を落としたのか 
米国の赤字は、16 Tirionドル。http://www.usdebtclock.org/ にリアルタイムカウンターがある。1ドル85円換算で1,360兆円である。このうち60%が米国債である。これまでは、ドルが国際通貨で高い信用を持つ。どの国でも買ってくれるということで、安易に国債残高の積み上げを許容してきた。

「知らないと恥をかく世界の大問題2」 角川SSC新書 (角川SSC新書) [新書] 池上 彰 (著)  http://amzn.to/Jn2BYO には、米国はFRBのバーナンキ議長がデフレ克服のために、以下のような策を打ったことが書かれている。
  1. ゼロ金利政策
  2. 量的緩和
この量的緩和が、債権を発行して、ドルの流通量を増やすことである。

これに対して共和党は、以下の3つの反対論陣をはった。
  1. これまでの米国は、常に2大政党が合意を形成する形で進んできた。ところが、ヨーロッパも日本も政党は対立の構図である。したがって対立の構図を作る。
  2. むやみに国債残高を増やすとドルといえど通貨不安に陥る。(実は、デフォルトぎりぎりまでもめたほうが通貨不安であったが。)
  3. 安易に大きな政府を目指すのはケシカラン。
ちなみに日本の国債残高は、2012/5/1現在で 1,200兆円である。米国と違って、100%全部がそのまま国債である。http://www.kh-web.org/fin/ にリアルタイム国債残高カウンターがある。http://bit.ly/J8tLok のようにGDPでは、米国は日本の2倍以上である。日本の国債がとんでもなく多いことがわかる。デフォルトにならないのは、日本人が国債をもっているからに過ぎない。http://bit.ly/Ipy6G5 にある、米財務省発行の債券は1番が中国、2番目が日本だがどちらもほぼ1tririonドルも保持している。円にして、85兆円である。ここにも金余り、無駄遣い日本が散見される。

話を戻して2の国債残高を増やす危険であるが、これはギリシャのデフォルト(財政不履行 http://bit.ly/IpyUdX )危機が関係している。ギリシャは、公務員がきわめて多い。4人に1人は公務員らしい。さらに希望すれば早くから高額の年金を受け取るシステムになっている。これはギリシャの国力があるからではなく、ギリシャ債を発行してまかなっていた。ギリシャがEUに参加しているので、ドイツやフランス等の優良国の信頼で金を調達できたということにある。
 EUに加盟するには借金の制限があるが、それを誤魔化して加盟し、そのごまかしが現政権で発覚した。そして信頼が落ちて、デフォルトの危機がやってきた。
信用のない国が債権を発行しても、買い取る国はいない。そこで、信用が落ちると、国債の利率を上げることになる。この利率は通常2から4%で推移する。がこれが7%を超えると一気に破綻するという経験則がある。理由は2つ。
  1. 利率が上がるのはリスクの裏返しで有り、この当たりになると、みな長期貸し付けを、やらなくなって、短期で売り払う。すると、政府は資金調達のために、さらに金利を上げる。そして金利が爆発的に上がる。
  2. 高い金利を政府が払いきれなくなり、金利支払いで倒産状態になる。つまり国内の貨幣が底をついて、急激なインフレに陥り、制御不能に陥る。
以前は世界には中央銀行などがあり割と制御しやすかったが、今は、経済が網の目のように繋がっており、どこかが破綻すると、たちまち全体に波及して手が付けられなくなる恐れがある。これが、各国がギリシャのデフォルトを避けるために手を尽くした理由である。

これを見ていて米国も債務をむやみに増やすのはケシカランと、2のような策に出たようである。私が思うに、支出削減策をとっていなければ、結果として、ドルの弱体化を招いただけのようにも思う。

民主党が公約を破ってまで、消費税増税を言い出したのは同じ理由だろうが、ちゃんと説明して、国民の理解を得た方が良い。すくなくとも野放図に国費を使う体質を改善して、少子高齢化にも抜本的に手を打ち、国内に強い産業を要請すべきである。

3), 4)については、これから話を聞く。