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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2014年9月14日日曜日

Intel Edisonボードを使ってみた


San Franciscoの展示場Moscone Westで2014/9/9-9/11に開催されたIntel Developer Forum 2014 の目玉はIoT(Internet of Things)つまり、インターネットに繋がる極めて様々な装置・端末、ないしは、小型の常時稼働型・超低電力デバイス。

IDF会場 2Fロビー: Edisonを使ったIoTデモのブース
この他にも多数
 
スマホとそれに続くtabletでARM陣営の後塵を拝し、いまIntelは2 in 1 PCなどで挽回を図っている。 それらの先には、話題のApple watch  http://www.apple.com/jp/watch/technology/ やGoogle Glassや、もっと小さなセンサーのデバイスがやってくる。ここではARM以外にArduinoなどの選択肢もあり、まだエコシステムの構築競争が始まったところである。Intelはそこを最初から押さえたいのであろう。Intelの2 in 1 PC/Tablet での狙いについては、以下に書いた。

2014年9月15日月曜日: Intel の14nmプロセスの期待と課題 - IDF2014から

余談) 9/9-9/11という911テロを彷彿される開催時期。というよりも、AppleのiPhone6やiWatchの発表も2014/9/9に行われており、年末商戦とかにも向けて展示会が多い時期で人が移動する時期をテロが狙ったと考えた方がよいのだろう.....
IDFのshow caseの中央でも、組み込み評価ボードEdisonを展示していた)
IDF showcase中央のEdisonブース
Edisonブースに技術情報を聞きにいった所、「面白い評価アイディアを持っている人には、無料で配っている」ということらしく、「あそこのブースでATOMのサーバを展示しているのだが...」と話を切り出したところ評価ボードがもらえた。私の横で話をしていた方は、欧州からの大学の先生らしく、「組み込み系の講義の教材にする」と言ってもらっていた。

調べてみるとamazonでも99ドル http://amzn.to/1BC0myN で売られる予定(2014/9/16リリースだとのこと.. 一般発売前のレア品だったのか... )。

結局おもちゃが3つに増えた)
組み込み評価ボードたち
  1. 左上) 自作PIC (これは16F1827を使った、binary表示時計) - 2ヶ月ほどまえにハンダ付け。PICのプログラムはこれから...
  2. 左下) MicroView - これはArduino。Crowdfundingのkickstartで昨年末注文したものが、2014年8月中旬に届いた。
  3. 右) Intel Edison (これは22nm ATOM silvermont) - IDFでもらってきたもの。
    今回は3について報告する。1, 2についても後日報告したい。
その他拙blogで既報のLinux/Unix 装置は以下のものがある)

iPhoneの脱獄 - これはBSD Unix
 最近のは、2013年12月24日火曜日 : Evasi0n7によりiOS7.x の完全脱獄に成功

2011年8月27日土曜日: MacOSにBSDコマンドを追加し、まとめてファイルをダウンロード

2011年10月23日日曜日: MacでBSDツールを利用する・大学の電子ブック
2011年9月4日日曜日: Nook Touchの脱獄 -- これはLinuxの上にDarvik VMなどを載せた構造のAndroid
2012年12月5日水曜日: Raspberry Pi
2012年12月9日日曜日: Linuxが走っているSDカード: PQI Air Card

2013年1月5日土曜日: 自宅にLinuxサーバを構築した

Edisonについて)
15.5 cm x8.5cm x 4cm の箱に入っている
箱の中から出てくる2つのボード

Edisonは葉書より一回り小さいベースI/Oボードと、SDカードより若干大きいサイズのCPUカード(メザニンボード) からなる。メザニンボードの上の銀色のEdisonパッケージはSDカードよりも若干小さい。

Edisonは、PCwatch記事 「Intel、SilvermontコアのAtomを搭載した新Edisonを公開」 に紹介がある。これによると、PoP(パッケージオンパッケージ)で、CPU上に、1GBのメモリと4GBのフラッシュメモリのストレージが乗せられており、Linux OSで動作しているとある。

IntelのProduct 情報: Intel® Edison Module によると100MHz動作の32bit組み込みx86 CPU QuarkやBluetoothも乗っているらしい。microSDカードのポートも有る。至れり尽くせり...
だが、RaspberryPIとは違って、HDMIとかVideo出力はない。

https://communities.intel.com/docs/DOC-23161 からdownloadできるpdfのボードマニュアルをみると、スイッチングDCコンがボードに搭載されており、外部電源を選択すれば7-17Vの外部DC入力で動く模様。
また、バッテリー動作も想定されており、Li-Ion電池を接続するポートもあり、バッテリーチャージャ機能も内蔵されている模様。以下、Li-Ionの件は出ていないが、上記リンクのpdfから抜粋したボードのブロック図。

Edisonボードブロック図
Sparkfunのボード)
Arduinoと周辺ボードの会社Sparkfunから、このEdisonCPUカードを含む、IoT開発用の小型のカードキットが売られている。https://www.sparkfun.com/products/13093

ここにある紹介videoを以下に掲載する。


基本機能だけの以下のsetで115ドルらしいが、他にもボードがあり各種IoTデバイスが作れそう。たとえば、Microviewと同じdisplay+sw+ジョイスティックのボードとか、3軸加速度計+3軸ジャイロ+磁気コンパスのチップ入りボードとかがある。

Intel® Edison Starter Pack: $114.95
Intel® Edison Sensor Pack: $69.95
動かしてみた)
箱の裏に、"maker.intel.com"とある。これを入れると、EdisoとGalireoのサイト: Intel Makers: What Will You Make? に行く。

ここのEdison のリンクをクリックすると http://www.intel.com/content/www/us/en/do-it-yourself/edison.html つまり、先に示したリンク Intel® Edison Module  に行く。

Edison Getting Started Guide - Mac を参照しつつ、Macを母艦にしてEdisonを動かしてみた。まず、上記に紹介があるように、ボードを組み立てて、Edison用のArduino SDKをダウンロードする(これはJavaで動いている)。microView用のがver1.5.7で、Edison用のがver1.5.3なので、それぞれArduinoMicroview.app, ArduinoEdison.appと名前を変えて/Applicationsにおいた。(work arewの設定を変えていないので、ファイルを共有しているらしく、Edison用を起動すると、microviewライブラリが無いとエラーになるので今後対応する)
microUSBを接続
まずmicroUSBを接続)microUSB側を使うには、その上にある小さなスイッチをmicroUSB側に倒す必要がある。通常USBを使うと電源アダプタが必要になる模様。

写真上側のmicroUSBは電源供給(ないしは、targetデバイス向けなのかもしれないが..)
下側のmicroUSBが通信用であり、ともにPCに接続する。

シリアルデバイス)
上側のmicroUSBを接続しただけでは/dev/cu.*は何も変わらないが、下側のmicroUSBを接続すると、以下の3つのデバイスができた。
  • /dev/cu.usbmodem1421241
  • /dev/cu.usbmodem1421243
  • /dev/cu.usbserial-A703ZBFN
ArduinoのSDKアプリを起動して設定)
冒頭の Edison Getting Started Guide - Mac にあるように、BoardをEdisonに(もともとそうなっていたが)して、Serial Portをリストの一番最後の /dev/cu.usbserial-A703ZBFN に設定して、uploadをかける。コンパイルは成功するものの、uploadを数度試して失敗する。



Arduino Intel - SDK画面
upload 失敗でtimeout

端末画面からlogin)
uploadしなくてもlinuxが立ち上がっているはずなので、ガイドに従い、terminalからloginを試した。
上記のdevice名を用いて、Macのterminalから以下の様に打つ。($の前はプロンプト)
Satoshi-MacBA:~$ screen /dev/cu.usbserial-A703ZBFN 115200 -L
すると、login画面が表示される。
ガイドにあるようにuser名は、rootでパスワードはそのままreturn (パスワードなし) でloginできた。

最初に電源を入れた後、そのまま引っこ抜いたので、ファイルが壊れていて、fsckが走って、file systemを修復していた。linuxなのでshutdown処理は必須。

WiFiを有効化)
root@edison:~# configure_edison --setup
(#の前はプロンプト)を、やってみるとsetupオプションが変わっていて、インタラクティブには設定できない。エラーメッセージにある、ヘルプを参考に以下のコマンドでwifiを設定。WEP, WPA2-Personal, WPA2-Enterprizeが選択でき、SSIDステルスにも対応している。
root@edison:~# configure_edison -w

WiFiを設定するとsshでつながった。sshして、
  • root@edison:~# uname -a
  • root@edison:~# cat /proc/version
  • root@edison:~# cat /proc/cpuinfo
をやったのが以下画面。結果をまとめると、順に
  • OS名はLinux edison 3.10.17-poky-edison
  • 同じくOS名だが GCC4.8.2でコンパイルされ、SMP(Symetricマルチコア並列処理)が有効化されている
  • プロセッサ情報)
sshでwifi経由でEdisonに接続

最後のprocessor情報をみると2 core のsilivermot 500MHz が乗っていた。bogo mips は998.4 -- BogoMips ではマルチコア分も積算されている模様) つまりSDカード大きさで1000 MIPS。

DRAM 1GB, ストレージ4GB... 私が大学院の頃は巨大で何千万円もしたVAX11 780が1MIPSだったので....隔世の感がある。

shutdown)
root@edison:~# shutdown -h now

を実行。ssh接続は速攻で切れて、Macのscreenコマンドで繋いでいたシリアルコンソールでは、以下の画面がでる。
shutdown時のコンソール画面
CPUは無事haltして、ベース基板のLEDも消える。
が、screenで繋いでいるコンソールのUSBデバイスが「USB接続が不正に切り離されました」とエラーをだすので若干気持ち悪い。

おまけMicroviewとの関係)
MicroviewはSparkfun https://www.sparkfun.com/と言う会社が製造販売している。
Sparkfunのロゴ


Microviewを立ち上げると、上記の会社のロゴにある炎のマークが表示される。
Microviewのサイト: http://learn.microview.io/

IDF showcase中央のEdisonブースでは、この会社が展示していて、この炎のマークがあったのでピンと来た。説明員に「kickstarterで買ったmicroviewが最近やって来たけれど、あれって良いよね」と言ったら、この説明員がmicroview SDKの一部を担当したらしく、彼も嬉しそうで話しが弾んだ。

前述のようにEdisonでも、I/OボードではSparkfunが大量にArduino用に作成している周辺デバイスに対応していると思われ、Arduinoの SDK、I/Oライブラリを使って開発を容易化しているのだろう。IntelもArduino向けI/Oボードの品揃えが豊富なSparkfunと組むの有効だと考えたのだろう。

組み込みとかIoT、いやサーバの部門でも、ソフトやらSDKの共用化は進んでいる。開発が大変だし、使う側での勉強する手間も省ける効能もある。エコシステムとかオープン化といわれる潮流である。

一つ使って環境を知っておけば、IoT業界で話が弾むきっかけになるかもしれない。
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