おたくとプロ)
おたくは、課程や道具にこだわる。
オーディオマニアは、おたくである。sssのアンプ、tttのスピーカにこだわる。
どんなにこだわっても所詮、電気的に蓄えられた音。最高の音楽家の演奏の録音もいいだろうが、すこし下手でも、教会や円形劇場や良く出来たコンサートホールで生の音を聞くと全然違う。
歌も有名歌手の歌はもちろん旨いが、下手な子供たちでも生で歌うと全然違う。
所詮2つしかないマイクで拾って、2チャンネルしかないスピーカから出てくる合成の音と、生の音の違いであろう。映画館のサラウンドのほうが臨場感があるかもしれない。
オーディオ、車のマニアについては以下にも書いた。
2012年2月7日火曜日: マニアの考えることは面白い
一方道具にこだわるという点ではいろいろな例がある。
たとえば写真。写した結果としての写真や、写真を写すという楽しみではなく、カメラという道具にこだわる。xxのカメラ、yyyのレンズというように。xxxのカメラで写した写真は良い写真だということになる。一方、プロは、できた写真の美しさとか、内容の表現力にこだわる。道具はすべてではない。
ゴルフもその傾向がある。腕ではなく、クラブにこだわる。靴にこだわる。ウェアにこだわる。
古典芸術も同じ。私は小さい頃から書道を習ってきたが、筆や硯、墨や紙にこだわる人が多い。一方、一流作家は、どんな筆や墨からも、芸術作品を作り出す。もちろん、それなりの道具を使えばさらに良くなる。
「弘法筆を選ばず」であろう。
http://bit.ly/wD7HKT をみると、どの国にも同じ意味のことわざがある。世界どこでも、自分の腕の問題を、道具の性にする傾向があるのだろう。
- 英語: a bad workman always blames his tools
- フランス語: à méchant ouvrier, point de bon outil (fr)
- アイスランド語: árinni kennir illur ræðari (is)
- ロシア語: плохому танцору и яйца мешают (下手なダンサーは舞台が邪魔をする)
неча на зеркало пенять, коли рожа крива (顔がゆがんでるからと言って、鏡に文句を言ってはいけない)
ウンチクは、聞く人の気持ちを考えずに、自分の知識をひけらかす。物知りは、聞く人が知りたいと思うことを、伝える。
Facebookをみて、「うざい」といった人がいた。Facebookで、ウンチクをしまくる人がいるからである。もちろん、私のblogも、うんちくの塊である。
日本の文化)
今の日本は、おたく、うんちく がかなり多い。
日本は職人文化であり、繊細で良い製品や芸術を作り出してきた。むしろ道具を作るのは下手だった。今でも下手である。以下に書いた。これが、おたくパワーで改善しないのだろうか。。
2012年1月20日金曜日: Howが苦手な日本人
うんちくはあちこちに氾濫している。そもそも、日本文化は、空気を読む、相手を思いやるのが美徳だったと思っていた。最近の風潮なのか、そもそもウンチクは日本文化とは関係無く存在したのか。。。。よくわからない。
2011年10月15日土曜日: 思考停止していませんか? 日本の美徳を失う舶来崇拝?
のような、昨今の悪い舶来指向で失われた文化になっていなければ良いが。