1) オバマ大統領は、なぜ2008年に大勝したのに中間選挙で負けたのか。医療保険制度はなぜ評判が悪いのか。
2) 米国はなぜ2011年夏に、デフォルトぎりぎりまでもっていって、最強だった国際通貨ドルの信用を落としたのか
3) カリフォルニア州は、sales taxも高く、気候に恵まれ、優良企業があり、教育費などを削減しているのに大赤字なのか。
4) 政府の為替介入はどうあるべきなのか。
順番に解説していく。
1)オバマはなぜ大勝したのに中間選挙で負けたのか。医療保険制度はなぜ評判が悪いのか。
米国は、従来は大統領選のたびに、ナショナリズムが強く、大企業寄りの共和党と、リベラルな民主党と2つの政党の間を揺れ動いてきた。人々がこれに飽きてきたところに、オバマが、「中道を行こう。一つの米国じゃないか。」と呼びかけて、大きな支持を得た。これが、2008年末の大統領選挙での大勝の理由である。wiki http://bit.ly/IpwyvE にも、「ひとつの米国」とある。
ところが、昨今の米国では、小さな政府・民間活力をうたっているのに、オバマの政策は大きな政府を目指しており評判が悪い。
たとえば、国民健康保険である。これは、もともとは、米国に多数いる貧困層が民間保険に入れずに、治療費を踏み倒すことへの対策である。治療費を踏み倒すので、その治療費が医療費の高騰になり、特に中流階級に大きな負担となる。
これに対して共和党は、以下のように反対を唱えた。今の保険や医療機関は民間活力でやっている。医療保険を導入して、どこの病院に行っても同じ料金になったら、腕の悪い病院も頑張らなくなる。民間活力がそがれるではないかと。
さらには、大きな政府を嫌うということもある。これらが、オバマ離れに繋がったとのこと。
2012年末に、大統領選挙があるが、景気が回復しなければ、オバマは負けるだろうとのこと。景気が悪いのは大統領の責任ばかりではないが、結局のところ米国民は、それを政治の責任にするのである。
2012年末に、大統領選挙があるが、景気が回復しなければ、オバマは負けるだろうとのこと。景気が悪いのは大統領の責任ばかりではないが、結局のところ米国民は、それを政治の責任にするのである。
2)米国はなぜ2011年夏に、デフォルトぎりぎりまでもっていって、最強だった国際通貨ドルの信用を落としたのか
米国の赤字は、16 Tirionドル。http://www.usdebtclock.org/ にリアルタイムカウンターがある。1ドル85円換算で1,360兆円である。このうち60%が米国債である。これまでは、ドルが国際通貨で高い信用を持つ。どの国でも買ってくれるということで、安易に国債残高の積み上げを許容してきた。
「知らないと恥をかく世界の大問題2」 角川SSC新書 (角川SSC新書) [新書] 池上 彰 (著) http://amzn.to/Jn2BYO には、米国はFRBのバーナンキ議長がデフレ克服のために、以下のような策を打ったことが書かれている。
これに対して共和党は、以下の3つの反対論陣をはった。
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- ゼロ金利政策
- 量的緩和
- これまでの米国は、常に2大政党が合意を形成する形で進んできた。ところが、ヨーロッパも日本も政党は対立の構図である。したがって対立の構図を作る。
- むやみに国債残高を増やすとドルといえど通貨不安に陥る。(実は、デフォルトぎりぎりまでもめたほうが通貨不安であったが。)
- 安易に大きな政府を目指すのはケシカラン。
ちなみに日本の国債残高は、2012/5/1現在で 1,200兆円である。米国と違って、100%全部がそのまま国債である。http://www.kh-web.org/fin/ にリアルタイム国債残高カウンターがある。http://bit.ly/J8tLok のようにGDPでは、米国は日本の2倍以上である。日本の国債がとんでもなく多いことがわかる。デフォルトにならないのは、日本人が国債をもっているからに過ぎない。http://bit.ly/Ipy6G5 にある、米財務省発行の債券は1番が中国、2番目が日本だがどちらもほぼ1tririonドルも保持している。円にして、85兆円である。ここにも金余り、無駄遣い日本が散見される。
話を戻して2の国債残高を増やす危険であるが、これはギリシャのデフォルト(財政不履行 http://bit.ly/IpyUdX )危機が関係している。ギリシャは、公務員がきわめて多い。4人に1人は公務員らしい。さらに希望すれば早くから高額の年金を受け取るシステムになっている。これはギリシャの国力があるからではなく、ギリシャ債を発行してまかなっていた。ギリシャがEUに参加しているので、ドイツやフランス等の優良国の信頼で金を調達できたということにある。
EUに加盟するには借金の制限があるが、それを誤魔化して加盟し、そのごまかしが現政権で発覚した。そして信頼が落ちて、デフォルトの危機がやってきた。
EUに加盟するには借金の制限があるが、それを誤魔化して加盟し、そのごまかしが現政権で発覚した。そして信頼が落ちて、デフォルトの危機がやってきた。
信用のない国が債権を発行しても、買い取る国はいない。そこで、信用が落ちると、国債の利率を上げることになる。この利率は通常2から4%で推移する。がこれが7%を超えると一気に破綻するという経験則がある。理由は2つ。
- 利率が上がるのはリスクの裏返しで有り、この当たりになると、みな長期貸し付けを、やらなくなって、短期で売り払う。すると、政府は資金調達のために、さらに金利を上げる。そして金利が爆発的に上がる。
- 高い金利を政府が払いきれなくなり、金利支払いで倒産状態になる。つまり国内の貨幣が底をついて、急激なインフレに陥り、制御不能に陥る。
以前は世界には中央銀行などがあり割と制御しやすかったが、今は、経済が網の目のように繋がっており、どこかが破綻すると、たちまち全体に波及して手が付けられなくなる恐れがある。これが、各国がギリシャのデフォルトを避けるために手を尽くした理由である。
これを見ていて米国も債務をむやみに増やすのはケシカランと、2のような策に出たようである。私が思うに、支出削減策をとっていなければ、結果として、ドルの弱体化を招いただけのようにも思う。
民主党が公約を破ってまで、消費税増税を言い出したのは同じ理由だろうが、ちゃんと説明して、国民の理解を得た方が良い。すくなくとも野放図に国費を使う体質を改善して、少子高齢化にも抜本的に手を打ち、国内に強い産業を要請すべきである。
3), 4)については、これから話を聞く。