wiki: アベノミクス http://bit.ly/11sIO9o
アベノミクス 3本の矢: http://www.toha-search.com/keizai/abenomics.htm から引用すると。
1. 大胆な金融政策
バブル崩壊以降の20年間における不況の最大要因をデフレと捉え、デフレ脱却を目指すべくインフレターゲットの導入を決定。そのために、これまで独立性が重視されてきた日銀に対して、日銀法の改正も視野に入れた上で2%の物価目標を掲げるよう働きかけ、その目標が達成されるまでは無制限の量的緩和策をとることを決定しました。
2. 機動的な財政政策
政府は2013年1月15日、過去2番目の規模となる13兆1千億円の補正予算案を閣議決定しました。内訳は、東日本大震災の復興費を含む”復興・防災対策”に3兆8千億円、通学路の安全対策など”暮らしの安全・地域活性化”に3兆1千億円、さらに再生医療の実用化支援など”成長による富の創出”に3兆1千億円となっています。
3. 民間投資を喚起する成長戦略
産業競争力会議において7つのテーマ別会合を開き、2013年6月をめどに具体案をまとめるとした。7つのテーマは以下の通り (1.産業の新陳代謝の促進 2.人材力強化・雇用制度改革 3.立地競争力の強化 4.クリーン・経済的なエネルギー需給実現 5.健康長寿社会の実現 6.農業輸出拡大・競争力強化 7.科学技術イノベーション・ITの強化)
異次元緩和??)
http://www.j-cast.com/2013/05/12174641.html?p=all には、
金融政策を遂行するための金融市場の操作目標を、前総裁時代の「金利」から、日銀が世の中に直接供給する通貨の量を示す「マネタリーベース」に変更することを決定。http://toyokeizai.net/articles/-/13881 にも解説がある。
マネタリーベースとは?)
市場に流通する現金を増やすことで、インフレ傾向に持ち込もうとするものである。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0400M_U3A400C1EA2000/ にあるように、市場に出回っている現金の量であり、これは、日銀が市場(実際には、一般銀行が持っている国債などの株券)を買い上げ(日銀当座預金の増加)て、市場に流通する通貨の量を増やすことに当たる。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE94100220130502 にあるように、実際、2013年の4月から5月で、この通貨流通量は10兆円近くも増えて、155兆2803億円にもなっている。
実際には、http://s.nikkei.com/11sC8rO にあるように、長期国債の金利を引き下げ、長期金利の引き下げも狙っている。
実質金利=インフレ率 - 金利 がマイナスになれば(つまり千円借りて1年後に1,100円返す必要があるが、返すときには1000円のモノが1200円になっているので、借りて使った方が得)となれば、借りた方が得になり、投資や消費が活性化する。
だが、http://s.nikkei.com/11sC8rO のように、インフレになれば、金利上昇の圧力が働くので、そうはいかないという批判もある。
実際には、http://s.nikkei.com/11sC8rO にあるように、長期国債の金利を引き下げ、長期金利の引き下げも狙っている。
実質金利=インフレ率 - 金利 がマイナスになれば(つまり千円借りて1年後に1,100円返す必要があるが、返すときには1000円のモノが1200円になっているので、借りて使った方が得)となれば、借りた方が得になり、投資や消費が活性化する。
だが、http://s.nikkei.com/11sC8rO のように、インフレになれば、金利上昇の圧力が働くので、そうはいかないという批判もある。
銀行券を増やせば、デフレから脱却し円安になるのか。)
流通通貨量が増えれば、通貨の価値が下がってインフレにはなる。が、それはハイパーインフレ(後述)を招きかねない。
結局のところ、景気を良くするインフレというのは、1) 生産力が十分あるうえで、2) モノの需要が 3) モノの供給を上回るときに生まれるわけであって、
通貨の供給量が増えても、i) 賃金が上がり、購買力が増え ii) 生産効率が上がり製造力も増えないと、なんら景気は良くならず、インフレをもたらすだけになる。
不況下にも関わらず物価が上昇を続けるのは、スタフグレーション http://bit.ly/QfDrEo と呼ぶべきであろう。
ハイパーインフレ)
http://bit.ly/11sDCSK にあるように、なかでもジンバブエのインフレは有名であり、3ヶ月で10桁もモノの値段があがっている。1円だったものが3ヶ月で100億円になるわけである。
増税)
日銀法)
「国債を一般銀行から日銀が買い取って通貨の流通量を増やすなどという紛らわしいことをしないで、日銀が潰れそうな企業の株を買い上げればよいだろう。」とも思ったが、
日銀法: http://bit.ly/11sNEDo によれば、それはできないらしい。
もっとも、調子の悪い企業に運用資金を供給するのは、資本主義の原則には合わず、実質経済を沈滞させるだけだと思う。
だが、供給先を考えずに公共投資やらバラマキをするのは、結果的には同じ事になる。
結果的には同じ事なので、無駄な税金投入をしないように、国民が監視を強める必要がある。
http://matome.naver.jp/odai/2133976910545533001
によると、「現在5%の消費税率は、2014年4月に8%、2015年10月には10%へと、2段階で引き上げられることになる。」らしい。
増税すれば、消費が下向きになるのに、今、消費税を上げるのは意味不明に思う。
それも、赤字国債を償還するためならともかく、アベノミクスでは、通貨流通量を増やすといっているので、国債の流通量は増える一方の可能性がある。
ここからは、若干憶測が入る)
まず、市場に流通する貨幣を増やすには、政府が国債をばらまくことになる。
国債の対GDP比率 http://ecodb.net/ranking/imf_ggxwdg_ngdp.html を以下から引用するが、日本がダントツ世界トップ。
ギリシャよりも、デフォルト危機でドルが暴落した米国よりも圧倒的に政府の債務が多い。
政治家や経済通の人たちは、国債だけではなく、その他の金融資産をいれた、NetDept で換算すべきだという意見もある。これであれば、若干負債額は減るが、流動性がさらに低い金融資産をいれて、負債が減ったとする意味については不明。
これでも日本の信頼が落ちないのは、国債を日本人(主に日本の銀行)が保有しているため。。
http://on-linetrpgsite.sakura.ne.jp/cat5/post_6.html の図を下に引用するが、膨大な量の国債 の66%が、一般銀行などの日本国内の金融機関によって保有されている。
また、http://kin-toushi.seesaa.net/article/306064477.html によれば、
日本国債の海外勢保有比率:8.7%(額にして82兆円)だが、昨今は海外保有率が高まってきている模様(以下)。
・2012年6月末時点期資金循環統計から
ギリシャ国債の海外勢保有比率:75%
・ギリシャショック(2011年)が起こる大分前、2009年12月末時点。
スペイン:39%
イタリア:44%
ドイツ:40%
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE88J01N20120920
http://bit.ly/11sQwjO では、大前研一は、海外保有率の増加を危惧している。
国内保有の理由としては、デフレで消費が冷え込んでおり、個人資産が銀行に貯蓄され、バブル崩壊で産業投資のリスクを採れなくなった銀行は資金を割と信用のある日本の国債購入に充てているため、大量の国債を日本が保有できている。
だが、本来は投資に回るべき金が、国債を通じ、国家支出となっていくのだが、これが、有効な投資に使われるのかは、非常に疑わしい。例えば以下。
2012年1月3日火曜日: 日本は米国の属国なのか? - 防衛費の使い方の不可解
急増した国債残高)
国債の残高は1992年頃から急速に増えている(これを http://ecodb.net/country/JP/imf_ggxwd.html から引用する)。2つ前のグラフのほうが、他国との比較もあり、X軸が詰まっているので、国債の急速な増加が分かりやすいかもしれない。
バブル崩壊の景気後退を、自民公明の連立政権が、公共事業バラマキでなんとかしようとしたためだと思う。http://bit.ly/16PJ0BH にあるように、1993年から2009年まで自公民の連立政権であり、このときに、赤字国債が急増している。
そして、一旦、民主党政権が、仕分けとかで歳出抑制をやったが、また、自公民にもどり、アベノミクスという名の、バラマキを再開しようとしているのではなかろうか。。
まとめ)
参議院選で、自民党に信託を与えるまえに、よく考えた方が良い。ダメなら、今度こそ信用するに足る正当を自分達の手でつくる必要があろう。。
政府が日銀を脅して日本銀行券を刷りまくると、止まらないインフレになることが心配される。やるべきコトは、通貨流通量を増やすのでは無くて、以下のことであるはずではなかろうか。。
- 国民、特に高齢者層が日本の将来に心配をして、ためこんでいる私財を放出させ、若者に還元させる
- 古くて競争力のない産業が自助努力で再生しないのならば、そこへの投資はムダであり、むしろ規制を緩和したり、若くて強い産業を支援して、産業人口を移行させていく
- バブル以降貸し渋りをしている銀行の膨大な預金を、若くて活気のある産業に配分する
- 欧州はギリシャ・スペインなどの通貨危機に苦しみ、米国も苦しんでいる。中国の経済も失速気味である。先進諸国の経済は、1980年台までのように活気をもっていない。先進国の繁栄が発展途上国や資源保有国の富を吸い取って成立してきたのだが、その富の略奪が、発展途上国の経済発展で成立しなくなってきているからではなかろうかと思う。これは、下に示すオイルショックが一つの例だと思う。
http://bit.ly/11sHYcJ 「ついに“アベノリスク”との不安も…株価急落の原因は中国の景気悪化が原因か?」という記事もある。
1970年代のオイルショック http://bit.ly/IlFIZy では、アラブの産油国の連携で、石油の価格が一気に跳ね上がっている。
円安要因)
http://www.77bank.co.jp/kawase/usd_chart.html のように昨今急速に円安が進んでいる。グラフを引用する。
円安の要因は、アベノミクスに関連する期待感だけではない。
原発が止まって天然ガスの輸入が増え、貿易赤字も増えつづけている。http://bit.ly/16PJlo9 によると。
財務省が2013/5/22日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8799億円の赤字だった。貿易赤字は10カ月連続で、赤字幅は1979年の統計開始以来、4月としては過去最大。輸出額は、2カ月連続でプラスとなった。国際経常収支が為替に影響する)
円安の影響を受けて、米国向けの自動車などが増加したため、輸出額は前年同月比3.8%増の5兆7774億円となり、2カ月連続で増加した。一方、輸入額は火力発電に用いる液化天然ガス(LNG)の輸入額が膨らんだことなどから、同9.4%増の6兆6573億円となり、6カ月連続で増えた。
http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201208b.pdf に解説がある。ここから図表5を引用する。為替に影響するのは、貿易収支ではなく、所得収支も足し込んだ、貿易経常収支である。
http://www.asahi.com/business/intro/TKY201211080851.html のグラフのほうが経常収支の変遷が分かりやすいのでこれも引用する。
財務省サイトにあるグラフは2011年度までだが、http://bit.ly/11sKuQe (以下引用)である。
すぐには効果がでないが、円安になれば、所得収支は増える。このおかげで、円安になって、燃料輸入の費用が増えても、経常収支は相殺される。
所得収支とは、日本の企業が、海外に工場移転したりして、外貨であがる収益である。
超円高になり、為替差損を吸収しようと企業が海外進出したおかげで、企業は外貨で収入を得て、優良な輸出企業では収益を円建てと外貨建てでバランスさせており、このおかげで、円が下がると外貨での儲けは同じでも、そこから換金できる円の額が増えるので、所得収支は増えるのである。。
とはいえ、米国の製造業が工場を海外に移し、失業者が増えたように、工場の海外移転は、産業の空洞化を招き技術力が低下すると同時に、労働人口を吸収できないため、失業を増やす恐れがある。
円安で製造業が日本に戻ってくるのはある程度歓迎すべき事であり、地球温暖化には悪いかもしれないが、燃料の輸入が増えたのは、いまのところは歓迎すべきことなのかも知れない。
おまけ)
wiki: 日本銀行 http://bit.ly/11sO3G2 によると、日銀は資本金1億円で上場しているらしい。総資産は113兆円もあるのに、この資本金はあまりに少なすぎる。
結局は、国有銀行ということであろう。