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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。
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2012年11月8日木曜日

半導体微細化の力 - Intelのすごさ

半導体製造技術では、Intelが2位のTSMCやGlobal Semiconductorなどを大きく引き離してしまった。これらには以下の技術がある。追って解説とリンクを追加する。

  1. Tri Gate Trによる、3次元のFDトランジスタの技術
  2. 低電力回路技術
    1. Near Thresholdの回路技術と、それを実現するLSI設計技術、製造管理(LSIキャラクタライズ)技術
    2. Onchip のスイッチングレギュレータの回路と、オンチップの高いQ値を持つインダクタ製造技術(材料技術)
  3. Copy Exactlyなどをはじめとする、生産管理技術。ラインの垂直立ち上げノウハウ
生産能力)
近々、14nmの450mmウエハの生産ラインを導入する可能性もある。
以下に計算したが、歩留まり(良品率)90%の仮定で、月100万個生産するとき、

90nmで10mm角のチップだとすると、200mmウェハの90nmプロセスでは、ウェハを7,077枚流す必要があった。2007年ごろの初期のiPhone向けのSoCなら、この程度の大きさだったであろう。http://toucharcade.com/?p=192 には2007年発売の初代iPhone http://bit.ly/SvqvYd のCPUがSamsungの420MHz動作のARM1176JZ-Sであったと書かれており、代表的なプロセスとして130nmプロセスでの性能があげられている。当時は、まだ、AxのようなSoCではなく、CPUは別chipだったようである。

ところが、これを450mmウエハの14nmプロセスでつくると、ウエハ枚数はたったの34枚で終わり。




ある程度大きな半導体工場では、月産1万枚以上のウェハを流せるので、チップとして考えると相当な生産能力になる。

ちなみに、Apple史上最大の売り上げと言われる、iPad miniは一週間に300万台売り上げた。つまり、90nmで10mm角のチップが各iPad miniに一つ入っていたとしても、14nmの450mmウェハなら、100枚ちょっと流せば所要が実現してしまう。もしチップサイズがこの程度のものだとすれば、iPad miniの初期の売り上げが100週間=25ヶ月=2年つづいても、そのチップを作るのに、工場を1ヶ月フル稼働すればよいことになる。別な言い方をすると、この工場の生産能力を埋めるには、iPad miniの初期の売り上げを維持し続ける製品が25製品必要だということになる。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1208/03/news028.html に、2012年の4-6月 四半期の各社のtabletの売り上げが出ている。以下に引用する。

首位のAppleで、四半期に1,700万台。2位のSamsungで239万台である。一位のAppleでも、月にならすと、月566万台。仮に先ほどのSoCチップの計算だとすると、14nmの450mmウェハにして、ウェハが月192枚になる。工場はとても埋まらない。2位以下全部会わせた2,500万台と考えても、まだまだ足らない。SoCチップが複雑で大きくなることに期待するか、需要が増えることに期待しないとならない。

しかし、世界シェア1%もない日本のメーカが世界シェア68%越えのAppleと戦うのは、コストや設計投資的には圧倒的に不利だと思う。月産100万台あっても、強い技術を持つ、大手半導体Fabから有利な条件を引き出すのは難しいであろう。技術優位などで、勝算が相当あるのでなければ、手を出しても負けるだけのように思う。

日本の半導体撤退の理由)
日本の多くの半導体会社で、Flashメモリという売れ筋を持つ東芝以外は、2000年過ぎの65nm世代の頃から最先端半導体の設備投資を諦めはじめたのは、ラインが埋まる製品のメドが立たないという理由がある。これが、解決しなければ、いくら公金を投入しようが日本の半導体製造業は復活のしようがない。昔の半導体メーカが設計の方向に走る理由がここにある。

固定費と変動費)
半導体の設計投資、設備投資、ウエハ一枚の材料費を後ほど比較してみたいが、材料費や製造変動費の占める割合は極めて小さい。出版とかと同じく、完全な設備産業である。

進歩した半導体技術を持つ工場が、生産コストも下がり、生産能力も高くなり、世界を席巻してしまう。

2012年9月22日土曜日

資金援助はどうあるべき? - ルネサス支援から

以下のような記事があったので、すこし掘り下げてみた。

「日の丸半導体」を堅持、ルネサス支援、異例の大連合、高コスト体質残る恐れ。 
2012/09/22 日本経済新聞 朝刊 2面 
 トヨタ自動車やパナソニックなど日本を代表する製造業が経営不振のルネサスエレクトロニクスに出資する方向で調整に入った。かつて世界を席巻した日本の半導体産業の中で残った数少ない企業を官民で支えようという動きだ。しかし顧客企業のニーズにこたえ、生産品目を増やしてきたことで高コスト体質に陥り、ルネサスは経営体力を奪われた経緯がある。大口ユーザーが株主に就くことで、経営再建が進まないリスクもある。(1面参照)東日本大震災でルネサスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)が被災した。操業停止でトヨタのほか日産自動車やホンダなど国内自動車メーカーの生産が一斉に止まった。燃費や走行性能を左右するエンジンユニットなどに組み込むマイコンの供給元が失われたためだ。各社はルネサス1社に依存していた反省から調達の分散化を進めているが、ルネサスだけに蓄積している技術やノウハウが多い。「一朝一夕に調達の分散化はできない」(国内大手幹部)かつて日本勢は半導体で世界を席巻。1980年代後半の世界シェアは8割に達した。しかし韓国や台湾勢の猛追で競争力を失い、再編や淘汰を強いられている。自動車や家電製品などの性能を左右する半導体をつくる日本勢はルネサスにほぼ限られた。官民による買収は「最後のとりで」を守ろうという動きだ。 しかし大口ユーザーによる支援は課題がある。自動車用マイコンで世界シェアトップでありながらルネサスは利益が上がらない体質に陥った。原因の一つは「各社が特注品を発注し、厳しい値下げ要請をしたため」(大手証券アナリスト)だ。米大手投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)がルネサスの経営権を握った場合、経営改善策として量産効果の見込める半導体の生産に特化する可能性がある。一方、大口ユーザーによる支援は経営不振の原因が残ったままになりかねない。マイコン以外にも高張力鋼板(ハイテン)や炭素繊維など、日本には世界で最先端の部材・素材を手掛けるメーカーは多い。こうした裾野の技術力が自動車や電機などの競争力を支えてきた。各分野で韓国勢や中国勢が実力を高めているのは、国内の部材・部品メーカーの買収や、へッドハンティングによる面もある。異例の企業連合によるルネサス支援は、技術流出に歯止めをかける試金石にもなる。
ルネサス官民で買収、革新機構・トヨタ・パナソニックなど、年内1000億円超出資。
2012/09/22 日本経済新聞 朝刊 1面。
 業績不振の半導体大手、ルネサスエレクトロニクスに対し、トヨタ自動車やパナソニックなど日本の製造業を代表する企業が、政府系ファンドの産業革新機構と組み、1000億円超を共同出資する方向で調整に入った。すでに交渉中の米投資ファンドへの対抗案をつくり、年内に過半数の株式取得を目指す。ルネサスは車や家電を制御するマイコンで世界首位。基幹部品の安定調達に向け、官民挙げて異例の支援体制を組む。(関連記事2面に)出資企業としては日産自動車やホンダ、キヤノン、ファナックなどの名前が挙がっている。自動車部品メーカーではトヨタ系のデンソー、ホンダ系のケーヒンのほか、世界大手の独ボッシュなど海外勢にも出資を求めている。第三者割当増資などにより、産業革新機構と合わせて1000億円超を出資し、ルネサスを共同買収する方針だ。現在、革新機構が中心になって出資案を策定中。10月中にもルネサス株主のNEC、日立製作所、三菱電機の3社や、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行など主力取引行に正式提案する見通し。マイコンは車や家電製品、産業機械などに多く使われ、モーターなどの動きをきめ細かく制御するなど頭脳の役割を果たす。ルネサス製は長期間使っても性能が劣化せず、最先端品は他メーカーでの代替が難しい。
 ルネサスの再建策をめぐっては、米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が8月末、ルネサスへ約1000億円を出資する案を示した。
ただKKRが大胆な事業再編などに踏み切った場合、マイコンの安定調達に支障をきたす恐れもある。部品調達網の安定強化を目指すうえで、官民一体の支援の枠組みが必要と判断した。
ルネサスはデジタル家電などに搭載する高機能半導体のシステムLSI(大規模集積回路)が不振で、7期連続で赤字となっている。2013年3月期も1500億円の最終赤字を見込む。このため約5500人の早期退職募集や、国内19工場を売却・閉鎖により半減させる大規模なリストラに取り組んでいる。システムLSIは富士通、パナソニックと事業統合に向け交渉中だ。
株主の電機3社と主力取引行による約1000億円の融資でリストラ費用は手当てしたが、巨額損失の計上で自己資本が急減。債務超過となるのを避けるため、自己資本を手厚くする必要に迫られている。
金融機関はKKRによる支援をいったんは受け入れる方向だった。だが中長期的にみて国内製造業の競争力強化につながる今回の出資提案が望ましいと考えているもようだ。KKRはルネサス取締役の総退陣を求めているとされる。出資する条件として、金融機関や株主に追加融資などを要請していることも、KKRの支援を受け入れにくくしている。
ルネサスエレクトロニクス 日立製作所、三菱電機、NECのシステムLSI事業を統合して、2010年4月に発足した。自動車用マイコンでは世界シェアが約4割。12年3月期の連結売上高は前の期比22%減の8831億円、最終損益は626億円の赤字。3月末時点の従業員は4万2800人。
これを読んで最初に感じた疑問)
  1.  不振の原因を究明しないまま、資金援助しても、穴の開いたバケツに水を注ぐのと同じで、全くムダになると思います。
  2. 何度も資金援助を受け、日立と三菱が合併しルネサステクノロジになり、経営悪化して、それにNECエレが合流して、鳴り物入りでルネサスエレクトロニクスになっても改善していません。今回は、どう変わるのでしょうか。。
  3. 無いと困るから資金注入では、また、赤字になりそうです。挽回のメドがたったから、その資金を入れるのでないと。。。
  4. リストラをするのは、事業集中をして、戦略商品にかけるためであり、KKRが経営権を握るというのは単にルネを切り売りするつもりというより、経営改善をしようとしているのかもしれないのですが、それを避けて、経営陣温存のまま資金援助することが、どういう意味になるのか。。
分析)
対策としては、ちゃんとしたマーケッティング部門を作る必要があるでしょうね。そして、言いなりにならず提案型の商品作りをしなければ、価格はコントロールできないように思います。

大体、自分達がその商品の価値を知らなければ、値段は叩かれるだけでしょう。

今のルネサスのSoC(LSI) で、いいなりにならない製品がどれで、価格競争に陥る製品がどれだと言い切れる人は、ルネサスの中に何人いるのでしょうか。

一例) 
ルネサスエレクトロニクス)  ARM, MIPS, SH, Vシリーズ、RX、RL、78K など沢山あるマイコン。http://bit.ly/OP0iSd で、検索すると4600品種もでてきます。
組み合わせだとして、設計は多少減るでしょうが、それでは、半導体ラインの大量生産性のうまみは出ません。

Intel)一方、スマホ・タブレットが追い上げてきて、すこし焦ってはいるようなものの、今だ世界最大の生産規模と売り上げを誇るIntel。

http://intel.ly/OP0BfS によれば、Laptop, Desktop, Serverで、各6品種。多分その中の多くは、同じdieをボンディングオプションかfuseで切り替えているので、chip自体は全CPUで4品種もないと思います。

半導体というのはそうやってやる商売だと思います。元intelの方からも良くそういう話を聞きます。技術者は、言われたものを作ることができるが、どうやったら儲けを上げられるを考えるのは、一般的に非常に不得意だと。。

また、半導体ではなくIT分野で、調子の良いAppleと調子の悪いHP, パナソニックを比べると、調子の良いAppleは製品数が非常に少ないです。(以下に書きました) それだけ、オーバヘッドも少なく、大きな利益が上がると思います。ベンチャーは製品が少ないですが、大企業でも、自社が得意な分野を絞り込んで、少品種大量生産の時代だと思います。どの企業をみても金太郎あめ、オールマイティな大企業でよいのでしょうか。。

2011年11月13日日曜日:Appleの製品数はとても少ない


YKKの戦略もとても参考になります。これは以下の投稿の3番目に書きました。

2012年4月29日日曜日:  Asahi Web Ronzaの注目記事3本など。


Intelとルネサスの売り上げの比較)
http://bit.ly/SLjAci から表を引用します。ルネサスは世界7位です。ただし、Global Foundaryが、Nvidia, AMD,Qualcomというように分割されているので、これをファウンダリ(工場)で集積すると、順位が若干変わると思います。

弱いと言われる日本の半導体が上位6,7位に入っているのは、まだ捨てたモノではないと思いますが、一時あれだけ弱体化した、米国が、トップの多くを占めるまで回復したのには驚きます。


自動車会社が株主になる懸念)
国内企業が救済すると喜んでばかりいられないように思えます。

プリウスは200個以上もECU(プロセッサLSI)が搭載されているようです。その多くを無機能で安いASICにするなりして、品種と個数を減らす提案して、価値を中央の賢いECU(CPU)に集中して、中心的なECUの付加価値をあげるとか、頭を使うべきだと思います。
信頼度で金を取ろうとしても、相手のサイフは限られています。

ただし、集中≒製品機能集約・共通化、となると、今回の自動車業界とかの救済は最悪の一手に属する可能性があります。カスタマイズを要求し続ける顧客がご主人様になってしまいます。

まるでガラパゴス携帯が生まれたのを彷彿します。通信キャリア様がご主人様になり、端末メーカーに独自仕様を要求し、世界に売れない独自仕様・多品種・毎度専用設計の構図をつくりだしました。いつか来た道、ガラパゴスチップの出来上がりになりかねません。

マネージメント)
ちゃんとしたマネージメントでないと、仕事をしていない人を減らすことができるかどうか。。品種が多いまま、人を減らすと、仕事がきつくなるだけです。

本来あるべきマネージメントは、以下に書いたようなものなのではないのでしょうか。。

2012年9月6日木曜日: ピーターの法則



2012年1月1日日曜日

グローバル競争の時代 - 半導体の技術


2011年5月16日月曜日: Intelの立体トランジスタ


に追記しました。上記リンクをご覧ください。

2011年12月16日金曜日

LSIの進化の貢献は速度ではなく記憶容量にこそある


当たり前の話なのですが、意外と盲点なので。。

16bitは、10進数では 6.5E+4
32bitは、10進数では 4.3E+9
64bitは、10進数では 1.8E+19
です。

1年は、3.15E+7 秒なので、32bitのカウンタ(2進32bitのそろばんと考えてください) だと1秒に1度更新して、132年持ちます。
まあでかい数ではありますが、unixは1900年を起点として32bitの秒数でタイムスタンプを打っているので、http://ja.wikipedia.org/wiki/Network_Time_Protocol#2036.E5.B9.B4.E5.95.8F.E9.A1.8C
にあるように、2036年に桁あふれして2036年問題がおきます。
(うるう年とかがあり簡単な計算とは若干ずれていますが。)

ところが、64bitにすると記憶容量を倍にしただけなのに、1ナノ(10億分の1、ナノはG分の1) 秒に1回更新してもカウンタは585年持ちます。光の速度は秒速30万km=0.3M km=0.3Gmなので、1ナノ秒は、光すら0.3m=30cmしか進めない、とんでもない短い時間です。たかが記憶容量が倍になっただけなのに、1秒の更新を1ナノ秒にしても、132年が585年に伸びるのです。これが、2の指数で効いている状態数の効果です。素子数をNとすると、これをO(2^N)と書きます。

ただし、同じ玉を詰め込む量として考えると、2倍の記憶容量は2倍入るだけにしかなりません。入れるひとつひとつの玉の大きさ(状態数) を大きくしたとき、別な言い方をすれば、入れる玉の質を向上させたときに意味が変わってくるのです。

一方、プロセッサの計算速度は、2002年頃に発熱問題のため動作周波数に上限が来ましたそれまでは10年に100倍の速度で高速化してきました。下に示します。


それ以降はこの問題があるため、動作周波数は少しずつしか上がりません。命令レベル並列(スーパスカラーなど) という方法ももはや限界。すると、並列処理という、沢山のプロセッサを並べて、いっせのせでやる加速しかできません。となると、せいぜい素子数に比例してしか性能は向上しません。並列にやる無駄があるので、素子数分の加速を得ることすら難しいのです。これをO(N)と書きます。

つまり、速度は高々素子数に比例でしか増えられないのに、状態数は指数で爆発的に増えていくのです。

スマホのフラッシュメモリに持っている全部のCDが入って、さらに映画まで入るのも、ディジカメに1万枚近い写真が入るのも、容量が増えたのを活用して、状態数の多い高品位なデータが収まるようになったおかげだと思います。

速度に注目がいきがちですが、半導体技術の進歩の恩恵を受けているのは、爆発的な状態数の増加なのです。

記憶量の増大を活用した、爆発的な状態数の増大を活用して、計算量を手抜く方法が、これからの主流になると思います。

記憶量の2倍と、速度の2倍は、美味く使えば意味が変わってくるのです。

ハードウェアとソフトウェアの違い)
ハードウェアは、並列に動くのに、様々な検証環境が用意されています。これは、ハードウェアの状態数が高々数10万フリップフロップだからだと思います。ゲート数は数千万もありますが、状態を保持するフリップフロップはそんなには、沢山ないと思います。また、複雑な状態変化は、ステートマシンとか、メモリを利用して、ソフトウェアと同じように逐次記述にして書くか、パイプライン記述にしてこれも逐次的な考え方に変換しています。

そもそも並列に大規模なものを並列に記述するのは、考え方(論理思考)が逐次的な、人間には難しいのだと思います。ただし、絵の認識とかは、人間も並列にできているので、訓練次第ではできるのかもしれません。

1980年台の第5世代コンピュータプロジェクトでは、Prologという言語を用い制約指向で並列性を活用して、知識処理を書こうとしたのですが、Cutとか結局逐次的なものを導入してしまったように思います。ま、これに懲りないで、いろいろトライしてほしいのですが。

知性とは)
私は知識処理の専門家ではありません。が、どうして、動物には知性がなくて、人間だけきわめて高度な知性があるのでしょうか。これも、上記の状態量の爆発によるのではないのでしょうか。つまり脳の神経の量が2倍になると、うまくつかえば指数的に能力が増やせるのではと思うのです。

良く100倍速いコンピュータができれば知性が。。といいますが、だったら100倍長い時間待てば、知性が感じられるはずです。人間が1秒で答えられるなら、100秒待てば今のコンピュータでもできるはずです。どうして出来ないのでしょうか。

私は、先の状態数が関係していると思います。100倍の記憶量をもつコンピュータは、2の100乗の状態数を持ち得ます。2の100乗とは、log(2^100)=100log2=30.10 すなわち、10の30乗、1の下に0が30個もつく状態数になります。つまり100倍とは行かないまでも、容量が増えることは、かなりの質的な変化を伴うし、これは、とても今のコンピュータでは実現できないことになります。

状態数が増えるとそれなりの計算速度も必要になります。脳は神経細胞が並列に処理するので、計算速度もそれなりに増えるのですが、O(N)のオーダですので、状態数に比べるとわずかなものになってしまいます。状態数に見合った計算性能を実現するのが課題だと思います。

爆発的な状態数の増加を利用した計算の手抜き、すなわち計算アルゴリズムの改善に期待しています。非常に大きな数が使えるので、手抜きをして、計算時間を減らすなどでしょう。例えば、非常に大きな数が入るカウンタ(そろばん)があるので、比較処理を手抜きをするとか、数値の表現を工夫するとか、いろいろ工夫のしがいは、あると思います。

将棋のボナンザというプログラムが興味深いです) 

http://ja.wikipedia.org/wiki/Bonanza
膨大な棋譜を学習し、独自のボナンザ囲い ( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A2%E5%80%89%E5%9B%B2%E3%81%84 ) というものを編み出しています。一つ前のwikiには、以下のようにあります。
理由は不明だが「ボナンザ囲い」と呼ばれる、他に例を見ない「片矢倉」の変形版を多用する。渡辺竜王によれば、一見すると素人臭い筋悪な形のようでいて、実際に攻略するとなると厄介であるという。
プログラムするのではなく、学習アルゴリズムを工夫して、コンピュータの高速性を生かして学習させる。評価関数のパラメータの自動生成は、これは保木の本業である化学反応の制御理論を応用したものであるとのこと。
後注) 実際、これを改良した、ボンクラーズが、去る2012年1月14日の第一回電王戦(日本将棋連盟、 ドワンゴ、中央公論新社主催)で、コンピュータ将棋 ボンクラーズが、元名人で日本将棋連盟会長の米長邦雄永世棋聖に平手で対戦した。7時間におよぶ激戦の上、コンピュータが勝った。 
2012年2月11日土曜日:  コンピュータが知性を持つのは近いか..

に解説したので、是非ご覧頂きたい。

知性がそこまで来ている予感がしませんか。。