自民党が戦後はじめてとなる日本国憲法の改憲を目指している。
2012/4/27のNHKニュース
http://bit.ly/IMv7py でも報じられている。
自民党のHPに改憲案がある。
http://bit.ly/Igi8PR である。下に示すように現法憲法と上下に比較表示されているのでわかりやすい。
物議を醸しそうな内容なので、すこし調べてみた。国民と議論して合意を得ることができないものを、全部憲法にして強制しまえという考え方がみられ、ものすごく短絡している。議論をして問題解決ができなければ、政治家としての存在意義はない。
議論になっているものを、全部憲法に突っ込んでも、到底国民投票での賛成は得られない。どういう戦略をもってこんな改正案を考えたのか。全く理解に苦しむ。
米国憲法
http://bit.ly/JKMLOe のように、修正条項を追加できるという規定だけの修正にして、修正条項を一つずつ議論しながら憲法を改正していったほうが、現実的なのではなかろうか。
はじめに)
自民党の改憲案では、国歌や国旗も憲法で保障して変えられないようにしているが。米国憲法でも国歌や国旗などは規定していない。元号にしても憲法で定めるべきではないです。かなり妙な改憲案である。
憲法というものは、国や強い者が、法で弱い国民をいじめることがないように抑制するための基本ルール、最高裁判所が三権分立で立法と行政をコントロールするためのよりどころだと思う。だからこそ、国会ですら、簡単に改正できなくなっている。
これと全く逆のことが、改正案に新設された102条 「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」で言われている。
これが分からない政党が憲法改正を云々するのは論外中の論外。義務教育を受け直した方が良いほど低レベル。。
日本は司法消極主義(憲法の番人であるべき最高裁すら、選挙で選ばれたと言うことで国会の決定を重視する)ので、三権分立が成立していない。
司法積極(消極)主義:
http://bit.ly/9M7tbx 米国、韓国は日本と反対に司法積極主義である。
もはや憲法はどうでもよいのかもしれない。。。だからこそ、憲法九条
http://bit.ly/Rr5IKq があっても、自衛隊という兵力を保持できたように思う。
まずそれを直さないと、ヒットラーみたいな人間がでてくると、またも国民意思を無視したままま、戦争に突入しかねない。
他にも)
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm
に対比したコメントがある。これを見ていただいても、本来有るべき憲法ではなくて、非常にきな臭いことがわかる。
改憲要旨は以下のようになる)
- 天皇は日本の元首である。
- 国旗は日章旗とし国歌は君が代とする
- 元号を制定する
- 天皇が国民のために、内閣の進言にもとづき国事行為を行う(なんだか、この進言というのが、天皇主権のようで怪しい。。)
- 国防軍を配備する
- 武力による威嚇および武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。前項の規定は自衛権の発動を妨げない。内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。国は、領土、領海および領空を保全し、その資源を確保しなければならない。
- 自由および権利には義務が伴い、公益ならびに公の秩序に反しては成らない
- 14条 国民は障害の有無では差別されない(これは良い条項である)
- 15条 公務員を選挙で選ぶ場合は、日本国籍を有する人の投票による
- 宗教の自由。宗教団体が政治上の権力を行使しては成らないという条項が外された。国ならびに地方自治体の宗教活動には儀礼によるものは除外される
- 21条 表現の自由。公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない
- 24条 家族は、社会の自然かつ基本的な単位として尊重される。家族は互いに、助け合わなければならない
- 28条 公務員の権利の制限
- 18条「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」がまるごと削除されている。つまり徴兵制が可能になる。
- 102条 「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」これは、全く逆であり、憲法の理念を理解していない。憲法というものは、強い者、特に国会が自由に立方できるため、それで弱い国民をいじめることがないように抑制するための基本ルールであり、だからこそ、国会ですら、簡単に改正できなくなっている。これが分からない政党が憲法改正を云々するのは論外中の論外。
- 憲法改正は国会の過半数ならびに国民投票における有効投票の過半数
- ほかにも随時追記していく
根本的な間違い)
自民党の保守主義者たちは、憲法に道徳を盛り込んだり、国歌規範を入れたり、個人の権利の制限をいれようとしている。
つまり、憲法は強いものである国の暴走を押さえるための法律で有り、なのに、国歌、国旗を定め、元号の使用を規定したり、「国民の人権は時に制限される」とか書いたり、個人道徳やら、個人の人権制限を記載している。
もはや政治家とは思えないような狂った思想、ないしは、政治が分かっていない人が居るのが、自民党のように思う。自民全員が.. とは思わないが、このような憲法草案をだしてくるようでは、とても一党独裁状態にして大丈夫と思えるような政党ではないと思う。
個別問題)
大きな問題は6,7, 11,14であるが、上から順番に検討していく。
元首) これは、大日本帝国憲法のように天皇が日本を支配するという意味ではなく、国事行為を誰が代表として行うかということである。
元首をどうするか以前に、男子継承をなんとかしないと困ることになるだろう。女ばかりの宮家なので、姫が嫁げば、宮家は全部断絶する。対策としては、以下がある。
- 女帝を可能にする
- 女性が嫁いでも宮家を継続する
- 断絶した宮家には男性が結構いる。 http://bit.ly/HO75h3 これを復元する。
1には根拠のないY遺伝子継承説があったり、物議を呼びそうである。Y遺伝子については直接関係ないので末尾に書く。
また、現在の宮内庁は、英国王室に比べて、途方もなく金をムダに使っている。これに関しては後日議論したい。
米国は、ナショナリズムが強く、「米国 is ナンバーワン!!!!」の思想の変な国だが、憲法は、合衆国のシステムの定義と、自由を保障していると思う。
http://bit.ly/JKMLOe
なので、合衆国憲法には、国旗、国歌に対する規定はない。
http://bit.ly/JKKPW8 そんなの憲法で規定するものじゃない。
米国のナショナリズムに関しては以下に書いた。
2012年1月18日水曜日:
America is number oneはうざい
TRONでも、スーパー301条でも、トヨタバッシングでも日本はヒドイ目にあっているのに、それに対処できていないのは政治家(正確には外務省)のふがいなさである。それを放置しておきながら、国旗・国歌を制定sも機能しないと思う。
ちなみに私は国旗・国歌に関して調査した結果、以下のように考えている。
2012年1月2日月曜日:
世界各国の国歌 - 君が代に誇りを
元号)
このグローバルな時代に、元号は非常に不便である。政府が公文書に強要するので、私文書にも使う企業がいる。そもそも、憲法で規定するようなものでは無い。反対理由は以下の通り
- 国民の総意であるべきなのに、全く説明も議論もなく、政府の一存。
- 本来、任意利用であるべきなのに、公文書に強制するのはケシカラン。それをマネして、会社など私文書でも使い出す。
- グローバルな時代に反している。
- しょっちゅう変わるので計算がしにくい。
- 昭和生まれの人は。。平成生まれの人は。。と、年齢差別感情を生む、原因になりかねない。(ま、西暦でも1980年代生まれとか、いいだすので、大した差ではないですが。。)
中国も西暦を使っているし、韓国も西暦を使っている。
台湾では、民国起源
http://bit.ly/HCwTJb が使われている。ただしこれは和暦と違ってしょっちゅうは変わらない。
国粋主義と思える中華人民共和国では、西暦である、これは共産主義が従来の政権システムを否定する、世界のスタンダードであるという観点であるかも。
韓国でも、
http://bit.ly/HCxr1K 西暦が用いられている。
http://bit.ly/HCxyu4
天皇が即位したときに年号がかわるので、同じ年が昭和と平成になっているのだと、台湾の友人に説明したら驚いていた。ま、そのわかりにくさが日本らしさだといえば、それまであるが。 平成:
http://bit.ly/HCxZot
和暦 http://bit.ly/SVNHST 1989年1月7日までは昭和64年で、1989年1月8日から平成元年である。なので、1989年生まれのひとには、昭和64年生まれのひとと、平成元年生まれのひとがいる。
昭和元年なんて、1926年(昭和元年)12月25日から6日しかない。日本の伝統とはいうものの、しょっちゅう変わるし、わかりにくいことこの上ないので、書類上は全部西暦にすべき。
年号が変わると役所の書類入れ替えのコストも馬鹿にならないらしい。カレンダー屋も大もうけらしい。
軍備)
これが一番怪しい。有事に使えない自衛隊をまともに使えるようにしたいのは理解できる。が、ここの規定はよくよく考えたい。
「前項の規定は自衛権の発動を妨げない。内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。」「9条の3: 国は、領土、領海および領空を保全し、その資源を確保しなければならない。」とある。これは、領空・領海侵犯したら撃ち落とすという宣言でもある。ヘタをすると隣国と戦争である。。。戦争をするのはしょうが無いとしても、今の日本にはそれを完遂できる指揮系統もその後の外交をおさめられるレベルの政治家はいない。
「国の交戦権は、これを認めない。」という現憲法の条文を、「武力による威嚇および武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」とかなり緩めている。
武装をゆるすと、自衛という名目で何でも出来る。極端な例であるが海外の大使館内は国際法上自国領土
http://bit.ly/IglbYk なので、そこへ領土保全という名目で軍用機を飛ばすことも可能。ま、邦人救出としては嬉しいが、当然日本の軍がやってこれば交戦状態になる。
海外には派兵しないとはないので、海外の領土を守るためにという名目で戦争もできる。
13条には、国防軍の裁判は、軍内に裁判書を置くとなる。軍事法廷である。当然軍の機密は別に管理されることになる。
ともあれ、どのように憲法を変えても、日本の米国に対する外交姿勢は変える必要があると思う。以下に現状について解析した。
公の秩序)自由や権利には義務が伴うのは当然のこととしても、公益ならびに公の秩序に反しては成らないというのは、国家による用地収容や強制執行の強化に繋がりうる。その後ろの13条でも、現憲法の「公共の福祉」を「公益ならびに公の秩序」に変更している。(米国憲法ではどうなっているのだろうか。。後に調べてみたい)
21条にある、「公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない」は、政府転覆と見なされれば、表現の自由を束縛するということである。まさに中国や北朝鮮のような情報統制を許すことになる。
米国憲法でも表現の自由と、結社の自由は保障されているが、国家としては、国家の保全を図りたく、米国でもこれは抑制されてきているとある。
http://bit.ly/Jirbd9 が、あくまでも憲法という抑止手段があれば、バランスが保たれるのであり、一方的に力をもつ国家の暴走を禁止するための憲法で、これらの自由を奪うことには、問題が多いと考える。
選挙権)
公務員、すなわち、中央、地方を問わない議員などの選出は、日本国民以外には投票権がないことを明言している。いま議論になっているものを、なし崩しで、日本国民に限定することになる
憲法改正)
憲法の改正規定も、「各議院の総議員の3分の2以上の賛成。国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」とあるのを、「衆院または参院の議員の発議により、両院のそれぞれの総議員の過半数の賛成で国会が議決、国民投票で有効投票数の過半数を得る。」投票数をあげる必要がないので、無関心な人が多ければ憲法は簡単に改正できるわけである。
男系相続とY染色体の関係)
性別を決めるX,Y染色体とY染色体が男親からだけ引き継がれることについては
http://bit.ly/HN8fnJ にある。が。Y染色体は変異しやすいし、そこで渡されるものが性別を決めるが他の遺伝的形質に対してどれだけ影響があるのかは、不明。
NHKの元キャスターの磯村尚徳、松平定知、二人は従姉妹なので似ているのはわかるが、ご先祖さまの徳川家康にも似ていると思う。ということは、家康の肖像画はかなりリアルだったということか。。(以下写真)
ところが、
http://bit.ly/ItIYzQ にあるように、磯村キャスターは、母方で松平家に繋がっているので、男系直系ではない。さらに、上記URLの下や、(久松松平家)
http://bit.ly/ItJii4 にもあるとおり、 徳川家康と松平家は、伝通院 つまり家康のお母さんでつながっているので、この3人はY染色体は全く別物である。ということで、上記写真をみて男子直系の肯定をするのは、全く根拠のないことである。
天皇家が本当に男子直系なのかについては、
http://bit.ly/ITlDKl に説明がある。とにかく血の繋がった男子で繋げてきているので、Y染色体は引き継がれている可能性がある。が、この効果は上記のように不明。Y染色体が発見されたのが、1905年
http://bit.ly/HN8fnJ である。子供は母親が育てるので、母親の居心地が良い母系の方が自然である。にもかかわらず男系をとっている理由として、Y遺伝子の保存を関係づけた説も多々あるが、結局の所、闘争的で権力者になりやすかった男性のわがままなのか思い込みに過ぎないように思える。
終わりに)
このような改憲案を出してくる自民党は、どうかしている。
民主党は、昨今大臣の幼稚な失言をして、続々辞任しているし、北朝鮮ミサイル発射対応も、原発問題の対処も無策である。そろそろ日本の政治家は総取っ替えする時期なのかもしれない。
国がだめなので、地方の政治にまともな人が流れつつあるのかもしれない。地方から国を変えろ、そのほうが、妥当かもしれない。