http://portal.nifty.com/2010/02/21/b/ 「ペリーがパワポで提案書をもってきたら。」
日本の会社に多いパワポの特徴がでています。こういう提案書では欧米では見向きもされません。一枚だけ引用してコメントをすると。
- シナジーというのが何をさすのか分からない。いわゆるバスワード(詳しくは次節)
- ペリーの趣味など提案には関係無い。「つかみ」でいれるなら、もっと興味を引くものにすべき。ないしは、ペリーの家族や友達の写真をいれて、「ペリーって、こんなに人気があるのですよとか。。」
- 艦隊の推移のグラフは、何なのか。。乗員が多いことは艦隊が大きくなって強くなったということ。だから、何なのか、結論がない。
- 関係ない3つのことが、一つのシートに入っていて、主張が見えない。主張は1枚1つにすべき。
- タイトルは、「弊管体のご紹介」だが、中身をみれば、艦隊の紹介らしいことはわかる。それでは意味がない。このスライドで紹介したいテーマを一言でタイトルに持ってくるべきである。つまり、「強力なペリー艦隊があなたの政権を守ります」でしょう。。となると、このページの項目1,2は全く意味が無いものになります。
- タイトルにへりくだる意味があるのか。良く、日本で、xx会社殿とかyy会社様とか書いているが、会社名を敬語で呼ぶのと同じ空虚さを感じる。(そういうプレゼンに限って、相手に対して有用な提案がなかったり、聞き手が分かりやすいようにというような、本来あるべき配慮がされていないことが多い。)
- ペリーの趣味・年齢・好きな色など、提案には関係がないものが入っている。
- バズワード ( http://bit.ly/R9Hktm )だらけで内容がない。
- 具体的な提案がない。
- 効果の説明が無い。
- 他との比較とか、アンケート等でのみ優位性を示している
- スライドに流れる主張点がないので、聞き手は、何を言いたいのかわからなくなる
ただし、日本の方によると、「この手のスライドがないと、逆に門前払いされることもある。」らしく、日本の会社のトップには、この手のスライドの受けがよいというか、結構ガラパゴス状態なのかもしれないです。
Stanford大のProf. John Ousterhoutのプレゼン資料に対する考え方は、以下に書きました。こちらのほうがもっともだと思いませんか。。プレゼンというのは、とことんまで、聞き手に対する配慮の塊であるべきなのでしょう。
2011年12月31日土曜日:本当の教育者、本当のプロとは
欧米では、家庭で配慮の仕方、コミュニケーションのとり方をしつけとして学びます。以下に書きました。ですが、どうも日本ではそれが不足しています。だとすると、高校大学で教育するしかないと思います。
2012年9月9日日曜日:日本人からみた米国人風の勘違い
こんな例も)
通常、そういう提案になれているので、米国の企業が良いプレゼンを作って説明すると、ころっとだまされるようです。そうして、使い物にならない技術(正確に言うと、その企業はもう捨てようとしていて売り込む技術)に高い金を払った例をいくつか知っています。
あわれな日本企業は、使い物にならないのが分かった後、こう言うのですね。「自分達で検討するための、黒船としてお金をはらったのだ。無駄にはなっていない。。」
そういう反省で終わりにしているから、状況が改善しないのです。。
某日本企業では)
提案書は、wordとか、文書で書くものです。そうしないと、緻密な説明ができません。
この背景には、適切な長さの説明文が書けない・読めないという問題があるように思います。それはとんでもない業務の非効率を招きます。ポイントは2つ。
- 完結した文で考えないので、論理が完結しないで、抜けている。たとえば、結果で終わりで、原因解析や対策、その効果まで至らない。
- 読めないので、関係者全員に、いちいち説明に行かないとならない上に、忘れられると、何度でも説明に行くことになります。
2012年5月28日月曜日:長文が読み書きできないのは致命的
ところが、某日本企業では、資料をどんどんパワポ化しています。会議資料のみならず、提案も、顧客説明も。
挙げ句の果てには、「説明はビジュアルであるべきだ」とか言い出す始末で、何でも2軸のグラフにまとめよとか通達が出たりしました。
さすがにこれはまずいということで、最近は、提案書は文書でとなったようです。