ニュルブルクリンク)
ドイツには、ニュルブルクリンク(日本語では通称 ニュル)という、テストコースがある、GPサーキットは、F1GPX等でも使われるが、圧巻は全長20km余におよぶ北コース。高低差も大きく、天候すら変わるコースであり、世界の名スポーツカーがここで、チューンナップされている。日本車なら日産のスカイラインGT-Rとか。。wiki http://bit.ly/JKEHHt には、唯一ここでテストできないのは「250km/h~300km/hからのハードブレーキングのみ」とも言われる。と書かれている。
黒い部分が、F1GPXで利用されるサーキットであり、ニュルブルクリンクのごく一部であることがわかる。 |
ヨーロッパがイノベーティブな理由)
ヨーロッパの車がイノベーティブな例は、いろいろある。
まず、道路が、都市部は狭く、低速できびきびした走行が求められ、山間部も多く、高速道路は速度制限がない。と、運転速度の幅と条件が極めて広い。
運転速度の幅が広く出来る裏には、運転者が自分の能力と車の能力をわきまえていて、高級車に乗るひとは、カーブで飛ばすが、そういうレベルでない車の人はカーブでは速度を落とすとか。運転技術に会わせて無茶をしないので、道路の速度制限が緩いという人もいる。この背後には、昔からモータスポーツが盛んであり、車に関する知識が高いということもあるのかもしれない。
ドイツのアウトバーンが速度制限がないのは有名だが、南フランスの高速道路も田舎の部分は速度制限が120km/hだったり、制限なしだったりする。
データもあるので別途書くことにする。たとえば、ATミッションで、日本で流行っているCVTも効率向上には限界があり、ヨーロッパでは、DCTが標準となりつある。エコ走行にもDCTの方が有利らしい。
NOx削減の考え方や、直噴、バルブトロニクスなどの考え方も欧州に比べるとまだまだ遅れている。昔、欧州から衝突安全(特に側方とオフセット衝突安全)の導入が遅れたのと同じ事が、また起きているように思う。
日本車も、マツダの高圧縮率エンジンとか、日産フーガのHybridだとか、画期的な技術はでているが、保守的な車作りのモノは以前として多い。Toyota Priusも、特徴は燃費とコストパフォーマンスであって、ドライビングが楽しいという境地は目指していない。
BMW i8)
今回のトピックはこれ。BMWのEVのコンセプトカーである。
MoterFan illustrated vol.60に出ていたのだが、BMWのサイトから情報を引っ張ってきてblogにした。
ガルウィングのスポーツカーで、販売時の価格が1,500万円とも1,800万円とも予想されている。オープンタイプとクーペタイプがあるが、4人乗りである。
BMWのサイト http://www.bmw-i.jp/ja_jp/bmw-i8/ から写真を引用する。残りの写真は末尾につける。
どこがイノベーティブなのか)
日本のハイブリッドやEV車、プリウスやインサイトやリーフよりも基本に忠実なのである。「基本に忠実でセオリー通りでも、値段が高すぎたらどうにもならないだろう。」というご意見は甘んじて受けたい。
具体的には、
- 小排気量、小気筒、ターボ加給の3気筒1.5Lエンジンのレンジエクステンダーを搭載している。
- 高耐圧対応のリチウムイオン電池をエネルギートンネルという従来のドライブシャフト部に内蔵。重量物を回転中心に近づけ、車両重心を下げ、50:50の理想的な重量配分を実現。
- 後輪がモータ+エンジン駆動、前輪がモータ駆動になっており、4輪駆動である
- 大口径、極低扁平率タイヤを履いている
- CFRP製のライフモジュールを搭載している
具体的に解説する
1. 搭載するエンジンは1.5Lの直列3気筒ターボ。
- 充電ステーションが少なく、高速走行を多様すると、完全なEVでは直ぐに充電が必要になる。一方、電池を沢山積めば重たく、また、コストも高くなる。その点で、アウディもVWも欧州車は、すべてレンジエクステンダーというエンジン+発電機を搭載している。
- エンジンはフリクションロスを減らすために、気筒数を減らし、回転数も下げた方が良い。そこで、ターボ加給を併用すれば、少気筒、低回転、大パワーが実現する。
トヨタPriusがZVW30で排気量を1.5Lから1.8Lに増やしたのは、あくまでNAを前提とした回転速度低下であって、これですらも高速巡航では、ディーゼルなみの燃費がだせていない。加減速がなければ、ハイブリッドは単なる重りになるからである。もっとも、登り下りがあれば、ハイブリッドは生きるが、所詮、低速で2kmくらいしかモータ走行できない電池容量では、すぐに回生失効していまう。
VMのリッターカー(これは排気量が1リッターなのではなく、100kmを走るのに必要なガソリンが1リッターという意味)としてのコンセプトカー XL-1 http://bit.ly/u7XK4c は、111km/Lの燃費を目指しているが、これは、0.8L 2気筒のターボディーゼルエンジンを搭載し、極限まで軽量化、空力特性を改善している。2シータである。
トヨタPriusがZVW30で排気量を1.5Lから1.8Lに増やしたのは、あくまでNAを前提とした回転速度低下であって、これですらも高速巡航では、ディーゼルなみの燃費がだせていない。加減速がなければ、ハイブリッドは単なる重りになるからである。もっとも、登り下りがあれば、ハイブリッドは生きるが、所詮、低速で2kmくらいしかモータ走行できない電池容量では、すぐに回生失効していまう。
VMのリッターカー(これは排気量が1リッターなのではなく、100kmを走るのに必要なガソリンが1リッターという意味)としてのコンセプトカー XL-1 http://bit.ly/u7XK4c は、111km/Lの燃費を目指しているが、これは、0.8L 2気筒のターボディーゼルエンジンを搭載し、極限まで軽量化、空力特性を改善している。2シータである。
- エンジン効率が低い低回転部分は、モータ走行で補うことで、エンジンの効率を最大限引き出せる。
- トヨタPrius - 大排気量化、NAエンジン、常時Hybrid動作(遊星ギアを用いたシリアル・パラレルだが、電気的変速になっている)、や日産 Leaf - レンジエクステンダーなし。ホンダ Insight - NAエンジン、常時Parallel Hybrid動作は、このセオリーには従っていない。
- トヨタPrius - 大排気量化、NAエンジン、常時Hybrid動作(遊星ギアを用いたシリアル・パラレルだが、電気的変速になっている)、や日産 Leaf - レンジエクステンダーなし。ホンダ Insight - NAエンジン、常時Parallel Hybrid動作は、このセオリーには従っていない。
3. モータは小さいので、前輪駆動を実現するのは簡単であり。また、エンジンも小さいので、RRにすることが可能。(PriusもLeafもInsightもFFである)。エンジンには、おそらくトランスミッションが搭載されており、電池残量が少なく、高速巡航でエンジン効率が良いときは、RRのエンジン車となり、燃費が稼げるのではないかと思う。(日産のフーガハイブリッドと同じ考え方)
4. タイヤの転がり抵抗は、扁平率を小さくするほど減る。ただし、低扁平率タイヤを用いるには、対応したボディ剛性やサスペンションが必要。普通は、扁平率をさげると、タイヤの変形が減って、接地面積が減る。それを補うために幅広にして、接地面積を同じにした場合に、接地形状が横長になるので、横Gに強くなる。すなわちコーナリング性能があがるという使い方をする。ただし、タイヤの緩衝能力が下がるので、サスペンションやボディの剛性が弱い車にそれを適用するのは、設計者としては避けて欲しいといわれるようである。
接地面積と扁平率の関係はこちら) http://www.taiyaya.info/inchup/03/4.htm
接地面積と扁平率の関係はこちら) http://www.taiyaya.info/inchup/03/4.htm
5. オートクレーブで処理するCFRPは、製造にコストが掛かる。そこで、レジントランスファーモールド(RTM)という、硬化型の樹脂を用いたラインを構築した。これは、型の上に、炭素繊維の布を重ねて、真空パック状態にして空気を抜いて、硬化型のレジン樹脂で固めるものだと思う。
残りの写真)