いろいろな電子ブックリーダを比較した結果、Nook Touch 第2世代(以下写真)を購入した。Bernes and Noble (以下B&N)の店頭で定価$139, B&Nカードを作ったので$10割引であった。
古いものばかりだが、比較は以下)
http://jp.techcrunch.com/archives/20091020chart-how-the-nook-stacks-up-in-the-ereader-race/
eInk利用のものの比較は以下.、こちらは最新)
http://www.kobobooks.com/touch_compare
Nook Touch詳細)
発売元 B&Nによると仕様は以下。Kindleとの比較もあるし、写真も掲載されている)
http://www.barnesandnoble.com/nook/features/techspecs/index.asp
Nook Touchの詳細仕様は以下)
http://gadgetian.com/16461/nook-simple-touch-reader-specs-price/
以下にNook TouchでのPageめくりと電池寿命の実験もある)
http://japanese.engadget.com/tag/Nook/
Nook Touchは150時間動作したとのこと。一方、同じ条件でページをめくり続けたeInkのKindleは56時間しか動作しなかったという内容。ちなみにNookTouchで一秒に一ページをめくり続けた場合は2万5000ページ読めた模様。
iPhone, iPod, iPadなどのiBookは、文字は任意サイズに拡大できるが、拡大すると水平垂直スクロールになり、ページがめくりにくい。一方、Nook touchでは、ePubの電子ブックでもpdfでも、文字を拡大すると、版組みが変わる。画像は拡大されない。
ここでは、ページ送りで自然な形のまま本が読める。これは、読書するのに大変便利である。
また、コントラストの高いeInkは屋外でも大変読みやすい。一方で反応が鈍いのと、画像の蓄積がおきるので動画は表示されにくいが、読書端末とビデオ端末を分けるのか、値段・重さ・電池寿命を犠牲にしても一緒にするのか。割り切りが必要に思う。
前者の場合には、カラーeInkも開発されており、カラー版の登場にも期待したい。
カラーeInkの電子書籍端末) ただし発色は今のところあまり良くなさそう。
http://japanese.engadget.com/2010/11/10/e-ink-triton/
Nook Touchに話を戻そう。Nook Touchは、軽さ、画面のスクロールの軽快さ、タッチの快適さ、ボディのラバーの質感は非常に良い。
特に、ページ切り替えが快適で。残像の蓄積防止のための白黒反転も、文字の時には6ページに1度ぐらいに押さえている。ピクチャでは反転が起きるが、更新した部分の部分書き換えに押さえている。設定入力などで使うソフトキーボードも大変使いやすい。基本的にタッチスクリーンと「 n 」の形のホームキーだけで全部操作できるのが良い。
ページ送りは、タッチパネルのスワイプ、タッチ、ページ両側のボタンいずれも使えるが、スワイプが快適である。
また、WIFIに簡単につながって、本を買えたりSampleが読めるのも快適。カールセーガンのCOSMOSのサンプルは、冒頭62ページが無料・無期限で読める。購入するとペーパバックと同じ $7.99である。
B&Nには電子ブックが2百万冊以上あり、そのなかには、無料の本も膨大量ある。
また、再販法がない米国では、専門書や売れ筋の本は$10以上と高いが、ペーパバックは$8程度、さらに売れない本は$0.99と安い。また無料の本には、Star warsとか結構面白い本もラインナップされている。C++とかの専門書のebookの値段は、紙の本と変わらず$50近くするのもある。
B&Nのアカウントとクレジットカードで、いくらでも本が買える。アカウントを登録していれば、本体をリセットクリアしても、アカウントを再登録すれば購入した本はWiFiで再ロードされる。読まない本をアーカイブしたり、友人(登録したNook Friend)と本を貸し借りしたりもできる。この本の貸し借りが面白い。貸している間は自分は読めなくなるが、一定期間すると自分のところに戻ってくる。貸したまま取り戻せないということもないし、メイル同様電子的に処理できるので簡単。読み終わった本が有効活用できる。この機能は図書館などでも応用できそう。
Home画面で売れ筋の本が表示されたり、wishリストもあるし、今読んでいる本の情報とリンクが表示されたり、使いやすいし楽しさ満点である。画面右上をクリックすればブックマークもつけられるし、目次もいつでもアクセスできる。
単語を長くタッチすると単語メニューがでてくる。ここでメモを入れたり、辞書をひいたりできる。ただし、搭載辞書は、Webster's Collegeate Dictionaryである。これは、native用なので、単語の説明は短く、用例もない。かわりに単語の由来とか、non nativeにとってはどうでも良い情報ばかりで使いにくい。脱獄したら辞書の入れ替えも考えたい。
B&Nの契約では、電子書籍はWiFiで世界中どこからでも、米国人が海外旅行中でも買えるが、そのためには、米国住所の登録と米国発行のクレジットカードが必要になる。とある、出版権配慮だろうが、日本在住者にとっては残念なことである。
日本では商習慣とかもあり、なかなか電子ブックが普及しないが、そうこうしているうちに新しいビジネスを取り損ね、またガラパゴスになるかもしれない。著作権者も市場拡大のチャンスを逃しかねないし、消費者にとっても不利益であるように思う。また、端末ベンダにとっても、国内ばかりみていると海外の新市場を取り損ねることになる。
Nook TouchのCPUはOMAP3 800MHz, Flash 2GB内蔵。Android 2.1 (コード名: エクレア: Eclair)である。Bluetooth chipが内蔵されているらしく、Bluetoothのキーボードやヘッドセットが使えるらしい。エクレアなので、flash対応もなく、動画表示には弱い。一方Nook Colerは、それが改善されたAndroid 2.2 (フローズンヨーグルト: Froyo)である。
Androidの解説はここ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Android
ソフトのアップデート)
机の上においてあるNook Touchが勝手にrebootした。と思いきや、ソフトが1.0.0から1.0.1にアップデートされた。自宅のWiFiにつながっているので、勝手にアップデートする模様。
そしてスクリーンセーバの画面(標準のAuthorsじゃなくて、自然にしてある)も従来の3画面に新しい画面4画面ほどが追加された。
Nook Touchの脱獄)
脱獄手法の詳細は、 2011年9月4日日曜日:
Nook Touchの脱獄 にまとめつつある。。興味のあるかたはそちらを。
ルート権限の取得、日本語化、Androidラウンチャ(ADW, Softkey等)のインストール、Androidアプリのインストール、SDKであるadbからのアクセスも可能であり、実験したので別途レポートしたい。
ただし、Android アプリをインストール、実行するには現状、Nook nooterを用いた方法 (
http://forum.xda-developers.com/showthread.php?t=1132693) しかない。が、nooterを用いた方法は、しばらくするとアプリが全く起動できなくなり、工場出荷時に戻さないとならなくなる。私は4回も工場出荷時設定に戻し、いろいろ試したが、安定化には成功していない。iPhoneに比べると、脱獄を防御していない、というか、microSDカードから簡単にbootしてくれるので、脱獄は簡単である。というか、そもそも入獄していない!というべきかもしれない。
http://nookdevs.com/NookTouch_Rooting の方法は安定だが、アプリラウンチャの導入には成功していない。adbから日本語フォントの注入は成功している。
先のNook nooterによる手法では、膨大なアンドロイドアプリ(twitter, evernote, dropbox, kindle, facebook 電卓,,...)もインストールでき、メイルも読めるので大変便利だが、memory leakしているとも思え不安定なので、現在、開発者に問い合わせ中である。
http://mikecanex.wordpress.com/2011/06/27/nook-touch-rooting-june-27th-news/
にもRootingの紹介とビデオがある。こちらのビデオにあるLauncherは先のnook routerのものと若干違う。こちらの方が安定しているかもしれない。いずれにしろ、自分のNook のfirmwareが1.0.1に、最近あがってしまったので、それとの適合を確認するまでは適用は危険である。
自己責任で試していただいても結構だが、失敗した場合には、電源ボタンを長押しresetを8回かけると工場出荷時に戻り、bootするようになる。ただし、これでは、ユーザファイルや設定等は初期化されておらず、WiFi設定やアカウントなど設定がそのまま残る。脱獄したroot環境も残っている。(User DataをOS更新だけでは初期化しないのは、iPhoneよりも賢い。) なのでreset 8回だけでは、初期化は不完全であり、再度の脱獄の前には、安全のため、settings->Device Info->Erase & Deregiter Device. で完全に出荷時状態に戻す必要があるように思う。
noodevs.comの方法のうえに、Nook nooterを用いた脱獄をして動作がおかしくなった性なのか、それとも装置の不良なのか、3日ほど放置しておいたら、電池がなくなっていた。先のやりかたで工場出荷設定に完全に戻っていないのかもしれないが、60日は電池が持つとか、2万5000ページはめくれるというのに不可解である。また調子が悪くなるようなら交換してもらうことにしたい。昨日フル充電して1日の間sleepで放置してあるが電池は99%になったに過ぎない。
Android SDK(無料)は、Macbook Proにinstallした。$130でAndroidに触れるのは格安かも。しかし、$130で、OMAP ARM A8 800MHzとは安くなったものだ。電子ブックを売るためのプラットフォームなので、キックバック分も考慮されているだろう。
日本語対応)
標準でファイル名の日本語は表示され、フォント埋め込みの日本語pdfも問題なく表示される。日本語ePubは、microSDカードを用い、root権限を取得、android SDKであるadbから日本語true typeをインストールすれば問題なく読める。
また、Screen saverもついているし、電源を切っても画面が残る。
Sony Readerと違い充電中に本が読める。
microUSBにつなぐと、拡張ストレージとして認識され、pdf, ePubの転送が簡単にできる。ただし、フォルダのまま書き込んでも、本体で書籍をリストアップする際にはフォルダ階層は無視され、フラットに表示される。本体内蔵の2GBのメモリと、外部microSDカードの中身を別々に表示することは可能。
著作権について)
借りたSony Readerに入っていたePubをコピーしてみたが、ユーザ認証ができていないとのことで、さすがにこれは読めない。
ただ、ユーザIDとパスワードをいれて、DRM(Digital Right Management)を解除するツールはnetに大量に流通している。
が、これは適度にすべきだと思う。著作権者の権利を損なう違法行為を繰り返せば、電子ブックのような便利な環境の普及を妨げる。余計な法律が増える。本来は、流通コストを下げ、流通量を増やせば、本の値段は下がっても著作権者の収益は増え、著作者・利用者の双方にメリットがあるはずである。流通形体は徐々に変化させ、本来の価値の創造と対価の支払いがうまく回るようにすべきだと思う。それに関係の薄い既得商習慣を守りすぎると、新たなビジネスは生まれてこない。
自炊の薦め)
日本ではなかなか電子書籍が普及しないが、以下のような自炊支援業者もあり、蔵書を電子化すれば、保管スペースも減る。
http://www.bookscan.co.jp/
この業者は、宅急便で本を送りつけると、一冊100円で自炊して、webで所有者に電子データが戻る。著作権にも配慮し、自炊した本は、裁断溶解している。電子リーダむけの最適化やOCRも対応している。ただし、この業者は、以下のチューングラボの説明をみると基本的にbitmapでのpdf化が特徴であり、ePubによる電子ブックの特徴である、「文字サイズを変えると、版組みが変わり、ページをめくる操作だけで、自然に本が読める」という機能は実現しないように思う。OCRを組み合わせて、ePub化をして欲しいものである。自分でやれば!!といわれそうでもあるが。。
http://www.bookscan.co.jp/service.php
ePubなら2GBで、約1,000冊入るので、32GBのmicroSDカードがあれば、1万冊以上の蔵書が持ち運べるということであろう。
HDDや複数のmicroSDカードを使えば、蔵書の保管や持ち運びには困らないであろう。
Sony Readerに入っていたePubをみると1MBから5MB、大きいもので20MBなので、本当に2GBで1,000冊ぐらいは入りそうに思う。
ただし、現在は、pdfでのスキャンが主流であり、ファイル容量も大きめである。テクスト(xml)ベースのePubにするには変換が必要。
Sony Readerなども試用した)
図書館にて、同じくe-InkのSony Reader PRS-600を借り出し試用した。以下、Readeとの比較。
readerのいいところ。
- Memory Stick, SDHCが刺さる。SDHCはデジカメ用にたくさんもっているし、割安なので、NookのmicroSDよりいい
- オーディオ出力がある
- スタイラス(ペン)が使えて、電子メモになる
- 搭載辞書がOxfordの英英である。これは内容が充実しており、外人でも使いやすい。さらに、単語をタップすれば、下部に小窓で単語の意味が表示される
だめなところ
- 重い。大きい
- 専用充電器でしか充電できない。USBをつないでみたが放電するばかり。借りてきたのは充電器がないのでとうとうlow batteryで使えなくなった。USB接続中は、readerモードにはならないので、本は読めない。
- 電子ペーパの残像対応のためか、かならず白黒反転してから次のページがでる。これが結構遅いし目障り。
- eInkなのに電源を切ると画面が真っ白になる。別にクリアせず、最後のpageを出しておけばいいのに。。(Nook Touchでは、screen saverの画面に固定される)
- Nookのような無線接続がなく、本体だけでは簡単には電子ブックストアにアクセスできない。立ち読みも、貸し借りも簡単にはできない。お勧めみられない。これはすべてPCにつないで、PCのアプリで行うことになる。これは大変に不便。
- スタイラスで単語をダブルタップすれば辞書が見られるが、指先では反応しない
結局のところ、電子ブック環境が十分に普及しておらず、使い込みも足らない日本で設計された端末なので、機能的に未完成なのかもしれない。
図書館には以下の展示もあった。写真を添付する。
左からKindle DX, iPad 1, Nook Color, Motorola Xoomである。
試用した感想は、
- Kindleのキーは使いにくく、Kindle DXは、電源on/offの反応が遅い。が、電源を切っても画面が表示されているのは、e-Inkならでは。
- バランスが良いのがやっぱりiPad、でも本がほとんど入っていなかった。
- Nook Colorは反応がきわめて遅い。
- Xoomは重い。
KOBOもある)
eInkリーダの比較は前述のこれ)
http://www.kobobooks.com/touch_compare
http://kobobooks.com/touch
をみると、screen keyboardもあって、touch screenの模様。UserIDで認証すればどこのePubでも読めると思われる。重さは6.5oz 185gとNook touchの212g よりもさらに軽く、薄い。色のレパートリも豊富。Nookと違い、世界で販売するとあるので、期待できる。
http://www.kobobooks.com/touch_tech
をみるとCPUは、Freescaleの508 processorの模様。Nook touchと同じくオーディオアウトもない。
これは、
http://www.freescale.com/webapp/sps/site/prod_summary.jsp?code=i.MX508
のことだと思われる。これもARM A8であり、これはAndroid対応しているので、OSは、Androidかもしれないが詳細は不明。
電子ブックなので、本体仕様だけではなく、操作感、表示の更新のスムーズさ・コントラスト、書籍購入・選択の容易さなどの考慮も必要であり、実際に触ってみていないので、KOBOについてはこれ以上評価はできない。
Amazon KindleとNook Touchの比較)
電子ブックといえば、やはりAmazon Kindleが有名である。最近日本語対応もしたらしい。Nook Touch購入にあたり、比較検討もしたので、そのときの判断を書いておく。
参考 : B&Nによる、Kindleとの比較-再掲) http://www.barnesandnoble.com/nook/compare/index.asp?PID=38254
Nook Touchの魅力)
- OSがAndroid, CPUがOmap3、Nook Dev Teamもあり、ハードウェアの素性が良くわかり。改造も可能。
- 電子ブックの取り扱い数が一番多い。B&Nの情報を信用しているだけだが。電子ブックリーダなので、扱い書籍の数は、重要ポイントである。
- Nook系: 2百万冊以上 (More than 2M titles )
- Kindle系: 95万冊以上 (More than 950K titles)
- iPhoneのApple iBookで検索してみたが、宇宙系の本。たとえば、Nookの蔵書に5種類程度はある"The Man on the Moon"類似の本は一切見つからない。iPadはこの点でも早々に脱落。もちろん、これは単なる電子ブックリーダとしての価値だけではないが
- 電子書籍としての機能が豊富。
- 立ち読みができる。
- 自宅WiFiからでも最初の60ページくらいは無料で立ち読みできる。無期限。
- Bernes and Noble (B&N)の書店にいき、そこのWiFiにつなぐ(自動的につながる)と、ほとんどの本が無料で立ち読みできる。つまり電子書籍を立ち読みしてから買える。
- 考察)
B&Nは、店内にスタバも完備され、ソファーもあり、コーヒーでも飲みながら自由に立ち読み(というか座り読み)できる。図書館の雰囲気である。書棚から何冊も本を持ち出して、コーヒーを飲み軽食をとりながら座り読みしている人が、店内にはたくさんいる。紙の書籍も立ち読みしつつ、電子書籍も立ち読みできる。これは大きな魅力である。時には、すわり読みで全部済ませてしまう人もいるだろうが、書店にとってはお客を店に連れ出すのが大事。たまに買ってくれる客も入ればよい。ということだろう。
量販店で封があいた返品も陳列され、それすら平気で購入するアメリカならではの集客手法である。購入する商品は新品でピカピカじゃないとだめ、書棚に並んでいる一番前の本は絶対に買わないという潔癖型の日本では実現しにくい集客手法だろう。(最近はガレージセールやらオークションやらをやるように少し感覚が変わってきつつあるように思うが。。)
かりに一切本が傷まない、電子書籍の立ち読みであったとしても、本をただ読みされる恐れがある。改造されたNookなら本の電子泥棒も可能。うちは図書館じゃない。と、これまた潔癖な日本では実現されにくい機能に思う。デパートが特定商品が赤字になっても、「xxxチーム優勝バーゲン」をやると膨大な利益をもたらすのにもわかるように、お店にとっては、集客することが一番の重要ポイントであると思うが。
- 日本の書店では、電子盗撮を防ぐために携帯やデジカメで本を写すことを禁止している。しかし、本屋に行って面白そうな本を見つけたときに書名や著者をメモりたいと思ったことはなかろうか。携帯で写真にとれれば大変便利なのである。家に帰ってamazon.co.jpとかで書評や類似本を探してから買いたいと思わないだろうか。こういう自由度は残しておいたほうが、書籍全体の販売量を増やし、購買者にとっても著作権者にとっても有利に働くように思う。潔癖症ばかりでは、世の中はうまく回らない、すこしは、ずぼらさが必要なように思う。
- アメリカの学会でも結構ゆるい学会がある。学会資料をpdfでhomepageに掲載し、ビデオも掲載している。2011/8月に開催されたHotChips23 という学会では、2011/12月になるとログインを解除して、資料もビデオも一般公開するとある。学会運営を考えると一般公開はけしからんとなるかもしれないが、大して維持費もかからないなら、一般公開して学術情報を広く公開するのは良いことである。
お金を払った人には、4ヶ月分の情報の新しさと、会場で質問し放題、会場に来て業界人との情報交換ができる、という点に価値を与えるという開き直りである。日本だと、「学会の版権を守れ。」となるところではなかろうか。
学会の目的を考えれば、広く無料で情報を公開するのはあるべき姿であり、維持費を捻出するのは、寄付だとか広告収入だとか別な工夫でまかなうべきだと思う。これは別に日本に限った問題ではなく、現状では有料のIEEEやACMの電子論文ライブラリでも考慮してもらいたい課題である。
- ちなみにHotchip23のプログラムは以下。
http://www.hotchips.org/program/program-23
「後藤弘茂のWeekly海外ニュース」http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1114/kaigai476.htm
で有名な後藤さんや、
プロセッサ設計の大御所 安藤さん http://spysee.jp/安藤壽茂/1975545/
参考:安藤壽茂のマイコミジャーナル)
らもいらしていた。
- Nook友達ができれば、ネット経由で本の貸し借りもできる。家族でこれができるのは有望。
- 買った本を、一旦削除したりアーカイブもできる。B&Nに本が残っているので、いつでも再ダウンロードできる。これはKindelでも同じだと思うが。iBookではおそらく面倒な手順になる。
- 本体のupdateが2段階である。Apple系ではiOSを更新すると毎度ユーザデータが消えるiPhone, iPadと違い、蔵書などのデータは、Nook OSを更新しても残っている。これは、脱獄など改造を頻繁にする場合には、便利な機能である。
ただし、iOSで、ユーザデータが消えてiTunesから毎度転送しないとならないのは、かならずしも悪ではない。windowsなどは、アプリもデータも従来互換を保つので進化を妨げる。iOSでは、毎度データをiTunesから再設定できるので、OSのデータ構造(ファイルシステム)など毎度自由に変更できる。つじつまあわせは母艦にあるiTunesでできるのである。電子書籍という、ほぼ決まったフォーマットの世界がない汎用のiOS系では、この考え方は、画期的だと思う。32GB近くデータを格納しているとiOS更新後、データの再転送に半日近くかかってしまうう。/mobile以下にある音楽・ビデオ等は、きわめて大容量だが、もはやあまりフォーマットのかわらないuser dataである。これらを温存しつつ、iOS更新後つじつまを合わせる方法を工夫しても良い頃だと思うが、脱獄防止をふまえたiOS更新手法など足かせがあり、やれないのだろうか。。
- 小型・軽量であり、本体ゴムの質感も良い
- タッチパネルの操作がしやすい。
- Kindleのキーボードは、触った限りでは使いにくいし、小型化の妨げにもなっている。
- タッチパネルの反応が良く、電池寿命のベンチマークも優秀。白黒反転を極力抑えているのも優秀。Kindleは、ページをめくるごとに白黒反転する。これは、B&Nでの比較でも言及されている。
- 外部記憶としてmicroSDが使える。32GBのmicroSDカード一枚で、1万5千冊ぐらいは入る。もちろんカードを複数用意すれば、さらに増える。将来microSDが大容量化すればさらに増える。ほぼ全蔵書を持ち運べるわけである。32GBのmicroSDカードは、amazon.co.jpで、 割と高速なclass 4が3,500円程度(2011/9/4時点)。
- 電子ブック標準のePubに対応している。Kindleは独自フォーマット。
- 取り扱い母体が、全米最大の書店、最大の小売網でもあるというのは魅力。2番手ぐらいの方がサービスも、装置も良いことはよくある。- もちろん、ハイブリッドで独走するプリウスのように、一番手が一番良くできていることもあるが、画期的なデザインや機能をもつ車を出すのは、ホンダや日産のことが多い。あくまで一般論ではあるが。。
- 類似のNook Colorは、Best New Gadget賞などを受賞している。
Amazon Kindoleの魅力)
- 無料の3Gで接続できる。
- 考察) これは魅力だが、通常はWiFi環境で足りるし、脱獄しMyWiを入れたiPhoneもあるので、いざとなれば、これがWiFiルータとしてつかえる。電子書籍は所詮10MB程度であり、私は、AT&Tで月2GBの契約をしており、データ通信はいつも余っているので、無料3Gの魅力は小さい。
- ブラウザが標準でついてくる)
- さらに、無料の3Gを使って海外でもアクセスが無料。これは大きな利点。一方Nook Touchにはブラウザはない。もちろんAndroidを改造すれば可能。
- 日本でも発売されており、日本語にも対応している。
- 考察) Androidの修正でePubの日本語対応は簡単。システム自体はもともと日本語化されており、ファイル名の日本語表示や、日本語pdfの表示は改造なしでできる。
- 日本語電子ブックはすくないらしく、Kindleを導入しても購入できるのは英語の本。米国住所のクレジットカードがあるので、日本にいても英語の本の購入には困らない。(これは私の特異な事情ではある。)
- AndroidのNookならば、iBook, Kindleアプリすら導入できる(安定化に成功はしていないが)。
- 音声での読み上げができる - ヒヤリングの練習にはなりそう。一方Nook TouchにはAudio outputやspeakerすらない。Nook Touchには、Bluetoothが内蔵されているらしいので、bluetooth headsetを買えば拡張可能だが、たった130ドルの本体に対して、50ドル近くするヘッドセットを買う気にはならない。ヘッドセットだけ別途充電するのも面倒である。
そこまでやるなら、マルチメディア対応の進んだiPadを別途購入したほうがいいかも知れないし、音楽を聴くだけなら、iPhoneで十分。ビデオやYouTubeを見るなら、iPhone+ヘッドマウントディスプレーという手もある。amazon.comの評価を調べた限りでは、評判の良いヘッドマウントディスプレーは、いまだ売り出されていないが。
- 横画面にできる - power pointから変換したpdfなどの表示をすると、これができないNook Touchは不便。Nookアプリの更新で対応してもらいたい。
最近学会の予稿集もpdfで配布されることが多い。大きくて邪魔なnotePCでなく、電池寿命も気にならないNook Touchで読めると嬉しい。ただし電子媒体はメモがとりにくい、スタイラスを使って手書きメモを上書きしてsaveする機能があれば、助かる。Androidという自由な市場にあるNookなら、そういうものが出てくる可能性はある。iPadやGalaxy tabでそういうものが出てきたら、迷わず購入するだろう。iPadにはスタイラスを使った手書きメモがあるらしく、友人は学会でこれを使っていた。が、単なる手書きメモなら、SmartPenの方が圧倒的に自由度が高い。eInkの解像度があがれば、以下の手法が適用可能になるかもしれない。
- pdfに、アノト式のバーコードを追加して、smartpenが読み取り可能な形で表示。
- スマートペンで手書きメモを取り込む。書いたメモをeInkに反映できるようにするには、タッチパネルの解像度をかなり上げないと難しいので、ホワイトボードマーカのように、画面に本当にインクで書いて、消すのがよいのだろうか。。
- livescribe desktopd上で、もともとのpdfと、smartpenから転送された手書きメモ+音声レコードデータをマージして、メモつきpdfとして完成させる。
SmartPen - Livescribe)
http://iphonedays-satoshi.blogspot.com/2010/10/libscribe-smart-pen.html