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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2012年11月24日土曜日

アルゴリズムのお勉強

最近、C++でプログラムをしており、特に習ったことが無かったアルゴリズムだが、しっかり理解しておいたほうが良いと思い勉強し始めた。メモとしてまとめる。勉強が進んだら、おいおい追記していく。

勉強すべきもの)

  1. Data Structures: Linked list, BTree B+Tree
  2. Sort
  3. Search
  4. Graph Algorithm
  5. Weighted Graph Algorithm: Spanning Trees, Shortest Pathes
  6. Combinational Search and Heuristic Methods
  7. Dynamic Programming
  8. C++のライブラリ: STL, Boostに実装されたアルゴリズム
教材)
 The Algorithm Design Manual" by Skiena
やら、webやら。

wikiなどにあるもの) 
BTree) http://bit.ly/Tkne1I  : treeをたどれば高速検索が可能。treeの深さがバランスするよう生成する、エレガントなアルゴリズムがある。このためbalanced treeと言う意味でb treeと呼ばれる。data baseなどにも使われる。オーダ m とは、枝がm/2〜m あるものを指す。nodeの追加は分かりやすいが、nodeの削除は分かりにくく。英語サイトの図 http://en.wikipedia.org/wiki/B-tree をみると分かる。

B+Tree) http://bit.ly/TkniyA これは、アクセスが集中しがちな根を見なくても、leafのアクセスだけで、検索ができるようになっているもの。つまり、Btreeのleaf以外にあるデータをleafにも重複させて持たせている。

Sort)  http://www.ics.kagoshima-u.ac.jp/~fuchida/edu/algorithm/sort-algorithm/ が分かりやすい。quickソートが速いと思われているが、実は、入っているものが特定ケタの数値であれば、基数ソート(Radix sort)の法が速いこともある。複数ケタのRadix sortのやり方は大変エレガントである。また、そうでない場合でも、quick sortの軸要素(pivot)の選択が悪くtreeが非対称に分割されると、計算量が増えるので、マージソートの法が効率が良くなる。したがって、効率の悪いバブルソートは除外するとしても、様々なやり方を覚えておいたほうが良さそうである。

2012年11月12日月曜日

2012年 アメリカ大統領選挙の総括


Barak Obama大統領が再選した、2012年アメリカ合衆国大統領選挙 wiki http://bit.ly/POA4Ex を総括しておきたい。
各州毎に集計される2012/11/6日の一般選挙で、大統領選挙人538名のうちの過半数、すなわち270名を獲得すれば良く。民主党のオバマが、332対206票で再選された。下の図をみると分かるように、得票数では接近しているが、選挙人の数は大きく開いた。その理由は、Swing States(後述) をどうあつかうかなど、選挙戦略にあったのだろう。

後日、別記事に、日本の選挙制度との比較をまとめたい。



選挙日程)
 討論会は、特に注がないものは、民主党Obama候補 対 共和党Romney候補の1対1の討論会であった。大統領候補による討論会が3回、副大統領候補による討論会が1回、それぞれ開催された。全米メディアにより生中継され、有権者からの関心も高く、選挙戦の情勢に大きな影響を与える。

2012年)
1月3日:アイオワ州共和党党員集会。共和党の予備選挙がスタート
3月6日:スーパー・チューズデー。11州の予備選が集中
5月29日 : ロムニーが過半数をとり共和党代表に決まる。予備選は終了
8月27日~30日:共和党全国大会(タンパ)
9月3日~6日:民主党全国大会(シャーロット)
10月3日:民主・共和の2名による第1回討論会 : コロラド州デンバーで開催。ロムニー優勢
10月11日:副大統領候補の2人による討論会。世論調査では、ほぼ互角との結果
10月16日:第2回討論会 :ニューヨーク州。タウンホール・ミーティング方式。ややオバマ優勢
10月22日:第3回討論会:フロリダ州で開催。国民の関心はあまり高くない外交政策が中心テーマ。ややオバマ優位
11月6日(火曜):一般有権者による投票及び開票
12月17日:大統領選挙人による投票

討論会)
各討論会は90分間で開催された。CNNでは視聴者がどちらの候補者が有利と思ったかのグラフを、討論と同時に表示し。各候補者に有権者の賛成・反対が集まった瞬間などを、討論後に解析していた。ディベートとしてのルールもしっかりしている。
  1. 将棋などのように、各候補者ともに、全体で持ち時間が決められており、あるテーマをしゃべりすぎると時間がなくなる
  2. 相手の言っていることを理解し、ロジカルに反応しないとならない
  3. 相手が話し終えるまえに、口を挟むような、ルール違反はしない
  4. 会場からはヤジはない
  5. コーディネータは、上手に討論を誘導しリードしていく
  6. 相手のちょっとした失敗。コーディネータのプラスの評価などを利用しつつ、優勢を広げていく。まさに、将棋などと同じ勝負である
また、CNNでは、討論後、候補者の言ったデータが真実かウソかの解析結果を示していた。コメンテータもコメントしていたが、感情ではなく、冷静にコメントするところが、議論慣れした米国人ならではだと思う。

2回目のタウンミーティングでは、ニューヨーク州付近から選ばれた、さまざまな、年齢・性別・職業等の有権者が、候補者に質問をぶつけ、候補者が回答する形で行われた。質問は、候補者にはつたえられず。質問者と進行者だけがあらかじめ知っており、進行者は、候補者が質問に対して、答えになっていない場合はそれを指摘する役目を負っている。

3回目の外交ネタは、情報を握っている現職の大統領が有利。それは有権者もわかっており、あまりこの結果には注目していなかった模様。

日本の国会議員は、国会答弁や記者の質問もあらかじめ質問内容を聞いて用意している。そんな、あまっちょろいシステムになれた議員では、こういう丁々発止の議論で戦ってきた、米国等の首脳と対等な駆け引きができるはずもない。

選挙システム)


http://www.archives.gov/federal-register/electoral-college/faq.html (英語) に選挙人(Electroral College) 制度の説明がある。州毎に、特定の候補者に投票すると誓約した選挙人を選び、その選挙人が後ほど(2012/12/17)に投票する仕組みである。面白いのは、上記英語のページにもあるように、選挙人が寝返って違う候補者に投票して、違う大統領が選ばれても、それで良しとなるとのことである。このシステムについては、なんども修正提案はあったようである。

このリンクにもあるように、50州のうち48州で総取り (winner take all) 制度が導入されている。州毎に集計される投票で最多数を獲得した候補者が、全選挙人を獲得するという方式である。民主党は都市部で強いため、カリフォルニア州では、民主党60%、共和党40%の獲得票になり、Obamaが全選挙人を得ることが獲得しており、選挙戦には大統領はあまり力が入っていないように思えた。

当然、winner take allの場合、50%近くで均衡している州の勝敗が勝負を決める。その州のことを、Swing States: http://www.politico.com/2012-election/swing-state/ と呼ぶ。Newsでは、Battle Field, などとも呼んでいた。

青系の色が民主党、赤系の色が共和党。濃い色の州がSwing Statesであり、結果的に民主党が取ったところが青である。表の左側の得票数(Poll Average)のわずかな差で、Electoral (選挙人)数がwinner take allで振れてくる。

そもそも、各州は、自分の州での投票結果が大統領選に大きく影響するようwinner take allにしたのだろうが、現実的には、このような結果になっている。

各州の得票数の一部。カリフォルニア州では、53%対39%で民主党が有利。特に、ベイエリアとか、都市部では、70%対30%くらいの比率で民主党が優位であったとのこと。
共和党の候補者選び)
こちらは、2012年から手法が変わり、4月より前は州のwiner take allではなく、4月以降は州毎に決めるようになった。(民主党は2008年大統領予備選挙の時点において、州単位の比例代表制をとり、その州の代議員議席は州での得票に比例して各候補に配分された。)そして、過半数をとるまで投票を続けた。最初7人の候補者がいたが、勝てないとわかると徐々にぬけ、5月29日にRonmyが代議員数の過半数を獲得し、共和党候補者に決まった。

 日本語 wiki: http://bit.ly/POAWsS


上記日本語wikiから、
「これまでの共和党予備選は、すべての州が「勝者総取り方式」だったが、今回からは得票率に応じた「比例方式」に変更された。比例方式であっても得票率1位の候補に優先的に代議員数が配分される州もあり、細かいルールは州によって異なる。1月から3月までの序盤の予備選では比例方式が採用されるが、4月以降は勝者総取り方式が解禁される。」
4月以降に20州くらいの投票が行われており、このなかのいくつかが、総取りになった可能性はある。

米国の大統領選挙の特徴)
  1. 2大政党制
  2. 2大政党のポリシーと支持層が明確
  3. 大統領選にあわせて様々な選挙が行われる
    1. 上院議員選挙: 定員100人の1/3が改選
    2. Proposition(州の政令)などの住民投票
    3. 各首長の選挙
  4. 中流階層以上の意思が反映
関連して、ちきりんのblog  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20121108 は、面白い。寄付の件、小さな政府の件、政権交代の件の関連性を考察している。ただし、以下に書いたようい、米国も、白人・男・金持ち以外の勢力が強まっており、弱者救済型の民主党が今後も力を付ける可能性はある。となると、共和党も歩み寄るのか、支持基盤である、キリスト教・白人・金持ちを維持し続けるのか。

個別に見ていく)
2大政党のポリシーと支持層が明確)

共和党: 強者支援・保守・米国主導・小さな政府
民主党: 弱者救済・リベラル・世界協調・大きな政府

という大きな軸がある。
その結果、白人・金持ち・田舎部・保守・敬虔なキリスト教信者は共和党を支持。

2012年の今回の大統領選挙では、さらに、女性・若者・マイノリティ(ヒスパニック(Latino)、黒人、中国人など。。)が、民主党に流れたといわれている。

http://www.cnn.com/election/2012/results/race/president#exit-polls にあるCNNの出口調査の結果が極めて興味深い。上記の特徴が明確にデータに表れている。一部を引用するが、是非全部をご覧頂きたい。これも上記同様、青が民主党、赤が共和党である。年齢や所得は切り方をいくつかに変えている。




Romneyが、伝統的・保守的なモルモン教徒であり、第二回討論で、「Binder full of  women」沢山の女性という意味だろうが、バインダーで拘束され店ざらしになっているという、非常に悪い雰囲気のする表現であり、この発言後、さまざまなメディアでこれが失言だと批判されていた。

都市部、リベラルは、民主党支持という方向性がある。これが、ほぼ交互に政権をとることで、いろいろな試行がされてきた。また、米国の特徴として、選挙では戦うが、結果がでたら、無茶は言わない、強調するという傾向がある。

ただし、共和党のオバマケア(国民健康保険)反対、2011/8年のドル暴落を招いた、米国債のデフォルト危機は、諸外国にならって、対立路線を試みた結果といわれている。

大統領選にあわせて様々な投票が行われる)
http://bit.ly/UxyEv8 にあるように、大統領選挙の再の住民投票で、Maine州とMaryland州では、米国で初めて同性婚が許可された。

ワシントン、コロラド両州では、大麻が嗜好品として許可された。http://bit.ly/UxyHXQ 
麻薬を資金源にしているマフィアと輸出国の資金源を絶つと賛同する人も居るが、廃人が増えたりしないのだろうか。。

米国というのは、基本、州のほうが権限があるので、いろいろな制度が一つの国に混在する面白い国である。

Proposition (州の政令)の住民投票)
大統領選と一緒に行われた、California Propositionの投票。http://bit.ly/Tvz6gQ に一覧がある。

Prop30 - どんどん削減される教育費に対して、教育目的以外につかえない増税をする。承認された。テレビのコマーシャルで、先生達が「是非賛成を」と宣伝していたもの。

Prop 31 - 会計年度を2年にしようというもの。否決。

Prop 37 - 食品ラベルの強制化。ルールに一貫性がないと反対していた。が、これがないので、遺伝子組み換え食品の表示義務もない。否決。

しかし、Propositionの承認率は11件中5件と低い。

いろいろ斬新なアイディアを含めて議員立法して、住民投票をする。これにより、政治への関心が高まるので、日本でもやればよいと思う。

低所得者層に厳しい選挙システム)

  1. 平日、普通は火曜日が投票日(最近は、期日前投票もあるが)
  2. 住民票がないので、選挙登録が必要。今は多くはinternetから行う。netが使えない人には、投票用紙もやってこない
  3. 本人確認で、免許証が必要な州もある。免許証や、DMVのIDカードを持たない、低所得者層は投票できない。
オバマ大統領も期日前投票で、写真付き身分証明書を求められたらしい。
http://on-msn.com/PlP1h9 IDカードというのはやっかいな問題である。

日本の課題)
米国の2大政党制をみていると政治は数の力のように思う。数で支配して、動かしていかないと物事が決まらない。特に動きの速い今の時代、数の力が必要であろう。

その点で、頼れる主張のある政党がなくなりつつある日本で、地方選挙では、特に無所属で立候補する候補者が増えるのは、どうかと思う。

政党としての主張が、まとまらないのは問題である。

こうなった原因と考えられるのは、日本は、第二次大戦後、中国やソ連の共産主義台頭エリアに地理的に近かったことで、戦後のソ連の共産化の影響を強く受けたため、社会主義・自由主義という大きなイデオロギー対立が続き、本当の政策的な違いを議論する体質が、政党内に形成されなかったように思える。

盲目的に、xx主義だ、xx政党だという支持が生まれたのではなかろうか。

民主党や自民党がはっきりしないのは、数のためということで、そのイデオロギーの違う勢力を自分の中に取り込んでいることのように思える。

株が下がった)
米大統領・議会選の結果、上下両院の多数派が異なる「ねじれ」が続くことが確定し、減税の失効と歳出の強制削減が同時に起こる「財政の崖」への警戒感が強まった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が講演で欧州の景気に慎重な見方を示したことも投資家心理を悪化させた。と、日経のDirect mailにあった。

BB Gun の威力

Androidのタブレット Nexus7 WiFi 16GBを買おうと、クリスマス商戦が始まった、Walmartに行ってきた。お目当てのNexus 7は売り切れであった。199ドル+Taxという値段。231ドルくらいになる。amazon.comでは239ドルで高いなぁと思っていたら、tax込みの価格であった。値段がほとんど変わらないし、こちらは在庫があるので、Amazon.comで買うことにした。

エアガンの威力)
さて、本題。Walmartのキャンプ・スポーツコーナのところに銃器コーナがあった。18歳以上であれば、誰でもエアガンは買える。33ドルのセットがあったので買ってきた(写真)。


エアガン(BBガン)のセット

パッケージの右下、WARINGの所に、「325yards(297m)離れてていても、(撃たれれば) ケガや死ぬ危険があります」と書いてあった。アルミの玉、炭酸ガスタンクということで、いわゆる空気銃なみの威力があるのではと思う。これは、弾用のカートリッジの無いタイプで、銃身のあたりのバネを引き抜いて、装填する。15発装填できる。口径は4.5mm =0.177口径というBBガンとしてはメジャーなもの。銃身は114mm。弾の初速は125m/sとある。換算すると、時速450km/h であり、相当な破壊力であろう。。

日本では完全に違法)
http://bit.ly/Xw9R0R にH.18年(2006年)に制定された、エアガン規制法がある。
気体を使用して弾丸を発射できる銃で、人を傷害しえるもの(新規規制)。単位面積(平方センチ)あたりの運動エネルギー値が3.5ジュール以上のもの。
とあり、弾を10個まとめてキッチン測りで測り計算してみると、以下のようになる。上が上記のエアガン。日本の規制では、完全に違法である。





実験してみた)


本棚から5m離れて撃った
付属されていた、紙の的を本棚の前につけ、的から5mくらい離れて撃ってみた。
撃つとバシュと大きな音と共に、ガスが銃口から噴出する。

すると、的を貫通して後ろにある電話帳にこれだけめり込んだ。。本当の拳銃に比べると引き金がかなり重いので命中精度は悪いと思うが、照準は割と正確にできているようである。

鳥や動物だったら致命傷になりそうである。拳銃じゃなくても、こんなものを売っているというのは、危険な国である。。

BBガンだからいいやと、こういうものを買って飛行機に持ち込むと、捕まったり、税関で見つかると逮捕される恐れがあるので、くれぐれもやらないように。。

エアガンコーナ)
こんなアサルトライフル型のもあった。さらに威力があるらしい。上から三段目のは、カートリッジで装填しするセミオートマチック型のもの
上から2段目にある弾は、鼓型の弾。いわゆる日本で空気銃の弾であり、パッケージには、鳥やリスを撃つ絵が描かれていた。。

エアガンコーナ

これは実弾。資格証明が必要らしい。棚のガラス戸には鍵が掛かっており、店員を呼ばないと買えない。が、米国人の夫婦が、店員と気楽に話しながら、実弾を買っていた。
Shooting schoolで聞いたが、カリフォルニア州では、銃を買うのに簡単なテストがあるらしい。25ドルかかる。が、落ちたひとはほとんどいないらしい。それを通った証明が、資格証明なのだろうか。。

ま、誰もが自分で身を守ることが、憲法で保障された国なので、銃を規制するのは、憲法違反になる。(オハイオ州で判決がある。)なので、誰もが犯罪者にもなりうるという恐ろしい国である。ただし、殺される危険があったときでも、人を殺すと、特にカリフォルニア州では、正当防衛が認められにくくなっているらしく(つまり、犯人の人権が守られる)ので、武器を買って身を守るよりも、危険なところに近付かないのが正解である。

2012年11月8日木曜日

半導体微細化の力 - Intelのすごさ

半導体製造技術では、Intelが2位のTSMCやGlobal Semiconductorなどを大きく引き離してしまった。これらには以下の技術がある。追って解説とリンクを追加する。

  1. Tri Gate Trによる、3次元のFDトランジスタの技術
  2. 低電力回路技術
    1. Near Thresholdの回路技術と、それを実現するLSI設計技術、製造管理(LSIキャラクタライズ)技術
    2. Onchip のスイッチングレギュレータの回路と、オンチップの高いQ値を持つインダクタ製造技術(材料技術)
  3. Copy Exactlyなどをはじめとする、生産管理技術。ラインの垂直立ち上げノウハウ
生産能力)
近々、14nmの450mmウエハの生産ラインを導入する可能性もある。
以下に計算したが、歩留まり(良品率)90%の仮定で、月100万個生産するとき、

90nmで10mm角のチップだとすると、200mmウェハの90nmプロセスでは、ウェハを7,077枚流す必要があった。2007年ごろの初期のiPhone向けのSoCなら、この程度の大きさだったであろう。http://toucharcade.com/?p=192 には2007年発売の初代iPhone http://bit.ly/SvqvYd のCPUがSamsungの420MHz動作のARM1176JZ-Sであったと書かれており、代表的なプロセスとして130nmプロセスでの性能があげられている。当時は、まだ、AxのようなSoCではなく、CPUは別chipだったようである。

ところが、これを450mmウエハの14nmプロセスでつくると、ウエハ枚数はたったの34枚で終わり。




ある程度大きな半導体工場では、月産1万枚以上のウェハを流せるので、チップとして考えると相当な生産能力になる。

ちなみに、Apple史上最大の売り上げと言われる、iPad miniは一週間に300万台売り上げた。つまり、90nmで10mm角のチップが各iPad miniに一つ入っていたとしても、14nmの450mmウェハなら、100枚ちょっと流せば所要が実現してしまう。もしチップサイズがこの程度のものだとすれば、iPad miniの初期の売り上げが100週間=25ヶ月=2年つづいても、そのチップを作るのに、工場を1ヶ月フル稼働すればよいことになる。別な言い方をすると、この工場の生産能力を埋めるには、iPad miniの初期の売り上げを維持し続ける製品が25製品必要だということになる。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1208/03/news028.html に、2012年の4-6月 四半期の各社のtabletの売り上げが出ている。以下に引用する。

首位のAppleで、四半期に1,700万台。2位のSamsungで239万台である。一位のAppleでも、月にならすと、月566万台。仮に先ほどのSoCチップの計算だとすると、14nmの450mmウェハにして、ウェハが月192枚になる。工場はとても埋まらない。2位以下全部会わせた2,500万台と考えても、まだまだ足らない。SoCチップが複雑で大きくなることに期待するか、需要が増えることに期待しないとならない。

しかし、世界シェア1%もない日本のメーカが世界シェア68%越えのAppleと戦うのは、コストや設計投資的には圧倒的に不利だと思う。月産100万台あっても、強い技術を持つ、大手半導体Fabから有利な条件を引き出すのは難しいであろう。技術優位などで、勝算が相当あるのでなければ、手を出しても負けるだけのように思う。

日本の半導体撤退の理由)
日本の多くの半導体会社で、Flashメモリという売れ筋を持つ東芝以外は、2000年過ぎの65nm世代の頃から最先端半導体の設備投資を諦めはじめたのは、ラインが埋まる製品のメドが立たないという理由がある。これが、解決しなければ、いくら公金を投入しようが日本の半導体製造業は復活のしようがない。昔の半導体メーカが設計の方向に走る理由がここにある。

固定費と変動費)
半導体の設計投資、設備投資、ウエハ一枚の材料費を後ほど比較してみたいが、材料費や製造変動費の占める割合は極めて小さい。出版とかと同じく、完全な設備産業である。

進歩した半導体技術を持つ工場が、生産コストも下がり、生産能力も高くなり、世界を席巻してしまう。

iOSとAndroidの本質的な差

iOSに比べると、Android (グーグル携帯・tablet)はメモリ食いで、遅いと言われている。本質的な差であり、ちゃんとした原因があるので分析したい。

Androidは重い)
そもそもAndroidのアプリの記述は、GC (Garbage collection) がある、Javaである。実行時にコード変換する機能やNativeアプリを動かす機能はあるが、基本的には、ソフトウェアがコードを解釈しながら走るインタプリタである。セキュリティ対策の側面(http://bit.ly/Z2fOkc に紹介がある)、機種依存性をなくすこと、動的型継承などがあるので、CやC++のように、事前にコード変換してしまう高速でメモリを食わないコンパイラにはしにくいと思われる。

そして、GCは重い。

Androidは、アプリ審査(後述)がないので、ソフト的に悪意のソフト(マルウェア)から守らないとならない。ファイルアクセスができない、Javaを使い。DalvikというVirtual Machine (VM)を使って、Sandbox (そのアプリだけの砂場)を作って守っている。

また、iOSは基本的にはSingle taskだが、Androidはマルチタスクに対応して作られている。これが、メモリを大食いにする理由でもあろう。
最も最近のiOSも、画面上には出ていないが、Homeボタンを2度押すとリストが出てくるように、裏でアプリが動き続けている。

http://bit.ly/UwEzRj の図を引用する。汎用のDesktop/Server OSである、Linux (これ自体でかい)のうえに、DalvikというVM(黄色)をおいて、その上にライブラリ(これはiOSでも同じ)があり、JAVAで書かれたアプリが走る仕組みである。

たとえて言えば、Macのうえで、VMware(仮想マシン)を走らせて、その中でwindowsXP走らせて、その中のブラウザの上でJava scriptを走らせるようなものなのであろう。

Androidのソフトウェアスタック
とはいえ、Androidの守りは、JavaとDalvik VMがメインなので、マルウェアに弱いようである。

http://www.anlyznews.com/2010/12/androidiphone.html には、上記をサポートするような数値比較もでている。が、コメントには、それに対する反論もある。

iOSの場合)
iOSアプリの記述は、GCはプログラマが管理するObjective-C。最近GCは入ったが、多分ほとんどのアプリでは使っていない。Objective-Cは、コンパイラなので、Javaのようなインタプリタではなく、何でも出来る。これでは、マルウエアに弱いので、Appleによる審査が入る。おかげで、iOSの上でダイレクトにアプリが走る。上記の図でいえば、赤いOSが軽くて、黄色(つまりVMとインタプリタ)が存在しない。

Application Frameworkも、緑色のライブラリと上手に融合していると思う。

iOSでは、Next Step時代から継承している、BSD系のかなり簡略化されたUnix OSのうえで、Objective-CでコンパイルしたNativeコードが走る。

GUI設計環境X-codeや言語のGUIサポート(View-Controlモデル http://bit.ly/UwFFMW に紹介がある)も良く出来ている。これが、Application Frame Workとライブラリのうまい結合を達成していると思われる。

そういう意味で、Androidは、まだまだこれからともいえる。HardwareやAppleは言語やOS単体ではなく、プログラミングやアプリの作成を含めた生態系として設計しているのである。これが本当の垂直統合である。

そして、iOSは、スマホという環境を考えて徹底的に割り切って作られている。例えば、GCがないこと、グラフィカル表示がシングルタスクであること、OSの特定のAPIしか開放しておらずATOK等のIMEの入れ替えもできないこと、などである。

iOS系に関して、画面解像度への配慮は、以下に書いた。


2012年11月8日木曜日: ちょっと怪しい最近のApple



OSの更新)
従来、ファイルやアプリなどを全て残した状態でOSを更新できた。ところが、iOSは違う。iTunesに繋いでiOSを更新すると、マイナーアップデートであっても、ファイルは消え、一旦、まっさらの状況になる。そして、iTunesからファイルやアプリを転送し直す。

じつはこれが画期的である。iBookの導入時に分かる通り、iTunesはiOSに会わせて常に更新されていく。iTunesが更新されると、母艦となるPC側のデータ構造も変わって、PC側でデータ変換したりする。

PC側で準備しなおすので、iOS装置側では互換性の為の処理が減る。新たなiOSに会わせたデータ形式で転送されるし、iOS側のファイルシステムの構造もいつでも作り替えられる。

つまり、装置としての性能が貧弱なiOS側に従来互換性の制約が減る。ファイルシステムの構造を好きな時に作り替えることも出来る。
これはOS更新としてはかなり画期的な考え方だと思う。

したがって、iOSをMacに持って行くかどうか(そういう主張もたまに聞くが)は、そう単純ではないと思う。

ハードウェアの進化でバランスは変わる)
もちろん、どんなにハードに負荷が掛かろうが、ハードウェアが進歩しアクセラレータができたり、メモリが非常に安くなればバランス点は変わる。が、基本設計の違いは、最後まで性能や、進化のしやすさの差になってついて回る可能性もある。

一番心配なのは、Appleは、大きな利益を背景に、設計者が沢山いるが、Androidの開発リソースはあくまでGoogleが提供し、Androidの基盤としているLinuxはサーバやdesktop用のOSS(Open Source Software)である、Linuxであるところである。

つまり、以下の2つが肝心になるのではと思う。
  1. Samsungなど本当にお金を儲けているところが、十分な開発投資を投入する
  2. Desktop/ServerというLinuxという主流のなかで、端末向けLinuxを正常進化させる
Andoridには自由がある)
Androidには、windowsとMacの違い以上の違いもある。
  1. 多くの会社が作って切磋琢磨している
  2. Androidのソースは基本公開であり、LinuxのようなOpenな世界での進化が期待できる
  3. 規制で守るよりも、自由による様々な試行による進化が期待できる
と、iOSにない良さもあり、やはり競い合うことで、お互いに進化できるのだと思う。

2012年11月8日木曜日:ちょっと怪しい最近のApple


に書いたような、Appleの最近の動きがAndroidつぶしだとすると、ちょっとAppleのやっていることに疑問を感じる。独禁法の関連もあるが、IntelがAMDと競い合って進化したようなほうが望ましいのでは。。


Android端末の現状)
Androidの端末は、SamusungとGoogleが発売しているNexus7が良いらしい。Nexus7はアンドロイドの中でも出色の出来らしい。大画面でcortex A15 http://bit.ly/Uxz1px という最新のプロセッサを持ったNexus10も発表された。Nexusシリーズは、 https://play.google.com/store/devices で仕様が確認でき、購入が出来る。

従来のAndoridや安物機種は、すぐフリーズし、メモリもすぐに不足したとのことだが、AndroidもNexus7で改善したとのこと。ただし、有料アプリが壊れても自己責任。これが、iOSのような高額な有料アプリがでてこず、アプリ市場が充実しない理由かもしれない。

米Burns & Nobleが販売する、電子ブック端末Nook TouchもAndroid端末であり、これにアプリをインストールして試したことがある。iOSのように守っていないので、非常に簡単に特権ユーザになれる。以下に書いた。


2011年9月4日日曜日: Nook Touchの脱獄


アプリ審査の価値とAndroidとの違い)
iOSアプリのAppleの審査では厳しい審査をする。審査を経て、IDを与えられたアプリしか(脱獄しない限りは)、iOSに転送できない(SHA-1認証ではねられる)ため、違法流通もできない。

アプリ審査の価値をまとめると以下の通り。列挙してから解説する。
  1. マルウェア(悪意ソフト)、著作権違反ソフト、教育上悪いソフトを防ぐ
  2. 動作保証をする
  3. どのソフトも同じ操作基準に準拠していることを確認する
コストは掛かっていると思う)
Appleの思想統制と嫌われているが、素人でも安心して使えるアプリの整備には重要だと思う。以前、Appleが求人していましたが、審査のために、相当数の人を雇い金を投入していると思う。端末で大きな利益を上げているAppleだからできる手法だと思う。

動作保証による信頼感)以前、古いiOS3 でChrome syncというアプリが動かないことがあった。動くとあったのだが、iPhone3GSのApp StoreでのOSチェックをかいくぐり、インストールもできてしまったが、起動すると直ぐに落ちた。それをクレームしたらAppleは、当日中に全額返してくれた。この安心感が、情報統制の見返りである。

将来展望)
物量を投入すれば差は縮まる。コスト差も小さくなるであろうが、量が売れれば利益の差は大きく、また将来の発展性も変わってくる。

利益差で、Appleが進化を続けられることが、メーカ数で多対1の不利にあるAppleの進化のための道筋だと思う。長期的にはCPUの自製化もこれに貢献すると思う。

Appleの市場コントロール)
Appleはソフトを強く管理しており、それを嫌っている人もいる。自由がないからである。

具体的には、
  1. 画面デザイン、ユーザインターフェースの規約があり、従うことを要請している
  2. Apple StoreにおくiOSアプリは、Appleの審査を通らないとならない
  3. アプリの売り上げからAppleがもっていく、うわまえが多い
  4. 開発だけならツールが無料だが、iOSの実機で動かすには年間99ドルのライセンスを買わないとならない
  5. ATOKなどのIMEを取り付けるインターフェース(API)などが公開されていない
などである。が、これは、以下の意味を持っている。
  1. 規約により、どのアプリでも、マニュアルをみなくても使える、同じ使い勝手を保障する
  2. 審査により、Warmなどと呼ばれる悪事を働くアプリ、著作権的に問題のあるアプリ、子供達に使わせたくない性的、暴力的なアプリ を除外する。
  3. 審査により、事前に動作保証をする
  4. 上前)審査のために相当なエンジニアを雇っており、とても一つ100円程度では利益がでないが、一定量の回収はしたい
  5. ツールが有料)やる気のない開発者を排除したい。コストを多少なりとも回収する
そして、情報管制がどうしてもいやな人には、米国Millenium 著作権法で合法性が確認された、脱獄(Jail break)という方法も残っている。が、こちらは、逆に以下の問題がある。
  1. 作者が減ってきて、新作アプリが減っている。主な機能が標準のiOSに組み込まれてしまったこともある
  2. まともに動かないアプリもある
  3. 有料アプリも増え、高いものは1000円以上する
と、Appleの巨大なマーケットに載せられないがゆえの問題もはらんでいる。

ちょっと怪しい最近のApple - だが投機家は当てにするな


http://bit.ly/SRtP3n 「Apple経営陣に大変動―iOS担当SPVのScott Forstall、リテール担当SVPのJohn Browettが去り、Ive、 Cue、Mansfield、Federighiの権限が拡大へ」Tech Crunch
ForstallがAppleを離れることは大きな衝撃を広げている。ForstallはNeXTでスティーブ・ジョブズの下で働いた後、ジョブズの復帰と共に1997年にAppleに加わわった。Forstallはジョブズの生前から死後にかけて次期CEOの有力候補と目されていた。
とのこと、かつてスカリーがジョブズを追放して、Appleが苦境に陥ったのと重ねる人もいると思う。

それでも)
それでも、iPad miniは1週間で300万台を売り上げ、Appleの記録を更新している。

何が心配なのか)
最近のAppleの心配は、以下の通り
  1. 大問題となったMapを市場に出してしまった。結果、仕様だと突っぱねる気も無く、CEOのCookが謝罪
  2. 従来はJobsが一人で驚異のプレゼンをしていた、製品発表だが、iPad miniなどの製品発表は、VPが交代
  3. 他者比較などしなかったAppleが、Kindleと比較発表
  4. 新製品が出ると在庫を一掃して値崩れを防ぎ、また、製品数を減らすことで開発力を集中させ、調達コストでも有利にしてきたApple。だが、今のApple store(日本でも米国でも)には、以下のように品揃えが増えている。
    1. iPhone4, iPhone 4S, iPhone5 使っているSoCは A4, A5, A6
    2. iPad mini,  iPad2, iPad4, 使っているSoCはA5, A5, A6X
  5. プリペイド携帯が50ドルもしなかった時代に、700ドル以上もするiPhoneブランドを作り上げたAppleだが、今は、Apple storeでは、iPhone4(8GB)が0ドル。iPhone4S(16GB) が99ドル、iPhone5 (16GB) が199ドル, 同32GBが299ドル, 同64GBが399ドル ( http://www.apple.com/iphone/compare-iphones/ ) とキャリアからのキックバックなのか値下げして、安価なイメージをだしている。
SoCに関しては、http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20120308_517340.html に情報がある。A6等については、http://ja.wikipedia.org/wiki/Apple_A6 等。

画面解像度への配慮)
もっとも、画面解像度が沢山あるAndroidとは違って、画面解像度を少なく押さえているので、アプリ開発は複雑度が下がる。

http://www.apple.com/ipad/compare/ と http://www.apple.com/iphone/compare-iphones/ にあるように、画面解像度は以下のようになる。

                                    縦  横ドット                 SoC
iPhone4                         960  x  640      Retina       A4
iPhone4S                       960  x  640      Retina       A5
iPhone5                       1136  x  640      Retina       A6
iPad mini                     1024 x   768                       A5
iPad2                           1024 x   768       Retina      A5
iPad4                           2048 x 1536       Retina      A6X

iPhone系は横解像度が同じ。iPad系は縦横2倍の改造度なので、当面はiPhone系、iPad系で2つの改造度でいけると踏んでいるようでもある。


後藤弘茂のWeekly海外ニュース: 解像度を高めたAppleの新iPadとそのコア「Apple A5X」のポイント http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20120308_517340.html
には、そう書かれている。

確かに、iPhone, iPad系がゲーム専用機のゲームを浸食しつつあり、ゲームの性能も重要なセールスポイントなので、グラフィック性能とゲームの普及しやすさには、配慮しているはずである。

半導体は量が全て)
半導体の価格は量が全てである。なにしろ設計コストと設備投資が大きくて、材料費が無視できるので、いかに沢山売るかが全てになる。以下にも書いた。

2012年11月8日木曜日: 半導体微細化の力 - Intelのすごさ


この点で考えると、心臓部となるAx SoCを3種類も製造し続けるのは得策ではなく、1種類にして量を増やした方が良い。製造能力に余裕があるので、多少オーバスペックになって、chipサイズが多少大きくなろうが、ほとんど関係がないと思う。とにかく統合して、量を稼ぐほうがコストが下がるし、製造業者に対して有利な立場になれる。

Androidをつぶしたいのかも)
Android携帯のSamsungが、市場シェアトップになった(以下リンク) とのことで、Androidを追い落としたいのはわかる。

http://www.itmedia.co.jp/promobile/articles/1210/29/news085.html
「IDC、Juniper Researchが、世界の携帯メーカー別出荷台数シェアを発表。Appleに倍以上の差をつけたSamsungがトップの座を守り、Nokiaはトップ5圏外に転落した。」

だが、Appleの市場コントロール(後述)が嫌いなユーザもいるし、自国企業を応援したい顧客もおり、メーカの数が多いAndroidを一掃することなどはできない。

だが、AndroidとiOSには本質的な差があり、優位性は保ち続けられると思う。以下に書いた。

2012年11月8日木曜日: iOSとAndroidの本質的な差


だとすれば、美しいデザイン/UI、先端の機能、信頼性などApple ブランドを維持するために利益率を高く保つのが、最善の策に思える。

マーケットに才能があったTim Cook (CEO)がそれに気づいていないわけがない。
それが、うまくいかないのは、内紛の性かもしれない。。だとすれば、ForstallがAppleを離れたことで一件落着したかもしれない。

Appleの株価も下がっている)
Appleの株価が下がっている2ヶ月で167ドルも下がり24%の低下。NASDACでは9%しか下がっていない。これは、市場が内紛など昨今のAppleの動きに、怪しさを感じているというよりも、Appleの株価に期待がありすぎてバブルだったということだろう。

株価は一つの指標だが、あてにしすぎるのは危険)
AppleはiPad miniがバカ売れで、2週間で300万台もうれたし、iPhone5も相当売れている。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/quote?T=jp09/quote.wm&ticker=AAPL:US にあるように、ROE (株主資本利益率: http://www15.ocn.ne.jp/~range/kessan/kessan014.html )

ROEは、株主資本すなわち株主が投資した資本額で、当期利益を割ったものであり、株主からみれば、投資した金に対する儲けの効率の良さ。銀行でいえば預金の金利である。なので、高ければ高いほどよいが、20%もあれば優良企業といわれる。

Appleは最近でも、ROEが、なんと、42.8%もある。株価が高騰するわけである。

優良企業IntelのROEは、26% である。http://bit.ly/VX7DqO
GoogleのROEは、17% である。http://bit.ly/VX7L9H

一方、苦境に立っているシャープのROEは -60%。(マイナスである) http://bit.ly/VX7SC7
トヨタ自動車のROE http://bit.ly/VX55Jd は、2.6%に過ぎない。
小売業で快進撃を続ける、セブン&アイ・ホールディングス のROEは、8.1 %である。http://bit.ly/ZvnmfR

ハイテクはもう終わりだという投機筋もいるが、ハイテクはいまだに効率良く金を儲けられる業種であり、一時のバブルの大騒ぎが去っただけであり、上手に経営すれば、依然として効率良く儲かる業種なのではなかろうか。

投機筋は、基本技術の未来ではなくて、過去の動向と、今のトレンドをみて投資する傾向がある。特に進歩の激しいハイテク分野において、技術やビジネスを見る目は、しょせん会社運営の当事者ではないので、十分わからないと思う。

インテルの例)
同じような投資家期待で、インテルの株価も2001年に跳ね上がっている。http://on-msn.com/VX5rQ5 からチャートを引用する。

会社経営者は、投資を得ないとならないので、投資家の行動を心配しないとならないが、将来方針決定や商品企画・技術企画の際に真に受けすぎると、会社は短期業績に走りおかしくなる。


2012年11月6日火曜日

AppleがCPU自製化の噂


「Apple、MacのCPUをIntelから自社製へ切り替え?」 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1211/06/news051.html

AppleがMacintoshのCPUをiPhone/iPadで採用している自社製チップに切り替える検討をしているという噂がある。あくまでも噂だが、先の経営幹部変更でハードウェア部門のトップになった、Bob MansfieldはMIPS社で、とあるCPU設計プロジェクトを統括していたこともあり、CPU設計の専門家である。

また、AppleはPAsemi http://en.wikipedia.org/wiki/P.A._Semi というCPU設計の会社を買収しており、A4, A5, A5XなどのSoC(Systems on Chip)を自社設計している。さらに最新iPad (iPad4相当)に搭載される、A5X のCPUは、ARMの設計ではなく、オリジナルな設計(Micro Architecture)といわれている。http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20120308_517340.html
古くは、Intel社がDECから買い取ったStrong ARMなどがそういう設計である。

命令セットアーキテクチャとマイクロアーキテクチャ)
CPU設計にはいろいろな階層がある。実物に遠いところから書くと以下のようになる。
  1. SoCとしての組み込み
  2. (命令セット)アーキテクチャ
  3. マイクロアーキテクチャ
  4. 回路
  5. レイアウトパタン
  6. デバイス、製造
低電力設計をする場合には、全てが絡んできて、一番物性に近い6の影響が一番大きい。

アーキテクチャライセンス)
自社の独自マイクロアーキテクチャによるCPU開発は、ARMのアーキテクチャライセンスという高額なライセンス契約をすれば可能であり、世界では、Samsung, Apple, Motorollaなどが所有していると言われている。

このライセンスを所有することで、自社でMicro Architecutreを設計し、場合によっては、命令セットを追加しても、ARM側は、コンパイラなどのツールや、ツールなどのエコシステムを対応させてくれる。という意味で、自由度がある分、高額なのであろう。
通常のARMライセンスでは、全てのコードにおいて、1クロックまで一致した動作をすることをARMは要求しており、これによって、どこの会社のARMコアも全く同じようにソフトが走ることを保障している。

製造技術が心配)
ところが、Intelは、CPUの大きな利益をもとに、とんでもなく半導体技術が進んでいる。


半導体製造技術では、Intelが2位のTSMCやGlobal Semiconductorなどを大きく引き離してしまった。Intelと組まないと、これが心配である。詳細は、以下に書いた。


2012年11月8日木曜日: 半導体微細化の力 - Intelのすごさ


設計は、Appleがやって、製造はintelというのが、ベストといえばベストだが、intelの制御を逃れて、価格と技術を自主管理したいという目的は達成されない。

プレゼン用のリモコンとレーザペン

今や学会でも、演壇には立たないで、Steve Jobsのように会場を歩き回りつつ、プレゼンするようになっている。以下にCPUやハードウェアの国際学会Hot Chips 24 (2012年)の写真を掲載する。これはキーノートだが、一般講演もこの形で行われる。


元Intel 486の開発責任者、現VMware社長のPat Gelsinger  ( http://en.wikipedia.org/wiki/Pat_Gelsinger ) の講演風景

ここで必要になるのは、以下。
  1. 会場に最前列に舞台に向けて置かれた複数台の大画面LEDディスプレイ。これにスライドが映し出されるので、講演者はあたかも客席と会話しているように講演ができる。
  2. ヘッドセット型の小型無線マイク。ネクタイに付けるものよりも、高感度で、ノイズも拾いにくいので、歩き回っても大丈夫
  3. スライド用のリモコン
  4. 必要に応じて、レーザポインター。(講演者が、スクリーンを振り返ることになるので、スライドの作り方を工夫した方がよいが。。)
  5. できれば、スライドに埋め込まれた、ビデオや音楽など。。
リモコンとレーザポインタをamazon.comで購入した)
まず、Apple remote http://bit.ly/PzsQEm だが、最近のMacやMacbook Airに、赤外線受信器がついていないので使えない。


Bluetooth接続のリモコン、Mac/iPhone/iPadのiTunesのコントロール(音量、演奏Play/早送り/巻き戻し)ができる。ホームボタン(SIRIの起動)、プレゼンの制御や、カメラの遠隔シャッターにも使えるらしい。MacのiTunesのリモコンとして結構便利。ボタン電池を2個使用。39.99ドル

赤のレーザポインタつきのリモコン。12.49ドル。単4電池を1個使用。USBのドングルが本体に格納できて、これをMacやPCに繋ぐとそれだけで、無線でパワポなどの講演の進め・戻れができる。Functionボタンを押すと、進め・戻れのボタンを、スライドを一旦消す・スライドショーを終了に切り替えることもできる。パワポもMacのKeynoteも対応。


緑のレーザポインタ。単4電池を2個使用。他にも青、パープルがあるが。青は暗く、パープルは赤と似ているので、買わなかった。3本セットで18ドルというのもあった。

3つ並べた様子。

上が、リモコン付きの赤。下が緑。確かにレビューにあったように、緑は非常に明るく見やすい。

放射能とエレベータ事故の違い

「エレベーター事故をスルーするノーリスク教の信者達」

の議論は的を得ていると思う。
食品安全にしても、原発にしても、なんだかわからないものは怖い。エレベータや交通事故は原因がはっきりしているから、まあ、しょうがない。という論理が働いているように思う。

これに対して、「原発事故の本質は、数十年から数万年にわたる影響にある。」とか、「影響は広範に及ぶ」と反論する人がいるが、その影響というものが、どれだけ恐ろしいものかの議論がほったらかされていて、単におびえているように思える。

放射線の危険がどこにあるのかをちゃんと議論したうえで、リスク議論があるべきであろう。本当に放射能が恐ろしいものなら、冷戦時代に開放型核実験をやった、米国や中国で相当の害がでているはずである。

死者数で考えると)

2012年9月2日日曜日: 日本の死者数の分析


に書いたように、日本では年間100万人の死亡者がいて、内訳は、肺がんが6万2千人。自殺が世界最悪の2万8千人。自動車事故が4千人。他殺が400人であるが、他殺ばかりが報道されるのは、「見えない危険に対する恐怖」のせいであろう。

http://bit.ly/SOD5W8 には、今回の原発事故での死者600人(報道されていないらしいが。。)は、放射能によるものではなく、介護の必要な患者を放置して(介護者が避難したため)死亡したもののようである。ところが原発の避難計画には、病院の患者をどう扱うかという項目がなかった。全くの人災である。これが隠蔽されているとしたら、大変な話しである。

また、別な資料には、http://sustainablejapan.net/?p=2142 には、同じく600人と死者数がでているが、避難途中の被曝が原因とある。(正確には、福島の事故での世界レベルでの放射能死者数の推定に関するStanford大Burton Richer のEES論文(2page) 最低15人、平均値130人, 最大1100人とあり、それに対するJohn E. Hoeveらの返信コメント(1 page) で、600人という値がでている。)
今回の外人の避難をみても、外人のほうが、安全側に倒して過敏に反応する(逃げ出す)のには、配慮が必要である。いずれも、避難の仕方に問題があったという考え方はできないのであろうか。。

ま、そういう対応しかできない、政府や電力会社なら、「原子力発電などやめてしまえ」と短絡するのも分からないではないが、経済上大きな影響がでることになる。実際、震災が起きた2011年ではなく、原発が全停止した2012年春の貿易収支に影響が出ている。

2012年7月9日月曜日:  原発再稼働について、少し深掘りしてみた...


ま、貿易黒字と多大な外貨準備高のせいで、円高になっており、これが是正されれば、電機業界など苦境に苦しむ業界は楽になるが、輸入しているものは高くなる。そもそも、国民の生活というよりは、金を貯め込むのが趣味(?)の日本の政治家や経済人には許容されにくい選択かもしれない。以下に書いた。

2012年11月5日月曜日: 日本の製造業を苦しめる円高の本当の理由


低レベル放射能の害)
Facebookで以下の写真を引用して、騒いでいた人がいた。


一番低くて広く広がっている青いところが0.3uSv/hだとして計算すると一年で2.6mSvです。日本での自然放射能が1.4mSv wiki : http://bit.ly/Tz4wTx であり、高空は宇宙放射線が強くて飛行機にのればこの10倍以上浴びるのですから、多くの地域では気にする必要はなく、福島でもこの10倍程度なので、おそらくは人体には影響はでないのでは。

先のwikiにあるように国際宇宙ステーションISSでは、1日1mSv以上浴びますし。。。あとは粒子として飛び散っているもののがあった場合には、体内被曝の問題でしょうが、これは黒鉛炉の炉心が爆発して大量の放射性の粉じんを飛び散らかしたチェルノブイリ事故とは比較できません。沸騰水型炉がメルトダウンして、水素爆発を起こした今回は粉じんはとんど飛び散って折らず。おもに、放射能での汚染水の問題になるでしょう。

数値を安易に参照するとパニックを招くだけなので、まずは、あるていど検証してから流したほうがよいと思います。

最近の日本人は、とみに科学ができなくなっており、先進国から脱落するのではと懸念しています。人文・自然科学がわかるマスコミを、もっと増やして欲しい。

低濃度自然放射能の害)
では、福島近辺は危険なのか。。

世界で自然放射能が高いエリアの調査結果が  http://bit.ly/ShZ1VN にあります。日本の20倍越えの自然放射能の地帯でも人々は普通に暮らしているようです。また、ラドン温泉の放射能強度は自然放射能の200倍から2万倍もあるようです。このサイトにも年間200mSv以下では影響がでないとかかれています。

飛行機に沢山乗る人は、そもそも普通の人の10倍近く自然放射能を浴びるので、体外被曝という点では10倍程度なら影響は少ないかと思いますが、放射線濃度が高いのは確かなので、専門家によるしっかりした検討結果を公表するべきだと思います。

ストレスが掛かると、ストレスによる健康被害も出ます。

別な例)
http://bit.ly/Si0bk0 にある、高放射能地帯の放射線値 0.9〜28mGy/年〜88mGy/年は、別な資料です。 http://bit.ly/Si07Rr より1Rが10mSv=8.77mGyなので、1mSv〜31mSv〜100mSvにあたる。 以下のように結論づけている。
これら高自然放射線地域の住民の末梢血リンパ球染色体異常対照地域と比べて増えていた。しかし、健康への影響は認められなかった。
産児の性比、先天性異常、流産、死産、乳児死亡、生殖能(受胎率、出産率)を調べた結果によると、対照群と比較して、「良い」影響も「悪い」影響も認められなかった。
ストレスも悪い)
ある方のコメントを引用します。
放射線による人体への影響のほとんどは、癌の誘発要因ですが、この癌についての理解も大事と思います。
癌というと発がん性物質で起きるというイメージがありますが、特段発がん性物質を摂取しなくても、人間の体のなかでは1日にある一定数のがん細胞が、遺伝子のコピーミスなどにより発生しているそうです。ただ、人間の体には免疫機構があるので、それら発生したがん細胞はほぼ全部排除されます。ただまれに生き残るがん細胞がでてきてしまうと、それがいわゆる癌に発展していくわけです。
つまり、癌の発生には、遺伝子にエラー(コピーミスなど)を生じさせる促進要因と、免疫機構という抑制要因があります。放射線は前者になりますが、唯一の原因というわけではありません。一方、後者に影響するものとしては、ストレスがあります。
なので、放射線の影響を全く無視して良いというわけではないですが、影響を気にしすぎて強いストレスを感じていては、本末転倒になりかねない、ということです。
寺田寅彦さんがなにかに書かれていましたが、「適度に怖がる」というのが、難しいことですが、一番大切なことです。
そもそも、生物自体が置かれている本質的な危険)
そもそも、酸素呼吸型の生物は、細胞を破壊する酸素を呼吸に使っています。http://bit.ly/U7sIyk にあるように、ミトコンドリアで生成される活性酸素が、遺伝子を破壊します。危険要因は放射能だけではなく体内に沢山存在するので、免疫系や抗酸化作用が必要で、それを正しく動作させるためにはホメオスタシス http://bit.ly/U0onXQ が保たれている必要があります。ストレスがかかると、このホメオスタシスが崩れるようです。

海外の機関)
 ECCR http://chikyuza.net/n/archives/8340 の報告には福島事故の影響で、40万人に余分に癌が発生するとあります。(この情報源は、反放射能の過剰反応で有名な、バズビー http://bit.ly/SQOSAC なので、全く信用なりませんが。。)

外部被曝の値をみると、特に顕著な問題は生じそうにないのですが、それでも発がん性の向上が懸念されるとすると、内部被曝と精神的ストレスを疑う必要があります。後者は、直接には放射能の影響ではないので、報道の仕方と受け止め方の問題になります。

 内部被曝の原因にある粒子状物質の発散量を正確に測定する必要があるのでしょうが、外国の団体がそれをしっかりとやれているのでしょうか。。もしも、発生状況が違うチェルノブイリとの類推というのだとすると、ずさんなように思います。

 こういう海外の文献を鵜呑みに引用する例がありますが、その前に、海外の調査結果の根拠の検証が必要に思います。被災者が避難できないとすると、逆に精神的ストレスを書けて病気を誘発する原因にもなりかねません。

 とにかく、日本の狂牛病事件でもわかるように外人達の調査は発表は、ものごとを大きく安全側に倒すので、そのまま引用すべきではないと思います。これらについては、調べて、理解するまでは引用はしないつもりです。

 住んでいないので逃げるところのある人(傍観者)と、生活のかかっている当事者達の違いでしょう。あとは、核拡散防止などの政治的な思惑も絡んできます。

信頼の置ける機関)
「信頼のおける機関」を作って、情報を精査してほしいと良く言われますが、これは幻想のような気がしています。これも、ある方のコメントを引用します。
今回の事故で東電や政府は信頼を失っています。なので、多くの人、特に原発に反対する人は、政府や国の機関を全否定しているように見えます。現状で、国立機関がその「信頼のおける機関」になりえなくなっています。 
国に対抗できる組織としてはマスコミなど報道機関があるはずなのですが、このところの体たらく(森口騒動や、尼崎の事件の容疑者の写真誤掲載など)のように、取材力・検証力の点で、とても「信頼のおける機関」にはなりえません。(補足、電機業界の不振の原因も調べられませんし、科学技術に関する知識も非常に乏しく、たんに聞いたものをそのまままとめる程度の報道が増えています。また、 2012年11月5日月曜日: 地震と断層  に書いたような矛盾や、上記の放射能の害の解析すらまともにやれていません。)さらに原発事故に関しては、大スポンサーであった東電に批判的になれないのでは、という不信感も漂っています。 
では民間は、というと、原発事故の調査そのものについては、「福島原発事故独立検証委員会」が奇跡的に成立し、評価の高い報告書を出すことに成功しています。この組織がどうして、どのようにして信頼を得ることになったのかは、非常に興味深いテーマです。この委員会に名を連ねた名だたる有識者の権威がその信頼の一端とは思うのですが、その有識者の方々も多くは前職などで国の機関に属されています。原子力に関係あろうとなかろうと、国の機関に属していればダメで、だけどやめていればOKというのも、変な話です。ただ、この委員会は完全にボランティアで行ったという事ですから、これに「信頼のおける機関」という大任を恒久的に負わせることはできないでしょう。 
民間事故調以外の民間あるいは学術界を考えますと、それこそ百家争鳴で、いろんな意見があります。その中身も、学術的検証に耐えるしっかりした証拠に基づくものから、捏造に近いものや怪しげな理論まで様々。そんな中、特に昨年のような社会全体がヒステリー状態の場合、学者がうかつに意見を表明できない雰囲気があります。科学的な正しさの議論と、感情・人情としての善悪の議論は別の話のはずなのですが、ごっちゃにされてはどうしようもない、という状況でした。 
つまり、どこにも「信頼のおける機関」は存在しません。「信頼のおける機関」は自分たちで創出・維持するものではないでしょうか? 
いまはどうしようもなく低能だとみなされている政府もマスコミも、国民が選択してきてそうなってしまったのだ、ということは認識せざるえません。同様に、「信頼のおける機関」も自分たちで作っていくもののはずです。「民間事故調」のようにかなりのコストを負担して作っていくのか、あるいは、しっかりと国民で監視をしつつ国の機関の一部に委託するのか、方法はいろいろとありますが、どこかのエライ人が用意してくれるという幻想は、捨てておくべきと思います。

2012年11月5日月曜日

地震と断層

地震と断層について、追記したい。

日本は活断層だらけ)
そもそも日本は断層だらけです。日本での活断層の定義は、
1) 有史以来活動した形跡があって
2) 地上から見えているところ 
3) 今後活動するかは不明 

というものです。

日本は、プレートの引き込みが強いのか断層だらけで、さらに神戸の震災や北陸の震災は、活断層でないところで起きています。また、東関東大震災も活断層とは関係がない、プレート型の地震です。日本で、活断層といわれていたところが震源になっておきた地震がどれだけあるのでしょうか? また、関東平野は、最近の噴火でできた、関東ローム層で覆われていて、断層が見えないので、活断層がほとんどありません。

2012年6月6日水曜日: 活断層を避ければ大丈夫という勘違い


にもデータを書きましたが、日本では震源と断層は関係があまりありません。

カリフォルニアとは違う)
カリフォルニアの地震のように、毎度、活断層である、サンアンドレアノス断層 wiki http://bit.ly/Ucynn0 が震源になっているものとは全く違います。サンアドレアノス断層は、みごとに横ずれ断層です。アメリカ合衆国太平洋岸のカリフォルニア州南部から西部にかけて約800マイル(約1,300km)にわたって続く巨大な断層であり、断層の活動によって周辺地域は地震の多発地帯となっています。以下写真。wikiには、「て太平洋プレートと北アメリカプレートの境界をなすトランスフォーム断層」と記載があり、日本に沢山ある、地震によっておきた、ひび割れとは異質なものだと思います。

こんな断層が日本にありますか?


状況が違うので、違う考え方をすべきなのでしょうが、なぜ、それをせずに、やみくもに安全側に倒すのでしょうか。。 

安全神話の弊害)
日本にある安全神話というものが、事故対策をおろそかにしているように思います。100%安全というものはあり得ないのに、マスコミを含めて、皆がなぜそれを信仰し、事故対策や自己訓練を怠りつづけるのでしょうか。以下にも書きました。


ソフトバンクのSprint買収を深読みしてみた

日経新聞 http://s.nikkei.com/SH5EUe に、ソフトバンクの米スプリント買収の記事が出ている。この買収で、ソフトバンクは、201億ドル(約1兆5,709億円)を出資する。
1年以上、静かに様子を見てきた孫。スプリントは1年で市場予想を上回る600万台のiPhoneを販売した。「これなら行ける」。iPhone販売のノウハウを知る孫は勝機を見る。
とあるが、そんなことで、3位のスプリントが1位  2位に勝てると思っているのだろうか。ショッピングモールにいっても、スプリントの売り場は閑散としていることが多い。

実は、米国のニュースでは、この買収は、ほとんど話題に上っていないのだが。。

これまでの日本どの記事も、ソフトバンクが米国携帯キャリア3位のスプリントを買収する目的や勝算について全く触れていない。そこで、これについて解析してみたい。

以下、私の全くの想像なので、それに期待してソフトバンクの株を買って損をしても、全く責任は持ちません。あしからず。

タイムマシン商法)
孫さんのタイムマシン商法は、進んだ米国で実績のあるものを、日本に輸入して安全に儲ける手法だったはず。ところが、今度は、進んだ日本のLTEで米国sprintを...と言い出している。

携帯技術では、日本が進んでいるのか??
  1. 米国では、verizonがドコモと同時期からLTEを導入しているので、LTE(米国では4G, 本来は3.9G)では、日本が進んでいるわけではない
  2. また、日本も米国もわずかなヘビーユーザが通信帯域を占有しているので、米国では、Sprint以外は定額制も断念して、半従量制に進んでいる
  3. テザリングなどのサービスはずっと以前からやっている
  4. 米国の携帯の通話料は、以前から日本より遙かに安い  (以下に書いた通り、携帯間の通話はキャリアに関係なく基本料金に含まれており、固定電話や海外通話も驚くほど安く、海外ローミングも非常に安い)

    2011年3月26日土曜日: verizonとAT&TのiPhone4を比較した (米国の携帯通話料は驚くほど安い!!)

実は他に狙いがあるのでは)
今、携帯業界には新たな風が吹こうとしている。

ソフトウェア・デファインド・ラジオ (SDR)である。さらに、これとCloudつまりGoogleのようなデータセンターでのデータ処理を組み合わせて、基地局でのbaseband処理を、データセンターでやると、様々な可能性が出てくる。ただし、SDR は、一般には、ソフトウェアで定義された通信部品を使った通信の実現をさす。http://bit.ly/Uuc1Ie に紹介がある。
以下では、クラウドベースの基地局を指してつかう。

http://www.cloudbasestation.org に学会 (権威あるGlobecom 2012) の案内(英語)があるように、米Alcatel-Lucent、中国Huawai 、中国 China mobile等が興味をもってすすめている。ここには日米のキャリアは一つも入っていない。

また、http://bit.ly/SIrMO0 に、Alcatel-Lucentによる解説記事(英語)もある。このLight-Radio (下の図では、Centralized BBU) というのが、ここで私がクラウドベースのSDNと定義しているものである。


クラウドベースのSDRとは)
  1. アンテナは、Digital信号をRF(無線電波)に変換するだけの簡単なもの
  2. Digital信号の処理(いわゆる(ディジタル)ベースバンド処理と呼ばれる信号処理 - 詳細は後述)は、データセンターの豊富なCPUパワーを使い、データセンターのCPU上のソフトウェアが行う
  3. 方式が変わっても対応可能。すなわち、WiFi, 2G(PDC, GSM), 3G(WCDMA, CDMA 1X) , 3.9G (LTEないしは Xi), 4G, WiMax などの処理の差は、データセンター側のプログラムで吸収
  4. 従来専用装置でやっていた、ハンドオーバ(基地局切り替え)の処理も、データセンターのソフトでやれる
  5. データセンターのCPUパワーとメモリ量は膨大にあり、計算能力は十分であるうえに、全てのアンテナの処理を集めてやるので、処理量の変動が均一化され、処理能力が有効活用できる
  6. これをすすめれば、複数キャリアが同じアンテナを共有することも可能
  7. 日本でも米国でも、どこのキャリアも知っている公知の手法
  8. CPUが高性能化したので、計算性能は十分。通信路も十分に早いし、途中の通信データの汎用圧縮技術も良いものが出てきている
  9. SDNは、Googleが昔からやりたがっており、学会でも沢山発表している
  10. アンテナなどの装置が軽くなるので、新興国などの展開に有利に思える
  11. ソフトの開発が必要
  12. アンテナへのDigital データの交通整理は、Openflowという安い通信スイッチを用いて、これも、データセンターの集中制御で効率良く行う
つまり、3,4,5,6あたりを総合すると、需要にあわせて、アンテナを有効活用できるわけである。Aキャリアの3Gに繋ぐユーザが増えたエリアではアンテナはその電波をだし、Bキャリアの4Gが増えてこれば今度は同じアンテナでBキャリアの4Gを出す。と、設備の有効利用ができるようになる。また、5Gが出てきても、アンテナ設備を変えなくても済むし。あるアンテナが壊れたら他のアンテナで代用したり、設備の有効活用ができる。

http://bit.ly/SIso6k にある、Samplify Systemsでは、アンテナまでの伝送用の信号圧縮技術を開発提供している。

ソフトバンクの狙い??)
ということで、このクラウドベースのSDNに乗り出すのではなかろうか。。そのためには、データセンターとソフトウェア技術を持つ相手と組む必要ある。まさに、それはGoogleではなかろうか。

Steve Jobsが生きていると、iPhoneやiPadと対立する、無償OSであるAndroidを開発しているGoogleと組むことはJobsの怒りを買って、iPhoneなどApple製品が扱えなくなるかもしれない。が、今はJobsがいない。なので、Googleと組むチャンスと踏んだのではなかろうか。

さらに、日本では規制が強すぎるし、大きなデータセンターもなく、ソフトに強い会社がいなくてやりにくい。

そこで、Sprintを買収して、昔からキャリアに乗り出したがっていたGoogleと組んで、この技術を開発する。VerizonやAT&Tが手をこまねいているうちに。。既存インフラが強い企業は、むしろやりにくいので、米国キャリア3位のSprintのほうが動きやすい。

その技術を今度は日本に持ち込んで、進んだ技術で、NTTとAUと戦う。また、上記8のように新興国展開も可能。

と、ここまで戦略があれば、1兆円払っても元が取れると思う。
そういう狙いであったときの課題は、黒字がでるようになるまで、ソフトバンクの体力が持つかであろう。

SDR用のソフト開発とGoogleのデータセンターの借用は、さほど費用は掛からないと思う。むしろ、Androidを開発したGoogleの目的は、データセンターの先にある端末の支配で有り、その先には、その間をつなぐキャリアを手中に収めることも計画している(現に、2007年にSan Franciscoに無料WiFiを作ろうとして失敗している。http://bit.ly/SHdehL ) はずなので、手弁当で無料でやってくれる可能性すらある。

装置メーカの仕事ではないのか?)
もちろん、装置メーカも提案していると思うし、それが本筋。ただし、従来とはいくつか違ってきている。
  1. Google, Facebook, Amazon等は、自前主義である
  2. 運用ノウハウが重要であり、仕様だけでは片付かない。したがって、キャリアと密着した開発が必要
  3. サーバ部品もコモディティ化しており、ボードは台湾、CPUはインテルになってきており、メーカの差異化要因は、低電力を踏まえた筐体やシステム設計とか、ソフトウェアに移ってきつつある
  4. クラウド時代の運用ノウハウは、クラウドを持っていないとメーカには乏しい
と、従来メーカの強みだったものが、Google,Facebookなどに存在する格好になりつつある

自前主義)
ボードを台湾等から調達し、CPUは数が必要なのでIntelから直接調達して、コストダウンを書けている。

また、サーバという形で設計するのではなく、何万台もサーバがあるデータセンターを一つの筐体として設計することで、コスト・メンテナンス性・電力消費を最適化している。

FacebookがOregon州のPreinville に作った新データセンタ( http://wp.me/pwo1E-3zV がに日本語の紹介記事であり、ビデオもある。)では、PUI 1.07という恐るべき低消費電力を達成している。(PUI=データセンター全体の消費電力 ÷ IT機器の消費電力)つまり、送電、照明、冷却のロスがゼロになると小さくなり、1が最小という値である。

また、Facebookは、2年ほどまえから、Open Compute Projectを推進している。自前のサーバ設計を無料で公開して、みなで、サーバを共用することで、自分達が使うサーバの価格を下げようとしているようである。
かれらにとって、サーバは単なる基盤であり、これで儲けるよりも、安くて高性能で低電力であるほうが魅力なのであろう。

これは、IBM,HP,NetAppや日本のサーバメーカにとって脅威なのではなかろうか。IBMはすでにSIを本業に移行しているから影響が少ないかもしれないが。

課題)
冒頭の記事には、
「米国では国家安全保障上の懸念から、ソフトバンクが中国・華為技術(ファーウェイ)の通信機器を使っていることを問題視する声も出始めた。孫は一つ一つに具体的な解決策を示さなければならない。」ともあった。Hauwaiは、SDRの一つの機器になる安いOpenflow switchを提供しようとしている。こちらはネットワークをソフトウェアでコントロールするので、SDN (Software Defined Network)と呼ばれている。が、それも、経路選択を中央コントローラからストラテジックに制御できるのでSDRと整合性が良く、重要な部品となりうる。OpenflowはStanford大のProf. Nick McKeown. らが開発した技術であり、http://www.openflow.org/wp/learnmore/ などが本家サイトである。http://www.sophia-it.com/content/OpenFlow に簡単な説明がある。日本では、NECが黎明期からやっており先端の技術を持っている。

ただし、これにつかうOpenflow スイッチは、台湾からでも、日本の企業からでも調達は可能であろうし、それ自体にはインテリジェンスがなく、インテリジェンスと情報は、Data centerなどに置かれる制御ソフトの中にあることを説得できれば、この問題は解決する。

ディジタルベースバンド処理)
無線に詳しい方が、無線用語と違うため混乱したようなので、この業界の用語と、携帯電話やWiFiの仕組みを解説しておく。

ディジタルベースバンドLSIのシェア)
http://bit.ly/Ucx4o3 に、端末向けのディジタルベースバンドチップに関して、2010年の世界シェアがあり、Qualcommが世界ーである。ルネサスエレが、その技術を2010年にNokiaから買収して、どこまで食い込んだのかは不明である。

概要)
以下。http://www.qiaj.jp/pages/frame20/docs/handbook-lte.pdf の図1と表3を引用する。
信号処理は、ディジタルベースバンド部で全て行い。アナログの回路では、ヘテロダイン wiki: http://bit.ly/SIoSZF をかけて、無線周波数にあげ、パワーアンプで増幅し、フィルタをかける。表3にあるように、RFに入れるまえの信号は、せいぜい20MHzなので、ディジタル的には余裕で処理が出来るし、2GHzを越える昨今のCPUでも処理が可能である。
図1. 4G (LTE)の端末基地局の回路構成
表3. ベースバンド信号部の信号帯域と変調方式(LTEとWiMax)

ただし、送っているデータ速度がLTEで下りの最大が328Mbps, 上り86Mbpsなので、アンテナとの間には、この和を越える伝送帯域は必要になる。もっとも、ベースバンド部をアンテナの上においても、同じ伝送帯域が必要になるので、高速無線方式の本質的な課題である。

さらにはシャノンの定理 http://bit.ly/SIul2E があるので、帯域は余計に必要になるのが、無線の高速化の本質的な問題である。限りある電波帯域を有効活用するには、WiFiのような短距離無線や有線通信を多用したほうがよい。今後、マイクロセル化が進むであろう。するとアンテナコストを下げ、ベースバンド処理を効率化するために、SDN化が進むであろう。

まぎらわしいところ)
肝心の信号フォーマットはすべてディジタル部で生成しており、ある意味、ここは、もともとDSPなど信号処理プロセッサやディジタル回路がやっているので、すでにソフトウェア無線になっているといえばそのとおりである。が、SDRという呼び方では、これを基地局のアンテナにある専用装置では無く、より汎用性の高いCPUのソフトウェア、さらにすすめて、汎用的な圧縮を簡単にかけてData Centerにもってきて、Googleなど巨大なデータセンターで処理することで、多方式に容易に対応できるようにすることをさすようである。

ディジタルベースバンドの回路例)
 以下、W-CDMA (ドコモ、AT&Tなどの方式)のディジタルベースバンド部の構成ブロック図を  http://www.apmc-mwe.org/mwe2007/pdf/TL05-02.pdf から掲載しておく。通信方式に依存して、非常に複雑な処理をしており、ここが通信方式の本質であることがわかる。基地局では、このディジタルベースバンド部で、複数のユーザの信号の重ね合わせ、(受信部では分離)を行うようである。そもそも、3Gで使われているCDMA(Code Division Multiple Access)  では、ユーザ毎に貸与した拡散パターンを重ね合わせないと復調できないので、RF部では、ユーザの分離はできない。

ディジタルRF)
 RFの処理をディジタル回路で行うことで、広帯域化、電力制御による低電力化などを達成する、ディジタルRFという技術もある。

Intel とかZigbyでやっている。
Intelに関して、PCwatch http://bit.ly/UcwKWu に解説があるので、写真を引用しておく。

従来のディジタル(緑の部分)とアナログRF(青い部分)の切り分け

ディジタルRFでは、よりディジタル部が増える。つまりアナログ部を簡単にして、汎用性を高めやすい

日本の製造業を苦しめる円高の本当の理由


http://s.nikkei.com/RyaUbp に、「日本の家電は6重苦じゃない、「1重苦」だ  フジマキ・ジャパン社長」 藤巻健史氏 という記事がある。

この記事、円高を是正すれば、日本の電機などの産業は回復するとある。いつものことだが、ナゼ円が高いのかの解析がなく、円を下げれば良いとなっている。物事には原因があるので、原因を解析しないで対処療法をするのも限界がある。

円高の原因)
http://www.stat.go.jp/data/sekai/10.htm に国際収支がある。

http://bit.ly/RyaWQw に、経済局国際経済科の各種データがあるが、日本の外貨準備高はとんでもなく多い。そして、GDPの実質成長率も決して悪くないし、貿易収支も中国についで大きな黒字である。これが、円は高止まりしている理由である。後者のリンクから、以下に図表をいくつか引用する。

日本はドイツ、中国についで貿易収支の黒字幅が大きい。それも、震災と原発事故による燃料輸入の影響か2011/2012で下がっているが、それまでは、さらに大きかった

各国の外貨準備高、2012年のところが韓国と中国が入れ替わってしまっている。日本の外貨準備高は中国についで多い

為替は、貿易収支と外貨準備高に連動している様子が分かる

日本の失業率は上がってきているが、相変わらず世界の標準からは低い。これは、貿易黒字の理由は、強い産業があるからに他ならない。カーボンファイバー、東レが世界シェア39%で世界一、2位3位も日本企業で、日本企業が世界シェアの70%を持っている。これは、ものになるまで30年間投資し続けてきて、欧州・米国の企業が脱落してしまっている。以下に書いた。

2012年11月5日月曜日: 日本の強い産業: Toray


つまり、ソフトとかITのようにものになるのが早くて、変化が激しいものでなければ、日本は非常に強いということである。

新興産業を育てれば変化が激しい産業でも勝てる)

2012年9月6日木曜日: 家電と自動車の違い


に書いたように、日本や海外かどうかにかかわらず、環境変化が起きると、大企業はコストカットを行って、競争力を失っていく。Steve Jobsが戻ってきて大復活したAppleも一時はこれで死にかけている。

のように大企業は、そもそも変化に対応しにくいというのもあるので、そこを工夫しないで、変化する産業に対応するのは難しい。

電機やIT業界は、アナログ → デジタル → 組み込みCPU/ソフト/FGPA  → WiFi/3G/クラウド と激しく変化してきており、とても30年スパンでじっくりと考える余裕などはないであろう。

なぜ振興産業が育たないのか?)

新興企業が育たない理由として、株や生産投資が回らないのがあろう。これは、日本だけがデフレなのにもでている。デフレ対策をやればよいのだろう。

 http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5434163.html にデフレ対策がでている。

ここ15年の日本では銀行がお金を貸さないから不況になってるような事がメディアで盛んに言われていましたが、実態はそうではなく国民がお金を使わないからだったのです。国民がお金を使わないから企業の儲けも少なく、銀行の貸出先も限定的にしか存在しないという状態が続いて来たのです。
ということであろう。デフレ対策としては、老後や将来を心配せずに、お金を使うようにする。不安じゃないよ、明るいよという気分を盛り上げるのでしょうか??

地球には優しくないけれど。。米国人の購買意欲をみていると、そう思う。仕事を効率的にやれるようにして、レジャーや消費に使える時間を増やすとか。。

なんとかならないのでしょうかね。。

冒頭で引用した記事について)- 知人の意見から。
藤巻氏は、元元がトレーダーなので、トレーダー達によるマーケットで為替相場が決まることに、とにかく意識が行くんです。それで、そのレートによると日本の家電には競争力が無い、という観察になるので、一重苦という話になるのだと思います。 
 でも、トレーダー達による取引量がいかに大きいにしても、それは僅かな時間のうちに反対取引されてしまうもので、長期的な相場を決めるのは、実際の貿易のはず。その意味では、家電が採算が取れない為替相場を成り立たせている、他の貿易が存在するのであり、そことの相対的な問題のはず。(それは、上記の意見を支持している)
 そういうふうに、為替相場を通じて比較優位への収束を達するもの、と見るべきで、家電はトヨタとか東レ(たとえば)に勝てなければ生き残れない。。 
ただし、将来性のある産業分野なら、単にそういうだけで見限ってはいけないんだろうけれど、その判断は難しい