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60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2011年11月29日火曜日

日本では、少数精鋭は難しい

私は、以前5年ほど米国の会社で共同開発に参加して、少数精鋭に感動を受け、日本の会社に帰国して導入しようと、努力したことがある。幸いに、きわめて優秀な若手の研究者が沢山私の回りにいた。
が、大失敗であった。優秀な人が続々チームから離脱していくのである。

最大の理由は、歳が若いが、突出した研究者がいたからである。彼は、アルゴリズムも、プログラミングも、アーキテクチャも、回路技術も何でも分かり、情報収集がうまく、情報の整理もうまく、ツールの使い方も、プログラミング能力も、ずば抜けており、彼が突出しすぎるのである。

つまり、彼(A君としよう)は、能力が高いので、他人(B君としよう)がやっている仕事が見ていられない。何度も調整しようとしたのだが、A君がこの方が良いと主張しても、B君は聞き入れないので、A君は最後には自分の流儀でやってしまうということが、何度かおきた。

A君は、若いのもあって自信があるから、B君に任せておけといっても、B君がやろうとしたことを、後から自分の流儀でやってB君より先に完成させてしまう。私は、B君も優秀なのは認め、B君の成果も認めていたつもりだが、こういうことが何度かあると、B君はいたたまれなくなって、上位上司に相談し、チームを離脱したのだと思う。そうなった後で、私は、上司から何度も注意された。

管理者だった私は、なんとかA君と組んでやれるように計らうのだが、B君は納得しない。B君の方が年上だったりすると、これは顕著である。プライドというのか、素直に学ぼうとしないのだと思う。研究者なのだから、「年齢なんてクソ食らえ」だと思うのだが。

これが、日本を駄目にしている「権威」とか「年長」に対する尊敬が悪い方にでている例だと思う。アメリカ人なら、社長でも教授でも親でも年下でも、みんな名前を呼び捨てだから、権威という概念が、そもそも薄い。学生は、教授ともサシで思い切り議論をするし、正しければ教授は折れる。むしろ学生に教えを乞いたりする。(初等教育では、先生の権威は有った方が良いと思うが、逆にこれは、日本でもモンスターペアレントの登場で失われつつあるように思う。)

私は、A君の上司であるのに、若かったA君からよく、「技術が、わかっていませんね。」というようなことを言われた。腹が立たなかったというとウソになるが、A君は、そこそこ丁寧に説明してくれるし、言っていることが妥当で納得できた。が、日本の古典的な風土に育ったB君たちには、「抑えが効かない無能な管理者」だと、映ったのかもしれない。

「権威ではなく、正しい論理に従うのが正しい」ということが、日本では理解されないと言うことを、私は理解していなかったのだと思う。

私の失敗は、かれらが達成を感じられるような何かを長い間与えられなかったことだと思う。製品化でも、給料アップでも、学会発表でも良かった。製品化をしようと頑張ったおかげで学会発表が遅れてしまった。さらに、彼らへの状況報告と戦略の相談は十分ではなく、一体感が持てていなかったと思う。

B君が懸命なら、「優秀なA君に仕事をさせて、自分はA君から勉強もできて、楽をして給料をもらえるので結構なことだ。」と考えると思うのだが。多くの場合には、そうはならないらしい。これを、私は、最近、「悪平等の弊害」と考えている。

何故、年齢とか権威とか回りを気にする?)
子供の頃から、「お兄ちゃんの言うことにはしたがいなさい」「xxちゃんをご覧なさい」とか、回りとの相対で比較するように教育されているからではなかろうか。。

欧米がそうでないのは、キリスト教などの唯一神とも関係あるかもしれない。
が、顧客の絶対価値を追求し続けたSteve Jobsが、禅宗徒であり、講演でも、「一期一会」みたいな話をしている。

悪平等が会社をだめにする)
この悪平等主義が、日本の大企業を駄目にしている。
はっきり言ってしまうと仕事があまりできない人が、優秀な人の足を引っ張るのである。

情報セキュリティの管理体制にしても、貿易コンプライアンスにしても、事業計画の策定にしても、余計な仕事ばかり増やす。例を挙げよう。
  • よく仕事を理解していないスタッフが、50ページ以上にも渡る、だらだらと書かれた指示書を作成して、従わせ、仕事だけを増やす
  • 貿易コンプライアンスは米国の思いつきなどで、四六時中改訂されるのだが、これをまとめようともしない。まとめて見やすくするのがスタッフの仕事なのに、そのまま資料をwebに置くだけ。それに関連した教育も意味不明
  • いろいろ問い合わせても、本来の目的を全く考えていない。例えば以下である
駄目な会社は見込みがない)
これらに押さえを効かせるのが経営陣なのだが、自分たちの仕事は経営だと思っているのか、会社システムを変えようとはしない。経営がうまくいかないのには、会社システムの問題があるのがわからないのである。そして業績が悪いと、その場限りの経費削減をやって、将来に対する技術投資すらも減らしてしまう。

ここでは、経営陣たちが、スタッフが生み出した仕事の山に埋もれて考える時間がないように思う。

たとえば、スタッフは、2つの理由で組織をどんどんフラットにする。
  1. 新入社員の数がもはや増加しない。ないしは減少する。すると、ピラミッド構造が崩れる。管理者の数を減らして、人件費を節約する。
  2. 意思決定速度をあげようと、組織をフラットにする
ところが、これらが機能しないのは明白である。理由は、以下。
  1. 管理者を減らしたら、技術者に戻さないと意味が無い。ところが、技術者にはもどさない。一旦技術を離れた人間を技術者にするためには教育が必要。高給取りの技術者を育成しようという観念がなく、管理者だけが高給を取ると思っているので、年齢の高い社員の使い方が分からない
  2. 権限委譲、製品分野の整理統合ができていない状態で、管理階層を増やしたら、上位階層への仕事の集中がおきて、意思決定はますます遅くなる。それ以上に、正しい判断もできない。また、本来の経営の仕事である、経営判断や組織構造の見直しができなくなる
ここに手を入れないと、経営陣の「考える暇がない。スタッフの生み出した仕事の山をこなすだけて手一杯になる。」という状況から抜け出せない。末端が諫言しようとしても、幹部の回りには、従来の価値観にかたまったスタッフがいて、直接幹部には意見が届かない。太平洋戦争での大本営発表さながらの、はりぼての成功報告ばかり聞いている幹部は、「裸の大様になる」。

時間がないと、人間は何も考えられなくなる。上記のような、「北朝鮮体勢」になった会社には、「余裕を生み出せない非効率な会社システムを変えるのが最初に必要」ということを、気づかせる手段がもはや無いように思える。

そういう会社に限って、優秀な人が愛想を尽かして辞めていくと、「あいつは、面倒を見てやったのに。」とか、問題を勝手にすり替えて理解する。社員が辞められないように縛りをつけようとする。

海外留学で費用返済させる契約をするのは違法判例があるのだが、人事が、これすらも理解していない会社がまだある。以下のように、業務に関係ある内容での留学の場合、会社は社員に学費・生活費用の弁済は棄却されている。事前承認があってすら錯誤があるので無効とされている。業務に関係なく自由に選らんだ専攻の場合に限り、学費の弁済を認めている。

http://homepage3.nifty.com/tokyo-wind/hand/usstudy/compensation.htm

社員が辞めるのは、社員の性では無く、会社の性だと考えないとならない。

だめな企業は、日産のように外人がやってくるのか、新興企業に淘汰されるしかないと思う。そういう新興企業を育てることも無く、駄目な大企業を保護していると、グローバルな大競争の時代には、若者達が働くところが無くなっていく。





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