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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2012年7月23日月曜日

エネルギー問題の根底には浪費文化


エネルギー問題が叫ばれているが、日本は大変な浪費社会が続いている。まず、これを見直す必要があろう。

浪費の現状)
  1. 家 - 後述する
  2. 家電製品 - スマートフォンについて後述する
  3. 交通機関 - リニアと出張について後述する
どうありたいか)
IT製品については、現状に近いのは以下の1だが、2のほうがいいと思う。
  1. 3,000円の原価のものを、3ヶ月毎に5,000円で売って使い捨てにする
  2. 5,000円の原価のものを、2年に一度メージャ更新、1年毎にマイナー更新。5万円で売る。ソフトの更新で、同じ機能のものが3世代くらいは使える。つまり、頑張れば3年は使える。そして、安かろう悪かろうではなくて高機能
1で、仮に3ヶ月毎に買い換えてくれたとして、3年で4万8千円の粗利がでるが、16台の製品を使い捨てにする。2で、3年で買い換えてくれたとして、4万5千円の粗利がでるが、1台しか使わない。これはどう違うか。
  1. 粗利はほぼ同じだが、エンジニアはゆったりと良いものを設計できる。仕事にずいぶんゆとりが出る
  2. 1/16の製造しかしない。エネルギーのロスも減る
  3. 販売店も、少しだけ売って、サービスでもうける構造にかえればよい。土地が狭いのだから、沢山うるために沢山の店を作る必要もない。他のサービスに人口を割けば良い
住宅)
2005年頃の話しだが、何件かの不動産屋にきいたところでは、首都圏 特に東京都内では、築15年ぐらいの古屋があると、つぶして更地にした方が売れる。解体料金の150万円ープラスアルファを上乗せしても早く売れるということである。
米国シリコンバレーでは、築50年の家のほうが人気があり、高く売れる。シリコンバレーバブルで家がしっかりしているかららしい。土台は結構シロアリにやられており、ペイントしなおし程度で、1億円近い値段で売れる。ところが、土地代はたいしたことが無く、だいたい150坪の土地がついているが、以下のようなコトになっている。なので、皆家を建て直さずに住んでいる。
  1. 米国平均では数エーカ(1エーカ=4,000平米=1,200坪)の土地がついている
  2. 土地の広さが同じ、同じエリアで、のべ床 2,300sqft(200平米) 築50年の家がついていると1.2Mドル(9,600万円), 同じ古さで1,500sqft (135平米) の家がついていると、800kドル(6,400万円)となる。土地ではなく、古くても家に価値があることがわかる
  3. Stanfordの近くとか高級住宅街では、2億円を越える。ただし、超高級エリアにいって、非常に土地の広い家を買っても4億円程度で頭打ちになる。それ以上、家に金を払ってもばかばかしいということで売れないのか。。
  4. 建て直すと、高い税金がかかるらしいので、皆、リフォームをする。
  5. 家を売るときには、シロアリ検査証が必要
  6. 家を売るときの原価には、購入価格、リフォーム費用を加算して、販売利益の控除がうけられる
  7. 年間の固定資産税は、土地の路線価ではなく、家の取得価格の1%前後である。住んでいれば控除が受けられる。
  8. コロラドの田舎では、1,700万円で、60平米程度の小屋に500エーカの土地がついていた。1平米あたり、なんと8.5円である。昼飯代で100平米の土地が買える
ところが、日本では安い建て売りでも、立派なシロアリ対策がされている。が、やはり、家は10年をすぎると急速に価値を失い、建て直すことになる。

シリコンバレーでも、古屋をつぶして建て直している人が時々居る。大体が、インド人か新興中国からやってきた人のようである。インド人に聞いたら、「高級車に乗って、新築の家を建てる」のが、皆のあこがれ=成功の象徴ということらしい。

日本も、高度成長期の成功の象徴からそろそろ脱却すべきかと思う。

IT製品)
どんどん新しいものを作っている。半年以内に新製品がでて、どんどん買い換える。
スマートフォンは、ソフトの置き換えで機能向上するようになっている。米国では、本体は、700ドル以上と高く、月契約からの割引もなく、単なる分割払いで高い。
ところが、ソフト(OS)が無料で更新されるので、買い換えは必要ない。iPhoneの場合、2009年頃の発売の3世代まえ(現行iPhone 4S, 前期型iPhone 4) の、iPhone 3GSで最新のiOS, アプリが問題無く動く。買い換えが必要ないかわりに、本体が高いのである。
ところが、日本では、通話料が高いのを、本体割引に組み込んで、iPhone 4S(本体 7万円弱)を2年で分割した価格を月契約料金から差っ引いて、無料としている。
使えるiPhone3GSを持っていても、捨てて新しいものを買った方が得なシステムになっている。

交通機関)
これは別途書くが、東海道リニア http://bit.ly/NcXRsT これは、正しいのだろうか。
  1. 南アルプスをぶち抜き、全区間の60%がトンネル
  2. 時速500km/hで東京名古屋を40分で結ぶ。新幹線が1時間半
  3. 人のあまり住んでいないエリアを通るので、東京-名古屋の大都市集中が前提。既存の東海道は、新幹線が頼り。
これらについて解析してみる。
  1. 都内や名古屋内での移動に、それぞれ30分とか、事業場が離れていれば1時間もかかる。幹線だけ50分短縮してうれしいのか
  2. 大都市集中による過密は動物にとって異常。ネズミも狭いところに詰め込むと家が抜ける。ITも進歩した、ひろいところに住めばよいのでは
  3. そもそも、会議とかが多すぎて業務が非効率。権限委譲も進んでいない。これを改善して、時間に余裕をつくり、出張は、温泉宿泊つきで数泊で、息抜きをしながら、いろいろな所をまわりつつ、ゆったりとやればよいのでは。
  4. すくなくとも、航空運賃が高かった高度成長期までの出張は、以下のようであった。
    1. 現場の技術や営業を理解した若者が出張の中心
    2. 一度海外にでると、いろいろな所を回りつつ、じっくりと技術習得するので1ヶ月くらいは戻らない
今の日本では、年寄りの幹部が、「ごほうび」で「団体で」出張してくる感じがする。権限委譲していないので、会議に出席して、数日いてさっさと帰る。これでは、技術取得もむづかしい。

2012年7月8日日曜日: トップダウンと権限委譲


ができていないのが、根源原因である。

そもそも原発の議論自体おかしい。再生可能エネルギーが明るい未来を作るというのも、よく考えた方が良い。環境破壊しているものもある。エネルギーを取り出す以上、なんらかの環境影響があると考えた方が良い。ダムは大幅に環境を破壊している。別途書くことにする。

2012年7月9日月曜日: 原発再稼働について理解していますか...


に書いた。

2012年7月18日水曜日

windows7のnotePCをMacの様に使う

Macで、VMware Fusionを使ってwinXPを動かしていたが、CPU負荷が高い上に遅い。
一方で、windows7のnotePCは大変安くなってきている。

以前、書いたように、英語版では、windows7 Ultimateでないと、日本語環境にはできず、日本語環境でないと、日本語のアプリのインストーラは途中で不正終了する。単にメニューやdialog boxの記述が英語というだけの問題ではない。

ところが、US 101キーボードに慣れたので106キーボードはイヤダと思っていた。キーボードについては後述する。が、Lenovo Japanでは、英語キーボード版がBTO (Build to Order)できる。さらに安い。以下の構成で、59,850円(税込み)なのである。本当に安い。一時帰国を利用して購入した。メモリは、Amazon.co.jpで安いのがあり(後ほど追加する) 8GBに増設した。

が、Lenovo Japanから、ThinkPadをbuild to order すると、101キーボードが選べる。加えて、E430は機能豊富で安い。ということで、これを購入した。16GBのFlash memoryによるHDDキャッシュはモバイル時にHDDへのアクセスを減らし、diskアクセス速度を見かけ上向上させるのに有効だと思う。加えてE430は、テンキーがついていないので、キーのセンターが画面のセンターにきて使いやすい。キートップにも余裕がある。以下に写真を掲載する。





Mac相当にする)
  1. Caps Ctrlを入れ替える
  2. Controlにさまざまな機能を割り付ける
  3. UACを無効化する
  4. ATOKを入れる
CapsとControl keyを入れ替える)
win7では、winXPまでの定番であった、AltIMEが動かないので、Ctrl2Capというツールを導入した。http://bit.ly/S6nujD に説明がある。

Controlキーに機能を割り付ける)
http://bit.ly/S6nDn4 から入手可能な、MetaFingerというツールを常駐させ、以下を設定した。
  1. Ctrl-JにAlt-~ すなわち、日本語on/offを割り付けた
  2. Ctrl-HにBS バックスペースを割り付けた
  3. Ctrl-B, F, P, Nに矢印キーを割り付けた

2,3の変更によって、Macのツール同様に、emacsライクなキーバインドでカーソルが動くようになる。

当初、sleepすると設定を忘れるバグがあったが、作者のページに書き込んだら、早速、丁寧な症状の打診のメイルをいただいた。(ページにあまり長く掛けなかったので正確に) 説明したところ、翌日には直った版をリリースしていただけた。
このツールは長く愛用することにしたい。


UACを無効化する)
UACは、インストール時に毎度出てきてうっとおしい、「xxのインストールを許可しますか」という画面である。これは、http://windows7faq.net/700/uac/ にあるやり方で無効化できる。windowsの版によって、Controlパネルからのコマンドが少し違う。

ATOKを導入する)
月額300円のATOK Passportを持っているので、Macにもインストールできる。
ATOK Passportの利点は以下の通り。

  1. 変換がMS-IMEよりも圧倒的に賢い
  2. 自分のパソコン、Androidのスマホ・tabletなら何台にでもインストールできる
  3. ATOK Syncでユーザー辞書や学習結果がインストールした機器の間で共有される
  4. 最新のATOKに常に更新される
  5. 最新の辞書に常に更新される。時事辞書とか人名辞書が刻々リリースされる。

http://bit.ly/S6nWhR から入手可能で、これはお勧めである。最初は試用版を入手する。Macなら設定のユーザ設定で自分の登録IDにすることができるし、windowsであれば最初に変換したときに、ユーザ登録画面がでる。。が、windowsではなぜかATOK Passportにならず、ATOK Syncや辞書のダウンロードの設定が出てこない。。不思議だ。。

とにかく、Just systemは製品は良いのだが、サポート窓口とか、こういう製品設定の使い勝手のところが、今一歩である。技術が良いのだから、販促も頑張ってもらいたい。

日本語106の問題)

http://bit.ly/LvnGsn にあるように、記号の配置が各国のキーボードによって、全く違います。プログラミング言語は記号を多用するので致命的ですが、@や:の位置が英語101と日本語106で違うので、大混乱します。マイキーボードを持ち歩くならよいですが、二つのキーボードを使い分けるのは大変です。

とにかくローマ字しか打たない人間には、106の一列分は、全く余分であり、return keyやBS keyが打ちにくいだけではないかと思います。もっとも、慣れたプログラマーはctrlとcaps lockを入れ替えて、returnはctrl-M, BSはCtrl-Hを使います。MacならPreferenceで標準でコントロールできますが、windows系は、無料ソフトを導入する必要があります。(ユーザ数が多いので、大体必要な無料ツールはwindowsに揃っているようですが。。)

もっともエルゴノミックと、notePCのキーボードの使い分けでも慣れが必要ですし、キネシス http://www.edikun.co.jp/kinesis/ などは、101とはいえ記号の配置が全然違います。

だからといって、キーボードには慣れの要素が有り、最初にあるものを学ぶと切り替えるのが大変です。
コンピュータプログラマは、キーボードを持ち歩くべきだと提唱して作られたHappy Hacking keyboardは http://bit.ly/MdbVTD 最初は英語配列しかなかったですし、今も日本語配列の販売は中止になっています。

タイピングは学校で教えるべきでしょう。このとき、今後の国際化を見据えて、106日本語でいいのか101英語にするのかよく考えるべきだと思います。せめて106日本語キーボードで記号の位置が101にあっていればよいのですが。そもそも、先読み変換等もあるし、仮名入力はスマホやタブレットでも非統一なので、仮名タイプを覚えるひとは減るように思います。また、本当に仮名を速く入力したいのならば、以下のような特殊キーボードをならうことが有効かも知れません。

2011年10月23日日曜日:エルゴノミックキーボードと外部ディスプレイを使った生産性の高い環境



に書きました。

2012年7月14日土曜日

待望のiOS版のGoogle Chromeがでた。

米国のApple storeだけなのかもしれないが、とうとう待望のiOS版Google Chromeがリリースされた。もちろん無料。

ファイルサイズは23MB。iPhone4とiPad2にインストールした。(オブジェクトは共通)
これは、良い。早速、Safariをクビにした。(以下写真)

Safariをクビにして、Chromeを置いた

パソコンとブックマークが共有できる。デフォルトでは  ブックマーク > モバイルのブックマークになっているので、そこをタッチして切り替えれば良い。
ブックマークのみならず。パソコン(Mac のChrome)で見ている、タブも転送されている。これは強力。

iPad2はこんな感じ

Androidで対抗してきたGoogleを恨んでなのか、iCloud化戦略なのか... Google Calendarとの同期すらできなくした Steve Jobsだが、彼が去って、ChromeがiOSにやってきたのは、ユーザとしては嬉しい誤算である。

2012年7月10日火曜日

普及するコンピュータ言語の要件とは - 技術者の思い上がりの危険

日本発で、世界に広まったコンピュータ言語で、まつもとゆきひろ http://bit.ly/MgHtYO さん作のRuby http://bit.ly/MgHwDQという言語がある。

コードの世界 http://amzn.to/MgHEmL という著書を読みつつも、何か変だな。。


と感じていた。が、昨今、Colorado州で開かれたwork shopに参加して、Prologをやっておられた方の意見で、スッキリとした。それを以下に書く。

どういうコンピュータ言語が普及するのか)
  1. 革新的な記述アイディアがある
  2. 実行速度が速い
  3. プログラミングする量が少なくて済む
など思いつく。が、いずれも本質ではない。本質はズバリ。
コンピュータ言語は習得に時間がかかる。なので、普及するためには、あえて習い直したいような価値すなわち応用が存在するか。
につきる。これが、彼がくれた卓見である。

Rubyは、オブジェクト指向を取り入れたり、webの記述に使える、記述がシンプルであるなどの特徴を持つ。が、普及した最大の理由は、大手の楽天が、積極的に採用し、このユーザが増えたからだと思われる。

インタビュー:[楽天]Ruby活用事例とROMA,Fairy 
http://gihyo.jp/dev/column/01/prog/2010/030801
「2006年よりRubyに対する取り組みをスタートさせ」

楽天版MapReduce・HadoopはRubyを活用 2008/12/01
http://www.atmarkit.co.jp/news/200812/01/rakuten.html
などにある。

コンピュータ言語は、オブジェクト指向などの新アイディアは出てきているものの、強い型制約(たとえば、Pascal : http://ja.wikipedia.org/wiki/Pascal)になったり動的な型決定(Perl, Ruby)になったり、関数型言語(Lisp, Haskel)になったり、制約プログラミング(http://bit.ly/Md5dkm)になったり、行ったり来たりしていて、それほど、新しい概念が出てきているわけではない。

Rails http://ja.wikipedia.org/wiki/Ruby_on_Rails が、存在したからだと言う人もいる。これは、TCL/TK の普及が、TCLが良かったからではなく、「x-windowのプログラムがスクリプト言語で簡単に書けるTKがあったからだ」、という人が居るのに似ている。

もちろん、画期的なアイディアで、従来できなかったことができるようになるとか、プログラミング自体が圧倒的に簡単になる。ないしは、バグが入らなくなる。など、飛躍的な進化があれば、それは、「習い直したいような価値」や、「新たな応用」を生むことになる。

たとえば)
まつもとゆきひろ氏は、上記コードの世界の中で、Javaに対するPerlでの記述の完結さを主張している。つまり、下の図(著書: 「コードの世界」のp.11より引用)のように ()や{} ; を用いずに、予約語をデリミタに使ったと言うことである。これは、まつもと氏 以外は気づかなかったのだろうか。。否である。

当然、皆知っていた。それでも、Java等が、メジャーになったC言語のこの形を踏襲したのは、見慣れているからであろう。() {} ; 等を削って減らせるタイプ量は極わずか。それで、見慣れない形式になるよりは、既存の言語に近づけようというのが、世の中のあり方。これに背いてまでも、Rubyが普及できたのは、上記に書いたように応用が存在したというラッキーさに他ならない。

氏の新刊書、「コードの未来」のインタビュー http://engineer.typemag.jp/keyperson/2012/07/matz.php では、そうは見えないので、
まつもと氏は違うと思うが、技術者が思い上がると、方向を間違えることがあるので、本当に注意が必要である。

上記の著書では、言語に関する深い知識での設計思想が紹介されていて面白いが、技術者が思い上がって独走してはならない。いつの時代でもマーケットあっての技術である。

むかし変だなと思ったこと)
こういう話しもあった。世の中の事象は、物体が相互影響をしながら動いている。本質的に並列処理で有り、オブジェクト(モノ)とモノが相互通信をするオブジェクト指向で書いて、これを並列に実行すれば性能はいくらでもあがる。
結構、有名な先生も言っていた。が、全然実現していない。

当然である。自然界では、物体の影響は近傍であっても瞬間的に伝わる。コンピュータで扱う以上、空間方向は数値の精度を上げればよいが、時間方向はどうしても離散化する。これを細かくしないと計算制度がでないが、細かくすれば、計算時間がかかる。

そこで、世の中では、数値計算を使って解決していた。つまり、微分方程式の数値解法である。ここでは、積分の時間ステップを短縮するために、陰解法 http://bit.ly/MgKqsl という、より精度の高い微計数予測を使う。これによって、時間ステップを100倍以上に粗くすることが出来て、計算時間がぐっと縮まる。だが、疎な行列の逆行列演算になり、並列度はぐっと下がる。これは、並列オブジェクト指向であっても解決しない。

また、有限要素法 http://bit.ly/MgKwQB とよばれる数値解析法もあるが、これも、空間の切り分け方(メッシュ http://bit.ly/MgKEQj )を上手に最適化することで、計算時間を短くしているが、これをやると、負荷が不均質に成り並列化はぐっと難しくなる。また、車の衝突シミュレーションのように、時間に伴い形状が変化していくことも多く。するとメッシュも変化させないとならない。つまり、プロセッサへの負荷分散も変わっていき並列化性能を出すのが難しくなってゆく。

言語設計だけにこだわって、応用や問題の解き方をみないと、こういう事態がおきる。

上記の本の間違い)
些細なコトだが、コラムに書いている点で間違いがあるので指摘しておく。コラムだからと専門外のことを検証しないで、書くと間違いが起きる。

p.282 「2つの法則」本には、ムーアの法則による速度向上とあるが、ムーアの法則は、あくまでも集積度向上の法則であり、これは現在も維持されている。
ムーアの法則に陰りがでてきて、クロックが停滞したというのも間違い。クロックが上がらなくなったのは、発熱量限界によるもの。

そもそも「陰りがでてきて」と書きつつ、「タスクを分割できるプログラムがムーアの法則の恩恵をうけ高速化できるようになります。」と書いていて自己矛盾しているのに気づいていない。

p.318 「時間の難解さ」ローマ時代に皇帝の名前を2ヶ月突っ込んだ(JulyとAugust)... これは誤っている。wikiにもあるが、http://bit.ly/MgLsEH に詳しい。つまり3月始まりを1月はじまりにしたので、8を意味するOctが10月になっただけである。

名前の由来とこれが混乱している。http://ja.wikipedia.org/wiki/8%E6%9C%88 :英語の8月Augustは、ローマ皇帝Augustus(アウグストゥス)に由来する。アウグストゥスは紀元前1世紀、誤って運用されていたユリウス暦の運用を修正するとともに、8月の名称を「Sextilis」から自分の名に変更した。ということである。

2012年7月9日月曜日

原発再稼働について、少し深掘りしてみた...

原発の安全性や放射能の課題)

専門ではないが、調査した結果を以下に書いた。修正していくので、コメントあればお寄せいただきたい。
2012年6月12日火曜日: 原発に関して調査して分かったこと


2012年6月13日水曜日:  放射能の害 - 内部被曝の危険


なぜ再稼働か)
夏を乗り切りたいから再稼働したいのではなくて、貿易収支や長期的な電力コストの削減のために再稼働するのだと思います。短期的な視点なら、そうそうに小型ガスタービン火力を沢山作っておけば良かったと思います。

関西電力や政府の説明が、ある意味まやかしなのですが。。
基本は長期的なエネルギー政策によって動くものでしょう。

私は賛成派とか反対派とか区切るのは無意味だと思います。オリンピックじゃないのだから勝ち負けを争っても意味がないように思います。

現実的な落としどころとしてなにがあるか。。と考えたときに、原発は稼働する。ただし、1) 停止が心配 2) 停止後の冷却が心配。3) 炉心を遙かに超えて膨大にある使用済み核燃料の冷却が心配。につきます。2) 3)は運転していても、停止していても危険性はさほど変わりません。

1) については、制御棒挿入は多重化されており、万が一の場合にも、ホウ酸水注入で停まるようです。が、これがまたもや人間の操作になっており、停電対策された地震計とリンクして、完全自動停止化さえすれば、十分安全性は確保できると思います。

いまやることは、再稼働反対ではなくて、1)の2)の安全確保に関する実証でしょう。それが、納得いかないときに、再稼働反対になるのが、筋道というものです。

貿易収支)

 http://s.nikkei.com/NeCAAV 2012年5月の日本の貿易は、震災直後の前年同月比62%減の2,151億円の黒字です。

 http://bit.ly/NAOLGB のリンクにあるように、もし、あと6基再稼働すると、燃料輸入を2,400億円押し下げるということです。つまり貿易黒字が2倍になる。これが、政府が再稼働を急いでいる理由でしょう。

 原発は建設に1機1兆円もかかり、その中には4年間分の燃料が入っています。(毎年1/4ずつ交換するらしいです。http://bit.ly/HrDN3c )燃料代がほとんどかからないので、原発を使いたいのは経済原則上当然なのでは。

 貿易赤字に対する対策を考えるのが、再稼働を遅らせるのに一番効果的でしょう。一つは節電だとか、節約だとか。。

貿易収支改善策の一例)

 日本は、消費文化から脱出しつつあるものの、浪費経済がいまだに続いています。必要もない道路を作ったり、エコポイントといいつつ、使える電化製品を捨てたり。地デジ化でTVを買い換えたり。携帯でも車でも使えるのにどんどん乗り換えていきます。これを、ロハスに変えれば、生産に使うエネルギーも資源も減り、輸入も減ると思います。

貿易のために海外に向けては製造すれば良いですが、国内に対しては、サービス産業への移行を促進するために、過度な商品サイクルの短縮と競争よりは、適正な競争と余暇の創出という手もあるでしょう。

というよりも、今は大企業の人は生産性が低く、働き過ぎで余暇がない。利益も低いので労働が非生産にまわっているように思います。余暇を作れば、消費にも回るのですがねぇ。

あとは、大量の赤字国債とか預金ですね。あそこに金が滞留しています。まだまだ、日本は相当豊かな国だと思います。

何が根源問題なのか)
実は、日本は、日本列島改造論の呪縛から脱出できていないのでは。
少子化でもあるし、以下を変えれば、エネルギーは自然といらなくなる。長期的な視点で議論して、プランを立てることこそが必要。単発の原発稼働がどうこうで騒いでいたらまた、大枠が決まらない。
  1. 自然を改造して、便利な暮らしにすることの間違い
  2. 大量消費による産業新興の間違い。スローで、ロハスな時代になり、地球資源を大事に使うべき。国内消費は、浪費から、サービス産業へ
  3. インフラによる時間短縮から、自助努力による時間の有効活用へ
これについては、

2012年7月23日月曜日

簡単に再掲すると、例えば、JRリニア。のぞみで1時間40分の東京名古屋間 http://bit.ly/NApA72 を、40分で結ぶ。http://bit.ly/NcXRsT 。確かにすごいことだが、人の住んでいない、南アルプスをぶち抜くコストは大きい。そもそも、都内や名古屋内の移動で、それぞれ簡単に30分から1時間近くロスするのに、東京名古屋間だけ短縮してどうするんでしょうか。

1時間節約するよりも、無駄な会議をなくし効率的に仕事をして、時間を稼ぐとか、
権限委譲し、ゆっくりと温泉にでも1泊しつつ出張したいと思いませんか。あくせく、数秒を削るよりも、ゆったり、楽しく仕事をしたいと思いませんか。

そもそも、儲かる商品の作り方、上手な製造の仕方、儲かる売り方に対する研究が全く足らないと思います。(別途書きたいと思います)

インフラで時間を節約するよりも、仕事の仕方を変えた方が、はるかに効果が大きい。以下にも書いた。自分でやれないからと、環境やインフラを改善するのは、高度成長時代以来の志向の偏りだと思う。

2012年7月8日日曜日: トップダウンと権限委譲


技術進化には時間がかかる)

http://s.nikkei.com/LRHHJC こんな新技術の原子炉がある。原発事故の直前2011/1月に報道されている。900度で直接水素が作れ、水素ガス自動車が走らせられる。もちろん通常の発電につかっても熱源温度が高いので海洋の熱汚染をしない。原理的に熱暴走しない。
が、福島事故以来、タブーになって報道すら出来ない。

再生可能エネルギーも環境を破壊する)


ダムによる自然破壊も考えた方が良い。遠州の中田島砂丘は激しく後退しています。天竜川沿いの自然も激しく破壊されている。http://bit.ly/ObmlSm
世界では、すでにダムを破壊して元に戻す実験も行われています。例えば米国では、http://bit.ly/LSdQPd 
そろそろ、日本列島改造の考え方から目を覚まして、自然と共存すべきだと思う。

太陽電池も現在の原発を補おうとすれば、国土の6%の広さが必要になるし、気ままな発電であり、どこかに貯める技術か、別な発電設備が必要になる。二次電池は極めて、製造にエネルギーと資源がかかり値段も高い。移動体以外に使えるレベルではない。

海洋温度差発電はもっと危ない。地球環境に重大な影響を及ぼす深層海流に影響をあたえる可能性が大きい上に、温度差が小さいので、熱汚染がきわめて大きい。

熱機関の理論熱効率はカルノーサイクルで与えられるとして、最大で、http://bit.ly/LIaH6b の式になる。

発熱部が500度を超える火力のコンバインドサイクル(ガスタービンと蒸気タービンを併用) での熱効率は、http://bit.ly/wS28Hl にあるように50%を越える。つまり、発電機の効率がかなり高いので、発熱の50%の電気が起こせる。

原発は炉心材料が熱に弱い(放射線と熱の両方に強い材料がない)ため、炉心温度は300度程度。その結果熱効率が30%くらいに下がる。つまり海水を熱汚染する。

ところが、海水の温度差はせいぜい25度。これで電気を膨大に取り出そうとすると、ものすごく深層海流を熱汚染することになる。以下に計算した結果をあげる。

火力のコンバインドサイクル: 理論熱効率 62% - 実際50% : 理論比率0.79


原子力: 理論50% - 実際 30%: 同比率 0.60 (ガスタービンと蒸気タービンをダブルで使ったコンバインドサイクルよりは効率が低い)

温度差発電(海水温度30度 と5度を想定): 理論 8% - 実際は原発同様の0.6を仮定すると熱効率 5%。

100万kWを発電するときに出てくる熱は、火力0.48M Cal/秒、原子力 0.80M Cal/秒。海水温度差発電 4.8M Cal/秒 と火力の10倍熱汚染することになる。このペースで深層海流を熱汚染したら、CO2問題どころではない。

議論の仕方に問題があるかも)
いろいろな話しが、整理されきっていないと説得力に乏しい。

長期的な電力プランがないので、電力会社は、長期的な燃料買い付けでコストダウンできません。だったら、長期プランを検討するのが先決。

一者独占で、経営効率が悪いのが問題というならば、そこのデータをとり議論したうえで、発電の自由化にもっていけば良い。

論点が不明確で、データもない議論をしていても、組織がわは、「おまえら、ドシロートが。。」と思って無視するだけで有り、何も変われません。

変わらなかったのは、体制側が悪いだけではなく、実は、変えようとする側の、説得姿勢に問題があったようにも思います。上手くいかなかったときには、人の性にするのではなく、自分達の手法をまず反省してみることが、大事だと思います。

使用済み核燃料こそが危ない)
それから、原発1機にある核燃料の総量は http://bit.ly/MdCzvF によると、70トンから130トン。ところが、使用済み核燃料は、http://bit.ly/MdCzvF によると、日本には、3万8千トンもあります。原発一基を動かしたからどうにか変わるという、状況を超えていると思いませんか。だからといって、野放図にうごかしていいわけではないのですが、先送りできない、この大量の使用済み核燃料をどうするか考えるほうが先なのでは。冷却が停まると、熱を出す使用済み核燃料プール自体が危なくなります。再稼働するかしないかの議論よりも重大です。

各原発にある使用済み燃料の総量 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4110.html


科学的に議論が出来ていないので、一番肝心な問題が見落とされている。これが、一番こまったことでしょう。

どう対策するか)

日本では再処理工場に猛烈な反対があって、六ヶ所村 http://bit.ly/NAmzmY での再処理はできません。これは、技術的に解決ができているかどうかはともかくとしても、再処理に伴う放射能汚染の説明ができていないのが原因のようです。

絶対に停まらない冷却系を作る)
海水による冷却系、タンクによる冷却系など、多重系にして、ほぼ冷却が停まらない、燃料プールを作るべきでしょう。

1969年に99.9999%の信頼性で月に人を送っています。http://bit.ly/HzC5uL 技術も進歩しているし、重さの制限のない地上でその信頼性を達成できないとなぜ決めつけるのでしょうか。

大飯原発再稼働に関する報道)
ところが、大飯原発の稼働では、火力が8機停まった、ウソだ、まやかしだ。。という意見が出ています。

大飯は、夏場の需要逼迫に備えて稼働したのでしょ。需要がなければ止めるのはあたりまえなのでは。

疑問に思うところは、大飯原発の118万kWに対して、ナゼ火力8機も止めて大丈夫かというところであり、http://bit.ly/MdBIes をみると、6台で255万kWの火力発電所もあり、燃費調整のためにフル稼働していなかったとすれば、納得できるのでは。

原発に対する賛否の住民投票をするために署名しているところがあるが)
とりあえず、住民投票をすることを決めれば、みんな勉強するでしょうという、主催者側の主張である。が、これはおかしい。

なにをするにしても、まず問題意識があってから行動をするのであって、行動しましょうと決めてから、問題点を探るのは本末転倒だと思います。

問題提起としては、完全ではなくても良いので、原発を稼働した方が良い点、条件付き稼働が良い点、冷温停止にした方が良い点、廃炉にしたほうが良い点などを示すべきでしょう。

 原発賛成派・中立派の人は、感情論での大騒ぎに巻き込まれる懸念が払拭されない限りは、投票しないのでは。ほおって置いても再稼働の方向に傾きそうですから、あくまで投票するのは、反原発派でしょう。本当は、議論をしたいひとに皆投票してもらって、本当に議論すべきなのでしょうが、どうやったらそれを納得してもらえるのでしょうか。また、中立や賛成派の人がそのエネルギーを割こうと思うのでしょうか。


これが、ウソだまやかしだ、、となってしまう人がいるのでは、それは、積極的に原発を反対する人以外は、あえて議論して、住民投票などしようとは思わないでしょう。どのように議論を進めるつもりなのか、筋道を示さなければ、反対派以外は、無関心になるのが自然なのではないのでしょうか。

西洋の民主主義は、権利獲得の為の革命の歴史だったと思います。日本に民主主義が根付いていないのは、そういう機会がないまま、お偉い方のご指導で動いてきたからで有り、今回は、そのお偉い方の意向に対して、ご意見しましょうというのですから。一筋縄ではいかないように思います。

短期稼働は難しい)
http://bit.ly/NenZ8u にあるように、大飯原発100%稼働まで、7日間かかっている。途中クラゲが大発生し、調整運転で1ヶ月様子をみてから、ようやく営業運転。それは、一時的に稼働させたりはしたくない。動かし初めと、止めたときに事故が起きやすい。。。

橋下市長が主張する大飯一時稼働に対して、上記を説明したメディアはあったのだろうか。それとも、やはり、長く続いた地域独占のために、関電の広報が機能していないのか。説明責任が果たせていない、科学的に議論ができていないのは、大問題である。

2012年7月8日日曜日

技術は一方向には進歩しない - Space Shuttle

科学や技術は絶対のものではない。正しいものは存在せず、必要条件(コスト、運用期間、使える技術)などのバランスを考慮して最適点が決まり、それは変わってゆく。。

それは、Computerの発展史にも見られる。一旦作られた分かりやすいグラフィック入力が、一時消滅し、また戻ってきている。以下に書いた。

2012年3月3日土曜日:  Computer History Museumにいってきた


その点で、技術の発展史を学ぶことは参考になる。もちろん、激しく昔の技術にまで戻る必要が必ずしも有るわけではない。が、特にComputer Scienceでは、歴史や古典を学ぶこととは、特に米国ではおざなりになっている。

Space shuttleとその後)

Space Shuttleは、再利用可能な宇宙船を目指した。が、以下の

 

STS-133 (最後のDiscovery打ち上げ) の映像であるが、14:56秒のところ、T=+3:53で、外部燃料タンクの断熱材とおぼしき、かなり大きな破片が剥がれて落ちるのが写っている。以下の写真の黄色の丸の部分である。



シャトルのタイルは結構危ういシステムだったので、次のConstellation/Orion http://bit.ly/LVOk6H では、アポロのような指令船+一体成形の耐熱シールドに戻す。指令船は再利用する。

wikiでの解析などから)

wiki http://bit.ly/IriYE3 iの「甘すぎた予測と膨らんだ費用と危険性」の章にもあるように、あまりつかわない翼を宇宙に持って行くのは効率が悪く。打ち上げ可能なペイロードはかなり小さい。

以下、Project Constellation by Tim McElyea (APOGEE BOOKS) $9.95 : http://amzn.to/MdMgKD
より、2つの図を引用する。

まず、p.18の図である。


シャトルは、打ち上げ従量4.5Mlbs (2,041トン)に対して、LEO(Low Earth Orbit: 低高度衛星軌道への)打ち上げ重量が56klbs (24.9トン)である。つまり、打ち上げ重量の1.2%の重量の衛星しか、低軌道衛星軌道に打ち上げられない。

一方、それよりも古い設計である、Saturn Vは、打ち上げ重量が、6.5Mlbs (2,948トン)に対して、LEOが262klbs (110トン)である。つまり、打ち上げ重量の3.7%の重量の衛星を、低軌道衛星軌道に送り込める。

現在、凍結されているが、Shuttleの次期宇宙計画であるConstellation計画では月や火星への宇宙船をAres IVで先に打ち上げておいて、あとでAres Iで乗員と指令船であるOrionカプセルを送り込む方式である。


Ares I  は、打ち上げ重量2.0M lbs (907トン)に対して、48k lbs (21.8トン) であり、これは2.4%にあたる。
Ares IV は、打ち上げ重量7.3M lbs (3,311トン)に対して、200k lbs (90.7トン) であり、これは2.7%にあたる。

AresでもSaturn Vより、打ち上げ時の重量で、LEOを割った比率が悪いのは、燃費(比推力http://bit.ly/NAdsTr )が小さいが、低コストの固体燃料ロケット(シャトルで固体燃料ブースタに使われたものの増力型)を使い、これを再利用しているためであると思われる。が、Space shuttleに比べると、はるかに比率は良い。


再帰還のシールドもアポロ形式なら打ち上げ時には、前段ロケットとの間で保護されているが、むき出しなので、これが破損して、コロンビア号の事故につながっている。上記写真でも一歩間違えば事故になる。

なにしろ、ずっと技術が未熟であった、アポロ計画では、打ち上げ後には一人の死者もだしていない。もっとも17号までしかなく、135回打ち上げたシャトルにはかわいそうであるが、製造された6機のうち2機を打ち上げ後の事故で失い、どちらも乗員全員が死亡している。

これには、まだまだ安全が確認されていない宇宙船を、あたかも商業ベースのように利用しようとし、打ち上げ日程を優先したという、組織運営の問題も指摘されている。

また、wikiには、
スペースシャトルの最終飛行も終了し、総決算の計算をしてみると、なんと135回の打ち上げで2,090億ドルもの費用がかかってしまっていた。一回の飛行当たり、通常の使い捨て型ロケットを打ち上げるよりも、はるかに高くついてしまっていたのである。
とある。

Ares I ロケットの構造はSaturn Vに戻っている)
以下に、先のProject Constellation本の、p.22の図を引用する。

いくつかの点でSaturn Vに戻っている。以下に列挙する。
  1. Space shuttleのメインエンジンSSMEをやめ、Staturn Vの2段め、3段目に使われた、J-2エンジンを改良したJ-2Xエンジンに戻っている。理由は、SSMEは効率向上を求めて複雑化し値段が上がりすぎたこと、軌道上で再点火できないことである。
  2. 2段目の燃料タンクは、Saturn Vで開発された、軽量化に向いた統合隔壁に戻している。 http://bit.ly/MdOfhW の「将来的な利用」に説明がある。
  3. 理由は分からないが、Space shuttleでは、重たい液体酸素は上側、液体水素は下側に配置されている。これも、Aresの2段目では、Saturn V同様に液体水素を上側に戻している。
  4. 先に述べたように、Crew moduleの底にある再突入用の耐熱盤は、発射時はロケットの合間にあって保護されている。
  5. 異常事にもApollo計画までと同様に、脱出ロケットで指令船を脱出させられる。
  6. 一段目ロケットと、指令船のみ再利用する。ただし、指令船の耐熱シールド(シールドが一体整形で丸ごと交換)は頻繁に交換する。
このように大幅に設計をSaturn Vに戻している点を考えても、シャトルは、いろいろな面で一面だけを見過ぎて、失敗だったように思う。

松浦晋也『スペースシャトルの落日/失われた24年間の真実』に、実に幅広く徹底した批判が出ているらしい。殆ど全編が批判らしいが、
「第三章 そもそも間違っていた設計コンセプト」
「第四章 世界中が迷惑し、だまされた」
の章だけで100頁ある。

批判は多岐にわたるらしいが、再利用が間違った手段というのは(低コスト化のための手段として間違っていた)、主要なポイントになっている。それも、翼を持って飛行場に戻ってくるのは、余りに無駄、という批判がこれでもかと強調されているらしい。

液体水素ロケット)
Space shuttleのSSMEとは違うが、液体水素/液体酸素ロケット(以下LH2LO2と呼ぶ)を1段目に使うのは、メリットばかりではない。

Ares IVでは、1段目にJ-2Xよりは推力の大きな、RS-68を使う。まだ、補助の固体ロケットを使うので良いものの以下の欠点がある。
  1. 燃費は良いが、液体水素の比重が小さいので燃料タンクが大きくなる。以前ざっと計算したところ、110mのSaturn Vの1段目をLH2LO2にすると、30mほど長くなるとなった。計算式を確認してから、再度掲載する。
  2. 超低温なので扱いが難しい。
Ares I)
人を運ぶAres Iの1段目は、シャトルのSRBを改造した物を使う。これは回収再利用。
推力の方向は可変可能であるが、花火と同じ固体ロケットなので、燃料にあけられた空洞(グレイン形状) で計画された、推力変動パタンに固定された推力になる。

http://bit.ly/MdPlKr を参照。

人が乗るロケットに、推力強度を状況に合わせて制御ができない固体ロケットだけを使うのは、かなりチャレンジングだと思う。

Orion計画がぶっ飛んでいるのは、月着陸船もLH2LO2であること。予算危機なので、space Xでお茶を濁す可能性もあるらしいとか。

燃料の長期保存が難しい。点火失敗すると帰って来られない。ということで、Apolloでも、点火失敗がゆるされない指令船と月着陸船には、自己着火型(N2O4とUDMH) の燃料をつかったのである。Shuttleの軌道上エンジンもこの燃料である。http://bit.ly/xnDZvI
(ちなみに、この推進剤は猛毒なので、Space shuttleは、地上に帰還してからも、この残燃料除去が確認されるまで、誰も近づけない。)

いくら燃費(比推力)がよいからと、ここにLH2LO2を使うのは、かなりチャレンジングである。

どうありたいか)
Space shuttleの引退を残念がるのもよい。Space shuttleを賛美するのもよい。
しかしやるべきコトは、良かった面を認め、成功を認めると同時に、失敗を反省して、次に繋げることである。成功ばかり褒めていたら、また次で失敗する。

なぜ、技術の往復がおきるのか)
検証したわけではない。が、以前やっていたCPU開発では、こういうことであった。
  1. 2チームで開発することで、完成時期をずらし、開発時期を短縮する
  2. 新しいアイディアを出すことが評価されがちであり、以前のものを再利用するよりは、新たなものを提案し、成果を出したがる。
  3. 新たなチームは外から連れてくることが多く、様々な設計文化が違うので、なかなか意思疎通が難しい。
その結果、以前のやり方の問題を見付けて、否定することが起きやすかった。

本来は、冷静に良いところは、受け入れ、悪いところを改善すべきである。競争させるのは悪いことではない。が、負の側面が出ないようにするのは、マネージメントであって、マネージメントまでも2チームで競争してしまったり、一番上に最終利益を考えるトップマネージメントが居なければ、非効率が起きる。

Apolloまでは、NASAの一番トップに、堅実なドイツ人である Wernher Magnus Maximilian Freiherr von Braun (フォン・ブラウン)http://bit.ly/NAekHF がいたので、上手く回せていたのかもしれない。

本当の国際化



2012年7月8日日曜日: トップダウンと権限委譲



は、何となくそうかなぁ。。と思っていたのだが。。米国にどっぷりとつかって、マネージメントも勤めた方と話しをして、実に腑に落ちたことをまとめた。

海外いる人が国際人とは限らない)
その方曰く、「米国に住んで、米国流を理解したつもりで、喧伝している方もいるが、話しをしていくと、どうも腑に落ちず、気まずい思いになることがある」とのこと。

米国にいようが、どこにいようが、日本流の見方を外せない人には、本当にその国のやり方は理解できない。そういう曲解した理解の人が書いた書物や論評をみて、国際化を語ったらそれは迷走する。昨今、Facebookなどに流れる、「あるべきxxx」とか、「国際的なyyy」とかというもののかなりの数は、かなり日本的な視点から間違った見方をしている。

失われ続ける日本の美徳)

2011年10月15日土曜日: 思考停止していませんか? 日本の美徳を失う舶来崇拝?



にも書いたが、昨今日本は、国際化といいつつ、失ってはいけないものを失い。学ぶべきところに学んでいないケースが多い。
「悪貨は良貨を駆逐する」であり、悪いことの方が真似やすいのだからかもしれない。

真の国際化は難しい)
この方は、おそらく40歳過ぎで渡米され、もう引退されている。高齢での渡米にもかかわらず、ほぼ完全な米国アクセントの英語を話される。文化を学ぶ態度があるから、立派な英語が話せるのであろう。が、その方曰く、「米国で、本当のマネージャになろうとしたら,中学・高校の間にこちらにいる必要がある」。

それほどに、nativeに溶け込むのは難しい事であり、ちょっとばかり英語が話せたからとか、社内英語化で国際化したなどと思うのは、かなり甘い考え方なのではなかろうか。

「英語はbrokenでもいいよ」という方がいる。考えてもみて欲しい。片言日本語で、敬語も使えない、書く日本語も間違っているガイジンと、ちゃんとした敬語を使い、こちらの空気も察することができる日本人とどちらと議論する気になるかを。。

日本はなぜ迷走するのか)
 とにかく、大企業では、朝から夜中まで奴隷のように働いて、全く豊かになれない人が多い。サボってもマイナスに成らないシステムなのでサボればよいが、それでもまじめにやる人たちのがんばりが、今の日本企業を支えている。ある意味、悪平等な評価システムの中で、上手に立ち回る人たちを、生真面目な人が支えているように思う。

 昨今、リストラや経費削減と言われる。エンジニアは切れないので、スタッフを減らす。するとどうなるか、スタッフの仕事をエンジニアがやるようになる。生産性が下がる一方であろう。本来技術開発のマネージメントをする人間に、経費削減の計算をさせはじめたら、競争力のある技術は開発できない。

 1945年の終戦後20年足らずで日本は高度成長 http://bit.ly/O5D0Xs に入った。しかし、1991年からの10年は失われた10年と言われ http://bit.ly/MAVpvv その後、また10年が過ぎている。焼け野原から20年で高度成長に入れた国が20年も足踏みをしている。過去の成功と、今の失敗の差分が解析できていたら、こうはならないのでは。

 家族的経営と終身雇用を誇った日本の大企業が、リストラを何度も行っている。いままでの人数で上手く運営されていないものを人数を減らしたら何がおきるか。コスト削減は、弱体化を招く非常に危険な手法である。ましてや、日本の場合には、一定以上出世した人は温存され、現場で働く人や、引き取りどころのある優秀な人を切る、逆リストラになることが多い。

トップダウンと権限委譲

最近、トップダウンとか権限委譲という言葉を耳にする。権限を委譲したら、トップダウンは出来ない、なのに権限委譲している。。矛盾するとは思わないだろうか。。

これは、戦略・戦術・兵站を考えないと理解できない。

戦略・戦術)
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20120416/1334543387 に説明がある。
例えば、Appleの戦略・作戦・戦術を書いた図を引用すると、以下である。


トップは、部下達の情報を元に、戦略を決める。細かいことは指示しない。
そして、その部下は作戦を練り。末端は、戦術を持って作戦を実行する。


つまり技術者達は、戦術を実行する部隊であり、奴隷である。


こうこうこう言う機能の部品をいつまでに作れ、と指示されたら、有無を言わさずにそれを実行する。

  1. Appleは、独裁者Steve Jobsの号令の元にこれを実行した。何を作っているのかすら、知らされずに、こういう機能の基板を作れといわれれば、作るらしい。
  2. Intelも、いついつまでに、こう言うLSI技術を作れと指示されれば有無を言わさずにつくる
  3. 韓国は、儒教文化の国なので、上司のいうことには服従である
  4. 中国も、共産主義なのでおおかたそうであろう
たとえば、

2011年5月16日月曜日: Intelの立体トランジスタ 

に書いたように、Intelのプロセス開発のトップである、Intel FellowのMark Bohr は、以下のように回答している。自分は、与えられた機能を実装するための、スタッフなのだという宣言である。
Q5. (プロセスの)開発投資をそんなにして回収できるのか?
-> それはVPが考えることだから、私はしらない。
ところが、日本は、これも分からず、技術開発なのか、経理スタッフなのか、マーケッティングなのか、ごちゃごちゃにしている。それでは、トップダウンもボトムアップも、やれない。つまり、技術やビジネスの詳細の分からないトップが、作戦や戦術の細かいことに口を出したら、現場の能力は活用できない。あくまで、上に行くほどおおざっぱな指示で、それに対する達成度のみを評価すべきであろう。

上の図のように、「デジタル帝国を作れ」と指示を出して、それを各階層が的確に実行していくべきである。そして、戦術を実現するために必要なのが、兵站であり、スタッフやマネージメントもここに属する。つまり、同じ人間がやっても良いが、作戦を立てる仕事と、兵站をする仕事は別である。たとえば、
  • 白い、マイク・リモコン付きのヘッドセットをこれだけの大きさで、これだけのコスト製造できるように開発せよ。というのが、戦術
  • そのために、何人の人を配置して、足らない人と技術は、外部から雇って、製造工場はどこを手配して、というのが兵站にあたる。
これが分かっていないということは、マネージメントも経営も分かっていないと言うことだと思う。

ある記事)
http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2012/06/post_3338/ という記事がある。
「「日本の会社もボトムアップをしていると思いますが、サムスンとの大きな違いは”権限委譲”がなされていないことではないでしょうか。」という所に着目してはならない。

「ボトムアップとは、下からの意見を上部へくみ上げたり、現場からの提案を採用することですが、サムスンでのそれは少し意味合いが違っていました。李会長は将来的な方向性だけを示し、具体的な実現方法については権限を委譲し、すべて下の者に任せることにしたんです。会長は100年先までの方向性を示すけれども、短期スパンの実現方法は、完全に部下に委ねています。仮に会長が最終的な意思決定をする場合でも、部下の判断を尊重しているので、そこで時間が割かれることはないそうです」というところがポイントである。大枠すなわち「戦略」には絶対服従。だが、その下の幹部は「戦略」をかみくだいて、「作戦」をたてる。そしてその下の部下は、「作戦」には絶対服従し、これを実現するための「戦術」を考える。という階層的な権限委譲と絶対服従があってこそ、スピーディな意思決定が出来る。

何でもかんでも、指導しましょうという、過保護では、トップの負荷が大きくなるだけであり、トップダウンは機能しない。ただし、Steve Jobsは、彼の美意識によって、こだわるところは特別にこだわった http://golog.plus.vc/iphone/1318/ ようではあり、そういう部分があっても良いと思う。ただし、あくまで限定しての話しである。全部にこだわったら権限は委譲されない。

Stanford大の教授によると、こういう逸話もあるらしい。Apple本社を建てるときに、「Steve Jobsは、本社を何階建てにするかだけを、徹底的に悩んだ。」コミュニケーションを有効にとるために、今の4階建てに決めた。本社は以下の下の方に写真がある。

2011年10月6日木曜日: Steve Jobsよ安らかに眠れ


日産のゴーンも、自らレーシングスーツを着用し、Skyline GTRをテストコースでドライブしたらしい。http://bit.ly/L8AlQq

自社製品を触ったこともない会社トップとは大違いである。没落した某有名電機メーカのトップは、自社製品発表の際に、製品を上下逆さまに持っていたという、笑えない話しもあるらしい。

以下の話しは、なんか変だなと思っていたところで、ある方が、教えてくださり、スッキリと分かった。どうも、本当に国際化していない情報も多く、注意が必要に思う。以下に書いた。

2012年7月8日日曜日: 本当の国際化



2012年7月6日金曜日

短命な日本の首相たち = 良いリーダとは


以下にあるように、日本の首相は、極めて短命です。これでは、長期的な政策はやれません。業績の悪い企業の社長も短命です。それも同じ結果を招きます。


議院内閣制だからなのか)
Noです。イギリスの首相 http://bit.ly/LIbuPf はみな10年近い長期政権です。

良いリーダとは)
‎1) 議員や国民の意見調整(議論)ができること
2) 国際外交で日本の利益を主張できること
3) 特に科学技術と、経済がわかり、長期的な視点で判断できること
4) 権力闘争、票読みにあけくれないこと
5) 大企業や既得権益におもねらないこと
6) 国民や行政を担当する部下達と乖離していないこと

科学技術がわかる必要があるのは、日本は技術立国だからです。これと5はリンクしてきます。新しい産業は既存構造を崩すことになるので、それを、規制するような法律を変えていかないと産業は育たないことが多いのですが、逆をやったら産業は停滞します。

小泉さんは、1,4,6と5が少しできたように思います。大阪市長の橋下さんは1,2,4,6ができるかもしれません。
管さんは、3が少しできましたが、1ができませんでした。市民運動家のまま首相になりましたから。

いまだに3ができる日本の首相はいないと思います。

日本には、たとえば、以下に書いたような時代錯誤な国会議員や地方政治家たちばかりです。

 中央官僚たちも、日本の政治家たちを嘆かわしく思っているようです。

資料作成でも、いきなり前夜に、翌日朝までの資料を作れと指示がくるようです。それでは、そもそも、マネージメント能力がゼロですね。

2011年11月15日火曜日: 時代遅れのプレゼンテクニックの日本の政治家たち



多くの日本の政治家達は、3が全くダメで、4ばかりやっているように思います。なので、短期政権になるのでは。

いまも小沢さんが民主党離党でもめていますが。各種問題解決よりも、権力闘争の方が大事なのでしょう。ああ、嘆かわしい日本のリーダ。

2012年7月5日木曜日

人々は何を評価しているのか - 名バイオリンの実験


http://bit.ly/M55X5J に解説があります。
「ワシントンポスト」の企画で行われた実験。

・最高のバイオリン
使われたのは、ストラディバリの名器「ギブソン・エクス・フーベルマン」。
邦貨換算では4億3千万相当の、18世紀の芸術作品です。 
・最高の曲
演奏されたのは、バッハの「シャコンヌ」。
「音楽史上最高傑作の一つ」と言われ、ブラームスをして
「私がこれほど素晴らしい曲を書けたら、いや、断片だけでも思いつけた
としたら、興奮と驚愕で頭がおかしくなるだろう」
とまで言わしめた名曲です。 
・最高の演奏家
そして演奏するのは、世界屈指の一流バイオリニスト「ジョシュア・ベル」。
神童と言われた10代から20年以上のキャリアを持ち、グラミー賞も受賞。
コンサートは常に満員で、「1分間で1000ドル稼ぐ」とも言われている人。

これ以上ない最高の役者が揃ったバイオリンのソロコンサートです。が、場所が意外すぎる。ラッシュアワーの地下鉄駅構内。

「最高の美は、迷惑なタイミングやまずい舞台設定に勝てるのか?」
「現代人の審美眼や、ものごとへの優先順位付けはどのようなものか?」を測ろうというもの。

終了までの43分間。 約1,100人がその前を通り過ぎたわけですが、足を止めたりして多少なりとも演奏に聴きいった人数は・・・わずか6人。

かつ、彼がジョシュア・ベルだと気づいた人はその中の更に一人だけ。稼いだチップは、32ドル17セント という結果だったんです。以下がそのYouTube



1分37秒ぐらいから聞き入っている、買い物袋を下げた女性がいますね。この方が、ジョシュア・ベルだと気づいた方で、最後に感激のメッセージを送っています。そのあと4人ぐらいは立ち止まっています。以前みたときには、小さい子供が立ち止まって聞こうとして、親が手を引いて引き離したところがあったように思います。子供の方が純粋なんだな。。と思いました。

更に、彼が世界でも屈指の演奏家だと教えられて驚いても、人々が彼を無視して通り過ぎることには驚かないんです。 
この街では、そんなもんだ。
みたいな。 
みんな忙しくて、みんな自分のことでいっぱいで、みんな目の前のことしか見えないんでしょうか? 
「技術イノベーションで世の中は便利にスピーディになったけど、それによって新しい経験に触れる機会が減ってしまってるかも知れない」と同紙は分析してましたけど、まあそんな面もあるかもしれません。
スピードと技術革新はいいことですけどね。  
ただ、それによって「大事なことを見失うこと」はしたくないなと。
ひとときの至高の演奏に気づかなかったように、我々も多くの「気づかない大事なこと」を見落として生きてるのかも知れませんから。 
日本でやると、詳しい人が多かったりするので、特殊メークで変装もしないとダメかも知れませんね。

冒頭のリンクから。

実験終了後のジョシュア・ベルの言葉を聞いて、彼がこの実験に賛同した
のも解せた気がします。
「コンサートホールでは誰かが咳をしたり、携帯だ鳴っただけでも気になる。
でも、今回はチラ見してくれただけでも有難いと思えたよ。 (ケースに)
小銭じゃなくて1ドル札を入れてくれたときは感謝さえした」 
「(32ドルのチップに対して)正直、悪くないよね(笑)。
時給40ドルならそれなりに暮らせる稼ぎだよ。 エージェントにお金を
払わなくていいし」
中身ではなく、名前しか評価できない現代文明の歪みのようなものを感じます。


http://wapo.st/MuTVY8 からも映像と演奏が見られます。

何に価値を見出しているのだろうか..)

ストラディバリも聞き比べられないし、http://bit.ly/M56ww8

フルートも、管材が高くなるほど音が良いといわれているのも単なる刷り込みかもしれません。以下の冒頭に書きました。

2012年6月3日日曜日: ジャンルなんて、くそ食らえ


料理も、車も、オーディオも、思い当たりそうなものは沢山ありますが。。ブラインド試験をすれば分かりそうな物ですが、産業振興のためにやらないのでしょう。

2012年2月7日火曜日: マニアの考えることは面白い


にも書きました。

100万円以上するエルメスのバッグや、高級腕時計に高い金を払うように、結局、多くの人はブランドというものを評価しているんでしょうね。高級ブランドのほうが、「はい。ブランドだけが売りですよ。」と開き直っていて、消費者が理解している分、私には好感が持てます。

浪費文化の罪


後ほど整理しますが、問題提起だけしておきます。

エネルギーのみならず日本が考え直さないとならない点は沢山あると思います。少し古くなると価値を失う車と家。どんどんつぶして廃棄しています。
米国なら10年以上古い車や、築40年以上の木造家屋でもまだ価値があります。賞味期限切れになると捨てる弁当や食品。米国ならDoggy bugで持ち帰れる、食事の残りも保健所の指導で日本では禁止されているようです。流行にのってどんどん入れ替わり捨てられる服。など、エネルギーのみならず、物質文明が日本にはびこっているように思います。最近は、フリーマーケットや中古市場が立ち上がりつつありますが、もっとモノを大事に使ったらどうなのでしょうか。

米国では、いまだにキックボードに乗っている子供。(老人も、先日見ました。)。ローラシューズを履いている子供がいます。どちらも日本では1-2年で死に絶えたのでは。
また、10年落ちのカローラも5000ドル以上の値段がついていたと思います。
木造家屋でも40年以上古い家の方が、シリコンバレーバブルの前でしっかりしているからと、高い値がつくらしいです。東京では、築10年を過ぎると建物の価値が0になり、さらに古い古屋が建っていると、買い手がつかない。家を解体して更地にして、解体料の150万円を含めて、さらに上乗せしても売れるのだと、7年ぐらい前に不動産屋の人に聞きました。

デジカメやスマフォは、春夏秋冬と新製品が各社から出る。これを買うことを楽しみにしている人が多い。買ってどう使うかはどうでも良いと言う。また、潔癖な日本では、動作不良は絶対に許されない。iPhoneやMacをみると分かるが、新機能をどんどん導入するので、動作は結構不安定である。このために、設計製造する側も、寝る暇もない重労働になる。

米国ではもう物を買わなくなったようです、ヨーロッパは昔からそうだったようです。レストランも行かないで、家で食事をするようになったというのに。

また、少子化だというのに、リニアモータカーを計画したり、各地につかいもしない、新設の道路を造っている。東京や都市圏内だけの移動に30分以上掛かるのに、幹線だけを短縮して価値があるのでしょうか。それも人があまり住んでいない所を通し、南アルプスをぶち抜く大工事をして。。
また、会議や仕事が非効率だったり、通勤時間がかかりすぎて、そこで時間を食っているのに、東京・名古屋・大阪の連絡速度だけを改善してどれだけ価値があるのでしょうか。

時間管理で特に強く感じるのですが、日本では、自分でできる努力をしないで、外部の改良に期待してきたように思います。これが浪費社会を支えてきたのかもしれません。先進国の浪費は途上国の搾取でなりたってきました。地球資源は限られています。原発で自主的に節電努力するという流れをもっと進めて、電機も、時間も、物も浪費しない文化にもっていきたいものです。浪費をやめれば、案外太陽電池などもいらない。となれば、太陽電池を造るエネルギーや資源も要りません。

CO2対策は、新産業を育成するための陰謀という説もあるくらいです。解析してみると、私もそう思います。http://bit.ly/L343Xq の後半に書きました。

浪費文化からスローな時代にかわることで、原発の必要性も減るのでは無いのでしょうか。全ての減少は、リンクしているのだと思いませんか。。

原子力だけの問題ではないと思います。

節電はどうあるべきか

原発問題で節電が問われている。データに基づかないで闇雲に節電しても効果があるか疑問である。ここでは、なるべく定量化して効果のほどを検証したい。

産業育成の疑い)
エコポイント制度で、使えるブラウン管テレビやエアコンを闇雲にインバータに置き換えたが、資源のムダと装置製造のエネルギーに対して、エネルギーが回収できるのかを考えないとならない。地デジ化にしてもエコポイントにしても、CO2排出規制にしても、エネルギー削減の名を借りつつ、需要喚起・産業振興・浪費文化の奨励の臭いがぷんぷんする。
蛍光灯をLED電灯に変えるのは、単に製造業を潤わせている可能性がある。


2012年5月26日土曜日: 安い電球型蛍光灯Optolight


に書いた通り、節電はLEDライトでなくても、電球型蛍光灯でもかなり進む。LED照明は寿命は長いが、値段が高のと、直下部に照度が集中するという課題もある。

これは、E26口金のものを3種類売っていて、14W入力で60W相当、19W入力で75W、23W入力で100W相当の明るさ。

 一方電球型LEDは10.6W入力で、60W相当であり、蛍光灯をLEDに変えても、10.6/14=0.75 つまり25%の節電にしかなならない。

http://bit.ly/PewjbZ には、入力6W-7.5WクラスのLED電球がでているが、明るさは40Wの白熱電灯相当にしかすぎない。

現状の日本の消費電力分布)
まずは、慌てて資料を集めただけで有り、年度等まちまちなので、後ほど再確認して整合させたい。

http://www.fed.or.jp/tech/2008/electricpower.pdf に分析と将来予測がある。このp.24にある図を引用する。まず、電灯はすでにほとんど蛍光灯に置き換わっている。前述のLEDと蛍光灯との消費電力比率を考えても、あわててLEDを買うのは、LED電灯製造者支援にしかならないと思う。使えるのに、廃棄された蛍光灯の処分のほうが問題であろう。


また、ここのp.4にもあるが、http://www.jidouki.com/archives/820506.html にもあるとおり、日本の電力消費は、家庭: 業務: 製造 = 3: 3: 4 の比率である。以下に図を引用する。

製造業)
余計なものを作らない。再利用によって、製造のエネルギーは減るだろう。詳しくは後日考察する。

業務)
業務すなわちオフィスでの消費電力の比率は、http://www.eccj.or.jp/office_bldg/01.html にある。図を引用する。以下のように、空調よりも照明の電力が多いのである。
ところが、非常階段の電気は消してはならないとか、オフィスの明るさは、xxにしろという規制があり、消せない照明は多いらしい。また、屋外なのに昼間こうこうとついている、ホームの蛍光灯とか半屋外駐車場の明かりなど減らせる照明は多いと思う。

LEDに変えても効果は少ないので「消す」ことが重要に思う。

家庭)
家庭での消費電力の比率は http://sakugen.dietco2.com/japan/ などにある。以下に図を抜粋する。

電力消費は以下の分布である。特にどれかを我慢して減るものではない。電気を消して、エアコンをとめて、と、まんべんなく減らすしかなさそうである。
 また、とかく悪者扱いされる、待機電力だが、http://sakugen.dietco2.com/japan/ によれば、家庭の消費電力の7%を占める。上記でテレビに使っているのと同じくらいの消費量である。
内訳は、以下の通り。だが、これを切って回るのは大変そうではあり、メーカー側での技術進化に期待したい。もちろん外出時に切るとか、寝ている間に切るとかすれば効果的ではある。が、使えるものを買い換えるのは、製造メーカ側の思うつぼ、製造エネルギーの浪費、地球資源のムダ、廃棄物増加につながる。