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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2012年4月29日日曜日

Googleの自動走行車


2012年4月29日日曜日:Asahi Web Ronzaの注目記事3本など。

にこの活動の母体であるGoogle Xを掲載したが、特にGoogleの自動走行車について、コメントしておきたい。

googleの自動走行車のプレゼンには、夢がある。技術がある。プレゼンが上手い。
 http://bit.ly/IkVjJp
以下に埋め込んだのでクリックしてご覧いただきたい。日本語字幕つきである。





プレゼンテクニック)

彼、Sebastian Thrunは、グランドチャレンジでStanford大の自動走行車の開発をリードし、成功させた人物で、StanfordのPhDを持っている。http://bit.ly/Ie1EUy  
でも、そんなことは一言もいわず、「まだ、この技術は開発中なので、中間報告ですが」とGoogleの自動走行車を紹介している。彼にとって、肩書きや過去の実績はどうでもよく、今有る技術の可能性が重要なのだと思う。だから4分という時間に必要なことが詰まっている。

つまり

  1. 何を実現したいか
  2. これまではどうだったか
  3. 今どこまで完成しているか
  4. 完成度のデモ
     公道を22万キロも走っているが、だれも自動運転と気づいていない。
     ひととすれ違い、クネクネのロンバートストリートを下り(笑をとる)
  5. これによって実現される、事故のない、時間のロスのない、エネルギーのロスのない未来の紹介

となっており、ムダがないのである。自分の経歴とか、会社の紹介など入る余地がないのである。日本で類似のプレゼンがあるとどうなるのか考えていただきたい。

  1. 会社の紹介
  2. 自分の輝かしい経歴
  3. すばらしい完成度を実現する要素技術の紹介
  4. 売り上げの予測
となってしまったら、同じモノでも色あせて見えてしまう。


日本の企業や研究機関でこういうプレゼンをやれるところはどこかあっただろうか。Intel IDFでの幹部のプレゼンも上手でした。IDFは、http://intel.ly/IdZx3b にビデオがある。是非ご覧ください。会社幹部にはこう言う能力は必須だと思う。

受賞歴)
  かれは、39歳で the National Academy of Engineering に選ばれ、2011に、Max-Planck-Research Award、 the inaugural AAAI Ed Feigenbaum Prize. the fifth most creative person in business in the world.にも選ばれている。

そろそろ死にそうな年寄ばかりに与える賞と、ノーベル賞をとったら慌てて与える賞ばかりの日本とはエライ違いである。
若者イジメばかりしていないで、優秀な若者をもっともっと引き立てて、目指す目標を作らないと、だれも頑張らなくなる。


iPhone4そっくりのAndroid機『GooApple 3G』


週アス http://bit.ly/IxEopv に「恐るべし中国! iPhone4そのもののAndroid機『GooApple 3G』に触った」という記事がある。まさにiPhone4そのもののAndroid端末である。
一つだけここから写真を引用する。



山寨手機(さんじゃいき) http://bit.ly/IxEkWE  と呼ばれているものである。

冒頭のリンクを見るとわかるが、Androidなのに全くiPhoneとおなじアイコンの画面を作っている。モノマネでも、ここまでやれば立派である。
以下にあるように日本語ももちろん対応しているし、動作も快適。
わざわざ、ここまでそっくりにアプリを作る必要がないのに、作り込んでいる。
既存のAndroidマーケットにそのまま乗っかっている、日本のメーカ製品とは気合いの入れ方が違う。以下に埋め込んだのでクリックしてご覧頂きたい。



Goo Ap3Gの起動画面も茶目っ気たっぷり。以下に埋め込んだ。




日本のIT産業が弱くなったのは、こういう開き直りがなくなったからかも。。とにかく、このモノマネパワーを改良や新技術に展開し出すと、何がでてくるかわからない。

とにかく、これは買いだなと思い。。Amazon.co.jp http://amzn.to/IxF2TI を見たが、売り切だった。秋葉原でも売っているらしい。

とにかく怪しい商品には変わりが無いのでいつ摘発されて販売中止になるかわからない。希少価値がでるかもしれない。。

蛇足)  
モノマネも一つの戦略である。モノマネによって、週アスもこの製品に注目し、amazon.co.jpでは売り切れである。つまり無名な会社の初期マーケッティングに成功している。
それを成功させるために、iPhoneそっくりのAndroidアプリまで開発している。おちゃめなロゴとかアニメも考え出した。そして性能も悪くない。ここまでやると、普通のマネとはちょっと違っている。少なくとも勘違いを誘うために、iPhoneにまねてoPhoneと名前を付けるようなたぐいとは違う意気込みがある。
次に何かスゴイモノを投入してきそうな気配すら感じる。

日本の自動車も最初はモノマネだった。韓国もそうだった。モノマネには「徹底して学び、真似る」という高い技術が必要である。
そして、それに改良が加わると変わってくる。中国と日本では、改良に対するセンス(つまり、お客の心を読み取る能力。日本人の美徳)が違うだろうが、だからといって侮れないと思う。この美徳は日本人がどんどん失っているようでもある。
「敵を甘く見る」というか、「自分に都合の良い言い訳をまず考える」のも、最近の日本のダメなところ。

Asahi Web Ronzaの注目記事3本など。

朝日新聞のweb ronza http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/ は、大学の先生等の有識者が寄稿しているが、非常に鋭い、良い指摘が多い。いくつか抜粋したい。月735円で、全ジャンルが購読できる。旧態依然としたマスコミの記者が、いいかげんな情報から記事を書いている、へんてこな週刊誌を買うよりもずっと良いと思う。

■  利害にもとづいた議論は「熟議」とは言わない - WEBRONZA+政治・国際 - WEBマガジン - 朝日新聞社(Astand))← クリックすれば記事に飛びます。

こんな馬鹿げたことをやっているようでは、日本は完全に取り残される。とにかく、利権保護で頭が凝り固まったオヤジどもを何とか放り出さないと。。(この記事を書いたのも、私もオヤジであるが。。)

抜粋すると。

「もっとも、決定直前で抵抗が大きくても結論を変える気は毛頭ないので、「丁寧に」「時間をかけて」というのは、ひと呼吸おくテクニックを言うようだ。」

「自分の利害とは別の次元に立つことによって、あらたな議論が展開するのが熟議である。つまり、「金儲けより人命」という規範的な立場にいたることだ。仮想的にであれ、当事者すべての利害に適う立場にいたることだ。」「経団連のTPP推進はごり押しで、農協議員の絶対反対はただの守旧だ。」

「熟議のもうひとつの条件は、フェアな妥協への用意である。フェアな妥協とは足して2で割ることではない。真ん中を取って、50基ある原発の半分を止めることではない。フェアな妥協に必要なのは、自己の利害ではなく、他者の利害を尊重することだ。」

■ クルマ産業は電機の二の舞いにならないか?
抜粋すると。

「EVはモジュール化した「電気製品」であり、パソコンやTVと同じ類のものとなる。日本のクルマ産業が築き上げてきたガソリンエンジンの技術はほとんど必要ない。すると、EVの時代が到来したら、トヨタなど完成車メーカーにガソリンエンジンの部品や材料を供給している膨大な数の中小企業がビジネスを失うことになる。」そして、低速EVは、本体価格も運用費用もガソリン車より安い。いわゆる破壊的技術になりうる。


「一方、EV用のリチウムイオン電池の価格が高く、重く、1回の充電で走れる距離が十分でないことから、2020年どころか2030年になってもEVは10%も普及しないという反対意見も多い。だから日本のクルマ産業は安泰というわけだ。

本当にそうか?

京都大学経済学部の塩地洋教授の研究によれば、中国の山東省でとんでもない事態が起きている(『中国自動車産業のボリュームゾーン』昭和堂)。クルマ統計には現れてこない新たなカテゴリーの電動車が相当数、普及しているのだ。それは、最高速度が時速50km程度であることから、低速EVと呼ばれている。

低速EVは、高級なリチウムイオン電池ではなく鉛蓄電池を使うことから、1回の充電で50~100kmしか走れない。乗り心地も悪く、安全対策も不十分である。しかし、ナンバープレートなし(届け出なし)、よって税金なし、免許も保険も必要なし、ランニングコストはガソリン車の10分の1。何より価格が10万~50万円と激安なのだ。」
 日本車は強いがあくまで、改良技術である。昔でいえば、衝突安全やABSなどは全て欧州発。
現在もディーゼルの改良もほとんどが欧州車発である。日本が、ストイキ燃焼と3元触媒ばかりに注目してNOx削減をやっている間に、欧州では尿素SCRに、粒子物質削減にはDPFに取り組んでいる。またガソリン車でも、一つ先のノンスロットルエンジン http://bit.ly/IxsOL0 を実用化している。三菱があきらめたリーンバーン直噴も、欧州では吸気時直噴として別な価値を見出している。(このへんはまとめてblogに掲載したい) 
EVにしても、BMW, VWなどの取り組みは、一つ先を行っている。たとえばVWの1Lカー http://bit.ly/HZcfGv ミシュランのアクティブホイール http://bit.ly/Ixt3FX というものもある。
 車はすりあわせ技術なので、チューニングが重要であるが、欧州・米国と違い、日本では開発中の車を公道で試験することができない。それでもすりあわせをやってきた自動車業界の人には脱帽であるが、現行のToyota Priusを走らせてみると、やはりtuning不足を感じる。3代目であるのに、ECU(制御コンピュータ)のハイブリッド制御に未熟さが目立つ。http://bit.ly/tccLlo に書いた。


10%ではなく10倍で考える―Moonshot thinking
抜粋すると。

「ものごとは10%変化させるより、10倍変化させる方が、実は簡単だし、本質的な解決につながる」。これは、2月1日から3日間、サンフランシスコ郊外のゴルフリゾートCorde Valle Rosewood Resortを舞台に、開催されたSolve for 〈x〉というGoogle主催のワークショップでの合言葉の一つだった。」


ここで言われているのは、Google Xという革新研究所の発表である。
 http://bit.ly/Ie3Uez に紹介がある。

あまりに画期的な、自動運転車もここでやられている。以下の埋め込みをご覧いただければ、革新性がわかる(これについては、ここでおまけで触れるには余りにもったいないので、別記事に再掲しつつまとめたい)





ARメガネhttp://bit.ly/Ie42e6 以下にあるデモビデオもhttp://engt.co/HprHwh きわめてわかりやすい。埋め込んでみたのでクリックしてご覧頂きたい。


Space elevator http://bit.ly/Iuc1Y0 も、web of thingsも http://bit.ly/Iuc6Lc ここで研究すると宣言している。

「日本でこの手の議論をすると、面白いアイデアであっても、すぐに「経産省が動いてくれるとやりやすい」とか「文科省に言ってみよう」とかという発言が飛び出しがちなのとは対照的だ(いつもそういうことを言い出す人が居るわけではないが……)。そういう観点からは、非常に前向きで、元気になるワークショップであった。」
 Stanford大の建物や研究への投資にしてみても、ほとんどが民の活力で行われている。本当に日本と対照的である。

「ハイリスクなことには変わりない。しかし、チャレンジなくして成功はないのである。そしてこのようなチャレンジが活発になされる米国の産業界は、底堅いということである。」 大きな成功が欲しければ、日本もリスクを取って欲しい。
以下 私の感想。
でも、日本は、改良技術に優れているので、ものまねで低いリスクでこなすこともできそうです。今、日本が上手くいかないのは、腰が据わらないからかもしれない。
そのうちblogにまとめたいと思います。うまくいっている会社はそういうことは無いだろうが、調子が悪い会社には、楽して大きく儲けようという人が、どうも増えているように思います。豊かになって、甘くなったんだと思う。特に年寄り達が。。
日本のやり方で強い企業にはYKKがある。
YKK)
http://bit.ly/IkdFcN によるとYKKの国内シェアは95%、世界シェアでも45%とダントツトップ(2位、3位のシェアが7-8%)。でも、最初は、米国製品をみて、吉田はこの時のことを後に「……アナがあったら入りたいとはこのこと。まったく目から火が出るような思いがしました」と振り返っている。
それを、ここまでにした。是非、研究して見習いたいものである。

 YKKの戦略性には注目すべきモノがある。http://bit.ly/IkdFcN 「この「需要がある場所での生産」に加え、YKKの生産戦略として特筆すべきことは、ファスナーの生産機械をすべて内製化しており、その機械はどこにも販売されていないということ。アメリカでも中国でも、世界60カ国以上にあるYKKの工場には同じ機械が配備されている。24時間無人化され、ボタン一つで制御できる高性能マシンを配備した工場は、他社から見れば、ブラックボックスのようなもの。逆にいえば、YKKは工場そのものをブラックボックス化し、独自の技術や製品のクオリティを守ったからこそ、世界のYKKになったともいえる。」とある。
半導体産業は、製造装置を装置会社にゆだね、結果育てた技術が海外に流出した。自動車や携帯も中国で類似品が出回った。http://bit.ly/J6bW70 には、液晶、ソフトウェアの技術流出の話がでている。「週末になると日立技術者が韓国旅行と称してSamsonなどに技術指導をして、研究中のVA型とIPS型の基礎、応用技術、研究中の新技術を全て教え来てしまったのが原因だ。」とある。真偽のほどは確認していないが、社員とビジョンが共有されておらず、技術を持つ社員の扱いが悪いと、金を積まれたときに、こういう行動にでてもおかしくは無い。

中国・インドの労働力が安いからと、そこでプログラミングさせれば、技術を盗んでくださいといっているようなものである。半導体を復活させようとか言っているが、以前の失敗をちゃんと解析しないと、また元の木阿弥になる。
さらに気になるのは、「羮に懲りて膾を吹く」のが最近の日本であること。技術流出がいけないとなると、なんでも秘密にし始めるかも。
その性で、open innovationというグローバル連携に逆行する可能性もある。
昨今の傾向として、中庸、妥協、落としどころが得意だったはずの、日本のバランス感覚が、なぜこんなにも失われたのか、不思議に思っている。平和ボケで、度胸がなくなった。肝っ玉が小さくなった。自分の保身優先になった。のかもしれない。 個人情報保護も以前はズルズル、いまはぎちぎち、著作権保護も以前は、社内でソフトを違法コピーしまくり、いまは、厳密すぎるくらいな管理体制。と、羮に懲りて膾を吹いている。

自民党の改憲案について

自民党が戦後はじめてとなる日本国憲法の改憲を目指している。
2012/4/27のNHKニュース http://bit.ly/IMv7py でも報じられている。
自民党のHPに改憲案がある。
http://bit.ly/Igi8PR である。下に示すように現法憲法と上下に比較表示されているのでわかりやすい。

物議を醸しそうな内容なので、すこし調べてみた。国民と議論して合意を得ることができないものを、全部憲法にして強制しまえという考え方がみられ、ものすごく短絡している。議論をして問題解決ができなければ、政治家としての存在意義はない。
議論になっているものを、全部憲法に突っ込んでも、到底国民投票での賛成は得られない。どういう戦略をもってこんな改正案を考えたのか。全く理解に苦しむ。

米国憲法 http://bit.ly/JKMLOe のように、修正条項を追加できるという規定だけの修正にして、修正条項を一つずつ議論しながら憲法を改正していったほうが、現実的なのではなかろうか。

はじめに)
自民党の改憲案では、国歌や国旗も憲法で保障して変えられないようにしているが。米国憲法でも国歌や国旗などは規定していない。元号にしても憲法で定めるべきではないです。かなり妙な改憲案である。

憲法というものは、国や強い者が、法で弱い国民をいじめることがないように抑制するための基本ルール、最高裁判所が三権分立で立法と行政をコントロールするためのよりどころだと思う。だからこそ、国会ですら、簡単に改正できなくなっている。

これと全く逆のことが、改正案に新設された102条 「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」で言われている。
これが分からない政党が憲法改正を云々するのは論外中の論外。義務教育を受け直した方が良いほど低レベル。。

日本は司法消極主義(憲法の番人であるべき最高裁すら、選挙で選ばれたと言うことで国会の決定を重視する)ので、三権分立が成立していない。

司法積極(消極)主義:  http://bit.ly/9M7tbx 米国、韓国は日本と反対に司法積極主義である。

もはや憲法はどうでもよいのかもしれない。。。だからこそ、憲法九条 http://bit.ly/Rr5IKq があっても、自衛隊という兵力を保持できたように思う。
まずそれを直さないと、ヒットラーみたいな人間がでてくると、またも国民意思を無視したままま、戦争に突入しかねない。

他にも)
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm
に対比したコメントがある。これを見ていただいても、本来有るべき憲法ではなくて、非常にきな臭いことがわかる。

改憲要旨は以下のようになる)
  1. 天皇は日本の元首である。
  2. 国旗は日章旗とし国歌は君が代とする
  3. 元号を制定する
  4. 天皇が国民のために、内閣の進言にもとづき国事行為を行う(なんだか、この進言というのが、天皇主権のようで怪しい。。)
  5. 国防軍を配備する
  6. 武力による威嚇および武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。前項の規定は自衛権の発動を妨げない。内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。国は、領土、領海および領空を保全し、その資源を確保しなければならない。
  7. 自由および権利には義務が伴い、公益ならびに公の秩序に反しては成らない
  8. 14条 国民は障害の有無では差別されない(これは良い条項である)
  9. 15条 公務員を選挙で選ぶ場合は、日本国籍を有する人の投票による
  10. 宗教の自由。宗教団体が政治上の権力を行使しては成らないという条項が外された。国ならびに地方自治体の宗教活動には儀礼によるものは除外される
  11. 21条 表現の自由。公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない
  12. 24条  家族は、社会の自然かつ基本的な単位として尊重される。家族は互いに、助け合わなければならない
  13. 28条 公務員の権利の制限
  14. 18条「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」がまるごと削除されている。つまり徴兵制が可能になる。
  15. 102条 「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」れは、全く逆であり、憲法の理念を理解していない。憲法というものは、強い者、特に国会が自由に立方できるため、それで弱い国民をいじめることがないように抑制するための基本ルールであり、だからこそ、国会ですら、簡単に改正できなくなっている。これが分からない政党が憲法改正を云々するのは論外中の論外。
  16. 憲法改正は国会の過半数ならびに国民投票における有効投票の過半数
  17. ほかにも随時追記していく
根本的な間違い)
自民党の保守主義者たちは、憲法に道徳を盛り込んだり、国歌規範を入れたり、個人の権利の制限をいれようとしている。
wiki: 憲法 http://bit.ly/1qA45ts にもあるように、憲法は、「国家権力の組織や権限、統治の根本規範(法)となる基本原理・原則を定めた法規範」をいう。
つまり、憲法は強いものである国の暴走を押さえるための法律で有り、なのに、国歌、国旗を定め、元号の使用を規定したり、「国民の人権は時に制限される」とか書いたり、個人道徳やら、個人の人権制限を記載している。

もはや政治家とは思えないような狂った思想、ないしは、政治が分かっていない人が居るのが、自民党のように思う。自民全員が.. とは思わないが、このような憲法草案をだしてくるようでは、とても一党独裁状態にして大丈夫と思えるような政党ではないと思う。

個別問題)

大きな問題は6,7, 11,14であるが、上から順番に検討していく。

元首) これは、大日本帝国憲法のように天皇が日本を支配するという意味ではなく、国事行為を誰が代表として行うかということである。
イギリスは立憲王国であり、エリザベス2世が元首である。http://bit.ly/IgiSV7
http://bit.ly/IgiAxA には、元首は必要がないという意見と、実質的に象徴天皇でも元首として見なしているという意見の双方がある。

元首をどうするか以前に、男子継承をなんとかしないと困ることになるだろう。女ばかりの宮家なので、姫が嫁げば、宮家は全部断絶する。対策としては、以下がある。
  1. 女帝を可能にする
  2. 女性が嫁いでも宮家を継続する
  3. 断絶した宮家には男性が結構いる。 http://bit.ly/HO75h3 これを復元する。
1には根拠のないY遺伝子継承説があったり、物議を呼びそうである。Y遺伝子については直接関係ないので末尾に書く。

また、現在の宮内庁は、英国王室に比べて、途方もなく金をムダに使っている。これに関しては後日議論したい。

国旗・国歌)
米国は、ナショナリズムが強く、「米国 is ナンバーワン!!!!」の思想の変な国だが、憲法は、合衆国のシステムの定義と、自由を保障していると思う。http://bit.ly/JKMLOe
なので、合衆国憲法には、国旗、国歌に対する規定はない。http://bit.ly/JKKPW8 そんなの憲法で規定するものじゃない。

米国のナショナリズムに関しては以下に書いた。

2012年1月18日水曜日: America is number oneはうざい

TRONでも、スーパー301条でも、トヨタバッシングでも日本はヒドイ目にあっているのに、それに対処できていないのは政治家(正確には外務省)のふがいなさである。それを放置しておきながら、国旗・国歌を制定sも機能しないと思う。

ちなみに私は国旗・国歌に関して調査した結果、以下のように考えている。

2012年1月2日月曜日: 世界各国の国歌 - 君が代に誇りを

元号)
このグローバルな時代に、元号は非常に不便である。政府が公文書に強要するので、私文書にも使う企業がいる。そもそも、憲法で規定するようなものでは無い。反対理由は以下の通り
  1. 国民の総意であるべきなのに、全く説明も議論もなく、政府の一存。
  2. 本来、任意利用であるべきなのに、公文書に強制するのはケシカラン。それをマネして、会社など私文書でも使い出す。
  3. グローバルな時代に反している。
  4. しょっちゅう変わるので計算がしにくい。
  5. 昭和生まれの人は。。平成生まれの人は。。と、年齢差別感情を生む、原因になりかねない。(ま、西暦でも1980年代生まれとか、いいだすので、大した差ではないですが。。)
中国も西暦を使っているし、韓国も西暦を使っている。
台湾では、民国起源 http://bit.ly/HCwTJb が使われている。ただしこれは和暦と違ってしょっちゅうは変わらない。
国粋主義と思える中華人民共和国では、西暦である、これは共産主義が従来の政権システムを否定する、世界のスタンダードであるという観点であるかも。
韓国でも、http://bit.ly/HCxr1K 西暦が用いられている。http://bit.ly/HCxyu4

天皇が即位したときに年号がかわるので、同じ年が昭和と平成になっているのだと、台湾の友人に説明したら驚いていた。ま、そのわかりにくさが日本らしさだといえば、それまであるが。 平成:http://bit.ly/HCxZot

和暦 http://bit.ly/SVNHST 1989年1月7日までは昭和64年で、1989年1月8日から平成元年である。なので、1989年生まれのひとには、昭和64年生まれのひとと、平成元年生まれのひとがいる。
昭和元年なんて、1926年(昭和元年)12月25日から6日しかない。日本の伝統とはいうものの、しょっちゅう変わるし、わかりにくいことこの上ないので、書類上は全部西暦にすべき。

年号が変わると役所の書類入れ替えのコストも馬鹿にならないらしい。カレンダー屋も大もうけらしい。
軍備)
これが一番怪しい。有事に使えない自衛隊をまともに使えるようにしたいのは理解できる。が、ここの規定はよくよく考えたい。
「前項の規定は自衛権の発動を妨げない。内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。」「9条の3: 国は、領土、領海および領空を保全し、その資源を確保しなければならない。」とある。これは、領空・領海侵犯したら撃ち落とすという宣言でもある。ヘタをすると隣国と戦争である。。。戦争をするのはしょうが無いとしても、今の日本にはそれを完遂できる指揮系統もその後の外交をおさめられるレベルの政治家はいない。

「国の交戦権は、これを認めない。」という現憲法の条文を、「武力による威嚇および武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」とかなり緩めている。

武装をゆるすと、自衛という名目で何でも出来る。極端な例であるが海外の大使館内は国際法上自国領土 http://bit.ly/IglbYk なので、そこへ領土保全という名目で軍用機を飛ばすことも可能。ま、邦人救出としては嬉しいが、当然日本の軍がやってこれば交戦状態になる。
海外には派兵しないとはないので、海外の領土を守るためにという名目で戦争もできる。
13条には、国防軍の裁判は、軍内に裁判書を置くとなる。軍事法廷である。当然軍の機密は別に管理されることになる。

ともあれ、どのように憲法を変えても、日本の米国に対する外交姿勢は変える必要があると思う。以下に現状について解析した。

2012年1月3日火曜日: 日本は米国の属国なのか? - 防衛費の使い方の不可解

公の秩序)自由や権利には義務が伴うのは当然のこととしても、公益ならびに公の秩序に反しては成らないというのは、国家による用地収容や強制執行の強化に繋がりうる。その後ろの13条でも、現憲法の「公共の福祉」を「公益ならびに公の秩序」に変更している。(米国憲法ではどうなっているのだろうか。。後に調べてみたい)
 21条にある、「公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない」は、政府転覆と見なされれば、表現の自由を束縛するということである。まさに中国や北朝鮮のような情報統制を許すことになる。
米国憲法でも表現の自由と、結社の自由は保障されているが、国家としては、国家の保全を図りたく、米国でもこれは抑制されてきているとある。http://bit.ly/Jirbd9 が、あくまでも憲法という抑止手段があれば、バランスが保たれるのであり、一方的に力をもつ国家の暴走を禁止するための憲法で、これらの自由を奪うことには、問題が多いと考える。
選挙権) 
公務員、すなわち、中央、地方を問わない議員などの選出は、日本国民以外には投票権がないことを明言している。いま議論になっているものを、なし崩しで、日本国民に限定することになる
憲法改正)
憲法の改正規定も、「各議院の総議員の3分の2以上の賛成。国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」とあるのを、「衆院または参院の議員の発議により、両院のそれぞれの総議員の過半数の賛成で国会が議決、国民投票で有効投票数の過半数を得る。」投票数をあげる必要がないので、無関心な人が多ければ憲法は簡単に改正できるわけである。

男系相続とY染色体の関係)
性別を決めるX,Y染色体とY染色体が男親からだけ引き継がれることについては http://bit.ly/HN8fnJ にある。が。Y染色体は変異しやすいし、そこで渡されるものが性別を決めるが他の遺伝的形質に対してどれだけ影響があるのかは、不明。

NHKの元キャスターの磯村尚徳、松平定知、二人は従姉妹なので似ているのはわかるが、ご先祖さまの徳川家康にも似ていると思う。ということは、家康の肖像画はかなりリアルだったということか。。(以下写真)

ところが、http://bit.ly/ItIYzQ にあるように、磯村キャスターは、母方で松平家に繋がっているので、男系直系ではない。さらに、上記URLの下や、(久松松平家) http://bit.ly/ItJii4 にもあるとおり、 徳川家康と松平家は、伝通院 つまり家康のお母さんでつながっているので、この3人はY染色体は全く別物である。ということで、上記写真をみて男子直系の肯定をするのは、全く根拠のないことである。

天皇家が本当に男子直系なのかについては、http://bit.ly/ITlDKl に説明がある。とにかく血の繋がった男子で繋げてきているので、Y染色体は引き継がれている可能性がある。が、この効果は上記のように不明。Y染色体が発見されたのが、1905年 http://bit.ly/HN8fnJ である。子供は母親が育てるので、母親の居心地が良い母系の方が自然である。にもかかわらず男系をとっている理由として、Y遺伝子の保存を関係づけた説も多々あるが、結局の所、闘争的で権力者になりやすかった男性のわがままなのか思い込みに過ぎないように思える。

終わりに)
このような改憲案を出してくる自民党は、どうかしている。
民主党は、昨今大臣の幼稚な失言をして、続々辞任しているし、北朝鮮ミサイル発射対応も、原発問題の対処も無策である。そろそろ日本の政治家は総取っ替えする時期なのかもしれない。
国がだめなので、地方の政治にまともな人が流れつつあるのかもしれない。地方から国を変えろ、そのほうが、妥当かもしれない。

2012年4月27日金曜日

汎用simulator NetLogo

汎用のsimulationツールとして、無料のNetlogoというツールがある。これは大変面白い。

http://ccl.northwestern.edu/netlogo/ から入手可能である。
NetLogoのホームページはこちら。http://ccl.northwestern.edu/netlogo/index.shtml

メイルアドレスと名前を入れる必要がある。
Mac用とWindow用がある。2012/4/26時点の最新版は、5.0.1である。
3次元モデルもつくれる、3Dという版もあるが、以下は通常のNetLogo 5.0.1での実行例である。

インストールして、使い方は、以下のようになる。
自分でシミュレーションを設計することもできるが、まずは、沢山あるパターンを実行してみるとよい。やり方は、
  1. File->Model Libraryから適当なものを開く
  2. setupをおして、初期値をセットアップ
  3. Goボタンを押す
  4. もう一度Goボタンを押すと止まる
以下に、Model Librayを開いた様子を示す。とにかく最初からいろいろなシミュレーションモデルが用意されている。
Model Libraryの一覧 - とにかく沢山ある
ライフゲーム(セルラオートマタ)、ネットワーク中を伝わるvirus、などさまざまなサンプルがある。

以下では、参考として、交通渋滞シミュレーション (Social Scienceの中の、Traffic basicである。)の画面キャプチャを示す。

ルールは簡単で、前の車がいなくなるとaccelerationの比率で加速し、前の車が見えるとdeaccelerationの比率で減速する。この比率と車の量はスライドバーを動かして変更して、setupボタンを押すと反映される。これはgoを押してsimulationを動かしたままでも反映される。

codeのタブを押すと、コードが見られるが、とてもシンプルに記述できている。ボタン等も簡単に追加できる。
いろいろいじってみると面白そうなツールである。

車の台数が区間内に33台のとき。グラフに赤い線で赤い車の速度の変化と、全部の車における最高と最低速度が示される。赤い車は自然渋滞で動いたり止まったりしている。
動いている画面をみると、渋滞の位置は段々と後ろにずれていく。

もうちょっと車が少ない(区間内に21台)のとき。速度グラフをみるとわかるように赤い車が渋滞でそんなには止まらない。渋滞があるスレシホールドを超えると一気に起きるのがわかる。
おもしろいのは、これである。decelertionを0にすると前の車にくっついても減速しないので、連結した電車状態になって、最大車両数にしても性能が落ちない。グラフの真ん中当たりである。ところが、少しずつdecelationをあげていくとグラフ右のような振動を起こし出す。最低速度が割と上がるかわりに最高速度が落ちてスムーズに流れ出すかと思えると、また悪化する。


2012年4月23日月曜日

自動車の空力特性(Aero Dynamics)

空力係数の比較)
 各社の前面空力計数Cd (drag coefficient)の表が、http://bit.ly/HZargP にあります。Cdは、無次元数(単位が無い http://bit.ly/Ie2IWK)です。
Cdに前面投影面積A を掛けたモノが空気抵抗計数になるので、下にあるCdA値が本当の空力抵抗になります。
 CdA値をみてわかるように、トヨタプリウス(2代目)のCdAは、Porsche 911 carrera並です。1992 BMW325iよりは若干良くなっています。Twike は、人力自動車みたいですが、Loremo http://bit.ly/HZbXzl やVWの1Lカーhttp://bit.ly/HZcfGv は、デザインにも象徴されるように驚異的なCdAとなっています。
 上の表にあるCdだけで比べてしまうと、スポーツカーといわれる車には、むしろCdが悪い車も多いようです。特にF1はダウンフォースを生むためにCdがきわめて悪くなっています。

 また実際の抵抗は、http://bit.ly/HZeppE にあるように、車速の2乗に比例して増えます。なので、速度をあげたら、CdAで稼いだ利得はパーになります。また、ここにあるように、タイヤの転がり抵抗は、車重が増えると増えるので重い車は不利です。横風安定性的には重心が低く車重の大きな車が有利なように思います。

自動車の走行抵抗に関する考察)
 http://bit.ly/HZeppE から考察してみる。
これはまたあとで。。。


エンジンの効率向上)
  これもまたあとで。

2012年4月22日日曜日

時代に合わせてシステムを変えられない日本

日本は、時代に合わせてシステムを変えられないように思う。
少子高齢化に対する施策もあるのに、全く思考が停止しているように思う。これは今後書いていきたい。

この点、米国の新聞王ハーストはちょっと違う。いや違いすぎる。60歳をすぎてから、理想の家を建て始め、そこでは、最新の技術を沢山導入している。文系だと言うのに、理系の技術をちゃんと理解している。。

2012年1月24日火曜日: 新聞王Hearstに学ぶこと


西洋人の発想の豊かさの源泉)

モノマネではダメなのか)

クリエイティブで新発想が無いとダメか。。損なことも無いと思う。ただ、それに思いが行かないのは、やはり思考が停止している。以下に書いた。

日本の歪み)日本の問題は以下のように各所に歪みが噴出していると思う。働き過ぎ、がむしゃら、周りを見る余裕のなさが一つの原因に思う。

長期的には教育をかえる必要がある)
以下などにまとめた。



2012年4月15日日曜日

本ブログエントリの整理

私のblogには、以下が混在している。
ガジェットネタ) iPhone、PC、Mac、デジカメ
自動車ネタ)
宇宙・ロケットネタ)
地震)
建築)
IT研究トピック)
社会学ネタ)  政治・文化・経済:  日米比較、TPP、原発問題、国益

が混在している。つまり、「まとまりがない」「浮気性である」

今でも参考になるものを整理して、ここに列挙しようと思う。
以下の色のついた部分をクリックすれば本文に飛べる。

まずは自動車ネタから)
自動車ネタ)
最初の頃はプリウスに相当入れ込んでいたが、モータファンイラストレーテッドなどを買い出してから、車の技術に興味を持っている。まだまだ、書きたいことが沢山ある。そのうちに書いていこうと思う。特に、雑誌で調べていると、燃費向上のためには、小排気量、2気筒、ターボ加給がよいと思えてきたので、それを書きたいと思っている。

2012年4月8日日曜日

日本は批判嫌いだが、これでは進歩しない

日本人は批判が嫌い)
 日本人と米国人を比べると、日本人はネガティブコメントが嫌いなようである。

昨年、たしかStanford大の研究発表でweb関係調査発表があった。
日本と米国を比べると、amazon.comとかの論評でも米国はかなりネガティブな方向に傾き、そちらの受けがよい。米国のほうが一般に評価が長いものが高評価である。
(日本人は最近長文が書けないばかりか、読めなくなったということを反映しているのかもしれない。)

偏った例であるが、同じ電池のEneloop 単4。
日本は、http://amzn.to/HXGE8u 一方米国は、http://amzn.to/HXGQo8 。
Amazonの場合、評価が高いreviewが先頭に来るので、どういうレビューに人気があるのか分かる。ネガティブな論調のモノが米国では上位に来ている。
それ以前に、米国はレビューがどれもバカ長い上に、かなり定量的・科学的なように思う。

もうちょっと評判の悪いモノで比べると。Appleの45W電源アダプタ(Mac book Air用の45W)。まがい物が沢山でている。
米国のものはだいぶ値段が高いので純正かもしれないが。
米国 http://amzn.to/HXKmir と米国のほうが低評価が多く、低評価のものが上位を占めている。

学会発表での結果同様、やはり、米国はネガティブコメントに評価が高いように思う。

批判は悪か?)
  日本で問題点を指摘して、「こう改善しましょう」と言うと、「文句や言い訳言ってないで数字だせ!」という人がいる。建設的進言でも、自分のことを言われたら、「文句が多い!」となる。

批判はやめろといったら、反省もできなくなる。そりゃ、全部自己反省できるならそれに超したことはないが、所詮、自分から見た世の中はバイアスしている。
問題を検討した当事者たちの視点もバイアスしている。なので第3者から意見してもらうのには、かなわないと思う。批判をするなというのは、反省をしない。やりっ放しにつながりうる危険な発想に思う。
非建設的な意見を言われたら反論すればよいわけで、
「批判は沢山だ」というのは、答えに困るようなことを言われたとき「納得しました」と言っているようなモノかもしれない。そういう切り返しかたをしたら、進歩はしない。

沈黙は美)

2011年12月12日月曜日: 沈黙と発言: 日本と米国を比べると

に書いたように、日本は沈黙は美というのがある。ところが米国は、言うことが美。知っていて黙っているのが一番悪い。


相手の人格に触れる)
議論するときにはテーマだけを議論すれば良い。なのにすぐに、「あなたはいつもxxxだ」「あなたの言い方はyyyだ」となる。
それに、性格について云々されるのは、だれでも気分が良くない。ましてや、親でも家族でもない他人に性格のことを言われたら気分を害する。誰でも自分を守ろうと防戦に入る。相手の人格について議論したいのなら別だが、多くの場合には、それは余計なお世話という分類に入る。
あくまでテーマに対してのみ意見するべきである。


上から目線)
 「おまえに教えてあげるんだぞ。」という論調があると上から目線というらしいが、米国にも、偉そうなという概念はある。http://okwave.jp/qa/q5744647.html が、日本人の嫌う上から目線とはちょっと違うかも知れない。
 米国人のほうが権威志向は低いのだろうか、議論をするときに、米国人は「おまえはなにも知らないくせに」という雰囲気を出す人は少ない様に思う。それ以前に、双方が先に「どこが聞きたいのか」「これから何を議論するのか」と論点を先に明確にするように思う。それに対して見解を言うなら上から目線にはなりにくいと思う。

ウンチク)
そうかと思うと、日本には、「ウンチク」という概念があって、宴会とかで聞きたくもない情報をひけらかす人もいる。「ウンチク」と上から目線とどう違うのか、よく分からない。同じ意見でも、引いた感じで言えば、「ウンチク」となり許されるのであろうか。
http://bit.ly/HqBFZX にウンチクの一覧がある。どうでも良い知識なら「ウンチク」なのだろうか。「トリビア」ともいうかもしれない。
米国人がウンチクをいうのか、よく分からない。日本よりもオタクは少ないと思うが。

他人任せで責任転嫁をする日本)
 一方で日本人は自己責任というよりもお代官様任せ。困ったことがあると、「だれか大人物はいないか」となったり、不都合がおきると誰かの責任にしようとする。一方、米国やカナダは結構観光地でも断崖絶壁の危険箇所に柵がなくて、注意してくださいとしか書いてなかったり自己責任の部分が多い。

上手に謝れない日本人)
 米国人は議論はするし、文句は言うけれど、誤るときにはスパッと誤る。が、日本人は結構、言い訳が多い。言い訳をしたりウソをつくと、どんどん苦しくなっていく。
大体、過ぎてしまったことをいつまでも責める人は少ない。しらじらしい嘘をつくから怒りを招き、許してもらえなくなるのである。悪いと思ったらスパット謝るのが一番である。
国会議員のやる謝罪会見は、いつも反面教師である。なぜ、日本では、人間的にどうしようもない人間ばかりが議員になるのだろうか。
まとめると)
日本のバランス感覚は米国と違う。

米国では
  1. 批判は善
  2. 意見することが善
  3. 自己責任で責任転嫁はしない
  4. 悪いことはスパット誤る
日本では
  1. 批判は悪
  2. 沈黙は美
  3. お代官様まかせで責任転嫁
  4. 誤るときに言い訳をする
日本の組み合わせでは、あまり進歩が見込めないように思うが、どうであろう。

東北に遷都しよう、公務員を削減する前に議員も減らそう

東北遷都)
東北復興に国費を大量に投入する。
ならば、この際、首都を東北に遷都したらどうであろうか。

メリットは。
1. 復興費用と遷都費用を兼ねられる。
2. 東京一極集中を回避し、東京の生活コスト高を下げられる
3. 東北復興の活力になる
4. 今回の地震で地殻エネルギーが大規模に放出されているの
で、地震エネルギーが残っている関東や東南海よりも安全
5. 議員や官僚にとって、東北復興や福島対策が他人ごとではなくなる
6. 利権誘導で遷都の行き先はなかなか決まらないが、
地震で復興が必要な東北であれば、対抗馬が減る
7. 今回の原発問題で御用学者の問題が取りざたされている。
東大と政府のつながりを切る意味でも、遷都は良いかもしれない。東京の大学の先生達は、産業界との連携や研究にも専念できる

当事者である、政府や官僚はいやがって、いいわけをつけて話がすすまないと思われるので、世論として広めることが重要かと思う。

議員も身を切れ。若者へのしわ寄せはもう沢山)
ついでに世論で、議員数や議員歳費も減らしてしまえば良いと思う。

2012/4/29追記)
 国会議員の給与削減も4/27日に、ようやく通った。13%削減。それも自民の反対で、削減額が600万円から540万円に、ちょっと減っている。http://bit.ly/Ilxtzq

 一方、国家公務員の7.8%減給は、2/17に決まっていたようだが、身内である公設秘書の下げ幅は、0.23%となるらしい。http://bit.ly/ItSQJk

 減額の大きさも、決まる順番も、本来は、国会議員⇒秘書⇒公務員の順番になるべきだと思う。。
--

http://blogos.com/discussion/2012-04-03/civil_servant/ にあるように、野田首相は公務員を削減するとのこと。ところが、切られるのは、これから未来がある若者。つまり、採用を削減するだけである。かならず若者にしわ寄せがゆくのが、日本の人員削減である。若者の夢を奪ったら、少子化にも歯止めが掛からない。
政府は2013年度に新規採用する国家公務員を政権交代前の2009年と比べて56%削減することを閣議決定しました。(8511人→3780人)
・公務員採用56%減=13年度3780人、3日に閣議決定-時事ドットコム
さらには、国会議員削減には全く手がついていない。身を切る思いと首相が言うのはどういう意味なのか? 以下に関しては、http://bit.ly/Hb6kce に情報がある。
  1. 国会議員数。 人口当たりの議員数が米国の3倍近くいる。
  2. 世界最高額といわれる年間4,200万円の議員歳費も減らすべき。
  3. 総額319億円の政党助成金も多すぎる。安定してもらえる国費では無く、政治の成果としてもらえるような、国民からの寄付の比重を増やすべき
  4. 新幹線グリーン車タダ乗り放題もすぐにやめて、高速バスにすべし。国会議員なのに、票集めのために地元に頻繁に帰るのも論外。http://bit.ly/H65jTU みたいな、主張も何も無い顔つなぎばかりする政治家には、即刻退場願う。
これに対して、1) 効果が限定的である。2) 政治が混乱して、重要な法案が決まらない
という意見がある。

1) に関しては、民間企業ではどうだろうか。社員の給与削減をするときに、幹部や社長の給与は率先して削減するのではないのだろうか。社長の給料を減らしても効果は少ない。効果云々の問題ではなく、「しめしがつかない」ということだと思う。これはある意味、日本文化の美徳であり、高い労働意識を生んだ要因だと思う。

格差社会の米国では、社員をリストラしても、社長は高給をもらい続けることがあるが、それでは、帰属意識は上がらないと思います。http://bit.ly/HPReyj には、オバマ大統領が公的資金を注入された金融機関の経営者らが巨額のボーナスを受け取っていたことを厳しく批判したとの記事がある。

2) 重要な法案が決まらないは、たしかに現実的な問題だと思う。国会議員は自分に不利益な立法はしない可能性がある。
さらに、議院内閣制なので、行政は独立していないし、司法は、国民の信託を得た国会での立法を憲法よりも優先するという、「司法消極主義」http://bit.ly/HXKk5S が主流のようなので、結局、3権は分立せず、議会の独走を許すように思う。

世論を高めよう)
これら対しては、東京都や大阪市のやり方が参考になると思う。国民の大きな支持を得た政治家が登場し、強権をもって既得権益の片棒を担ぐ政治家達にうむを言わさず改革を進めるのである。
そのためには、まず、そういった世論を高め、マスコミで話題にし、そういう公約をもった政治家を多く国会に当選させることかと思う。これは、冒頭の東北遷都でも同じ。
そうしないと、国会議員達が自己の利権ばかり考える政治は変わっていかない。

2012年4月7日土曜日

日本の将来は暗くない。強い企業もある。

暗い面: 日本では若者の失業が大問題である)

「日本の若年失業率が9.1%」と言っても、その背後には膨大な数の「実質的な失業者」がいると推測される。早期離職者、無業・一時的な仕事、中途退学者の合計を「学校から雇用へと円滑に接続できなかった若年者」として政府は定義し、計算したところ、その割合が52%になった。フランスの22%を抜き、ヨーロッパで経済的に行き詰まっているスペインの若年失業率50%に迫るかも。
日本では若年層の失業がそれほど深刻な社会問題になっていないのは、親元で生活している人がかなりの数に上るためだろう。いわゆる「パラサイト」である。欧米と比べて日本の社会システムが「ソフト」なのは家族の単位で住宅や食糧などの「シェア」が起っているからであるが、それでも35歳で親と同居している人が35%ある、という数字もそろそろ限界に来ている。

ベルルスコーニのもとで漂流していたイタリアでは危機克服のモンティ「学者内閣」が誕生した。閣僚は全員“専門家”であり、一人も政治家がいない。この場合には選挙民におもねる必要がないので冷酷な医者のような財政削減の診断書を書き、さっさと手術を始めてしまった。国民も政治家も口を挟む余地がないくらいの早業であった。というのも上記リンクに書かれている。日本もこれをやってみたらどうか。。

少子高齢化)
http://www.bowlgraphics.net/tsutagra/03/  に、マウスで動かせる日本の人口推移のグラフがある。
先日、国会中継でみたものは、外国人移民増を考えていなかったので、2050年に勤労者1人が老人1人を支えるという、とんでもないことになっていた。
その勤労者の中に、生産しないで上に乗っかっている大企業幹部や天下り族が沢山いるとなると、現場階層の負担はますます増える。
赤字国債も増える一方。リアルタイム国債カウンタhttp://www.kh-web.org/fin/ は恐ろしいことになっている。原発事故でも危機管理ができていないし、若者達に日本に住み続けることを勧められるのだろうか。。

明るい面)
 岡野工業のようにとんでもなく強い中小企業もある。http://bit.ly/HXPGCh このインタビューの岡野社長とっても良いことを言っている。是非ご覧頂きたい。こういう現場バリバリの職人さんがいるところは強い。

日本人の器用さと創意工夫があれば、まだまだ勝てると思う。新素材のCRP(炭素繊維)も基本は織りの技術。F1GPXのモノコックボディの製造も中小企業的なやり方である。職人芸が優れているから、日本やドイツなどの自動車作りは強いという意見もあります。http://bit.ly/v75kXC にまとめた。
一方、上記にあるように、昨今の日本が弱くなったのは、プロセッサの多用により、装置がソフトウェアされた部分。ソフトをかけるプロがほとんど育っていない。ソフトが職人芸だという認識に乏しいので、ソフトを下請けに丸投げする。それでは良いソフトは絶対につくれない。これも上記リンクに書いた。ソフトを下請けで開発するのは世界広しといえ日本だけだと思う。

米国にある産業はサービス産業とはとても呼べない。キャリアにしても、お店にしても、どんどん店員の質が低下している。昔の米国の店員は良かったし、今でも、お年寄りの店員にはプロ意識のある人もいいる。
豊かになると皆ハングリーさを失い適当になるのでしょうかね。企業が利益重視で片っ端からリストラするので帰属意識がさがると思う。教育費の削減による労働社会層の意識低下もあるかもしれない。

日本が米国の後追いをしないように気をつけないとならないが、日本のサービス産業は、まだまだ高いレベルを維持しています。Stanford大の先生たちも、日本のホテルマンの質には驚いています。飛行機の客室アテンダントの質も、日本は、まだまだ高い。サービス産業になればなるほど、日本には勝ち目がある。

今の若者は無気力か)

今の若者は無気力といわれている。http://bit.ly/HtJDDv など。ある私立大学の先生が、今の学生は車もほしがらないといっていた。これで、家もほしがらない、結婚もしたがらない、子供は金がかかるのでいらないとなると、別にあくせく働く必要はでてこない。
親に寄生すればよい。食べる分だけあればよいとなれば、仕事も簡単にやめ、フリータになってしまう。そういう風潮の若者では、途上国のハングリーな人たちに勝てない。

一方で優秀な若者も多い)
日本には大変優秀な若者の店員が多い。一時帰国時にAU shopや羽田空港の売店や各店舗でみた。空港でソフトクリームを2本買ったら、全く垂直に美しく盛られていて、分量も2本で寸分変わらない。確か265円に対し515円を払ったら、ちゃんと250円戻ってきた。米国だと15円は余計だよと戻されるところである。もちろん日本人なら暗算でなんら苦もないところだが、それ以前の問題である。お客が500円玉に15円つけたということは何か意味があるはず。と相手の気持ちで考えることが、米国人にはできないのである。中国人も思い込みが強いのでできない。インド人もそういう思いやりはない。日本人の特技であろう。店を離れるときには、全員でありがとうございました。

AU Shopに携帯を買いに行った。若いおねえさんの店員が2時間近く丁寧に教えてくれた。とても詳しい。携帯でこれこれの音楽をダウンロードするといくら掛かるとか良く知っている。が、一パケット何バイトか聞いても知らないという。不思議に思って、どうしてダウンロード価格を知っているのか聞いたら、自腹で携帯を買って試したり、友人と情報を交換したり、インターネットで調べたりしているそうである。若い女の子なのに、大変職業意識が高くて驚いた。一方で、組織的にサポートされていないのが、日本的でもあった。

新宿のミロードの各階にある服飾屋、若い女性の店員がみな自分の店の服を着て、自らマネキンになって、コーディネートしていた。この職業意識には感動しました。メガネのJiNSも店員がみんなメガネを上手にコーディネートしてマネキンに。サービスもとても良く、仕事が速かった。米国では絶対にありえない。
優秀な若者達は、仕事を楽しんでいるように思う。そういうチャンスを与えてあげたい。

海外進出も良い)
日本人は勤勉なので、国内に産業がなくなっても他国に出稼ぎにでれば、大成功すると思う。そのためには、外国語教育が大事だが、日本人の学力と勤勉さがあれば、小学校ぐらいでちゃんとしたガイジン教師に教育してもらえば十分話せるようになる。どんどん出稼ぎにでて、世界をのっとればよい。
インド人、中国人も勤勉だが、彼らには、「空気を読む」「相手のことをおもんばかる」という特性に欠けているように思う。中国人は思い込みが激しく、PhD保持者でもなかなか意図が伝わらない。また、インド人も自己本位なので、留学生な米国人と仲良くならないともきく。これって大陸人の特徴かも(遊牧民との戦いから、アグレッシブになったともある別途記事を書きたい)。その点、島国日本人は、「和」についてとてもすぐれている。サービス業をやらせれば大成功する。

いまやるべき事は)
まとめると、やるべきことは、

  1. 若者に将来の希望が感じられるように、今の世代が負の遺産を残さない
  2. 勤勉な若者に活路を与える
  3. やる気がない若者に夢を与え、労働に戻ってもらう
1のためには、社会保障費の有効活用、企業の国際競争力の向上、国債発言力の向上などいろいろやることはあると思う。まず一番必要なのは、差別や既得権をなくし、努力したら報われる公平な社会の実現だと思う。


日本の会社は電源Offボタンのないオートパイロット?

比喩)
迷走する日本の大会社のシステム。こんなふうに飛行機にたとえてみた。

  1. 高度成長のころに、どんなパイロット(経営陣、マネージャ)でも操縦できるようにオートパイロット:自動操縦装置(会社構造、スタッフ、事業部制度、関連会社システムなど)を導入した。
  2. このオートパイロットシステムは、昔の持続的成長に最適化されていて、昨今のような不連続変化の時代には適応できない。
  3. また、このオートパイロットには、電源offのスイッチも、パラメータ調整の機能もついていない。対応していない不連続変化の時代になったので、飛行機はでたらめなコースを飛んで、目的地から離れていく。
  4. これはいかん、と皆わかっているのだが、オートパイロットシステムを止められない。やれることは、
    • i) 近場の空港に着陸して(オートパイロットなのに勝手に着陸できるか?というのは置いておく)、今の状況に対応したオートパイロットないしはoff機能のついた新型の飛行機にお客が乗り換える。すなわち、新たな組織の会社に社員が移動する。
    • ii) 飛行したままオートパイロットの配線をいじって、手動操縦に切り替える。つまり会社システムを再構築する。
ところが、パイロットは自分の飛行機に愛着があるので、
    i)はやりたくない。時間もロスするし、新たな飛行機は操縦できないかもしれないので、パイロットから外されるかもしれない。お客(社員)も時間をロスする。お客も取り替えた飛行機に全員乗れないかもしれない。
    ii)は、飛行中に外すのは危険すぎる。
と、いうことで、融通の利かないオートパイロットをそのままにして、少しだけ出来る調整でなんとかしようとする。そうしているうちに、どんどん、パイロットの意図とは違い、乗客も希望しない方向に飛行機は飛んでいく。

ということだろうか。

以前、日本で、あまりの顧客対応の悪さに某銀行の支店に怒鳴り込んだのだが、支店長が、「昔は支店長に権限があったのですが、今は、融資先も本店が決めるし、支店長には全く権限がないのです。お客さんにも不便を掛けているのですが、これも支店では全く変えられないのです。」と、ぼそっといっていた。それじゃ、活力は出てこないし、改善も進まない。これも高度成長時代に作ってしまった、オートパイロットシステムなのだろう。

日本人は、改良発明が得意で有り、家族としての会社だとか、先のオートパイロットシステムとか非常に強いシステムを作り上げた。これが高度成長を成功させ、1980年代に日本を世界の工場、米国をぬいて世界の産業の中心ともいわしめたものであろう。
このとき作り上げた先進のオートパイロットシステムが今の時代に足を引っ張っているのかもしれない。
また、調子が悪くなり、家族としての会社運営は、欧米のまねをして捨ててしまった。ところが、FacebookやGoogleはこれを逆に輸入して強くなっている。欧米のまずい部分をマネしているのも、「欧米をマネすればうまくいく」と思い込んだ、オートパイロットシステムが悪いのかもしれない。

もともとの表現)
ある人がいっていた。高度成長の時に日本は経営幹部がなにもやらなくても回るようにシステムを作り上げてしまった。なにもしなくても回るが、逆に、市場や技術が変化して変えたいときにも、組織(スタッフ)やシステムが邪魔をして変えられない。既得権益の塊の経営幹部が足を引っ張るというこもあるだろう。政治も同じかも知れない。

これを変えるには、大阪の橋下市長みたいに、民意に基づく絶大な権限による独断で、システムをひっくり返すような周到さが必要かもしれない。これができるから、ワンマン社長の経営は調子がよいのかもしれない。

韓国もワンマンが多い。紀伊國屋書店で http://amzn.to/Hi5OOA なぜ韓国企業は世界で勝てるのか (PHP新書) という本を立ち読みして、よさそうなので買ってきた。今後、読んで感想を追加したい。

終身雇用の生んだ甘え

先日、元同僚だった友人が、同期の女子(といっても40歳近いだろう)の飲み会にでて感想を話していた。

女の子の話)
まだ社員として残っている子たちは、結構 色々心配していたらしい。

「会社が何で儲けているのか、よくわからない」

とか、

「分社統合した別会社の方で、組織の整理統合が進むと、要らない人は親会社に戻される」とか。

ぼやいていたらしい。

甘い)
この話から聞くと、どうも会社に、いさせてもらっているという雰囲気である。

「会社が何で儲けているのか、よくわからない」
そんなもの、自分で調査しろといいたい。甘い。当事者意識がない。単なる事務屋だから、切られるとか異動といわれても反論できない。まず、自分の価値を高めるべきである。会社が潰れない、見放されないと思っているから、甘えがでてくる。


緊張感のない終身雇用は、みんな自分の売りがなにかを考えない。会社から見放されるとどこにもいけない。これは、会社にとっても、本人にとっても不幸だと思う。
かといって、米国のように簡単にクビを切られる社会も不安定でやっていられない。解雇がらみで元上司の殺人すら起きる。

会社では、年功序列といいつつ、実際には、「功」は関係なく、「年齢」+ 入社時資格序列のような雰囲気さえ感じる。

山一破綻で、他の会社に行きたくても山一でしか価値がなかった管理職だとか。
銀行が不況のときに会社で冷遇されて、ある小学校では、夜、家で親がコンピュータを投げるほど荒れた家があったとか。。そうまでして会社にくっついていないとならないほど、自分の価値を考えてないのかと思うと不幸である。会社にとっても、そういう人に居座られるのは不幸である。
かつて人事部の人が裁量制度がうまくいかないとぼやいていた。「社員は、だれも自分のキャリアを真剣に考えない」と。

ところが小さな会社は)
私が、ある実験用コンピュータを設計したときに、よく働く派遣の人で若い女性がいた。若いのに仕事が正確で、よく働く。「なぜなの」と、これまた仕事が良く出来るが、本社採用でも無く学歴も低いので冷遇されていたサポートの職人さんが聞いた。
彼女曰く。「小さな会社なので、私がしっかりしないとつぶれちゃう。甘えていられない。」と答えたとのこと。サポートの職人さんは感心していた。
でも、会社の景気が悪くなると、新規採用を減らし、次に、こういう派遣さんを真っ先に切る。その次は、職人さん。本社採用でないひと。本社採用のエリート達は、仕事ができようが、できまいが、最後までぬくぬくとしている。とことん不公平なシステムである。それでは、会社に対する帰属意識は生まれてこない。

終身雇用が生んだ甘えの構造)
冒頭の女の事務員たちの発言を見ると、正規従業員だから切られないと思い込んでいるようである。自分を磨かない。
「要らない人は、本社に戻される。」という、発言に、非常に甘さを感じる。
「要らない人にならないためには、どうしたらいいのか。」という議論であるべきである。
意地悪な見方をすれば、1980年代には、「女の子は勉強しなくても良いから、お金が稼げるひとの、お嫁さんに成れば良い。」と言われていた。1985年に雇用機会均等法 http://bit.ly/HvD6nF ができ、女子の採用差別が禁止されたが、依然として、一部の女性には、それ以前の甘えが文化として引き継がれているのかもしれない。
頑張ろうとしている女性も、男性から、そういう色眼鏡で見られてしまうになる。本当に残念なことである。

以前、1990年代に共同事業でSGI/MIPSに駐在したときには、パートタイムの受付嬢が、試験をうけてSGI正規社員になり、また試験をうけてSGIのマネージャになった。こういうチャンスを与えないのも、甘えをうむ原因だと思う。

なにかと他人任せの日本の文化だが、先の東関東大震災でも、政府が信用できない。というのがわかり、自己努力で国際化を目指す企業が増えてきたように思う。パニック防止なのか失敗隠蔽かは知らないが、情報を隠蔽しても、インターネットの時代には全て伝わってしまう。

他人任せにして、自分の失敗を人の性にする。「幼稚園児じゃあるまいし」と、感じませんか。

2012年4月6日金曜日: この議論はどこがおかしいのか?


も、終身雇用が生んだ甘えが、まじめに会社の行く末を考えないことの原因になっているのかもしれない。

2012年4月6日金曜日

この議論はどこがおかしいのか?

日本的な考え方としては、「相手の気持ちを汲む、言って欲しいことをいう。」これは美徳だと思う。が、それだけでは、問題解決がしにくい。

最近、日本の中研の人とこういう議論をした。どこがおかしいのだろうか。。

  • 私)中央研究所はつぶしてしまった方が良かったのかも知れない。
  • 彼)   そんなことはない。中研は未来につながる研究をしている。
  • 私)そうですか。未来に繋がった成果ってなにがありますか? 具体的に示してもらえませんか?
  • 彼)いや私は入社してそんなに長くないので分かりません。(でも彼はもう10年は中研にいると思う) 40年後とかそういう未来につながるのです。
  • 私)40年後とかって、投資が続かないんじゃないのでしょうか。成果が見当たらないなら、やっぱり、つぶしても問題ないんじゃないの?
  • 彼)そんなことはない。事業部が研究所の成果を受け取ることができないからダメなんです。
  • 私)事業部が悪かろうが、研究所が悪かろうが、成果が役に立たなければ、研究所は、いらないんじゃないの?
  • 彼)あなたはすぐに極論に走る。このまえも、そうだった。(このときも、ベンチャーをつくって優秀な社員の行き場を作れば良い。時代についていけない人は、そうすれば気づくはずだ。。と言ったはず。会社をつぶせという論理が気にくわなかったのかな。。)
  • 私)極論じゃなくて、研究成果が会社のためにならないなら、成果を事業に繋げるところまで責任を持たなきゃ、やっている意味が無いでしょ。私は、かつて並列プロセッサの研究成果を5年以上かけて製品化しようとやってきましたよ。
    最後の最後になると、「もっと儲かるはずだ」「金がとれるはずだ」といろいろ足を引っ張られて、失敗しちゃったけれど。そういう結果を考えると、事業化まで責任をもってやってみてから、研究のやり方も事業化のやりかたも工夫すべきなんじゃないの。研究だけやっていてうまくいくわけじゃないと思うけれど。。
彼との議論は、平行線のまま終わりになった。いずれにしろ、「あなたは極論に走る」と相手の人格に対する発言をして論題をずらすのでは、何も得られないのではなかろうか。
日本人相手には、こう言う議論のぶつけ方をしてはいけないのだろうか。

皆さんはどう思いますか?

議論のあり方については、以下にも考察した。

2012年1月18日水曜日: あるべき議論のやり方


2012年4月7日土曜日:終身雇用の生んだ甘え

 も、会社の将来を自分のこととして考えない原因になっているのかもしれない。

Cyber Physical Systemとオンライン大学

IT業界でCyber Physical Systemという言葉が流行始めているらしい。
ITメディア http://nkbp.jp/HRwpRS にも記事がある。

平たくいえば、システムインテグレーション(SI) に、分散処理技術を導入しようというものであり、SIを言い直しただけだとも思える。

これは米国の研究でも流行のようであり、去る2012/4/2-4にStanford大学で行われた、Computer Forum Annual meetingでもこの傾向の研究と発表が多かった。具体的には、
  1. オンライン大学に関する技術
  2. 途上国での携帯端末の活用
  3. SNSにおける携帯端末の活用。Facebook独占からの離脱
などである。他にも 4) 知識処理、5) プライバシー・セキュリティ に関する発表があり、この5つが最近の研究の流行を反映している。知識処理を除いては、基礎技術やプラットフォーム(装置)の研究というよりは、ITをいかに、実社会に応用していくかという研究で有り、かなり社会学的な側面が強い。

1.に関しては、米国の教育コストの増大があげられている。(そのうち、別記事に分割し、補足・整理するが写真を記載しておく。

オンライン教育の参加者数

オンラインにすることで、学びが活性化 
米国での各種価格の高騰。一番上にある、一番高騰している価格が教育費である。
これを無料のオンライン教育でなんとかしたいとStanfordは考えている。
私立であるStanford大の収益構造はどうかわるのか? 以下の観点をどう考えているのか質問したら、「うーん。それは、ランチの時の話題だねぇ。」と、はぐらかされた。経営課題でもあり、経営専門家とも議論しないでの即答はしにくいのであろう。

  1. 授業にでている正規の学生と、無料のオンライン学習の学生との不公平感から、学費を払う学生が減って、大学の収益構造がかわるのでは。。(学びは無料だが、単位取得や学位取得を有料にするとか?? それで、コストの構造は変わるのか。。ロングテール対象なので、安く出来るのか。などいろいろ考えられうる。)
  2. オンラインシステムにともなう、装置や維持コストの負担。

Cyber Physical Systemに関して、以下の発表から重要な知見を引用したい。
用語)
  • m4d: mobile for development : 途上国(?)支援のための携帯端末
  • human center design: 人間を中心におく設計
以下のTerry Winograd教授による研究発表は、ケニア・ナイロビでの携帯端末の応用である。ケニアの携帯普及率は非常に高く、環境はシリコンバレー以上に進んでいるとのこと。ところが、水道は整備されておらず、水を給水ポイントに買いにいくような状況。水道管破裂とかで給水ポイントが上手く機能していないことが多く、その場合には、水を探して給水ポイントを歩きまわり、一日のうち数時間をこれにつぶすらしい。給水点情報を、携帯電話の活用でIT化する実験である。
Stanford大学の研究をみていると、米国は、もはや発展が見えてきた中国よりも、アフリカや南アジアなど、これから発展する大市場に目が向いているようである。


ケニアでの実験。魚の市場価格を携帯電話で配信するシステム。これを3つの地点で導入した。横軸が日にち。縦棒が導入した時点。縦軸が魚の市場価格。導入したとたんに価格の変動が小さくなっている。漁師の収入が安定したということである。モバイルを利用したITの有用性の根拠として示していた。

モバイルを利用した技術を導入するには、深い知識に加えて、幅広い知識に基づく、システム設計の能力が必要である。という図。米国で30年以上前にT字型人間というのが流行った。日本では、これを拡大して、より知識彫り込みの強いV字型人間と、叫ばれて、もう30年以上経つ。どちらも、スローガンだけで、あまり実践されてきていないということだろうか。

これが重要な図。技術の占める割合は小さく、設計が重要。
上記の図を解説すると左から
  1. Understand: 状況・環境の理解
  2. Observe: 観察
  3. Point of view: 視点(の整理)
  4. Ideate : さまざまなアイディアだし
  5. Prototype: プロトタイプシステムの作成
  6. Test: 試験
技術が必要になるのは、プロトタイプ作成のところだけであり、また、革新的な技術はあまり必要としない。特に、プロトタイプを作ってはじめて得られる知見も多いので、小さく始めることが重要である。例えば、10の町を対象にしたシステムを最初から作るのではなく、1つの町だけを対象に小さく作れということである。とかく、オーバスペックなものから入る日本(の大企業) はこれが不得意に思う。
そして、フィードバックループを回すことが大事である。すなわち製造者みずから設計者である必要があり、設計者が現地に出向いて、現地で仕事をしろということであろう。

最後の件は、かつて:
2011年11月12日土曜日: 外注を使うのは日本だけ
にも考察した。昨今日本のIT企業の調子が悪いのも、システムの根幹を占めるようになってきたソフトウェアの開発能力が、(特に大企業において)欧米に比べてきわめて低いことが理由の一つでは無かろうか。


 もう一つ重要なのは、現地の大学と共同研究するだけではうまくいかないという指摘である。現地でも大学に来ているのは、上流階層が多く、結局のところ本当の市場の課題が理解できていない。教授たちが発見したのは、大学の学生を通訳に使って、現場の本当の要望を吸い上げることである。とのこと。考えてみれば当たり前のことかもしれない。
 これをやらないと、途上国で受け入れられるシステムの開発は難しいように思う。


 また政治や地元通信会社との交渉などの社会的な側面が非常に強いとのこと。交渉能力がなければ、成立しえない。
特許システムの開発失敗を省みると)
特許庁の基幹システムはなぜ失敗したのか。元内閣官房GPMO補佐官、萩本順三氏の述懐: http://www.publickey1.jp/blog/12/gpmo.html  
まとめると、
  1. IT技術の活用をイメージできず盲信している業務モデル
  2. (フロー)説計の不慣れさ
  3. プロジェクトマネジメントの問題
  4. 業務モデルは発注者の理解と覚悟の元作成している間違い
とのことである。先のStanford大がいう、M4d開発には全く及ばないように思える。

http://www.publickey1.jp/blog/12/it_17.html にも日本のIT業界の問題が指摘されている。
このままでは、Cyber Physical Systemも、絵に描いた餅に終わりかねない。

日本人は大変優れている)
日本の技術者は、以下の点で大変優れている。
  1. 知識量が多く、技術的に優秀
  2. 顧客の意見をくみ取る能力が高い。聴く・読む教育ができている
  3. きわめて勤勉で有り、朝8時から夜22時過ぎまで働く。米国では9時から18時程度。フランスでは、さらに長い昼休みがある。が、ともに外注などつかっていない
が、これで全く世界に通用しないのは、やりかたが悪いにつきる。もっと効率的に利益があがるように、従来の失敗を反省し、やり方を工夫すべきである。

問題点)
  1. 議論ができない。すぐ論点がずれる。議論することを「争いごと」と考えて嫌う:

    2012年1月18日水曜日:あるべき議論のやり方


    に書いた。
  2. 反省をしない。成功も失敗も振り返って自分のものにしない。誤りを成功のための打一歩と考えないで、「ぶざまな失敗」だと思い込む
    より速く適切に学べる人」: http://bit.ly/yiXqy2

  3. 均質指向であり、自分たちに対して異質なものを正しく理解できない

    2012年3月4日日曜日: 単一文化の危険性

    に書いた。